17年08月31日
在留資格(いわゆるビザ)の申請が不許可になったのですが。
問 私は就職が決まり、入社予定の会社の人事の方が私の在留資格留学生の在留資格から技術・人文知識・国際業務への在留資格の変更する申請をしてくれたのですが、不許可になってしまいました。会社も私も当然許可されるものと思って、私は入社前教育の研修会にも参加していました。会社からは在留資格が不許可の場合は採用を取り消すこと、また、本来在留資格の変更は本人がすることだとも言われました。私はこれからどうすればいいのか分かりません。母国に帰らなければならないのでしょうか。
答 在留資格の変更や更新が不許可、若しくは在留資格認定証明書が不交付というのは、会社を含めて一般の方が申請した場合は時々発生します。もちろん入国管理局に届出済みの行政書士が相談にのり、入国管理局へ取り次いだ場合も稀に発生します。そういう場合は、まず第一に申請人本人(日本にいない場合は代理人の方)が審査窓口の入国管理局に不許可(または不交付)通知書を持って不許可(または不交付)の具体的な理由を聞きに行くことをお勧めします。
一緒に同席した経験から言うと、審査官が具体的な理由を言ってくれることはあまりありませんが、その理由を推定できる程度のことは教えてくれます。そのとき、できれば入管法令をある程度正確に理解していて、さらに法令の運用(窓口の法解釈)もある程度理解している実務経験のある専門家(多くの場合、入国管理局への申請取次届出済行政書士)に同行してもらった方がいいと思います。但し、不許可(または不交付)の理由を聞くのは、あくまでもあなた自身であることを忘れない下さい。
というのは、入国管理局では平成16年10月1日入管局長通達から比較的最近では平成18年5月8日事務連絡まで何度か不許可・不交付の理由が不明確であること、あるいは法令の定めるいずれの要件に適合しないのか正確な事実認定に基づいて判断しなければならないこと等が内部通達や事務連絡という形で行われているので、申請人(若しくは代理人)からの質問にもある程度答えてくれます。不許可(または不交付)の理由は色々あります。そもそも要件に適合しないこともあれば、要件に適合していてもそれを立証する提出した資料が不足していることもあります。
私自身も申請人が会社に協力してもらい自分で申請して不許可になったケースで、後日在留資格に適合する業務がどの程度発生するのか立証書類を揃えるよう助言して入国管理局に取次ぎ、最初の不許可から1ヶ月程度で在留資格認定証明書の交付を受け、その認定証明書を添付して申請人の短期滞在(帰国準備)の在留資格から就労資格への変更を許可してもらったことがあります。すぐあきらめずに、ある程度経実務経験のある専門家に相談したらいかがでしょうか。
答 在留資格の変更や更新が不許可、若しくは在留資格認定証明書が不交付というのは、会社を含めて一般の方が申請した場合は時々発生します。もちろん入国管理局に届出済みの行政書士が相談にのり、入国管理局へ取り次いだ場合も稀に発生します。そういう場合は、まず第一に申請人本人(日本にいない場合は代理人の方)が審査窓口の入国管理局に不許可(または不交付)通知書を持って不許可(または不交付)の具体的な理由を聞きに行くことをお勧めします。
一緒に同席した経験から言うと、審査官が具体的な理由を言ってくれることはあまりありませんが、その理由を推定できる程度のことは教えてくれます。そのとき、できれば入管法令をある程度正確に理解していて、さらに法令の運用(窓口の法解釈)もある程度理解している実務経験のある専門家(多くの場合、入国管理局への申請取次届出済行政書士)に同行してもらった方がいいと思います。但し、不許可(または不交付)の理由を聞くのは、あくまでもあなた自身であることを忘れない下さい。
というのは、入国管理局では平成16年10月1日入管局長通達から比較的最近では平成18年5月8日事務連絡まで何度か不許可・不交付の理由が不明確であること、あるいは法令の定めるいずれの要件に適合しないのか正確な事実認定に基づいて判断しなければならないこと等が内部通達や事務連絡という形で行われているので、申請人(若しくは代理人)からの質問にもある程度答えてくれます。不許可(または不交付)の理由は色々あります。そもそも要件に適合しないこともあれば、要件に適合していてもそれを立証する提出した資料が不足していることもあります。
私自身も申請人が会社に協力してもらい自分で申請して不許可になったケースで、後日在留資格に適合する業務がどの程度発生するのか立証書類を揃えるよう助言して入国管理局に取次ぎ、最初の不許可から1ヶ月程度で在留資格認定証明書の交付を受け、その認定証明書を添付して申請人の短期滞在(帰国準備)の在留資格から就労資格への変更を許可してもらったことがあります。すぐあきらめずに、ある程度経実務経験のある専門家に相談したらいかがでしょうか。
14年11月15日
国際結婚はしたけど在留資格が得られない。
問 私は国際結婚紹介所の斡旋によりフィリピンでお見合いをして国際結婚をしました。その後、この国際結婚紹介所の指示に従い申請書類を揃えて、結婚相手の入国のための在留資格の申請手続きをしてもらいました。ところが、数ヵ月後、この国際結婚紹介所から「配偶者の在留資格が得られなかった。」との連絡が入りました。そこで、今後のことを質問したところ、「もう一度申請してみる。」とのことでした。
私はこの国際結婚紹介所にすでに300万円以上のお金を支払っています。また、国際結婚紹介所との契約で彼女が来日するまでは彼女に毎月30,000円を送金することになっています。このようなわけで、これからどうすればいいのか途方に暮れています。
答 うーんそれは大変ですね。まず国際結婚の常識的なことから説明しましょう。国際結婚をすることと結婚相手(配偶者)の在留資格の認定を受けること、さらに査証(いわゆるビザ)が発給されることとは違います。在留資格の認定は、法務省入国管理局、査証の申請は外務省在外公館、さらに入国許可は法務省入国管理局(各空港出張所)が行います。
ところで、あなたがどのような名目で300万円以上のお金を支払ったのか分かりませんが、その国際結婚紹介所との契約内容には国際結婚の斡旋・婚姻手続きは含まれているとしても、配偶者の日本への入国も含まれているのですか。あなたは300万円以上支払ったのですから、その契約内容を一通り読んだと思うのですが。
もし分からなければ、もう一度読み直して見て下さい。たぶん配偶者の入国手続きをするとは記載されていても、入国そのものまでは契約内容に記載されていないのではないでしょうか。そうすると、国際結婚紹介所は契約内容に定められている債務の履行はしているので特定商取引法その他の法令違反の事実がない限り契約違反ということにはなりません。もっともこのような契約内容自体が公序良俗に反するかどうかは別な問題ではあります。
もうひとつ気になることがあります。メールだけではよく分からないのですが、あなたは入国管理局から郵送された不交付の通知書をもらっていますか。この不交付通知書には、不交付の理由とその根拠となる事実を具体的に記載することになっています。(平成17年8月11日局長通達、平成11月17日課長通達)
そして、今回の不交付の理由やその根拠に基づき不交付の理由が何かを突き止めることが必要です。そのため場合によっては申請先の地方入国管理局にあなた自身が出向き、直接審査官に質問してみることも大切です。ただ、理由を突き止めるには入国管理法令や法令の適用(審査の際の法解釈)等の正確な知識が必要なので、できれば専門家の方に同行してもらった方がいいでしょう。
ところで、結婚相手の方にはすでに不交付であることを連絡しましたか。彼女には誠意をもって正直に報告しておきましょう。
また、国際結婚紹介所と言っても比較的良心的な紹介所もあれば限りなく詐欺に近い紹介所もあります。私はあなたの利用した国際結婚紹介所の紹介料金が通常の国際結婚の相場よりも高額なことが気になります。その国際結婚紹介所の評価や利用も含めて、再度申請するときは国際結婚の業界にも詳しい入国管理法の専門家に相談することをお勧めします。
私はこの国際結婚紹介所にすでに300万円以上のお金を支払っています。また、国際結婚紹介所との契約で彼女が来日するまでは彼女に毎月30,000円を送金することになっています。このようなわけで、これからどうすればいいのか途方に暮れています。
答 うーんそれは大変ですね。まず国際結婚の常識的なことから説明しましょう。国際結婚をすることと結婚相手(配偶者)の在留資格の認定を受けること、さらに査証(いわゆるビザ)が発給されることとは違います。在留資格の認定は、法務省入国管理局、査証の申請は外務省在外公館、さらに入国許可は法務省入国管理局(各空港出張所)が行います。
ところで、あなたがどのような名目で300万円以上のお金を支払ったのか分かりませんが、その国際結婚紹介所との契約内容には国際結婚の斡旋・婚姻手続きは含まれているとしても、配偶者の日本への入国も含まれているのですか。あなたは300万円以上支払ったのですから、その契約内容を一通り読んだと思うのですが。
もし分からなければ、もう一度読み直して見て下さい。たぶん配偶者の入国手続きをするとは記載されていても、入国そのものまでは契約内容に記載されていないのではないでしょうか。そうすると、国際結婚紹介所は契約内容に定められている債務の履行はしているので特定商取引法その他の法令違反の事実がない限り契約違反ということにはなりません。もっともこのような契約内容自体が公序良俗に反するかどうかは別な問題ではあります。
もうひとつ気になることがあります。メールだけではよく分からないのですが、あなたは入国管理局から郵送された不交付の通知書をもらっていますか。この不交付通知書には、不交付の理由とその根拠となる事実を具体的に記載することになっています。(平成17年8月11日局長通達、平成11月17日課長通達)
そして、今回の不交付の理由やその根拠に基づき不交付の理由が何かを突き止めることが必要です。そのため場合によっては申請先の地方入国管理局にあなた自身が出向き、直接審査官に質問してみることも大切です。ただ、理由を突き止めるには入国管理法令や法令の適用(審査の際の法解釈)等の正確な知識が必要なので、できれば専門家の方に同行してもらった方がいいでしょう。
ところで、結婚相手の方にはすでに不交付であることを連絡しましたか。彼女には誠意をもって正直に報告しておきましょう。
また、国際結婚紹介所と言っても比較的良心的な紹介所もあれば限りなく詐欺に近い紹介所もあります。私はあなたの利用した国際結婚紹介所の紹介料金が通常の国際結婚の相場よりも高額なことが気になります。その国際結婚紹介所の評価や利用も含めて、再度申請するときは国際結婚の業界にも詳しい入国管理法の専門家に相談することをお勧めします。
14年06月09日
19歳の娘を呼び寄せることができますか?
問 私は日本人の夫と再婚し「日本人の配偶者等」の在留資格で来日してから2年半になります。パートをしながら日本の生活にも慣れ、夫とも幸せな日々を過ごしていますが、最近本国に残してきた前夫との19歳の娘のことがとても気になります。昨年高校を卒業し、実家で私の両親の農業を手伝っていますが、私を慕いいつも寂しがっています。それを再婚した夫に相談したところ、それなら日本に来て一緒に住んでもいいと言ってくれました。娘も日本に来る希望を持ち始め、日本語を勉強し始めたようです。そこで、日本に長く住んでいる私の友だちに娘を呼び寄せることができるか相談したのですが、「自分の娘だからすぐ来れる。」という人と「簡単には来れない。」という人がいました。実際のところ、私の娘を呼び寄せて一緒に生活することはできるでしょうか。
答 娘さんが滞在期間3ヶ月以内の「親族訪問」を目的として日本に来ることは比較的可能かと思われます。
しかし、「一緒に住む。」ことを目的に日本に来ることはそれほど簡単ではありません。現在、あなたのような在留資格で海外にいる実子を呼び寄せるには、入国管理局に娘さんの「定住者」の在留資格を認定してもらわなければなりません。定住者告示(第三十七号六(ニ))には、「日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子」は定住者の在留資格に該当する旨が定められています。
ただ、実務では18歳、19歳の実子に関しては認定されないことが多いと思われます。理由は、18歳、19歳はすでに就労年齢に達しており就労目的で入国するのではないかと疑われるからではないかと思います。それにしても、日本人なら18歳、19歳の娘や息子が親のもとで働くのは普通のことなので、何とも不思議な基準ではあります。
しかし、定住者告示に「未成年」と定められているように、18歳19歳の実子では「定住者」の在留資格を認定されないという意味ではありません。申請の際のポイントは、一つ目は娘さんを日本に呼び寄せて一緒に生活する必要性と、入国後の予定を「(招へい)理由書」にしっかり書くことです。二つ目は、あなたの夫とあなたの世帯合算年収が娘さんを扶養するに足るかどうかを証明することです。
最後に、個人的な意見を少し述べさせて下さい。私は子が親と一緒に生活するのに理由なんて必要なのかといつも思っています。
それと、私はあなたが娘さんを、あなたとの身分関係(親子関係)で入国させるより、日本語学校に「留学」という在留資格で入学させた方がいいのではないかと考えています。というのは、娘さんが日本に来てどのような道に進もうとも日本語が話せなければそれが障害になります。そのことを来日して2年半のあなたが一番よくご存知なのではないでしょうか。
また、入国後いつまでもご両親の扶養を受け続けることはできないし、いずれは自立しなければならないと思うのです。それに、日本語学校には同じような年齢の同じような立場の留学生がたくさん在籍しているのでアルバイトや色々なことを教えてもらえるのではないかと思うのです。確かに日本語学校に入学するには費用がかかりますが、娘さんは資格外活動の許可の範囲でアルバイトもできるし、日本語をしっかり学んで大学夜間部に進学することだってできると思うのです。以上、参考にして下さい。
答 娘さんが滞在期間3ヶ月以内の「親族訪問」を目的として日本に来ることは比較的可能かと思われます。
しかし、「一緒に住む。」ことを目的に日本に来ることはそれほど簡単ではありません。現在、あなたのような在留資格で海外にいる実子を呼び寄せるには、入国管理局に娘さんの「定住者」の在留資格を認定してもらわなければなりません。定住者告示(第三十七号六(ニ))には、「日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子」は定住者の在留資格に該当する旨が定められています。
ただ、実務では18歳、19歳の実子に関しては認定されないことが多いと思われます。理由は、18歳、19歳はすでに就労年齢に達しており就労目的で入国するのではないかと疑われるからではないかと思います。それにしても、日本人なら18歳、19歳の娘や息子が親のもとで働くのは普通のことなので、何とも不思議な基準ではあります。
しかし、定住者告示に「未成年」と定められているように、18歳19歳の実子では「定住者」の在留資格を認定されないという意味ではありません。申請の際のポイントは、一つ目は娘さんを日本に呼び寄せて一緒に生活する必要性と、入国後の予定を「(招へい)理由書」にしっかり書くことです。二つ目は、あなたの夫とあなたの世帯合算年収が娘さんを扶養するに足るかどうかを証明することです。
最後に、個人的な意見を少し述べさせて下さい。私は子が親と一緒に生活するのに理由なんて必要なのかといつも思っています。
それと、私はあなたが娘さんを、あなたとの身分関係(親子関係)で入国させるより、日本語学校に「留学」という在留資格で入学させた方がいいのではないかと考えています。というのは、娘さんが日本に来てどのような道に進もうとも日本語が話せなければそれが障害になります。そのことを来日して2年半のあなたが一番よくご存知なのではないでしょうか。
また、入国後いつまでもご両親の扶養を受け続けることはできないし、いずれは自立しなければならないと思うのです。それに、日本語学校には同じような年齢の同じような立場の留学生がたくさん在籍しているのでアルバイトや色々なことを教えてもらえるのではないかと思うのです。確かに日本語学校に入学するには費用がかかりますが、娘さんは資格外活動の許可の範囲でアルバイトもできるし、日本語をしっかり学んで大学夜間部に進学することだってできると思うのです。以上、参考にして下さい。
13年09月09日
短期滞在資格から就労資格への変更ができますか?
問 私の上海の友人から「短期滞在の資格で日本に入国し、入国後、日本で就職活動をして採用されたらそのまま就労資格に変更できるか。」聞かれました。実際のところ、そのような変更は可能なのでしょうか?
答 原則としてできません。入管法第二十条第3項には「(在留資格の変更の)申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、【やむを得ない特別の事情】に基づくものでなければ許可しないものとする。」(【 】は筆者挿入)と定められています。
それでは、この【やむを得ない特別の事情】とはどのような事情なのか?ということですが、これについて、入国管理局が具体的な先例を公開しているわけではありません。
ただ、参考として東京地裁は、「・・・・短期滞在の在留資格で入国したものが長期在留等を希望するときには、いったん出国し、その在留資格に見合う査証を所持して、入国審査を経て入国するのが本来の形態であるから、このやむを得ない特別の事情とは、①短期滞在の在留資格を有する者について入国後に新たに在留資格の変更を必要とする事情が発生したこと、②当該申請者がいったん出国してしまうと、その変更申請に係る在留目的で再度入国することが極めて困難であること等の特別の事情をいうものと解すべきである。」(平成6年3月30日判決)と判示しました。
また、短期滞在の在留資格から他の在留資格「日本人の配偶者等」あるいは「定住者」等に変更が許可される場合がありますが、ここでの質問事項ではないので解説を省略させて頂きます。
なお、最初に「原則として」と断ったのは「短期滞在の資格から就労資格への変更」が許可されないことの例外がこの「やむを得ない特別な事情」の他にもあるからです。
具体的には、短期滞在期間中に就労資格の在留資格認定証明書交付申請をして(この申請は在留中でも国外にいても可能です。)、短期滞在期間中に許可を受けた場合は、交付された在留資格認定証明書を添付して、「短期滞在の資格から就労資格への変更」許可申請をすることが可能です。
また、仮にこの変更許可申請期間中に短期滞在の在留期限が到来した場合も審査中なので、そのまま在留することが認められます。
ただし、この場合においても「短期滞在」の目的が「観光、短期商用、又は単なる友人知人訪問等」ではなく、事前に会社訪問の予定や就職試験を受けるために「短期滞在」することを明らかにして、在外公館(大使館、総領事館)へ短期滞在の査証を申請することをお薦めします。
答 原則としてできません。入管法第二十条第3項には「(在留資格の変更の)申請があった場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、【やむを得ない特別の事情】に基づくものでなければ許可しないものとする。」(【 】は筆者挿入)と定められています。
それでは、この【やむを得ない特別の事情】とはどのような事情なのか?ということですが、これについて、入国管理局が具体的な先例を公開しているわけではありません。
ただ、参考として東京地裁は、「・・・・短期滞在の在留資格で入国したものが長期在留等を希望するときには、いったん出国し、その在留資格に見合う査証を所持して、入国審査を経て入国するのが本来の形態であるから、このやむを得ない特別の事情とは、①短期滞在の在留資格を有する者について入国後に新たに在留資格の変更を必要とする事情が発生したこと、②当該申請者がいったん出国してしまうと、その変更申請に係る在留目的で再度入国することが極めて困難であること等の特別の事情をいうものと解すべきである。」(平成6年3月30日判決)と判示しました。
また、短期滞在の在留資格から他の在留資格「日本人の配偶者等」あるいは「定住者」等に変更が許可される場合がありますが、ここでの質問事項ではないので解説を省略させて頂きます。
なお、最初に「原則として」と断ったのは「短期滞在の資格から就労資格への変更」が許可されないことの例外がこの「やむを得ない特別な事情」の他にもあるからです。
具体的には、短期滞在期間中に就労資格の在留資格認定証明書交付申請をして(この申請は在留中でも国外にいても可能です。)、短期滞在期間中に許可を受けた場合は、交付された在留資格認定証明書を添付して、「短期滞在の資格から就労資格への変更」許可申請をすることが可能です。
また、仮にこの変更許可申請期間中に短期滞在の在留期限が到来した場合も審査中なので、そのまま在留することが認められます。
ただし、この場合においても「短期滞在」の目的が「観光、短期商用、又は単なる友人知人訪問等」ではなく、事前に会社訪問の予定や就職試験を受けるために「短期滞在」することを明らかにして、在外公館(大使館、総領事館)へ短期滞在の査証を申請することをお薦めします。
13年08月07日
母を呼び寄せて一緒に暮らせますか?
問 7年前に父が亡くなり、母国に年老いた母が一人取り残されました。兄弟はいません。幸い私の仕事は順調で母を扶養する位の収入もあります。このような事情ですが母を呼んで日本で一緒に暮らすことはできますか?
答 このような場合、お母さんを日本に呼べるかどうかよりもお母さんがどのような生活を望んでいらっしゃるかということが重要なのではないでしょうか?
仮にお母さんが年老いて病気がちであったとしても、お母さん自身はあなたからの金銭的援助を受けながら(お母さんが望まなくても実際には助かると思います。)生まれ育った故郷で友人たちに囲まれながら楽しくおしゃべりして過ごすことの方を望まれるかもしれません。
そこで、一度日本に親族訪問を目的にして「短期滞在」のビザで呼び寄せてみたらいかがでしょうか?でも、ひょっとしたらお母さんはもう来日経験がお有りなのかもしれませんね。
もしお母さんが日本で長期に滞在することを望んでいるのでしたら、「家族滞在」(配偶者及び子)の在留資格は該当しませんので、しいて挙げれば「特定活動」の在留資格で呼び寄せるしかありません。
但し、この在留資格を認めてもらうためには、厳しい審査をクリアしなければなりません。「特定活動」に該当する活動自体は入管法別表第二と法務省「特定活動」告示に定められているのですが、親に対する「子の扶養を受ける活動」としての「特定活動」に関しては、そもそも入管法が想定していなかったので明確な許可基準が公表されているわけではありません。したがって必ず許可されるとは限らないのです。
ただ、次のような事情がある場合は許可される可能性があるとは思います。
①高齢であること。概ね70歳以上、但し、他に傷病や障害があった場合は70歳未満でも年齢だけ考えると認められることがあるかもしれません。
②母国に他に親の世話をする他の親族がいないこと。ただ、単にお母さんが困窮しているというだけでは日本に招へいする理由にはなりません。日本から送金すればいいだけなのですから。
③あなたにお母さんの扶養能力があること。もちろんあなたに税金の滞納がないことや安定的な収入があること等が必要です。
④お母さんが日本での就労を予定していないこと。
なお、お母さんの「特定活動」は「子の扶養を受けること」が目的なので、「あなたの子(お母さんからみると孫)の世話をすることは、仮にかなり特殊な事情があったとしても認められないことに留意して下さい。
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答 このような場合、お母さんを日本に呼べるかどうかよりもお母さんがどのような生活を望んでいらっしゃるかということが重要なのではないでしょうか?
仮にお母さんが年老いて病気がちであったとしても、お母さん自身はあなたからの金銭的援助を受けながら(お母さんが望まなくても実際には助かると思います。)生まれ育った故郷で友人たちに囲まれながら楽しくおしゃべりして過ごすことの方を望まれるかもしれません。
そこで、一度日本に親族訪問を目的にして「短期滞在」のビザで呼び寄せてみたらいかがでしょうか?でも、ひょっとしたらお母さんはもう来日経験がお有りなのかもしれませんね。
もしお母さんが日本で長期に滞在することを望んでいるのでしたら、「家族滞在」(配偶者及び子)の在留資格は該当しませんので、しいて挙げれば「特定活動」の在留資格で呼び寄せるしかありません。
但し、この在留資格を認めてもらうためには、厳しい審査をクリアしなければなりません。「特定活動」に該当する活動自体は入管法別表第二と法務省「特定活動」告示に定められているのですが、親に対する「子の扶養を受ける活動」としての「特定活動」に関しては、そもそも入管法が想定していなかったので明確な許可基準が公表されているわけではありません。したがって必ず許可されるとは限らないのです。
ただ、次のような事情がある場合は許可される可能性があるとは思います。
①高齢であること。概ね70歳以上、但し、他に傷病や障害があった場合は70歳未満でも年齢だけ考えると認められることがあるかもしれません。
②母国に他に親の世話をする他の親族がいないこと。ただ、単にお母さんが困窮しているというだけでは日本に招へいする理由にはなりません。日本から送金すればいいだけなのですから。
③あなたにお母さんの扶養能力があること。もちろんあなたに税金の滞納がないことや安定的な収入があること等が必要です。
④お母さんが日本での就労を予定していないこと。
なお、お母さんの「特定活動」は「子の扶養を受けること」が目的なので、「あなたの子(お母さんからみると孫)の世話をすることは、仮にかなり特殊な事情があったとしても認められないことに留意して下さい。