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問 私は中国の大学を卒業して、今年の4月から日本の大学の修士課程に在籍している留学生です。先月、いつも私のことを心配している両親を日本に招こう、と中国の日本総領事館に両親の短期滞在ビザの申請をしたのですが不許可でした。私にはなぜ不許可なのか分からず納得が行きません。こんなときは、どのようにしたらいいのでしょうか?

答 そうですね。実はあなたのような相談が意外と多いのです。例えば、中国の留学時代に世話になった同級生を日本に招待したけれどビザが下りなかった、という相談を受けたことがありました。日本総領事館は、不許可理由を開示していないので、あなたはなおさら納得が行かないのでしょうね。ただ、私もあなたのお問合せの内容だけでは不許可の理由は分かりません。そこで、今回はあくまでも申請の際注意して頂きたいことと、不許可の理由を推測してお答えすることにします。

まず、あなたの両親が査証申請書類を、日本総領事館の正式な認可を受けた申請代行機関に直接持参して提出したのか確かめてみてください。「直接提出したはずだ。」ではなく、「実際に申請人本人が持参したのかどうか。」です。

というのは、中国の申請代行機関の周辺には、査証ブローカーや翻訳ブローカーがたくさんいます。その中には、とても悪質なブローカーがいます。特に、申請人本人が持参しないで他人に提出を依頼した場合は、申請代行機関が受付けてくれないので、これらの悪質なブローカーの格好のターゲットになってしまうことがあります。

悪質なブローカーは書類を作成しないと手数料がもらえないし、翻訳ブローカーも翻訳しないと手数料がもらえません。
そこで、日本で作成された真正な書類が、このようなブローカーによって虚偽事実に改ざんされて、日本総領事館で不許可になるケースがあります。中には、申請代行機関の特定の個人(?)と通じているとしか思えないケースもあります。
ただ、中国の査証申請書類の作成代理人や作成代理機関の名誉のために断っておきますが、これらの人や機関の全てがこのようなことをしているとは思えません。

次に、提出した申請書類のことです。きちんと招へい理由を証明する書類になっていたでしょうか?特に、日本国内で準備する書類よりも中国国内で準備する書類に気をつけるべきです。旅券や戸口簿、親族関係の公証書等の住所等に齟齬(そご)はありませんでしたか?あなたはそれらを全部突き合わせてみましたか?
例えば、帰国予定日が旅券の有効期限内でしたか?あるいは、戸口簿の各欄は現状と一致していましたか?

また、身元保証人は適当な人でしたか?あなたは留学生で被扶養者なので身元保証人にはなれませんよ。身元保証人を同じ外国人の方に依頼した場合は、その外国人の在留期間が「1年」だったり、「日本人(永住者)の配偶者等」「定住者」の在留資格でも、その方が被扶養者だったりするとやはり身元保証人にはなれません。

さらに、気になることは、たぶん、あなたはまだ日本に入国してから1年未満なのではないでしょうか?もちろん、「招へい人は在留期間1年以上とする。」というような基準はありません。しかし、総領事館では招へい人が日本に入国してからの在留期間も考慮していると思われます。

ただ、あまり心配することはありません。一度ビザを拒否されても永久に拒否されるわけではありません。原則として、拒否後6ヶ月間は同じ目的でのビザの申請はできませんが、6ヶ月経ってから、もう一度申請してみればいかがでしょうか?

なお、日本の外務省で公表している査証(ビザ)の発給基準があるので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、確認の意味で記載しておきます。

1.申請人が有効な旅券(パスポート)を所持しており、本国への帰国または在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
2.申請に係る提出書類(査証申請書類)が適正なものであること。
3.申請人の本邦において行おうとする活動または申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)に定める在留資格及び在留期間に適合すること。
4.申請人が入管法第5条第1項各号(上陸拒否事由)のいずれにも該当しないこと。
09年06月25日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は、学生の期間を含めて日本に来て5年目です。現在は、「人文知識・国際業務」のビザで通訳をしています。最近、日本の野菜の栽培方法でとても優れた設備を見ました。そのメーカーを訪問し改めてそのクリーンな栽培方法に驚きました。私はこの設備なら、これから日本の一般家庭でも普及するし母国に輸出しても普及するのではないか、と思いました。そこで、まず日本で会社を作って、少しずつ販売を軌道に乗せ、リースもしてみようと思っています。しかし、友だちに現在の私のビザでは会社経営はできないと言われたのですが、どんな資格を取る必要があるのでしょうか?

答 そうですね。現在の「人文知識・国際業務」の資格ではちょっと難しいですね。あなたがどの程度の事業規模で行うのかよく分かりませんが、在留資格の変更申請をするのなら「投資・経営」ということになります。もちろん、「永住者」の資格に変更できればそれに越したことはないのですが、日本に来てまだ5年だと在留期間が足りませんね。

あなたが2人以上の人を雇用して行うのであれば、所定の書類と今後1年間の事業計画と収支予算書を作ることになりますが、もし、当初は人を雇用しないで事業をするのであれば、それなりの規模の投資をしなければなりません。投資というのは、会社設立時の資本金をいくらにすればよいというものではありません。新しく事業をするのですから、事務所を借りたり、設備をリースするのであれば、予めリースする設備の購入も必要になるでしょう。もちろん、最低でも向こう6ヶ月位の運転資金も必要ですね。そこで、それなりの規模の投資というのはどの位なのかというと500万円以上という基準があります。しかし、この投資額というのは業種によっても異なるので、2名以上の人を雇用するのであれば、必ずしも「投資・経営」の在留資格変更に必要な要件ということではありません。

それから、ぜひ私があなたに勧めたいことは、あなたはまだ日本の税制や法令をよく知らないと思うので、事業のことを相談できる経験豊かな信頼できる日本人を見つけてください。そして、その方のアドバイスを聞くことが成功の秘訣かもしれません。
09年06月25日 | Category: 在留資格あれこれ
Posted by: asiannetwork