08年10月30日

離婚後の在留資格

問 私は日本人の夫と7年間結婚して来ましたが、夫が家にお金を入れてくれないので半年前に離婚しました。この3年間は、私もパートに出て働いてきました。今は、職場の同僚たちにも親切にしてもらっています。ただ、私の在留資格は「日本人の配偶者等」なので、来年はもう更新できません。今さら母国の私の生まれ育った田舎に帰っても、仕事もありませんし友だちもいません。私がこのまま日本で暮らし続ける方法はないでしょうか?なお、私たち夫婦には子供がいません。

答 それは困りましたね。外国人が日本人と離婚した場合は、本来は「日本人の配偶者等」には該当しないので出国しなければなりません。離婚後、次回の更新まで在留することは違法ではありませんが、出国準備期間ということになります。ただ、他の在留資格、例えば「国際業務・人文知識」とか「技術」とか「投資・経営」の資格に該当する場合は、それらの在留資格に変更することになります。

 また、離婚後6ヶ月の再婚禁止期間(民法第733条第1項)を経て、まだ在留期間のある間に他の日本人と再婚した場合やすでに永住資格を取得している場合もあまり問題はありません。さらに、夫との間に未成年の実子がいて、外国人の親がその子の親権者となり、且つ実際に監護、養育してている場合は「定住者」への在留資格の変更が比較的容易と思われます。

 あなたの場合のように離婚した日本人の夫との間に子がいない場合はとても難しい。しかし、結婚の期間(3年以上か?)、あなたの生活の基盤や経済的安定度等を審査して「法務大臣が特別の事情を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める者」として「定住者」の資格への変更を認めることもあります。この資格への変更は、いわゆる「就労資格」への変更よりも難しいと思われますが、あなたが「母国に帰っても生活の基盤がない」と言うのであれば「定住者」の資格への変更申請をしてみるしか方法がありません。

 具体的な申請書類等については、離婚前の婚姻実態も審査されますので、専門家に依頼することをお奨めします。なお、このプログの無料メールでお問合せ頂いてもお答えします。
08年10月30日 | Category: 国際結婚あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は、国際結婚斡旋業者の紹介でフィリピン女性と国際結婚しました。彼女はまだ来日していないのですが、結婚後偶然彼女が来日するのは私との結婚のためではなく、来日して日本国内のパブで働くのが目的であることを知りました。そこで、彼女に離婚するよう連絡したのですが、彼女は全く応じてくれません。もちろん、私はすでに婚姻届を区役所に提出しているので、日本での婚姻は有効に成立しています。このままでは私は将来に渡って結婚できないことになってしまいます。どのようにしたらいいのか、アドバイスを頂けないでしょうか?

答 はい、大変お困りなのはよく分かります。あなたの場合は、取りあえず、あなたの住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻の「無効」か「取消」を請求するしかありません。なお、本来の裁判籍は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。しかし、今回の場合は、相手方が日本にいないので仕方ありません。ところで、「婚姻の無効」というのは「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」(民法第742条第1項第1号)に該当する場合です。「婚姻の取消」というのは、あなたが「詐欺または強迫によって婚姻をした者」(民法第747条第1項)に該当する場合です。また、「婚姻の取消」の請求は「当事者が詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3ヶ月を経過したときは取消権が消滅する」(同条第2項)ということになっています。

さて、あなたはどちらに該当するのでしょうか?もっとも、実際の請求はどちらかに決めなければならないわけではありません。「無効が認められなければ取消」を請求することができるし、「無効または取消」を請求することもできます。いずれにしろ、訴状や証拠方法、相手の居所が不明な場合は公示送達による可能性等もあるので、一度専門家か法令に詳しい方に相談した方がいいと思います。
08年10月28日 | Category: 国際結婚あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 よくWeb上で国際結婚を斡旋する業者の紹介サイトが女性の写真を掲載しています。私も国際結婚をしたい一人ですが、同じWebサイトにはこのような斡旋業者に騙されたという話もよく載っています。先生はどうお考えですか?

答 はい、私は自分の業務や経験を通じて知り得た事実しか分かりませんが、国際結婚の斡旋業者が全て悪徳業者とは必ずしも言えません。実際、幸せな結婚生活を送っているご夫婦を知っています。

 ただ、とんでもない悪徳業者や非常識な業者がいることは間違いありません。それが日本側の業者だったり、海外の業者だったり、あるいはその双方だったりします。騙される人は幾重にも騙され多額の金銭を支払っています。

 ここで結婚斡旋業者を通じた国際結婚のいくつかの特徴を説明します。
 
 1.多額の金銭がかかる。(大体、その半分を日本側の業者が実際に海外の斡旋業者に支払うようです。但し、何度か海外渡航しなければならないので、日本人同士の結婚に比べ、結婚相手が入国するまで経費がかかることも事実です。)
 2.交際期間が極めて短い。(極端な場合は、写真だけもある?) 
 3.日本人に国際結婚の心構え(言語、発想、習慣、食事の違いを軽視)ができていないケースが多いような気もします。

 では、どうすればこのような国際結婚の成功率を高めることができるのか?
 1.まず日本側ばかりではなく、現地の斡旋業者を含めて良心的な斡旋業者を探すこと。見分け方は、高くもなく安くもない適正な料金かどうか。また、結婚に至るまで若しくは結婚後もどのようなサポートを受けることができるのか。
 2.メールだけではなく、実際に斡旋業者の責任者に会って信頼できる人物かどうか、自分の目で確かめることも重要です。
 3.外国人だからといって、自分とあまりにも歳の離れた人を選ばないこと。国際結婚に関して言うと、このような歳の離れた人と結婚して成功した例を、あまり見たことがありません。逆の場合を考えて見てください。

 それから、見知らぬ外国人と結婚する相手の気持ちを理解してあげてください。あなたの方が相手の言語や発想や習慣、時には食事にも合わせる努力をしてください。それでも、失敗するようなら仕方ないですね。
 
 最後に改めて申し上げます。国際結婚も日本人同士の結婚も、どちらもお互いに愛情がなければなりません。この点ではどちらも基本的に同じです。
 あなたが幸せな国際結婚ができることを祈っています。なお、国際結婚について、もっと詳しく知りたい方はお気軽にメールでご連絡ください。
08年06月13日 | Category: 国際結婚あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私は2年前に日本の大学を出て、日本の会社に就職を希望したのですが、就職が決まらないままアルバイトを続けてきました。その間、在留期限の切れたパスポートや更新(切替)期間の過ぎた外国人登録証を持っていたのですが、一応在留資格が「留学」となっていたので、特に疑われることもありませんでした。ところが、最近好きな人ができて、結婚を申し込まれました。私も彼が好きなので、正直に自分がオーバースティであることを告白し結婚が難しいことを説明しました。彼はそれでも「結婚しよう」と言ってくれます。私も彼をあきらめ切れません。どうすればいいのかアドバイスがほしいのですが・・・・・

答 それは大変ですね。ただ、日本で結婚するだけなら、今の状態でも結婚はできます。彼の戸籍のある役所に、あなたの本国の戸籍謄本(翻訳分付)とパスポートとあなたの婚姻要件具備証明書(翻訳文付)を添えて婚姻届を提出すれば、一応婚姻は成立します。役所によっては、外国人登録原票記載事項証明書を要求するところもありますが、それなら、改めて外国人登録をすればいいだけです。但し、在留資格の欄は「在留の資格なし」と記載されます。なお、本来外国人登録は、オーバースティの方でも外国人登録法に基づき申請義務と携帯義務が課せられています。

役所の中には「オーバースティだから、外国人登録はできない。」というところもあるようですが、外国人登録法は「外国人の公正な管理に資する」(第1条後段)ことを目的にしているので、そんなことはありません。話し合えば分かることです。

しかし、日本で婚姻しても、あなたの本国で婚姻できるとは限りません。というのは、外国の中には、日本で婚姻した公正証書を持参して、お二人に出頭を求めるところもあるようです。だから、本国での婚姻手続きを、あなたの国の日本大使館か領事館でも可能かどうかそれらに確認しておく必要があります。

もっと大問題なのは、あなたが結婚しても、日本で「日本人の配偶者等」という在留資格が得られるかどうかは、全く別な問題です。
もっと詳しくあなた方のこれまでの経緯や現在の生活等を聞いてみないと、何とも言えませんが、忘れてはならないことは、不法残留いわゆるオーバースティの外国人は、基本的には入国管理局に出頭して本国に帰らなければならない、ということです。

もちろん、これには出国命令制度(1年間日本への上陸拒否)とか在留特別許可を得る可能性が高いこともあるので、あなたの場合はどのようにすれば最良の選択なのか、は一度専門家に相談してみることをお薦めします。でも、あまり深刻に考えないでください。あなた方が、幸せなスタートが切れることを祈っています。

 
08年03月19日 | Category: 国際結婚あれこれ
Posted by: asiannetwork
問 私の彼は日本に留学していた中国人です。彼を日本に呼んで、そのまま結婚することは可能でしょうか?

答 はい、基本的には可能です。「基本的には」というのは、婚約者である事実を裏付ける充分な資料が必要だからです。この場合、あなたの婚約者は、当然ですがまだ結婚していないのですから、「日本人の配偶者等」ではありません。まず、あなたの婚約者のいる地域を管轄する日本総領事館(or大使館)で「結婚を目的に婚約者を訪問する」ことを理由に短期滞在査証(ビザ)(最長90日間)を取得しなければなりません。

総領事館に提出するのは、1.招へい理由書 2.招へい理由を裏付ける資料(写真、メール、手紙でも何でも立証できれば可) 3.滞在予定表 4.身元保証書 5.身元保証人の総所得の記載のある納税証明書(市町村または税務署発行、源泉徴収票は不可) 6.身元保証人の住民票 7.在職証明書または営業許可証等職業を証する書面等です。
但し、招へい人と身元保証人が異なる場合は、招へい人にも、5.6.7.の書類が必要です。

入国後、実際に結婚した後は、通常の国際結婚の手続きを経て「短期滞在」の在留資格から「日本人の配偶者等」の在留資格に変更することになります。なお、日本にいる婚約者が外国人の場合は、その在留資格により「家族滞在」や「永住者の配偶者等」等の在留資格への変更になります。
08年03月02日 | Category: 国際結婚あれこれ
Posted by: asiannetwork
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