平成20年4月から高齢者の医療制度が変わりました。

目的と内容は高齢者にも保険料負担をしっかりしてもらうのと、自己負担額を増やして医療機関に行かないようにすることです。

サラリーマンの子どもの扶養になっていた方は半年後、1年後、2年後にじわじわと負担が増えていきます。

そうでない国民健康保険の方は注意が必要です。
所得に対して保険料が掛かる上に、年金から自動的に天引きされます。

各世帯によって状況が違いますが、ある程度年金や収入があって夫婦で年齢差がある場合は特に注意が必要です。

今までは夫婦で年間56万円だった保険料が約2倍の年間106万円になるかもしれません。

やっかいなのが、前年の所得で計算するのでうっかり生命保険の満期を迎えたり、解約したり、不動産を売ってしまって所得が増えてしまった場合1年以上になって多額の保険料を納めなくてはいけません。

これをしらずに満期金や、不動産の代金を投資信託などにあててしまうと大変ですl。保険料を払うために早期解約をしてペナルティで元本割れしてしまうかもしれません。

更に所得が一時的にでも増えたことによって医療費の自己負担が増えます。

驚くべきことに、これは地方自治体の職員も知らなかったこと。私が窓口で質問して、

「ああ、そういうこともありますね。」とのこと。

保険屋や不動産屋の安易な勧めに乗らないでください。楽しい老後が一転して暗い老後になるかもしれません。
09年01月19日 | Category: 生命保険のセカンドオピニオン
Posted by: fplifewv
09年01月16日

共有土地の売却

去年の今頃、ある方の土地売却の案件で各士業に見積もりをお願いして頭を痛めていたことがありました。

【問題】
親子共有名義の土地を分割して片方だけを売却する。
残った土地は子どもの名義とする。
もっとも親子の金銭的負担が少ない方法はどれか。

とても単純なように思えますが、実はとても複雑。

まず土地家屋調査士に測量費用と分筆登記費用の見積もり。

司法書士に分筆による所有権移転登記の報酬と登録免許税の見積もり。

税理士に通常の所得税の確定申告と
譲渡の確定申告の見積もり。
相続時精算課税制度の確定申告の見積もり
更に不動産取得税の見積もり。

これだけならまだ簡単なのですが。まだ大物があります。

それが健康保険料。

親・子それぞれに負担に上限があるので、安易に共有のまま売却するよりも片方に集中した方がいいんですが、そのためには上記のような費用がかかる。

更に親の健康保険料を高くすると窓口での自己負担が1割から3割に増える。

高齢の親が大病を患う可能性は高いです。この自己負担で年間100万円くらい変わるかもしれません。

これらの費用をトータルしてどういう手段がもっとも安くなるか計算しています。

別に珍しいケースでは無いと思います。

ただ、こういう不動産の売却を依頼された不動産屋がここまで考えて売却方法を提案しているかどうか。

高いケースと安いケースでは100万円以上の差が出ていることを確認しています。更に医療費の窓口負担を考えると更に100万円の差。

不動産の売却の相談する人をきちんとすることで100万円以上の損になるか得になるかがわかれますよ。
   
09年01月16日 | Category: General
Posted by: fplifewv
相談者に安心して勧められるマイホーム業者、特に施工業者を探すのが大変です。

欠陥住宅を作らない、お客様第一の姿勢であるのは当然。

価格も高すぎないのも大事。

そういうところをまずは見つけます。

その上でその施工業者の経営状況を調査して、OKであれば相談者に勧められる業者ということになります。

しかし、経営状況を調査するとほとんどの業者がダメです。

昨年度の今頃、ア○○○ホームの名前で有名な工務店集団の宮城県の工務店の経営状況を調査した様子をお話いたしましょう。

10社くらいでしたが、全滅でした。

ほんの少し、状況が悪くなれば倒産の危機に瀕する状況。

今、マイホーム業者は劇的に環境が変わっています。人口減と所得減少によりお客さんの減少、建築価格の減少は避けられないのです。

それに加えて耐震偽装問題による確認申請の長期化、平成21年秋には始まるといわれる保険加入の義務化。

材料費、人件費の増加、消費税の増税。

年間に多くの工事をしているから安心ではありません。
多くの工事をして事業を拡大しているところは大抵固定費が高くなっています。

そのためほんの少しの工事減少で固定費が払えなく経営難に簡単に陥ってしまいます。

経費節減の努力が手抜きにすりかえる可能性が高くなります。

有名だ、大手だといっても安心できません。経営状況は必ずチェックしてください。
新たな年を迎え、今年こそマイホームを建てようと、チラシなどを見て住宅展示場などにいっている方も多いのではないかと思います。

マイホームを建てる際は、必ずきちんとした資金計画が必要です。

ある相談者の事例を紹介します。


約2年半前にあるローコスト大手ハウスメーカーのチラシを見て、住宅展示場に行った方です。

ご主人は年収400万円、
奥さんは主婦
子ども1歳

貯金は100万円。

営業マンと住宅展示場の雰囲気にのまれてすっかり最初にいったその業者で建てることに。

坪単価の安さが最大のポイントでした。

土地は持っていなかったのですが、そのハウスメーカーが特別に見つけたといった土地を購入して建てることに。

(あとで、別に特別に見つけた土地ではなく一般的に売られていた土地であることが判明。)

土地が約900万円。

建物が契約書上で約1200万円。約40坪。でした。

約2100万円で新築一戸建てが注文住宅建てられると大喜びで契約しました。

住宅ローンを組み、無事着工が始まったところでどうせ新築するのだからと合わせて車を買い替えました。

貯金はありませんので自動車ローンを組みました。
250万円の5年ローン。金利3%。

まもなく奥様が第二子を妊娠。

工事が進んだところで、ハウスメーカーから
『そろそろ外構工事の契約をしたらどうですか?』
といわれました。

外溝工事(駐車場やポスト、門 塀など建物以外の部分)は契約には入っていなかったことをそこで初めて知りました。

最初、提示された計算書では外構工事予算として約150万円計上されていたのが、契約時の見積り書の際には除かれていたのです。

もともとこのハウスメーカーは坪単価を安く見せるために建物以外の色々な工事は別の会社と施主が直接契約する形式をとっていました。

予定外のことに、営業の方に連絡をとろうとしたところ、すでに退職していて連絡がとれないとのこと。

※ノルマ制の営業の方は、ほんの1,2ヶ月契約がとれないと生活ができないのですぐ退職する方がとても多いです。

すでに登記費用や確認申請などで貯金の100万円は無くなっていました。

なんとか、両親に援助を頼み、外構工事の契約と支払いは済ませましたが、今度はエアコンとカーテンの物と工事代金が入っていないことが判明。

※ちなみに契約書などには小さな字ではありますが、ちゃんと別工事となっていました。

小さな子どもがいますのでエアコン・カーテン無しではいられませんのでクレジットカードで買いました。エアコン3台とカーテン代で約80万円。(ボーナス2回払いで)

いよいよ完成・引渡しとなりましたが、ここでさらに問題が。

火災保険料約50万円と引越し代約20万円も計算に入れていませんでした。

これも払わないわけにはいきませんので、クレジットカードのキャッシングで借りて払いました。

新居生活からしばらくして第2子が誕生。出産もろもろの費用がかかりましたが、これまたキャッシングでまかないました。(キャッシングの怖いところは一回借りると簡単に繰り返して借りてしまうことです。)
その後固定資産税や自動車税など臨時の支出がありました。

この方のローンの状況は以下のとおりです。

●住宅ローン2100万円金利1.5%(2年固定)
内ボーナス払い分1000万円。

月返済額約34000円(ボーナス月は+19万円)

●自動車ローン250万円金利3%
内ボーナス払い分100万円。

月返済額約27000円(ボーナス月は+10万円)


●クレジット・キャッシング200万円 金利6%

月返済額(リボ)5万円。

合計しても月の返済額は約11万円。

□月の給料手取りが約20万円。ボーナス時が約50万円。年間手取りが約340万円。

月20万円の手取りで11万円が返済ですから9万円で生活しなければなりません。まず無理です。

ボーナス分から生活費にあてなくてはなりません。
そのボーナス時でも手取り50万円に対して返済は29万円。残り31万円です。

このボーナス分についてもその後の家電の故障による買い替えなどで生活費にあてるのは難しくなりました。

それでもなんとかやりくりしていましたが、この不況のあおりでボーナスの7割カットとなりました。

手取り50万円が15万円に。

ボーナス返済が29万円ですから15万円では無理です。

さらに銀行から、2年の固定金利が終わって金利が2.5%になると通知が来ました。月の返済額が5000円UP、ボーナス時は約3万円UPです。

完全に手詰まりになりました。

給料のいいところに転職するといってもそううまい話にはなりません。

奥さんが働きに出るといってもまだ子どもは3歳と1歳。
保育園に空きがあるかわかりませんし、保育料で奥さんの給料が無くなってしまうかもしれません。

2年前の安易な行動が一家をマイホーム破綻の危機に追いやりました。

くれぐれもこのようなことが無い様に。

(これは実際の相談事例をわかりやすく数字や状況を整理しています。)




09年01月14日 | Category: 住宅ローンのセカンドオピニオン
Posted by: fplifewv
09年01月13日

私は悪い不動産屋

『私は悪い不動産屋』大倉辰吾著

また、本の紹介です。これも私の好きな本です。

不動産屋さんが自らを悪いと言う。なんとも良識のある本です。

不動産業界はおかしなところで、法律よりも慣習が優先している。

明らかに法律違反なのに、ほとんど全ての不動産屋さんが同じような法律違反をしている。それが慣習となっている。

それを正そうと言う動きもほとんどない業界。

そんなことをして、不動産屋が不利になるようなことをしたら、同業から不動産の紹介をしてもらえなくなります。

不動産屋は業界のネットワークが大事ですから、そのネットワークを壊すようなことはなかなかできない。

不動産屋がネットワークから外れたら、仕事になりませんから。

おまけに不動産に関しては消費者はかなり無知の状態。これが悪い不動産屋の活躍にも貢献しています。

良く、私に『不動産屋をやったら?』と言ってくれる方がいます。

確かに私の仕事の内容から、不動産屋をすれば儲かるかもしれません。しかし、法律違反とわかっていても、不動産屋をやる以上その慣習にしたがって、消費者に対して嘘をつくのが心苦しいので、現時点では不動産をやるつもりはありません。

将来、悪しき慣習を正そうという業界の流れや法律改正が起きたら考えますが。

今は不動産屋と消費者の間に立って、消費者が不動産で被害に合わないように正しい知識を消費者に教えることにしています。

特に買い手に対しては、買う気をなくさせるような物件の不利なところは言いません。
※法律上定められていることは重要事項説明で言うかもしれませんが、そうでないことは言いません。

例 バス便は本数がほとんどない。
  朝夕は渋滞で車が動かない。排気ガスがいっぱい。(見学に行く土日は空いているので渋滞に気付いてない。)
  昔、首切りの処刑場だった
など。

この本の著者は、こんな悪い不動産屋のテクニックを紹介しています。

●高い査定で調子に乗せる
●ケチをつけて売価を下げる
●欠陥住宅を高く買わせる
●クズ地を押し付ける
●敷金を返さない
●申し込み金をふんだくる

ぜひ、ご参考に。

09年01月13日 | Category: General
Posted by: fplifewv
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