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09年03月31日

賃貸か購入か

よく相談されるのがマイホームについて賃貸がいいのか購入がいいのか。

下記のプランでシミュレーションしてみました。

73平方メートルの新築分譲マンション。東照宮駅から徒歩10分程度。
物件価格3000万円。購入時諸費用300万円。
管理費・修繕積立金・駐車場代月25,000円。

3000万円のローンを元利金等返済で全期間固定35年金利3%で借りた場合、月々の返済額は約115,455円。
(住宅ローン減税は廃止後、金利上昇傾向なので3%を超えるかもしれませんが。)

35年の総額で48,416,100円。

他に固定資産税・都市計画税がかかります。35年平均で年12万円として月1万円。

合計した住居費として月約15万円を35年間払い続けます。

※ほかに修繕積立金が途中で大幅に上昇することがありますが、それは計算に入れないでおきます。

近くのほとんど同条件のマンションで築33年のものが600万円で売りに出ていますので(仲介手数料、簡単なリフォーム代なども考え、築35年で売却して手取り500万円とします。

一方賃貸で駐車場込みで家賃10万円とします。火災保険料は別途加入が必要ですが、分譲マンションでも地震保険に加入することもあるので考慮しません。

賃貸は固定資産税もかかりません。最近は更新料もかからないところが増えました。一時的に敷金礼金等が発生しますので、それを40万円とします。

まず初期費用が300万円−40万円=260万円

これを35年1%の複利運用すると3,683,160円になります。

毎月15万円−10万円=5万円を年1%で複利運用しながら35年積み立てると25,131,458円になります。

合計28,814,618円となり、分譲マンションを売却した場合の500万円との差は2300万円以上になりました。

毎月の差が1万円、つまり家賃が月14万円だとしても35年で300万円以上賃貸が多く貯蓄できる計算になります。

家賃月14万円ならかなり良い物件に住めます。賃貸マンションでなく賃貸の戸建にだって住めます。

分譲マンションではこのようになりますが、戸建の場合は管理費等がありませんし、土地は残りますのでまた変わってきます。

ライフプランによっては分譲マンションを購入した方が良い方もいます。

ご参考に。
 アーバンエステート破綻、負債総額50億円

 注文住宅販売の「アーバンエステート」(埼玉県川口市)は24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、財産保全命令を受けた。申請代理人によると、負債総額は約50億円。

 平成14年9月設立の注文住宅建築工事業者。檜乾燥材4.5寸角・60年保証で、坪単価24.8万円の「一生涯の家」を前面に打ち出した営業を行い、テレビ・ラジオなどで積極的にCMを流すなど、業界後発業者でありながら知名度も相応に浸透していた。

 しかし急激な営業拠点の拡大と広告費がかさみ資金繰りが悪化。金融危機と不動産市況の低迷が追い打ちを掛けた。

2009/3/24 共同通信他

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またまたまた、注文住宅業者の破綻です。

本当に私が2年前に予測したとおりの状況になっています。

60年保証を信じて購入した方もたくさんいたことでしょう。

まだ民事再生の段階ですが、利益が薄い60年保証を引き継ぐようなことになるのか。

坪単価が安いことを前面に出して、なおかつテレビ・ラジオCMをバンバンやっているところ、他にもありますが果たしてこれからどうなるでしょうか。


家づくりのコンペをする際に参加する業者は様々です。

相談者が私に相談にくる前から検討しているハウスメーカーが入ることも多数あります。

私の紹介の工務店ではなく、相談者が自分で見つけて検討している工務店が入ることもありますが、その際はその工務店の経営状況や評判をチェックします。

倒産リスクが非常に高いわけではない(なんとかあと5年以上は持つ)工務店であればそのまま参加してもらいますが、欠陥リスクが高い、2年程度でも倒産しそうな場合は相談者に説明して、コンペから抜けさせることもあります。

それでも3社に満たない場合は、私が紹介する工務店が入ります。

もちろん、まったく業者のあてが無い方は、私から3社を紹介します。

その3社は、欠陥住宅を作らない。万一不備があっても誠実に対応する。消費者に極端に不利な契約を結ばない。施工などを私がチェックしたい場合はきちんとOPENにする。経営状況をチェックして10年以上続けられるところのみです。

なかなか完全に満たす業者は見つからなくて悩んでいます。現在7社程度です。それでも工法やコストや得意な工事に違いがあるので、相談者の要望にあった業者を3社出すのは苦しいです。

しかし、いい加減な業者を紹介するわけにはいきませんので、地道に業者チェックをして紹介可能な業者を増やしていこうと思っています。

私の基準からすれば、宮城県内の数千社の業者の中で信頼できるのは7社程度ということです。

難しいとこです。
09年03月17日

不動産業者の犯罪

毎日のように建売やマンションのチラシや広告を目にします。

それらのチラシに釣られて業者に電話したり現地に行くと大変です。

彼らはえさにかかった獲物は必死に捕まえようとします。

とにかく契約を結ぶように。

『とりあえず申込金10万円はらっていただければ物件は押さえますよ。』

『間取りは後で自由に変えますから早く契約してください。次の方にとられちゃいますよ!』
(契約書をよく読むと自由には変えられないケースがほとんど)

など。

契約前に私のところに相談していただければ、それらの手口を説明してあげます。

その上で、もういちど冷静になって物件や条件をチェックしてもらいます。

大抵の方は冷静に考えるとこの物件は自分の希望のものではなかったことに気付きます。

そこで、契約をやめると言うと、業者とのバトルが勃発します。私も数々のバトルを経験しました。

そのバトルがいやで希望物件でもないのに契約してしまうことも。

これは、脅迫という犯罪かもしれません。

物件の悪いところを隠して契約させれば詐欺かもしれません。

実際そんなことがあっても警察は民事不介入で関与してくれません。

自分を守るには自分しかいません。
それが無理なら本当に信頼できる相談者を見つけてください。
ハウスメーカーは営業がすごいです。

とにかく早く契約をさせる。契約後の多少のプラン変更は大丈夫かのように匂わせて。

しかし、実際は契約をしたら契約が全てです。

仕様書があれば、そのとおり。ハウスメーカー標準品というあいまいなキッチン、お風呂、トイレなどがあります。

「ハウスメーカーだから立派なキッチンだろう」とお客様が勝手に勘違いして、トラブルになります。

ハウスメーカー標準品を実際見てみたらとても安っぽいもので、良いものに変えてもらったら、追加料金をたっぷりとられたなんてことも。

契約では、ハウスメーカー標準品となっていますから、契約した後ではどうにもなりません。

後悔しても後の祭りです。

そうならないように事前に相談してください。
09年03月13日

別途工事の不備

ハウスメーカーは坪単価を安く見せるために、本体工事の見積もりとそれ以外の工事を分けて出します。

カーテン工事や、床暖房工事、エアコン空調工事など。
これらは最初のプランに基づいて出されたままになっている場合があります。

打ち合わせの際に間取りなどを変更したとします。そうなれば、当然上記の別途工事のお金が変わります。

窓が増えればカーテンは増える。エアコンが増えればエアコン空調工事も増える。床暖房も面積が増えれば増える。

当然、見積もりも上がるはずです。

しかし、別途工事はそのままで契約をさせようとするケースが実際にあります。

担当者のミスなのか、故意なのかわかりませんが。

契約してしまったら後の祭りです。建物が完成した後に

「カーテンが足りませんでしたので追加になります。」

「全面床暖房のはずが、半分だけだった!」

などの問題がわかります。

担当者にクレームを言ったとしても、契約した時の別途工事の見積もりが全てです。

見積もりをチェックしないで契約したたお客さんが悪いということに。
フジテレビの朝の情報番組 『とくダネ!』で静岡県の中堅ハウスメーカー富士ハウスの破産問題をとりあげました。

富士ハウスと契約した際に着工前に7割ものお金を支払ってしまって、多額の追加負担を強いられる問題。

登場した静岡の弁護士は

『着工前に7割も払わせるのは異常』

とコメントしていましたが、結構そういうマイホーム業者はいます。

私の地元仙台でも。

そのあたりの異常さを平成19年から指摘していた私のオリジナル小冊子
『欠陥住宅より怖いマイホーム業者倒産』

これを静岡で普及させていたら、こんな大勢の被害者は出なかったのではと悔やまれます。

番組で残念だったのは、富士ハウス破産の問題について報道するのみで、どうしたらその被害に遭わないようにできるかの対策が無かったことです。

ぜひとも、一生で最大クラスの買い物であるマイホームで被害に遭わないような対策についても放送して、被害防止に一役買っていただきたいものです。

私一人の力はとても小さいです。報道関係の方よろしくお願いいたします。

凄腕の営業マンにあたったり、アピールのうまい商品やCMにあたるとそこの大ファンになってしまうことがあります。

マンションや、注文住宅にありがちです。(あとはマルチ商法。)

「○○じゃなきゃだめ!」

「いくら高くても○○ならものがいい!」

ファンになるのはいいのですが、あくまでもきちんとした商品や会社であることが絶対条件です。

法律違反や詐欺まがいのところにマインドコントロールされてはいけません。

また、自分の生活を壊すような金額の商品は、どんなにファンになっても購入してはだめです。

※マルチ商法にひっかかって借金をして商品を買い込むのと似ています。

自分の返済能力を超えた高額なマンション。

買うまでは営業マンはその高額なマンションを買う夢を見させます。

こんな立派なマンションで家族で過ごせたらどんなにすばらしいか。など。

しかし、購入した後はどうなるか。

返済能力を超えているため、夫婦は共働きで朝早くから夜遅くまで働かないといけない。休みもないかもしれません。

子どもが小さいときは保育園などにいる。

子どもが小学生になれば、学校から帰った子どもが一人でマンションの中でさびしく食事をとる。

子どもが中学校・高校のころには子どもも部活や塾で家にいない。

つまり、せっかく高いマンションを買ってもほとんど使えない事態が発生するのです。

さらに、教育費負担が増えたり少しでも予定外の支出(家族の病気・ケガ・介護、転勤など)があれば住宅ローンが返せなくなり、住宅ローン破綻。一家離散となるかもしれません。

契約前に必ず冷静に戻ってください。

新築マンションの価格下落がだいぶ話題になっています。

1年以上前からこの状況を予告しておりましたので、お客様から「西村さんの言ったとおりですね。」とのお褒めの言葉をいただく日々です。

ただ、新築マンションの値下げは喜んでばかりはいられません。

4000万円の部屋が3500万円に値下げになったのでお買い得と思ってあせって契約してしまうと大変です。

中には、3500万円で買えば4000万円で転売して儲かると勘違いさせるような売り方をする業者もいますのでご注意を。

マンションの価格がそのまま相場です。

3500万円で買ったマンションは基本的にそれ以上では売れません。

また、値下げしたマンションを買った場合は、実際に住んでから、値下げ前の価格で買った入居者とトラブルにならないようにしてください。

もし、そんなマンションを買った方がいたらほかの人にいくらで買ったか言わない方がいいですよ。