ふと、大学生の頃の話を思い出しましたので書きます。

大学生の頃一人暮らしでアパートに入居していました。
ふとした事情で、8月に引っ越すことになったので、大家さんに、8月で引っ越すことを伝えたところ、

「こんな時期に引越しは認められない!引っ越すなら3月までの家賃を払いなさい!」と。

学生の時すでに宅建試験に合格していた私は「は?何を言っているんだ?」という感じでしたが、大家さんは大真面目でした。

その場では埒があかないので、いったん話は打ち切りましたが、少しして、「○○さんから説明してもらってください。」と大家さんに言われました。

ちょっと学生向きなので不動産屋が仲介したわけではなく、なんかの組合が間に立っていたので宅建業法的にどうなのかは今となっては疑問でしたが。

その○○さんのところに行きました。

その○○さんは大家さんの味方でみんな学生は3月までの契約となっている。3月までの家賃を払いなさいと。

しかし、そんなことは契約書のどこにもありません。(もしあったとしても違法(当時は定期借家法はなかったので)ですが。)

世間のことを知らない学生だからだませるとでも思ったのでしょうか?

確かに学生向けのアパートをやっている大家さんにとって8月に出られるのは痛いです。

しかし、それもリスクの一つです。

それを学生が相手だからと訳のわからない理屈で言いくるめて大金を巻き上げようとする態度は許せません。

結論はこのブログの読者ならお分かりだと思いますが、全面的に私の主張が勝ちました。

しぶしぶ大家さんと○○さんは転居を認め、敷金も全額戻してもらいました。

かわいげのない学生でしたね。


「西村さんのお叱りを受けて、家族でよく相談した結果、今回マイホームを買うのはやめました。あのまま○○○(某ハウスメーカー)ですすめていたらと思うとゾッとします。いずれお金を貯めてまたマイホームを買うときにはご相談させてください。」


私は、お客様を叱ることがあります。


業者にいいようにあしらわれて、本来自分たちが欲しくもないマイホームをいつのまにか契約させられそうになる方。

マイホームは人生で一度くらいしかない買い物。良くわからず、営業マンの進めるがままに無理な住宅ローンを組まされる。

ご主人は乗り気だが、奥様は実は乗り気ではない。

住宅ローンを返すには、ご主人だけの収入では無理。奥様も働かなくてはならない。しかし、奥様が子どもを保育園に預けずに手元において育てたい。

そんな中、無理にマイホームを購入したらどうなるか。

ご主人から、「早く働きに出ろ!」とか、家計が苦しいことの理由に「俺の稼ぎが少ないって文句を言いたいのか!」と夫婦喧嘩が耐えない家庭にもなりかねません。

みなさんは家が欲しいのですか?それとも楽しい家庭生活が欲しいのですか?

きれいなマイホームやマンションを買ってもそこに住む家族の絆がなく、殺伐した生活を送っても良いのですか?

きちんとそこを考えないお客様には遠慮なく叱り付けます。

叱るというのは、その方のことを本気で考えているから。

※売り手業者が「ぐずぐずしないで早く契約しろ」と叱るのは違いますよ。

買わない方が良いと堂々とアドバイスしてくれる立場のところに相談してからマイホームは契約してください。
FPとしてのコンサルティングをする際にやっかいなのが、素人親戚のアドバイスです。

マイホーム取得に関して、事細かに提案して差し上げても、親戚のアドバイスの方を信じる(というか断れない)方もいます。

先日の方はもう1年近く前からの相談者ですが、定年退職後の住まい(一人暮らし)についての相談でした。

マイホームは無かったのですが、様々なことを伺った結果、平屋の新築で土地建物込みで2000万円以内なら買っても良いというアドバイスをしました。

その後、色々と物件を見たり、見なかったりして月日が経ちました。随時不動産の情報もお送りしていました。

すると先日、「建売を買うことにしました。」
と連絡がありました。

どうやら家を探していることを知った親戚が建売のチラシを見て「これはどうだ?」ということで見に行ったら、営業マンにのせられてその場で申込をして、1週間も経たないうちに契約させられていました。

契約を急がせる物件にロクなものは無いのですが、それでも条件に合っていればと思い色々聞いてみると、私のアドバイスとはまったく違う物件でした。

典型的な若いファミリー向けの戸建。

階段は急。
ドアは開き戸。
玄関や廊下の幅は狭い。
総2階建て。
1階に収納はほとんど無い。
冷暖房設備も無い。オール電化でもない。
浴室がせまく湯船の手すり等も無い。
キッチンも将来車椅子でも使えるような配置になっていない。
金額も2150万円とオーバー。固定資産税も高い。

60歳の一人暮らしの女性がここに住んでいいのでしょうか・・・。営業マンも本当にそれでいいと思っているのか・・・・。

一人暮らしですから下記のようなことが起こると大変です。

階段から落ちて脊髄などを損傷して寝たきりにならないか。(実際そのようになった親がいる相談者もいます。)

浴室で転倒して、骨折などしないか。

浴室の温度差でヒートショックで倒れて後遺症が残らないか。

灯油を入れる作業が必要となり、ヒートショックはもとより火災の可能性は高くないか。(年をとると目が見にくくなり、手元も危ないです。)

総2階であるため、壁や屋根の塗装をする際に足場が多く必要となるため高くなります。(100万円単位)

このようなことも考えて、私は提案したのですが、素人親戚のアドバイスで残念な結果になりました。

この親戚はこの提案した家のせいで、この方が寝たきりや車椅子生活になったときに助けてくれるでしょうか?

予算オーバーの上、メンテナンス費用も高くついてお金が無く苦しい生活をしたときに助けてくれるでしょうか?

おそらくそれは無いでしょう。助けないにしても罪悪感は持つかもしれません。(罪悪感を持たない業者よりはいいですが)

安易な素人アドバイスが一生の後悔にもなりえます。


仮に15年間事故がなくても、そのうち1階だけで暮らすようになります。そのとき1階に収納が無いため物に囲まれる生活をします。視力が衰えて、足元もおぼつかない状態で色々不自由があります。そこに石油ファンヒーターがあれば、火災につながる可能性も・・・・。


私の力の無さではありますが、その方の将来を憂います。ただただ事故が無いことを祈るのみです。


先日破綻した菅井工務店の最近の決算書を調べました。

私独自の採点方法があるのですが、採点の結果は100点満点中50点くらいでした。

赤点の40点はなんとか上回っていました。

これはどういうことか。

50点程度では安心できないということです。50点程度ではなんかの拍子に倒産することも十分にありえるということです。

※私が相談者に工務店等の紹介を依頼された場合にご提案するところは80点以上のところのみです。


これまで私はお客様自身が見つけてきて気に入っている工務店については、赤点さえとっていなくて、不正をしていなければそのまま契約をすすめてもらっていました。

しかし、今回のことからするとこのままで良いのか・・・・。50点程度の業者と契約をしようとしている相談者に対して、黙っているべきなのか・・・。悩みます。

中立な立場ですのであまり特定の業者を勧めることはしたくないのですが、50点でも倒産する以上、それは教えたほうがいいのではないかと考え出しています。

でも本当の問題は、赤点をとっているような工務店がまだまだ多数営業や広告宣伝(フリーペーパー等)をしていることです。そのようなところに当たらないようご注意ください。

※半数以上は赤点。
何度もブログでお知らせしておりますが、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」は、平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅について、建設業者及び宅地建物取引業者に瑕疵担保責任保険への加入又は保証金の供託の方法による資力確保を義務づけています。

平成20年5月12日に2つの第三者保障機関が、住宅瑕疵担保責任保険法人に指定されました。

最終的に5〜6社が指定されると思われます。

もう本格的にマイホーム業者が淘汰される時代に入ってきました。

第三者保障に加入しない(経営状況や施工技術の問題で加入できない)マイホーム業者が多数営業していますが、今後どうなるか。

平成21年10月1日の半年くらい前から受注を取りまくり施主からお金を集めるだけ集めて計画倒産・夜逃げをもくろまないことを願います。

消費者も自己防衛してください。もう、第三者の保障をつけられないマイホーム業者に依頼するのは火の点いた爆弾を持つことと同じです。




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