「仙台の建設業者再逮捕 工事前金詐取容疑

 無許可で住宅建築を請け負ったとして、仙台北署が建設業法違反容疑で逮捕した仙台市泉区南光台1丁目、建設業三宅泰太容疑者(60)が、別の建築工事で前金をだまし取っていた疑いが強まったとして、同署は26日、詐欺の疑いで同容疑者を再逮捕した。

 調べでは、2006年4月、仙台市内の70代女性に「資材を米国から直輸入するので安く販売できる」と持ち掛けて、別荘の新築工事を請け負い、前金約100万円を受け取ったまま着工せず、だまし取った疑い。

 北署によると、三宅容疑者はパンフレットに実在しない神戸本社や米国の支社を記載していたという。建設途中で住宅工事を中断された被害者は数十人に上る見込み。

 三宅容疑者は1999年4月に「アメリカンスタイルホームズ」という社名で無許可で建設業を始め、社名を2度変えて無許可営業を続けた。北署は余罪があるとみて調べている。

 三宅容疑者は05年3月、国や県の許可を受けずに青葉区の会社員男性から住宅建築を請け負ったとして、今月6日に建設業法違反の疑いで逮捕された。
2007年11月26日月曜日 河北新報」

 以前にも書きましたが、1999年から営業していたとは驚きです。8年間も無許可の業者が営業を続けられた。

 なぜ、こんなことが可能なのか。それは消費者が無許可の業者でないかチェックすることをしないから。

 消費者が悪いという意味ではありません。

 チェックする方法がどういうものかを知る機会が少ないからです。

 建築士も不動産業者も建設業者などマイホームに関わる業者がチェックしようと声をあげない部分であるため、消費者は知らないままきていました。

 そのため今回のような数十人の被害が出てしまいました。

 これからこんな被害者が少しでも少なくなるように力になれればと思います。

 今回の事件の意味することは、あなたの頼んだ業者・頼もうとしている業者ももしかしたら無許可業者かもしれないということです。 

 きちんと業者のチェックをしましょう。
11月19日に書いた先日の新築マンション購入予定者の住宅ローンについてです。

購入者のAさんから
「マンションの担当者の言っていることがわからないので、西村さんからマンションの担当者に電話してどういう意味か聞いてもらえませんか?」

との依頼がありました。

マンション業者に限らず様々な業界では、消費者にわかりにくい説明をすることがよくあります。

業者にとっては当たり前の話でも、購入者にとっては初めての経験です。

そのあたりの消費者を意識していない業者がまだまだ多くあります。
(あえて、消費者にとって不利な内容であるのに、わけのわからない用語で説明する悪質な業者もいますし)

私はくらしとお金のセカンドオピニオンとしていますが、くらしとお金の通訳でもありますね。


さて、話しを戻しますが、マンション業者にAさんにどういう話をしたのか聞きました。マンション業者の担当者は

「ちゃんと説明しましたよ。」

と言っていましたが、Aさんには伝わっていなかった。

Aさんがきちんと理解しなければ説明したとはいえないと思うのですが、その辺のずれがありました。

そこで、先日の金利の話しになりました。

FP:
「そういえば、△△銀行は2%台の金利で○○銀行は6%台の金利だったんですね。△△銀行を提案した私のアドバイスが役に立って良かったです。そちらも早く成約の目途がついたでしょう。」

マンション業者:
「△△銀行の融資担当に当社から交渉したからですよ。当社はつきあいがありますし。」

との返答。

マンション業者が銀行とのつきあいがあるのは当たり前の話です。

そのつきあいがある銀行を最初にAさんに提案しなかったのはマンション業者です。

私が△△銀行を提案していなければ、6%の金利の○○銀行からしか審査のOKが出ていない状況です。

Aさんは購入を諦めたかもしれません。

あきらめずに6%台の金利で契約したかもしれませんが、将来Aさんが住宅ローン破綻する可能性が出てきます。

マンション業者としてのプライドがあるのか、
あくまで△△銀行で2%台の金利で通ったのは、自分の手柄だという態度。
マンション業者は銀行に口がきくならどうして○○銀行で6%だったのでしょうね。

別にマンション業者に手数料や恩着せするつもりは無いですけど、そういう態度をとられると気持ちよくないですね。こちらは善意で教えてあげたのに。

まあ、私の提案でAさんの利益になったからいいのですが。ますます業者不信になる事案でした。

今回のAさんは仕方ないですが、こういう態度をとるマンション業者はお客様に提案したくないですね。

後で言った言わない、もし欠陥があっても責任を認めないような問題が起こりそうな印象を受けました。

建設倒産じわり増勢・今年度4年ぶり4000件突破へ
 建設会社の倒産が増勢を強めている。東京商工リサーチによると、2007年度の倒産件数(負債額1000万円以上)は2年連続で増加し、4年ぶりに4000件を超す見通しだ。公共工事減少と談合の摘発強化に加え、耐震偽装の再発防止を目的にした建築確認審査の厳格化で民間工事も減少。受注競争の激化で採算悪化に直面しており、地方の有力企業が経営破綻する例も相次いでいる。
 東京商工リサーチのまとめでは、07年4―10月の建設会社の倒産件数は前年同期比3.7%増の2425件。
(日本経済新聞 11/21)

地方の有力企業が経営破綻する例もある。

名前はとても有名で誰でも知っているような地方の建設業者が突然倒産することも。

有名な建設会社だからと大切なマイホームを頼んだとしても経営状態はガタガタということも。

私は宮城県内の10年超の営業をしている著名な建設業者・工務店の経営状態を調査しています。

中には『え!この有名な会社がこんな倒産寸前なの?』と驚くことも。

大切なマイホームを頼む建設業者はきちんと経営状態を調べてください。

このようなことを言っている士業(司法書士・土地家屋調査士・建築士)とか不動産業者とかがいないのは残念・・・・。

まあ、それらの方にとっては大切なお得意様が建設業者ですから、そこの悪口はいえないですけどね。

あとは経営などの分析の知識を持っていないことも原因です。

やはり第三者の存在が大切ですね。


週末17日の河北新報の朝刊に岩沼市が工事を発注した建設業者が経営難で建設途中で契約解除をしたとの記事が出ました。

以前記載した違法業者のような悪質さは無いと思いますが、多方面に迷惑をかけたのは事実です。
 この件で驚くべきことは、岩沼市が信用調査をしないで工事を発注していたことです。

入 札の窓口を広くして、良い工事を安くすることは大切ですが経営難になられては困ります。別件で問題となり記事になっていますが、材料の不備がのちに発覚した時の対応にも問題が生じます。

 自治体が建設業者の信用調査をしていないのに、一般の方がそれを行うようになるのはまだまだ先のことになってしまうのかなと残念に思います。

 それでも私は地道に活動していきますが。

 私のところには「実はマイホームを建ててもらった業者が廃業してしまったんです・・・。」との相談が寄せられます。まだ大きく表面化していませんが、これからどんど社会問題化していくのではないかと思います。
昨日、早速無許可業者の逮捕について、消費者生活センターでは何か対応をとっている(とる予定かを聞きに行きました。

返答は・・・・・

「なにもしていない。」

「うちというより県とかが対応するのでしょう。」

予想していたとはいえ、がっかりです。

今回の問題の一つには、

消費者が建設業許可が本物かどうかを確かめる方法を知らないということだと訴えました。

消費者生活センターの人に、「あなたはどうやって建設業許可が本物か確かめるか知っていますか?」
と尋ねたらやはり「知らない」とのことでした。

消費者生活センターの人が知らないのに一般の人は知りようが無いです。

建設業許可が本物かどうか調べ方や調べ方の重要性を周知すべき立場が消費者生活センターだと思うのですが・・・・。

今回の問題は更に、建設業の経営状況にも問題があります。

今回の業者は資金繰りがつかず、受注した工事を完成することができなくなって、施主に訴えられて無許可営業が発覚して問題になりました。

施主にとっては、無許可営業うんぬんは変な話どうでもいいことです。きちんと注文した家を完成させて引き渡してくれさえすればよかったのです。

※もちろん無許可営業を肯定しているわけではありませんよ。

もしもきちんと建設業許可をもっていた業者が工事の途中で倒産して、工事の途中で止まってしまってもマスコミは取上げないです。

でも、施主の被害は無許可だろうが正式な許可がある業者だろうと同じです。

正式な許可がある業者は一般の消費者でも経営状況を調べることができます。

それを怠って業者が倒産して被害を被っても施主の自己責任ということになりますので。

今回の被害者も建設業者の経営状況を調べようと思ってさえいれば無許可の業者だと気付いたはずです。

もっとおそろしいのは、このような法律違反を犯している建設業者が多数営業をしていることです。

普通に広告している業者でも、私が調べたところ法律違反をして営業をしているの多数確認しています。(無許可営業も含む)

今、建設業界は淘汰の時期に入っています。倒産するところ、違法を承知で営業をしないと経営できないところが多数出てきます。

そんな中、自分の生涯の財産の家を守る方法を消費者は知らずにいるのは大変な問題だと思います。







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