住宅の広告でこんなものを見つけました。

30年後に請負金額の60%以上で買取を保証するとのこと。

おそらく10年毎のメンテナンスをその業者がかけるのが条件とか、分割支払い、インフレ率を控除するとか色々条件があるのでしょうが、それは契約書に小さく書いてあるだけかもしれませんので注意が必要です。

でも本当に気になるのは30年後に本当に買い取ってくれるのか。

30年後にその会社が存在するのか。

存在するとしても別会社を立ち上げて、買取保証をした会社は倒産させていて買い取り義務が無くなっているかもしれません。

広告につられて、30年後に後悔しないようにしてください。
マイホーム業者にマイホームの夢だけ散々見せられたが住宅ローンが通らない方の相談もあります。

マイホーム業は日々競争で、展示場に来たお客さんをなんとか成約させようと必死になります。

はじめは、ただ展示場に遊びにきただけで家を買うつもりはなかったのに、マイホーム業者のトークに乗せられてその気になる。

すっかりプランニングをたててもらってその気になり、いざ住宅ローンの審査を申し込んだらさっぱり通らない。

マイホームの夢が膨らんで近所や親戚にも「マイホームを買うの。」と言って回っていた奥さんはショックと怒りでいっぱいに。

住宅ローンの審査に通らないのはご主人の稼ぎが悪いせいだと夫婦喧嘩に。

笑い話ではなく本当にあった話。

マイホーム業者は家族の幸せをも崩壊させることがあることを考えて営業してください。
09年03月31日

賃貸か購入か

よく相談されるのがマイホームについて賃貸がいいのか購入がいいのか。

下記のプランでシミュレーションしてみました。

73平方メートルの新築分譲マンション。東照宮駅から徒歩10分程度。
物件価格3000万円。購入時諸費用300万円。
管理費・修繕積立金・駐車場代月25,000円。

3000万円のローンを元利金等返済で全期間固定35年金利3%で借りた場合、月々の返済額は約115,455円。
(住宅ローン減税は廃止後、金利上昇傾向なので3%を超えるかもしれませんが。)

35年の総額で48,416,100円。

他に固定資産税・都市計画税がかかります。35年平均で年12万円として月1万円。

合計した住居費として月約15万円を35年間払い続けます。

※ほかに修繕積立金が途中で大幅に上昇することがありますが、それは計算に入れないでおきます。

近くのほとんど同条件のマンションで築33年のものが600万円で売りに出ていますので(仲介手数料、簡単なリフォーム代なども考え、築35年で売却して手取り500万円とします。

一方賃貸で駐車場込みで家賃10万円とします。火災保険料は別途加入が必要ですが、分譲マンションでも地震保険に加入することもあるので考慮しません。

賃貸は固定資産税もかかりません。最近は更新料もかからないところが増えました。一時的に敷金礼金等が発生しますので、それを40万円とします。

まず初期費用が300万円−40万円=260万円

これを35年1%の複利運用すると3,683,160円になります。

毎月15万円−10万円=5万円を年1%で複利運用しながら35年積み立てると25,131,458円になります。

合計28,814,618円となり、分譲マンションを売却した場合の500万円との差は2300万円以上になりました。

毎月の差が1万円、つまり家賃が月14万円だとしても35年で300万円以上賃貸が多く貯蓄できる計算になります。

家賃月14万円ならかなり良い物件に住めます。賃貸マンションでなく賃貸の戸建にだって住めます。

分譲マンションではこのようになりますが、戸建の場合は管理費等がありませんし、土地は残りますのでまた変わってきます。

ライフプランによっては分譲マンションを購入した方が良い方もいます。

ご参考に。
 アーバンエステート破綻、負債総額50億円

 注文住宅販売の「アーバンエステート」(埼玉県川口市)は24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、財産保全命令を受けた。申請代理人によると、負債総額は約50億円。

 平成14年9月設立の注文住宅建築工事業者。檜乾燥材4.5寸角・60年保証で、坪単価24.8万円の「一生涯の家」を前面に打ち出した営業を行い、テレビ・ラジオなどで積極的にCMを流すなど、業界後発業者でありながら知名度も相応に浸透していた。

 しかし急激な営業拠点の拡大と広告費がかさみ資金繰りが悪化。金融危機と不動産市況の低迷が追い打ちを掛けた。

2009/3/24 共同通信他

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またまたまた、注文住宅業者の破綻です。

本当に私が2年前に予測したとおりの状況になっています。

60年保証を信じて購入した方もたくさんいたことでしょう。

まだ民事再生の段階ですが、利益が薄い60年保証を引き継ぐようなことになるのか。

坪単価が安いことを前面に出して、なおかつテレビ・ラジオCMをバンバンやっているところ、他にもありますが果たしてこれからどうなるでしょうか。


家づくりのコンペをする際に参加する業者は様々です。

相談者が私に相談にくる前から検討しているハウスメーカーが入ることも多数あります。

私の紹介の工務店ではなく、相談者が自分で見つけて検討している工務店が入ることもありますが、その際はその工務店の経営状況や評判をチェックします。

倒産リスクが非常に高いわけではない(なんとかあと5年以上は持つ)工務店であればそのまま参加してもらいますが、欠陥リスクが高い、2年程度でも倒産しそうな場合は相談者に説明して、コンペから抜けさせることもあります。

それでも3社に満たない場合は、私が紹介する工務店が入ります。

もちろん、まったく業者のあてが無い方は、私から3社を紹介します。

その3社は、欠陥住宅を作らない。万一不備があっても誠実に対応する。消費者に極端に不利な契約を結ばない。施工などを私がチェックしたい場合はきちんとOPENにする。経営状況をチェックして10年以上続けられるところのみです。

なかなか完全に満たす業者は見つからなくて悩んでいます。現在7社程度です。それでも工法やコストや得意な工事に違いがあるので、相談者の要望にあった業者を3社出すのは苦しいです。

しかし、いい加減な業者を紹介するわけにはいきませんので、地道に業者チェックをして紹介可能な業者を増やしていこうと思っています。

私の基準からすれば、宮城県内の数千社の業者の中で信頼できるのは7社程度ということです。

難しいとこです。
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