12月8日日経記事「経済教室」、八塩裕之京都産業大学専任講師の「米で進む税制改革論議、日本への含意 課税ベースの拡大急げ」に関心を持ちましたので紹介します。


(グローバル化や少子高齢化が税制に与える影響)

1,資本や所得の国境を越えた移動が激しくなり、企業や富裕層への課税が難しくなる。
2,格差問題の対処、若年層を中心に所得格差が拡大しており、低所得世帯への所得再分配強化の必要がある。
3,高齢化の進展で増大する社会保障費をまかなうための税収確保。


(税制改革の提案は)

1,企業では、投資の即時償却と引き換えに、現存する課税上の特別措置を原則廃止する。
2,家計に対しては、基礎控除を含むすべての所得控除を原則廃止する。
3,税制を所得税と法人税による所得課税から、消費課税に移行すること。


(日本への示唆)

 家計が負担する所得税と消費税に絞り、次の二点を指摘する。

1,課税ベース拡大による税収拡大。日本の所得税の課税ベースは所得控除で大きく浸食され、負担は国際的にも非常に低い。また、消費税を引き上げる場合も、軽減税率を導入したり非課税品目を無くしたりして課税ベースを広くとり、極力低税率で多額の税収を確保すべきである。

2,税額控除を活用することだ。所得控除の廃止や消費税増税は国民全体の税負担とともに、低所得者の負担を増やすが、同時に税額控除導入する改革が有効である。国民全体の負担を増やしつつ低所得者の負担増を避けることができる。



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