深刻な財政赤字のため、いよいよ消費税に関する議論が活発になってきました。現在、日本の消費税率は、非課税のものを除いてすべて一律5%です。今後これが、引き上げられていきそうな気配です。そうなると問題になるのが、「所得に対する逆進性」です。これは、税率が上がると所得が低い人ほど「収入に対する消費税の割合」が大きくなるという考え方です。
そのため消費税率の高い国々では、食料品などの生活必需品等については税率を低く抑える「複数税率」を採用しているところが多くありますが、その課税方法は様々です。
例えばイギリスでは、食料品の税率は0%でも温かい商品などは17.5%になります。また、ドイツではハンバーガーをお店で食べると税率は19%ですが、持ち帰れば7%になります。さらにフランスではキャビアが19.6%でトリュフは5.5%と定められています。このように複数税率は、同じ商品なのにどこで食べるかで税率が異なったり、食料品の種類や状況によって細かく分類されて非常に複雑です。そのため日本では、消費税率を引き上げた場合、複数税率にするのか、はたまた現状のように一律税率のままで、所得の低い人には食料品などの支出に掛かった消費税分を払い戻す方法にするのかが議論がされています。