大阪市職員の学歴詐称問題、すなわち、多くは大学卒なのに高校卒限定の採用試験を受け、職員に採用された者が、全職員約4万5000人のうち1、141人もいたというのには驚くばかりだ。
 さらに、その処分にも驚く。このような事案では、神戸市などは懲戒免職にしているが、何と1ヶ月の停職処分というのだ。

 それは、業務に支障が出ては市民に迷惑がかかるというのが、表向きの理由であろう。しかし、そこには甘えがないか。高校卒の者が大学卒の学歴詐称を行えば、間違いなく懲戒免職であろう。政治家でも、出てもいない大学卒を詐称すれば、政治家生命さえも危うくする。

 しかし、採用試験において、本来あるものを過少申告して試験を受けることは、本来ないものをあるものとして試験を受けることと、本質的に異ならない。なぜならば、その学歴詐称をしなければ、その採用試験を受けることができなかったのであるから。

 「公務員として安定した生活をしたかった」というのが、学歴詐称の理由のようであるが、この人達は、自分が学歴詐称して採用試験を受けたため、本来採用されるべきであった高校卒の人達が、蹴落とされてしまったという認識があるのであろうか。彼らの就職する権利を侵害したのである。

 何ともスッキリしない処分であった。

 今回はこの辺で。