07年09月30日
退職届 内容証明
退職届内容証明作成代行サービス http://naiyou-center.com/naiyou21.html
こんなことはありませんか?
●退職願を出したが、「預かっておくから、その間に考え直してくれ。」「今は忙しい時期だし、辞めてもらっては困る。」などと言って、受け取ってくれない。ノラリクラリとかわされて、いまだに辞められない。なんとしても退職願を受け取ってもらいたい。もう次の職場が決まっている。
●社内にてパワーハラスメント(上司による嫌がらせ)が横行していて職場環境が最悪。歴代の退職者たちは退職願を受け取ってもらえないまま逃げるようにして辞めていった。自分も退職したいが、きちんと退職という形で辞めたい。
など
労働契約に係る法律
●労働基準法という法律がありますが、事業主から労働契約を解約する規定(法20条)しか定められておらず、労働者からの解約(退職)については何も定められていません。したがって、労働者からの解約を考える場合、民法という法律の適用を考えることになります(ただし、就業規則等の関係もあります)。
●効力関係
法令 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約 (※左の方が効力が強い)
※いくら就業規則等に記載されていても、法令に抵触する場合には、その部分は無効となります。
民法の規定(解約の申入れ)
●期間の定めのない労働契約
日給制・日給月給制・時給制など(民法627条1項)
「期間の定めのない労働契約(雇用契約)については、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と規定されています。
※日給月給制とは、月給制ではあるが、欠勤や遅刻などの不就労があったときにその分だけ賃金を差し引くものです。
完全月給制(民法627条2項)
「期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。」と規定されています。この規定は、完全月給制(欠勤しても賃金がカットされない、など)の場合に適用される規定で、月の前半に解約を申し入れなければ、その月には退職できず、月の後半に申し入れると翌月の末日に退職の効果が生じるということです。
年俸制など(民法627条3項)
「6カ月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項(2項)の解約の申入れは3カ月前にしなければならない。」と規定されています。ようするに、年俸で労働契約を締結している人が退職する場合は、退職予定月の3カ月前までに退職の申入れをしなければならない、ということになります。
※注意
・上記の予告期間を無視して、一方的に労働契約を解約した場合、相手方に何らかの損害が生じたときは、その賠償を請求される可能性があります。
・民法で定める上記の期間を経過しない場合でも、使用者側が退職願を受理するなどして退職を認めた場合には、退職は可能です。
●期間の定めのある労働契約(有期契約)
・労働契約に期間の定めがある場合は、原則として、その期間の途中で退職することはできません。ただし、やむを得ない事由があるときは、ただちに労働契約の解除(解約)をすることが認められていますが、その事由が労働者の過失によって生じた場合は、使用者から損害賠償を請求される可能性があります(民法628条)。「やむを得ない事由」かどうかは、様々な事情を総合的に判断することになりますが、回復に長期間を要する病気、パートタイム労働者で配偶者が遠方に転勤することになった場合などは、「やむを得ない事由」の典型例と言えます。
・期間の定めのある場合で、かつ、やむを得ない事由がないときであっても、使用者側が退職を認めた場合は、期間中であっても、退職できます。
条文(参考)
(期間の定めのある雇用の解除)
第626条 雇用の期間が5年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、5年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、10年とする。
2 前項の規定により契約の解除をしようとするときは、3箇月前にその予告をしなければならない。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第628条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
退職するのに会社の承認は必要ない
●労働期間に期間の定めのない場合、労働者が自分の意思によって会社を辞めることは、基本的には自由にできます。
●民法の規定では、労働者が退職を申し出た場合には、会社の承認や同意がなくても、原則として、2週間後に退職の効果が生じます。つまり、退職する場合には、原則として、2週間の予告期間を置くことが必要となります。
●就業規則等で2週間より短い予告期間が定められているときは、その期間を置くことで足ります。
●就業規則等で2週間より長い予告期間(1カ月、2カ月など)が定められているときは、その規定は、原則、無効であり、2週間の予告期間でよいことになります。
※しかし、業務引継ぎや後任者の補充などの必要から、退職願の提出日を1カ月〜3カ月前と定めている会社も多いのが現状です。こうした事情を考慮して、従業員を不当に拘束しない範囲内であれば、退職願の提出期限を2週間より長くした就業規則の定めも有効とした判例もあります(昭和37.4.23浦和地裁熊谷支部決定)。したがって、就業規則の定めに基づいて、退職願を提出後1カ月経たないと退職を認めないという取扱いも、必ずしも違法とは言い切れないのです。
退職願と退職届・辞表
●退職願
・通常、退職願を出した場合、使用者が承諾するか、もしくは申入れから民法で規定されている予告期間が経過したときに解約(退職)の効力が生じると解されています。
・労働者からの退職願は、労働契約の合意解約の申入れ(申込み)と解されています(退職願は、労働者から使用者に対しての一方的な労働契約の解約ではなく、使用者の承諾を得るための申入れ(申込み)であるとする判例が多い)。
・退職勧奨も、使用者からの労働契約の合意解約の申入れ(申込み)と解されています。
・退職願の場合は、会社の承諾権限者からの「承諾」の意思表示がなされるまでは撤回が可能です。例えば、退職願が人事権のある社長や役員等まで上がっておらず、上司が預かっている状態にある時点では、まだ撤回できるということです。
●退職届・辞表
・労働者からなされる退職の意思表示(労働契約の解約告知)と解されています。
・退職届のように、労働者が労働契約の解約を、使用者に対して一方的に通告した場合には、使用者の承諾がなくてもその意思表示がなされた期日に解約の効力が生じるという判例があります(平成9.6.20東京地裁判決)。
・退職の意思表示の到達と同時に労働契約の解約日(退職日)が特定するため、意思表示の到達後の撤回はできなくなります。
●退職願も退職届等も、厳密には使い分けられていないのが実状です。ですから、現実には文書の形式に関わらず労働者の意思表明の内容や状況などを総合的に判断することになります。
●会社の人事権者に対して、明確に辞める意思を示すのであれば、「退職届」とする方が意思が伝わる、と言えます。
対応策
●(1)自分の労働契約(雇用契約)が期間の定めがあるかどうか、(2)退職の手続きについて、就業規則にはどのように定められているか、をちゃんと確認したうえで、改めて会社に退職を申し出てください。この場合、人事権者(社長や役員、人事部長など)に申し出るのがよいです。
●話し合いで円満に退社できるのが望ましいのですが、現実には、「預かっておくから、その間に考え直してくれ。」などと言われ、いつまでも辞められない状況が続く、ということもあります。会社側が、がんとして受理しないときや相手の態度が不誠実でどうにもならないときには、「最後の手段」として、退職届を内容証明郵便(配達証明付)にして出す方法があります。ただし、内容証明を出す場合には、出した後の状況などをよく考えて出さなければなりません。
退職届を内容証明郵便で出す場合の効果(篠原内容証明作成センター・行政書士篠原司樹法務事務所の内容証明郵便)
●内容証明郵便に第三者(部外者)の名前(「行政書士 篠原司樹」)が入ることにより、会社側も、退職の意思表示(退職届)を真剣に受けとめざるを得ない(無視できない)という効果が期待できます。その結果として、確実に退職できることになるでしょう。
●内容証明郵便の作成から送付まで、すべて当センター・当事務所で代行いたします。
●退職の問題の他に、例えば、「未払いの給料がある」「解雇されたが、解雇予告手当をもらっていない」「残業代を請求したい」「入社時に聞かされていた業務と違う部署に配属された」「有給休暇の取得を拒否された」などの問題や、セクハラ・パワハラ・社内いじめを受けて困っている、ということがあれば、是非、当センター・当事務所にご相談ください。
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など
労働契約に係る法律
●労働基準法という法律がありますが、事業主から労働契約を解約する規定(法20条)しか定められておらず、労働者からの解約(退職)については何も定められていません。したがって、労働者からの解約を考える場合、民法という法律の適用を考えることになります(ただし、就業規則等の関係もあります)。
●効力関係
法令 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約 (※左の方が効力が強い)
※いくら就業規則等に記載されていても、法令に抵触する場合には、その部分は無効となります。
民法の規定(解約の申入れ)
●期間の定めのない労働契約
日給制・日給月給制・時給制など(民法627条1項)
「期間の定めのない労働契約(雇用契約)については、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と規定されています。
※日給月給制とは、月給制ではあるが、欠勤や遅刻などの不就労があったときにその分だけ賃金を差し引くものです。
完全月給制(民法627条2項)
「期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。」と規定されています。この規定は、完全月給制(欠勤しても賃金がカットされない、など)の場合に適用される規定で、月の前半に解約を申し入れなければ、その月には退職できず、月の後半に申し入れると翌月の末日に退職の効果が生じるということです。
年俸制など(民法627条3項)
「6カ月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項(2項)の解約の申入れは3カ月前にしなければならない。」と規定されています。ようするに、年俸で労働契約を締結している人が退職する場合は、退職予定月の3カ月前までに退職の申入れをしなければならない、ということになります。
※注意
・上記の予告期間を無視して、一方的に労働契約を解約した場合、相手方に何らかの損害が生じたときは、その賠償を請求される可能性があります。
・民法で定める上記の期間を経過しない場合でも、使用者側が退職願を受理するなどして退職を認めた場合には、退職は可能です。
●期間の定めのある労働契約(有期契約)
・労働契約に期間の定めがある場合は、原則として、その期間の途中で退職することはできません。ただし、やむを得ない事由があるときは、ただちに労働契約の解除(解約)をすることが認められていますが、その事由が労働者の過失によって生じた場合は、使用者から損害賠償を請求される可能性があります(民法628条)。「やむを得ない事由」かどうかは、様々な事情を総合的に判断することになりますが、回復に長期間を要する病気、パートタイム労働者で配偶者が遠方に転勤することになった場合などは、「やむを得ない事由」の典型例と言えます。
・期間の定めのある場合で、かつ、やむを得ない事由がないときであっても、使用者側が退職を認めた場合は、期間中であっても、退職できます。
条文(参考)
(期間の定めのある雇用の解除)
第626条 雇用の期間が5年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、5年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、10年とする。
2 前項の規定により契約の解除をしようとするときは、3箇月前にその予告をしなければならない。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第628条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
退職するのに会社の承認は必要ない
●労働期間に期間の定めのない場合、労働者が自分の意思によって会社を辞めることは、基本的には自由にできます。
●民法の規定では、労働者が退職を申し出た場合には、会社の承認や同意がなくても、原則として、2週間後に退職の効果が生じます。つまり、退職する場合には、原則として、2週間の予告期間を置くことが必要となります。
●就業規則等で2週間より短い予告期間が定められているときは、その期間を置くことで足ります。
●就業規則等で2週間より長い予告期間(1カ月、2カ月など)が定められているときは、その規定は、原則、無効であり、2週間の予告期間でよいことになります。
※しかし、業務引継ぎや後任者の補充などの必要から、退職願の提出日を1カ月〜3カ月前と定めている会社も多いのが現状です。こうした事情を考慮して、従業員を不当に拘束しない範囲内であれば、退職願の提出期限を2週間より長くした就業規則の定めも有効とした判例もあります(昭和37.4.23浦和地裁熊谷支部決定)。したがって、就業規則の定めに基づいて、退職願を提出後1カ月経たないと退職を認めないという取扱いも、必ずしも違法とは言い切れないのです。
退職願と退職届・辞表
●退職願
・通常、退職願を出した場合、使用者が承諾するか、もしくは申入れから民法で規定されている予告期間が経過したときに解約(退職)の効力が生じると解されています。
・労働者からの退職願は、労働契約の合意解約の申入れ(申込み)と解されています(退職願は、労働者から使用者に対しての一方的な労働契約の解約ではなく、使用者の承諾を得るための申入れ(申込み)であるとする判例が多い)。
・退職勧奨も、使用者からの労働契約の合意解約の申入れ(申込み)と解されています。
・退職願の場合は、会社の承諾権限者からの「承諾」の意思表示がなされるまでは撤回が可能です。例えば、退職願が人事権のある社長や役員等まで上がっておらず、上司が預かっている状態にある時点では、まだ撤回できるということです。
●退職届・辞表
・労働者からなされる退職の意思表示(労働契約の解約告知)と解されています。
・退職届のように、労働者が労働契約の解約を、使用者に対して一方的に通告した場合には、使用者の承諾がなくてもその意思表示がなされた期日に解約の効力が生じるという判例があります(平成9.6.20東京地裁判決)。
・退職の意思表示の到達と同時に労働契約の解約日(退職日)が特定するため、意思表示の到達後の撤回はできなくなります。
●退職願も退職届等も、厳密には使い分けられていないのが実状です。ですから、現実には文書の形式に関わらず労働者の意思表明の内容や状況などを総合的に判断することになります。
●会社の人事権者に対して、明確に辞める意思を示すのであれば、「退職届」とする方が意思が伝わる、と言えます。
対応策
●(1)自分の労働契約(雇用契約)が期間の定めがあるかどうか、(2)退職の手続きについて、就業規則にはどのように定められているか、をちゃんと確認したうえで、改めて会社に退職を申し出てください。この場合、人事権者(社長や役員、人事部長など)に申し出るのがよいです。
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