昨年度一年間関わった、「養育費と面接交渉の調査と推進事業」の報告書がまとまりました。この報告書は、全国の各相談機関に配布される予定です。
 一年間、委員の仕事をお引き受けして一番気になったことは、相談機関が少ないことと、せっかく相談に行ったにもかかわらず相談が中途半端な形で終わってしまっていることです。
 今、国は養育費の取り決めについて積極的に相談体制を整えようとしています。その一つの理由は、母子扶養手当の財政が逼迫していて、できる限り自己責任の中で、養育費をきちんと受け取る事を母子家庭に求めています。また、法制度改正により、今後、母子扶養手当の削減も予定されているようです。

 離婚にはそれぞれ止むを得ない理由があることと思います。しかし、子どもの父親と母親という立場で考えたとき、養育費と面接交渉の取り決めは、子どもの将来のためにも是非話し合いの場を持って欲しいことでもあります。
 離婚となると、双方の感情的なすれ違いはある程度止むを得ない事かもしれません。それだけに、冷静な視野にたって相談を受けてくれる場所が必要ではないかと思います。

 日本には調停制度があります。どうしても、双方の意見がすれ違う場合には、調停を利用する事は必然です。しかし、その調停という制度があることも知らない方が多いのも事実のようです。
 アメリカでは、養育費などの取り決めが確実に行われない限り離婚を認めないといった制度をもつ州も多いそうです。協議離婚を認めている日本においても、もう少し子どもの福祉を優先した制度が欲しいところです。
 まず、気軽に相談できる場所を整えるとともに、相談者双方の立場に立って視野広く未来を一緒に考えてくださる相談者の育成にも力を注ぎたいと思っています。

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