08年07月23日
遅発性統合失調症と後見
このところ、遅発性統合失調に関るお問い合せがたくさん入ります。私たちは、医療機関ではないので、診断をすることはできません。ですから、ご家族からご様子をうかがって、それに対してこの疾患であると断言することはしていません。ただ、以前から、この疾患が疑われる方ご本人からのご相談や、そのご家族からのご相談は数多く受けてきていました。あるいは、このままの状態を続けると、この疾患に移行する可能性があると予測される方の生活面でのお手伝いもしてきました。
この疾患は、年齢が高い方が発症する統合失調症で、急に被害妄想が強くなったり、幻聴や幻視がおきたりすることで周囲が気付くようです。疑心暗鬼の度合いが著しくなります。
加齢によって、脳の機能が低下することが、一つの原因ととらえられているそうです。しかし多くの場合、孤独や孤立、あるいは過去へのこだわりなどが強い人に多いため、生活環境も深く関っているようです。他人が自分を誹謗中傷していると思い込んでしまったり、常に誰かに見張られていると訴えたりします。実際に、疾患にまで移行してしまうと薬物治療が必要となりますが、多くの場合病院に行くことを強く拒否します。
周囲が否定的であったり、あるいは、病気であることを伝えると、かえって頑なになってしまうため、まず、寄り添うことが求められます。特に、疾患に移行する前の早い時期であれば、周囲が頭ごなしに否定しないことが求められるようです。孤立していることが原因であることが多いため、それを避けるような配慮も必要と思います。人間関係、家族関係が希薄になりつつある今、この疾患が増えていくことが心配されます。
若年性認知症や統合失調症などの精神疾患は、普通の生活を営むことができる場合が多いため、周囲から見ると、被害妄想が強い程度で疾患とは気付きません。ただ、事理を弁識する程度が低下しているため、法律的に保護するためには、保佐や成年後見を念頭に入れる必要が生じます。疑心暗鬼が強くなる反面、騙されやすい一面も生じます。もし身近な方にこういった様子の方がいらっしゃる時は、早い時期のご相談をお勧めいたします。
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TEL:042-548-4456:立川市錦町1-5-6-402
この疾患は、年齢が高い方が発症する統合失調症で、急に被害妄想が強くなったり、幻聴や幻視がおきたりすることで周囲が気付くようです。疑心暗鬼の度合いが著しくなります。
加齢によって、脳の機能が低下することが、一つの原因ととらえられているそうです。しかし多くの場合、孤独や孤立、あるいは過去へのこだわりなどが強い人に多いため、生活環境も深く関っているようです。他人が自分を誹謗中傷していると思い込んでしまったり、常に誰かに見張られていると訴えたりします。実際に、疾患にまで移行してしまうと薬物治療が必要となりますが、多くの場合病院に行くことを強く拒否します。
周囲が否定的であったり、あるいは、病気であることを伝えると、かえって頑なになってしまうため、まず、寄り添うことが求められます。特に、疾患に移行する前の早い時期であれば、周囲が頭ごなしに否定しないことが求められるようです。孤立していることが原因であることが多いため、それを避けるような配慮も必要と思います。人間関係、家族関係が希薄になりつつある今、この疾患が増えていくことが心配されます。
若年性認知症や統合失調症などの精神疾患は、普通の生活を営むことができる場合が多いため、周囲から見ると、被害妄想が強い程度で疾患とは気付きません。ただ、事理を弁識する程度が低下しているため、法律的に保護するためには、保佐や成年後見を念頭に入れる必要が生じます。疑心暗鬼が強くなる反面、騙されやすい一面も生じます。もし身近な方にこういった様子の方がいらっしゃる時は、早い時期のご相談をお勧めいたします。
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08年07月16日
相続と人間関係
相続の問題というと、資産のある家に限られると思っておられる方も多いと思います。しかし、私たちの相談室では、僅かの遺産をどうするかといったご相談がほとんどです。そして、むしろそういったケースの方が問題が複雑である場合が多いようです。
家族関係は、以前と大きく様変わりをしているようです。少子化や親族関係の希薄さが、相続の問題を複雑化させる要素になっているのかもしれません。
相続に関わる問題を解決するには、法律的な面以上に、お互いの人間関係とその背景にある心情的な部分を考えていく必要があるように思います。遺された家族が、相続の問題で関係を悪くしてしまうことは避けたいものです。そのために、遺言を遺したり、負担付贈与契約などを用い、生前に自分の意思をしっかりと家族に伝えることは大切なことかもしれません。
最近目立つのが、いわゆる逆縁と言われる相続の問題です。長寿社会の中で、自分より先に自分の子孫が他界することは珍しいことではなくなりました。
姑より先に夫が他界し、長年住んでいた家の土地が姑名義であったため、姑の死後、夫の親族から立ち退きを求められた例。息子に家屋を譲った老夫婦が、息子と嫁の相次ぐ他界で、ほとんど縁のない嫁の兄弟に権利が移り、家に住めなくなった例など事例は様々です。
こういった事例では、法律には融通のきかない面があります。相続に関する法律のすべてを熟知することは大変なことかもしれません。でも、未来に備えて、自分の場合どういった相続が想定されるかについては事前に知っておくほうが良いのかもしれません。
墓所の継承など、今の時代の相続ではまだ様々な問題が起こり得るようです。良い家族関係を継承していくためにも、一度相続と向き合ってみるのも良いかもしれません。
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相続に関わる問題を解決するには、法律的な面以上に、お互いの人間関係とその背景にある心情的な部分を考えていく必要があるように思います。遺された家族が、相続の問題で関係を悪くしてしまうことは避けたいものです。そのために、遺言を遺したり、負担付贈与契約などを用い、生前に自分の意思をしっかりと家族に伝えることは大切なことかもしれません。
最近目立つのが、いわゆる逆縁と言われる相続の問題です。長寿社会の中で、自分より先に自分の子孫が他界することは珍しいことではなくなりました。
姑より先に夫が他界し、長年住んでいた家の土地が姑名義であったため、姑の死後、夫の親族から立ち退きを求められた例。息子に家屋を譲った老夫婦が、息子と嫁の相次ぐ他界で、ほとんど縁のない嫁の兄弟に権利が移り、家に住めなくなった例など事例は様々です。
こういった事例では、法律には融通のきかない面があります。相続に関する法律のすべてを熟知することは大変なことかもしれません。でも、未来に備えて、自分の場合どういった相続が想定されるかについては事前に知っておくほうが良いのかもしれません。
墓所の継承など、今の時代の相続ではまだ様々な問題が起こり得るようです。良い家族関係を継承していくためにも、一度相続と向き合ってみるのも良いかもしれません。
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08年05月09日
親の扶養義務
民法の中に「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養する義務がある」という条文があります。親が子どもを養い育てることは、当然のことです。ただ、この条文の中では「互に」という言葉が用いられています。つまり、子どもにも親を養う義務があることになります。
これも、ある意味では当然のことです。親が年をとり、自分で生活することができなくなったとき、子どもが介護をしたり、経済的な負担をすることは当たり前のことだったはずです。
しかし、今、家族関係の多様化の中で、この「扶養義務」に疑問を持つ方が増えているようです。その一つの要因として、親子関係のあり方の変化があげられます。
以前は、養われている立場の子どもは親の命令に従うことが常識とされ、いわばその恩に報いる形で親の老後の面倒をみました。今でも、これが一般的かもしれません。
でも、最近の親子関係は、むしろ対等の関係になりつつあります。その中で、親は親、子は子という考え方が普通になっています。親の世話にもならないし、親の世話もしないといった考え方が生まれても不思議ではないのかもしれません。
また、離婚の増加や親族関係の希薄化も要因の一つであるようです。親が離婚をして、片親と別々に暮らすことになっても親子関係を法律的に切ることはできません。離婚後、交流がなくても「扶養義務」は基本的に消せません。子どもにとっては、ある意味、理不尽に思えることも多いようです。
最近は、「親子の縁、兄弟の縁を法律で切ることはできないか?」といった相談をよく受けます。「扶養義務」があるからといって、すぐに介護をするとか、経済的負担を求められるとは限りません。ただ、心情として法的に縁を絶ちたいと願っている方は相当いらっしゃるようです。
このようなとき、親族間で負担付贈与契約等の契約を考えていくこともできます。こういった契約をしたからといって、この義務を免れるわけではありませんが、約束をしておくことで何かの時には役に立つことも多いようです。現在の日本の法律では親族の縁を切ることは不可能であることと、「扶養義務」という法律があることは知っておくとよいかもしれません。
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しかし、今、家族関係の多様化の中で、この「扶養義務」に疑問を持つ方が増えているようです。その一つの要因として、親子関係のあり方の変化があげられます。
以前は、養われている立場の子どもは親の命令に従うことが常識とされ、いわばその恩に報いる形で親の老後の面倒をみました。今でも、これが一般的かもしれません。
でも、最近の親子関係は、むしろ対等の関係になりつつあります。その中で、親は親、子は子という考え方が普通になっています。親の世話にもならないし、親の世話もしないといった考え方が生まれても不思議ではないのかもしれません。
また、離婚の増加や親族関係の希薄化も要因の一つであるようです。親が離婚をして、片親と別々に暮らすことになっても親子関係を法律的に切ることはできません。離婚後、交流がなくても「扶養義務」は基本的に消せません。子どもにとっては、ある意味、理不尽に思えることも多いようです。
最近は、「親子の縁、兄弟の縁を法律で切ることはできないか?」といった相談をよく受けます。「扶養義務」があるからといって、すぐに介護をするとか、経済的負担を求められるとは限りません。ただ、心情として法的に縁を絶ちたいと願っている方は相当いらっしゃるようです。
このようなとき、親族間で負担付贈与契約等の契約を考えていくこともできます。こういった契約をしたからといって、この義務を免れるわけではありませんが、約束をしておくことで何かの時には役に立つことも多いようです。現在の日本の法律では親族の縁を切ることは不可能であることと、「扶養義務」という法律があることは知っておくとよいかもしれません。
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08年05月09日
負担付贈与契約と家族問題
相続の問題がここ10年で倍増したと報じられていました。私たちの実感としても、ここ2〜3年でさらに急増しているようにも思います。今、相続は「争続」に変わろうとしているようです。財産がある家庭より、むしろあまりない家庭での争いが目立ちます。そしてこの現象そのものが、今、日本の中で人間関係が大きく様変わりをしている証拠とも言えるようです。
最近のご相談で多いのが扶養や介護などと相続がからむものです。この中に見え隠れしているのが、今の時代の人間関係の希薄さです。そして、コミュニケーションの不足が事態をさらに複雑にするようです。親族の介護が必要となったり、遠隔地にいる親族が介護に非協力的、あるいはわずかな財産を老後どのように運用していくかなど相談内容は多岐に渡っています。
また、親の離婚や親との確執などがこういった問題をさらに複雑にしてしまうことも多いように感じます。日本の法律では、基本的に親子の関係を切る方法はありません。「親子の縁切る方法がないか?」といったご相談をよく受ける背景には、家族関係に関わる価値観が以前と大きく様変わりしていることが見て取れるようです。
こういった背景の中で、最近、負担付贈与契約を結ぶ方が増えてきています。負担付贈与契約と書いて「ふたんつきぞうよけいやく」と読みます。簡単に言えば、「○○してくれたら、財産を譲るよ!」と意思表示して、相手も「判った!」と答えることです。
口約束でも、本来は契約ということになります。ただ、口約束だけでは、もし他の人から、「そんな話は聞いていないので証拠を見せて欲しい!」といわれたときに困りますので、多くは書面にしておきます。
人間関係のあり方が大きく変わりつつある時代の中で、何を求め、どこを変えたら良いかについて考えなければならないようです。どうしたら、もっと居心地の良い社会を築けるかということが、今の時代の大きな課題ではないかと思います。
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また、親の離婚や親との確執などがこういった問題をさらに複雑にしてしまうことも多いように感じます。日本の法律では、基本的に親子の関係を切る方法はありません。「親子の縁切る方法がないか?」といったご相談をよく受ける背景には、家族関係に関わる価値観が以前と大きく様変わりしていることが見て取れるようです。
こういった背景の中で、最近、負担付贈与契約を結ぶ方が増えてきています。負担付贈与契約と書いて「ふたんつきぞうよけいやく」と読みます。簡単に言えば、「○○してくれたら、財産を譲るよ!」と意思表示して、相手も「判った!」と答えることです。
口約束でも、本来は契約ということになります。ただ、口約束だけでは、もし他の人から、「そんな話は聞いていないので証拠を見せて欲しい!」といわれたときに困りますので、多くは書面にしておきます。
人間関係のあり方が大きく変わりつつある時代の中で、何を求め、どこを変えたら良いかについて考えなければならないようです。どうしたら、もっと居心地の良い社会を築けるかということが、今の時代の大きな課題ではないかと思います。
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07年10月10日
相続と人の心
日本の法律では、相続や遺言に関する法律は比較的明解でわかりやすいようです。しかし、なかなか法律どおりにいかないのが人の心でもあるようです。
法定相続の場合でも、確執を生じることがあります。動産、つまりお金だけの相続の場合はきっちりと数字で表すことができます。それでも、特別受益といって生前に贈与を受けたり、寄与分といって生前に故人に貢献した分があると少々複雑になります。
さらにやっかいなのは、不動産の相続です。固定資産評価、路線価、あるいは実勢価格など不動産の評価法は数種類あります。売却してお金にしたうえで分割するのであればわかりやすいのですが、不動産のままで分割する場合は、公平な分配方法がなかなか見出しにくいようです。
また、既存の土地を分筆する場合などは、角地や方位などによって、評価に差が出てしまうこともあります。またいくつかの不動産がある場合、思い入れや将来の価格評価の変化なども考慮しなければならないこともあるようです。
「遺言があれば、ここまで争うことも無かったのに…」といったケースもあります。
財産が多いと争いが起きやすいように思いますが、むしろ今は、少ない財産にもかかわらず問題に発展してしまうケースの方が多いように感じます。
今の時代は、親族間でも関係が希薄です。わずかな価額で争いや確執が起きているケースの多くは、心の問題のような気がします。気持ちを判って欲しい相手が判ろうとしないとき、問題が起きるようです。
わずかな価額のことで相手となかなか話し合いができないとき、相手が本当は何を望んでいるかを考えてみる事が解決の糸口になるかもしれません。お金や土地よりも、もっと欲しいものあるのかもしれません。案外それが心の部分である事に気付くかもしれません。
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さらにやっかいなのは、不動産の相続です。固定資産評価、路線価、あるいは実勢価格など不動産の評価法は数種類あります。売却してお金にしたうえで分割するのであればわかりやすいのですが、不動産のままで分割する場合は、公平な分配方法がなかなか見出しにくいようです。
また、既存の土地を分筆する場合などは、角地や方位などによって、評価に差が出てしまうこともあります。またいくつかの不動産がある場合、思い入れや将来の価格評価の変化なども考慮しなければならないこともあるようです。
「遺言があれば、ここまで争うことも無かったのに…」といったケースもあります。
財産が多いと争いが起きやすいように思いますが、むしろ今は、少ない財産にもかかわらず問題に発展してしまうケースの方が多いように感じます。
今の時代は、親族間でも関係が希薄です。わずかな価額で争いや確執が起きているケースの多くは、心の問題のような気がします。気持ちを判って欲しい相手が判ろうとしないとき、問題が起きるようです。
わずかな価額のことで相手となかなか話し合いができないとき、相手が本当は何を望んでいるかを考えてみる事が解決の糸口になるかもしれません。お金や土地よりも、もっと欲しいものあるのかもしれません。案外それが心の部分である事に気付くかもしれません。
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