09年07月15日

遺言が必要な相続

前回のブログに書いたとおり、今の日本では遺言書が必要なケースが増えているようです。相続の問題は、起きてからでは遅いことが多く、相続人も被相続人も「転ばぬ先の杖」が必要なのかもしれません。相続の仕組みを知らないと、相続が争続になり仲の良かった家族が争族になりかねません。

遺言を書いておいたほうがよいのはこんな方と言われています。
 ・子どものいないご夫婦(配偶者だけに財産を遺せないことがある)
 ・年齢が60歳以上なった人
 ・不動産など分割のむずかしい資産が多い人(これもモメる原因になりやすい)
 ・子どもたちの仲が悪い人
 ・子どもたちが、それぞれ遠方で暮らしている(話し合う機会が少なく争いになりやすい)
 ・親族以外にも遺産をのこしたい人(遺言書が不可欠)
 ・複数回結婚して、それぞれに子どもがいる人
 ・会社を経営している人(事業承継は重要問題です)
 ・アパート、マンションなどの賃貸物件を所有している人(上に同じ)
 ・ペットにも遺産をのこしたい(ペットへの愛情もいまは公認されています)

遺言のほかにも、負担付死因贈与契約といった方法もあります。遺言を書くということは、自分の死ということを感じるため、少し躊躇することもあるかもしれません。しかし、あとに残る家族のために、一度考えてみるとよいようです。
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09年07月15日 | Category: 家族関係・相続・遺言
Posted by: sakata
 日本人は、あまり遺言を遺すことをしないようです。また、遺言を書くのは、財産がたくさんある方といった考えを持っている人も多いようです。従来の日本では、長男や婿があとを継ぐという考えが一般的で、あらためて誰に何を継がせるかということを書き遺さなくても、そう大きな問題にはならなかったのかもしれません。

 しかし、今の時代、その事情は大きく変化しているようです。少子高齢化の中で、子どもがいない家庭、兄弟が遠く離れて暮らす家庭、また親族間の関係が希薄な家庭が増えています。さらに、介護や身の回りの世話を誰が行なうかといった問題も増えているようです。
 
 そういった中で、以前のように、親が亡くなった後の相続がスムーズにいかないケースが増加しています。そして、むしろ親の財産がそれほど多くない場合のほうが、親族間の確執が大きくなることも多いようです。僅かな財産の相続を巡り、親族の関係が損なわれてしまうのは、残念なことでもあります。どうすれば、揉めない相続ができるか、悩む時代ともいえそうです。

 そんな中で、遺言が遺されていれば、諍いが起きなかったケースもまれではありません。遺された遺族にとって、遺言には絶対的な説得力があります。子どもがいなかったり、子どもたちの関係が希薄だったり、あるいは介護や世話を子どもから受けているといった場合には、たとえ財産が少なくても、遺言を書くことを視野に入れたほうが良い時代なのかもしれません。

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09年07月03日 | Category: 家族関係・相続・遺言
Posted by: sakata
09年06月28日

婚姻費用分担

 別居期間中だからといって夫が収入の少ない妻に生活費を渡さないのは法的にも問題となります。夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるように助け合う生活保持義務があり、必要な費用を収入その他の事情を考慮して分担する義務があります。これを婚姻費用分担といいます。一般的には、離婚した場合の養育費よりやや高額になることが多いようです。

 特に、幼小児期や学齢期の子どものいる家庭での夫婦問題は、子どもの健全な成長にも大きく関わります。夫婦間の諍いが続けば、子どもの心にも深く影響します。関係の修復ができないと、今度は夫婦それぞれの心労も大きくなります。子どものために離婚をあきらめ、別居や、家庭内別居といった状況にいたることも少なくないようです。

 別居の場合には、そういった話し合いをすることが必要です。話し合いができない場合には、家事調停、審判といった制度があり、双方の収入や事情に基づいて、裁判所で決めていくことも可能です。別居3年で離婚できるといった法律は存在せず、多くの方がこれを誤解しているようです。夫婦関係がうまくいかない時は、別居も一つの選択です。その際にも、子どもの福祉を考慮した取り決めを夫婦間でしていくことが大切ではないかと思います。

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09年06月28日 | Category: 離婚・夫婦関係
Posted by: sakata
09年06月06日

養育費支援の相談

 春は離婚に関するご相談が増えます。特に最近の傾向として、子育て中のご夫婦からのご相談が多く入っています。できる限り、お子さんの環境を変えないようにという配慮から、年度替りを離婚の契機と考えられるご夫婦が多いからかもしれません。

 今年も、去年に引き続き、厚生労働省の独立行政法人助成金事業による養育費支援相談の委員を務めています。昨年度は携帯サイトからのアンケートやご相談を主体にしましたが、なかなか、メールなどでは具体的なご相談がとりにくいのが現状です。

 今、経済的に困窮する母子家庭が増えています。夫婦の離婚は、子どもの生活に直接影響します。離婚の際に、経済的な部分について良い話し合いが行なわれないと、その後、あらためて養育費などの取り決めを行なうのが困難になります。

 離婚は、ある意味においては、経済的な自立です。しかし、子どもの未来を念頭においた話し合いがされるケースがまだまだ少ないことが心配されます。離婚の方向が決まった時は、まず、養育費の取り決めをきちんとされることを願って止みません。
ご相談などがあればお気軽にご連絡ください。

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09年06月06日 | Category: 離婚・夫婦関係
Posted by: sakata
09年04月24日

配偶者の債務

 夫婦関係に関するご相談を受けていると、「もしかすると相手は借金を抱えているのでは?」というケースによく出会います。お金のことに神経質になったり、いきなりキレるようになったり、あるいは、電話や郵便物を気にするようになったりなど、ケースによって状況は様々です。

 気づかないうちに、配偶者が多額の債務を抱えているケースはかなり多いようです。一緒に生活しているのだから、気づいて当たり前と思われるかもしれませんが、相手は頑なにそのことを隠すため、意外に気づかずに暮らしているもののようです。

 お金の問題は、人の心を時に大きく変えてしまいます。配偶者が借金を抱えているかどうかについては、なかなかわかりづらいようです。でも、返済が厳しくなると必ずといって良いほど、心に大きな変化が現れます。浮気をしているのではといった勘違いも多く見受けられます。

 本人が言わない限り、調べることは難しいのが現状です。だからといって、責めたり問いただしても、かえって頑なになり、解決を遅らせます。焦らず、まず、相手に寄り添う対応が求められるようです。そして、もし、その事実が判明したときは、肩代わりするのではなく、しっかりとした解決を一緒になって図ることが、再発を防ぐために必要といわれています。

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09年04月24日 | Category: 公的融資・債務
Posted by: sakata
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