11年01月08日
留学生から帰化申請ができますか?
問 私は日本の大学院に在籍する留学生です。留学生活はもう6年半になります。最近日本人の恋人に大学院終了後の就職や生活の不安をこぼすと、「もう、日本に来て5年以上経っているのだから、これからも日本にいるつもりなら帰化(日本国籍の取得)申請をしたらいいのでは・・・」と言われます。そこで、本当に5年以上日本に滞在していたら帰化できるか教えてください。また、帰化したときのメリットについても教えてください。
答 そうですね、最初の質問からお答えしましょう。現在留学生なら現状のままでは帰化申請しても許可されることはないでしょう。確かに、日本の国籍法には「引き続き5年以上日本に住所を有すること。」(第5条第1項第1号)ということが定められています。
しかし、これは日本国籍を取得するための最低条件であって、これらの条件を満たせば許可されるというものではありません。現在、まだ留学生であれば、客観的には将来の日本での生活基盤や定着性等が分かりません。実際のところ、最低でも就職して3年以上経過してから帰化申請しないと許可されないものと考えてください。
また、帰化したときのメリットと言ってもそれは人によって異なるのではないでしょうか?例えば、日本には戦前から色々な事情で日本で暮らしてきた韓国籍や朝鮮籍の「特別永住者」という在留資格を持つ方たちがいます。これらの方たちは、朝鮮語を話せなかったりハングル文字が読めなかったり、そもそも朝鮮半島に行ったことがない方たちが多いのです。これらの方たちには、外国人であることのメリットが考えずらいので帰化ををお勧めしています。
ただ、ここでは本題ではないので詳しく説明することはしませんが、私は帰化することが直ちに民族の「アイデンティティー(同一性)」を棄てることだとは必ずしも思ってはいません。
それらを前提に、敢えてご質問の帰化したときのメリットを箇条書きにしておきましょう。
1.在留資格の更新・変更や外国人登録等の手続き上の煩わしさがなくなる。
2.日本の法令に触れない限り、職業選択の自由も失業する自由もある。
3.刑罰法規や関連法令に触れて退去強制ということがない。なお、特別永住者でも退去強制の例外ではありません。(日本国民に「退去強制」という概念はありません。)
4. 日本国民は、世界のほとんどの国に一定の期間(14日、30日、60日、90日)であれ
ば査証(ビザ)免除で渡航することができる。
5.被選挙権(議員に立候補する権利)、選挙権そして日本の全ての機関の公務員になる機会がある。
色々考えるとまだまだあるのですが、きりがないのでこれで終えます。ただ、帰化の許可申請はメリット・デメリットだけではなく、あなたが将来、自分の生活設計をどの国でどのように立てようしているのか、また、あなた自身がご自分の「アイデンティティー」をどのように考えているのか、ということがとても大切なことだと思います。
答 そうですね、最初の質問からお答えしましょう。現在留学生なら現状のままでは帰化申請しても許可されることはないでしょう。確かに、日本の国籍法には「引き続き5年以上日本に住所を有すること。」(第5条第1項第1号)ということが定められています。
しかし、これは日本国籍を取得するための最低条件であって、これらの条件を満たせば許可されるというものではありません。現在、まだ留学生であれば、客観的には将来の日本での生活基盤や定着性等が分かりません。実際のところ、最低でも就職して3年以上経過してから帰化申請しないと許可されないものと考えてください。
また、帰化したときのメリットと言ってもそれは人によって異なるのではないでしょうか?例えば、日本には戦前から色々な事情で日本で暮らしてきた韓国籍や朝鮮籍の「特別永住者」という在留資格を持つ方たちがいます。これらの方たちは、朝鮮語を話せなかったりハングル文字が読めなかったり、そもそも朝鮮半島に行ったことがない方たちが多いのです。これらの方たちには、外国人であることのメリットが考えずらいので帰化ををお勧めしています。
ただ、ここでは本題ではないので詳しく説明することはしませんが、私は帰化することが直ちに民族の「アイデンティティー(同一性)」を棄てることだとは必ずしも思ってはいません。
それらを前提に、敢えてご質問の帰化したときのメリットを箇条書きにしておきましょう。
1.在留資格の更新・変更や外国人登録等の手続き上の煩わしさがなくなる。
2.日本の法令に触れない限り、職業選択の自由も失業する自由もある。
3.刑罰法規や関連法令に触れて退去強制ということがない。なお、特別永住者でも退去強制の例外ではありません。(日本国民に「退去強制」という概念はありません。)
4. 日本国民は、世界のほとんどの国に一定の期間(14日、30日、60日、90日)であれ
ば査証(ビザ)免除で渡航することができる。
5.被選挙権(議員に立候補する権利)、選挙権そして日本の全ての機関の公務員になる機会がある。
色々考えるとまだまだあるのですが、きりがないのでこれで終えます。ただ、帰化の許可申請はメリット・デメリットだけではなく、あなたが将来、自分の生活設計をどの国でどのように立てようしているのか、また、あなた自身がご自分の「アイデンティティー」をどのように考えているのか、ということがとても大切なことだと思います。
10年11月24日
日本人と離婚後すぐ母国の夫のビザを取れますか?
問 私は日本人の夫と約7年間日本で結婚生活をしましたが、夫が職を転々と変え生活ができなくなって離婚しました。その後、私は定住者の在留資格で日本の工場で働いています。以前手続きをしてもらった私のことを覚えていますか?実は私は離婚後、中国ですぐ再婚して中国人の夫がいます。彼は日本語は全く話せませんが、そんな夫を日本に呼んで一緒に生活することはできますか?
答 そうですね。よく覚えています。日本では離婚後、再婚禁止期間があって「女は、前婚の解消又は取消の日から6箇月(注 懐胎期間)を経過した後でなければ、再婚することができない。」(民法第733条第1項)と定められています。しかし、中国では再婚禁止期間という概念がないのでこういうことがあるのですね。
結論から言うと可能です。ただ、当然ですが重要なことはあなた方の結婚が真実の結婚だということです。それと、あなたと日本に入国したご主人が、経済的にも日本人との人間関係においても日本で安定した生活ができるということも大切です。そのためには、できるだけご主人が日本に入国する前に日本語のできないご主人でも働くことができる職場を見つけてあげてください。
申請する在留資格は、あなたが「定住者」なのでご主人も「定住者」の在留資格になります。必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書の他に、あなたが身元保証人になるのであなたの在職証明書や納税証明書、婚姻に至る経緯を詳しく説明した文書(質問書)や母国の結婚証明書、ご主人の出生証明書、場合によってはご主人の犯罪経歴証明書(母国の機関発行)等が必要になるかもしれません。
大切なことは、この日本であなた方夫婦が生活に困ることがあってはならないということをくれぐれも忘れないでください。
答 そうですね。よく覚えています。日本では離婚後、再婚禁止期間があって「女は、前婚の解消又は取消の日から6箇月(注 懐胎期間)を経過した後でなければ、再婚することができない。」(民法第733条第1項)と定められています。しかし、中国では再婚禁止期間という概念がないのでこういうことがあるのですね。
結論から言うと可能です。ただ、当然ですが重要なことはあなた方の結婚が真実の結婚だということです。それと、あなたと日本に入国したご主人が、経済的にも日本人との人間関係においても日本で安定した生活ができるということも大切です。そのためには、できるだけご主人が日本に入国する前に日本語のできないご主人でも働くことができる職場を見つけてあげてください。
申請する在留資格は、あなたが「定住者」なのでご主人も「定住者」の在留資格になります。必要書類は、在留資格認定証明書交付申請書の他に、あなたが身元保証人になるのであなたの在職証明書や納税証明書、婚姻に至る経緯を詳しく説明した文書(質問書)や母国の結婚証明書、ご主人の出生証明書、場合によってはご主人の犯罪経歴証明書(母国の機関発行)等が必要になるかもしれません。
大切なことは、この日本であなた方夫婦が生活に困ることがあってはならないということをくれぐれも忘れないでください。
10年09月20日
婚約前の彼女を日本に呼び寄せることができますか?
問 僕は中国に短期留学していたとき、知人の紹介で中国人の女性とお付き合いをしていました。二人で結婚しようと約束していたのですが、僕の両親に彼女を紹介しないで二人だけで婚約することはできないので、一度彼女の方から来日して僕の両親に会ってもらおうと思います。ただ、周りのビザに詳しそうな知人や友人は、こんな理由で彼女を日本に呼び寄せることはできないのではないかと言うのですが・・・・・・?
答 一概に「可能です」とは言い難いのですが、基本的には可能です。申請先は、原則として彼女の居住地を管轄する日本大使館・総領事館です。但し、彼女のビザは短期滞在ビザです。
この場合、大切なことは彼女の短期滞在ビザを発給してもらうために必要な所定の査証申請書、招へい理由書、身元保証書、滞在予定表等の他に、彼女と知り合ってから現在のビザ申請に至るまでの経緯を、日本大使館・総領事館の領事が読んでも納得できるように、なるべく分かり易く具体的に説明した文書を提出することです。そして、それらの事実を疎明(証明に準ずる。)できるような資料があればそれも添付してください。
これらの文書には、間違っても自分たちに都合のいい虚偽の事実を記載してはいけません。そして、普通に考えれば、このような目的の来日は比較的短期間ではないでしょうか?
例えば、このような来日目的であれば日本滞在予定日数が90日間ということはないと思うのです。せっかく来日したのだから、多少日本観光を楽しむ日数を滞在予定表に入れてもかまわないとは思います。しかし、それが90日間も滞在するということになれば、普通はこのような目的から説明できるものではありません。
外国人とのお付き合いや国際結婚には、常に査証(ビザ)や在留資格の認定という障害が付きまといます。しかし、それが真実のお付き合いや婚約であれば、それらの障害を乗り越えてこそ国際結婚という最終ゴールに辿り着くのではないでしょうか。
あきらめずに頑張ってチャレンジしてみてください。
答 一概に「可能です」とは言い難いのですが、基本的には可能です。申請先は、原則として彼女の居住地を管轄する日本大使館・総領事館です。但し、彼女のビザは短期滞在ビザです。
この場合、大切なことは彼女の短期滞在ビザを発給してもらうために必要な所定の査証申請書、招へい理由書、身元保証書、滞在予定表等の他に、彼女と知り合ってから現在のビザ申請に至るまでの経緯を、日本大使館・総領事館の領事が読んでも納得できるように、なるべく分かり易く具体的に説明した文書を提出することです。そして、それらの事実を疎明(証明に準ずる。)できるような資料があればそれも添付してください。
これらの文書には、間違っても自分たちに都合のいい虚偽の事実を記載してはいけません。そして、普通に考えれば、このような目的の来日は比較的短期間ではないでしょうか?
例えば、このような来日目的であれば日本滞在予定日数が90日間ということはないと思うのです。せっかく来日したのだから、多少日本観光を楽しむ日数を滞在予定表に入れてもかまわないとは思います。しかし、それが90日間も滞在するということになれば、普通はこのような目的から説明できるものではありません。
外国人とのお付き合いや国際結婚には、常に査証(ビザ)や在留資格の認定という障害が付きまといます。しかし、それが真実のお付き合いや婚約であれば、それらの障害を乗り越えてこそ国際結婚という最終ゴールに辿り着くのではないでしょうか。
あきらめずに頑張ってチャレンジしてみてください。
10年07月07日
海外にいる彼女を呼んで日本で結婚できますか?
問 私はスナックでアルバイトをしていた中国人留学生と知り合い、しばらくお付き合いしました。その後、彼女は中国に帰ったのですが、ずっとメールのやり取りをしています。できれば、彼女をもう一度日本に呼んで結婚したいのですが、可能でしょうか?
答 海外にいる彼女を日本に呼び寄せて結婚できるかということですが、原則的にはできます。原則的というのは、彼女の婚姻要件具備証明書(独身証明書)と他の書類が用意できれば、取りあえず、日本で婚姻届を出すことはできます。
ただ、日本での婚姻だけ考えればそうなのですが、次の段階、つまり彼女の「日本人の配偶者等」への在留資格の変更(短期滞在 → 配偶者等)や新たに「日本人の配偶者等」の在留資格の認定証明書の交付申請をする場合には、これでは難しいです。
というのは、いずれの場合も、日本の入国管理局では本国で結婚している証明書や時には戸口簿(中国の戸籍謄本)の写しの提出を求められるからです。在日中国大使館や領事館では、婚姻を許可(中国は許可制)し中国の結婚証を発行してもらうことができません。
この権限と事務を取り扱う役所は、本国の各省、自治区、直轄市の民生局婚姻登記処という役所だけだからです。
だから、彼女を直接日本に呼んで結婚するよりは、先に中国で婚姻を許可してもらって結婚証をもらって帰国する方が簡単で間違いがありません。
ちなみに、中国の婚姻登記処では婚約者とあなたが二人で一緒に出向かなければ許可しないので注意してください。
答 海外にいる彼女を日本に呼び寄せて結婚できるかということですが、原則的にはできます。原則的というのは、彼女の婚姻要件具備証明書(独身証明書)と他の書類が用意できれば、取りあえず、日本で婚姻届を出すことはできます。
ただ、日本での婚姻だけ考えればそうなのですが、次の段階、つまり彼女の「日本人の配偶者等」への在留資格の変更(短期滞在 → 配偶者等)や新たに「日本人の配偶者等」の在留資格の認定証明書の交付申請をする場合には、これでは難しいです。
というのは、いずれの場合も、日本の入国管理局では本国で結婚している証明書や時には戸口簿(中国の戸籍謄本)の写しの提出を求められるからです。在日中国大使館や領事館では、婚姻を許可(中国は許可制)し中国の結婚証を発行してもらうことができません。
この権限と事務を取り扱う役所は、本国の各省、自治区、直轄市の民生局婚姻登記処という役所だけだからです。
だから、彼女を直接日本に呼んで結婚するよりは、先に中国で婚姻を許可してもらって結婚証をもらって帰国する方が簡単で間違いがありません。
ちなみに、中国の婚姻登記処では婚約者とあなたが二人で一緒に出向かなければ許可しないので注意してください。
10年05月31日
研究生から起業できますか?
問 私は今年3月に日本の大学を卒業しましたが、就職先が決まらなかったので、やむを得ず研究生として大学に残りました。実際は、大学に通いながら就職活動を続けています。しかし最近、就職が難しいのであれば、自分で起業することも考えています。幸い私は、ITが専門分野で中国のショッピングサイトに出品する仲介業を事業として起業したいと考え始めています。このようなビジネスで起業して「投資・経営」の在留資格に変更することは可能でしょうか?
答 研究生の「留学」の在留資格のままでは起業できません。「投資・経営」の在留資格に変更する必要があります。「投資・経営」への在留資格の変更については、もう少し具体的に事業計画や収支計画をお聞きしないと何とも言えませんが、事業計画や準備がしっかりしていれば基本的に可能です。ただ、計画だけではなくすでに事業の準備に着手していなければなりません。
「投資・経営」の在留資格については、事業計画ももちろん重要ですが、あなたが本当に起業する業種の技術や基本知識を持っているのかどうかも審査されることになります。
例えば、あなたの大学での専攻とか実務経験とかです。また、実際に事業準備のために事務所を借りているとか、スタッフを2名以上雇用しているか、または、すでに500万円以上の投資をしているかどうかも審査されるでしょう。
ちなみに、ビザを変更することと起業することとは別な問題なので、できれば、起業については構想だけではなく、一度しっかりした市場分析や競合業者の分析をすることをお勧めします。自分ですることが難しければ、専門家に依頼することも考えてみて下さい。
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答 研究生の「留学」の在留資格のままでは起業できません。「投資・経営」の在留資格に変更する必要があります。「投資・経営」への在留資格の変更については、もう少し具体的に事業計画や収支計画をお聞きしないと何とも言えませんが、事業計画や準備がしっかりしていれば基本的に可能です。ただ、計画だけではなくすでに事業の準備に着手していなければなりません。
「投資・経営」の在留資格については、事業計画ももちろん重要ですが、あなたが本当に起業する業種の技術や基本知識を持っているのかどうかも審査されることになります。
例えば、あなたの大学での専攻とか実務経験とかです。また、実際に事業準備のために事務所を借りているとか、スタッフを2名以上雇用しているか、または、すでに500万円以上の投資をしているかどうかも審査されるでしょう。
ちなみに、ビザを変更することと起業することとは別な問題なので、できれば、起業については構想だけではなく、一度しっかりした市場分析や競合業者の分析をすることをお勧めします。自分ですることが難しければ、専門家に依頼することも考えてみて下さい。