09年04月25日
日本で起業したいのですが・・・・・。
問 私は日本の大学を卒業して現在「国際業務・人文知識」の在留資格で会社勤務をしています。近々独立して会社を設立し、かねてからの希望どおり日本で事業展開をして行きたいのですが、日本で起業をする上で、在留資格を含めて、外国人として注意すべき点があればアドバイスして頂けませんか。
答 そうですね。最近は外国人の方で日本で起業して大成功を治める方が出てきましたね。但し、日本人も同じなのですが、大成功するケースは稀で、多くはコツコツ事業を継続しているのが実情なのではないでしょうか。また、一時の大成功もそれほど長くは続かないことが少なくないのも、ビジネスのもう一面の真実ですね。もちろん例外もありますが・・・。
ここでは、実情に即して具体的に起業する上での在留資格や起業後に注意すべき点をいくつか指摘しておこうと思います。在留資格の上では「国際業務・人文知識」から「投資・経営」への資格変更が必要になります。この「投資・経営」への資格変更の重要な基準は「事業所の確保」と「二人以上の常勤職員」が従事して営まれる規模以上の事業であることです。
「事業所の確保」がされていることを立証するために、事務所として使用する旨が記載された賃貸借契約書が必要になることがあります。単に住居として契約しただけでは、会社の本店としての登記をすることができても、「事業所の確保」とまでは言えません。(入管法第7条第1項第2項の基準を定める省令から)
また、あなたの場合は新規事業なのでしっかりした事業計画書を作成し、「二人以上の常勤職員」を雇用していることを、雇用保険に加入していることにより立証しなければなりません。但し、この「二人以上の常勤職員」の雇用については、入国管理局のガイドライン(平成17年)によると、仮に「二人以上の常勤職員」を雇用していなくても、新規事業に対し、500万円以上の事業投資が行われるのであれば、新規事業として認めるように規制が緩和されました。
ただ、この事業投資というのは、単に会社の資本金が500万円以上あればよいという意味ではありません。また、現金で500万円以上用意しなければならないという意味でもありません。新規事業への投資として、500万円以上の資金が現金をはじめ助成金や銀行融資でもいいので、すでに投資されているか、若しくは、調達できる見込みであることを立証しなければならないのです。
最後に、外国人で日本で起業する上で注意すべき点を少し触れておきます。私の個人的な体験ですが、外国人で日本に10年住んで来た方や時には20年住んで来た方でも、意外と日本の社会制度や法令に疎(うと)いことに驚かされることがあります。逆に、私たちが外国に10年、20年住んでいても同じことが言えるような気がします。
そこで、日本で起業するなら、ぜひ日本の社会制度や法令やビジネスに詳しいベテランの日本人(定年退職者でもOK)を相談相手に持つことをお勧めします。いくらあなたが有能な方でも、このような相談相手がいないと、順調に成功したように見えたとき、ひょっとしたら大きな落とし穴が待ち受けているかもしれません。
もっと詳しく説明したいのですが、少ないスペースの中での回答なので、要点のみ記しました。
答 そうですね。最近は外国人の方で日本で起業して大成功を治める方が出てきましたね。但し、日本人も同じなのですが、大成功するケースは稀で、多くはコツコツ事業を継続しているのが実情なのではないでしょうか。また、一時の大成功もそれほど長くは続かないことが少なくないのも、ビジネスのもう一面の真実ですね。もちろん例外もありますが・・・。
ここでは、実情に即して具体的に起業する上での在留資格や起業後に注意すべき点をいくつか指摘しておこうと思います。在留資格の上では「国際業務・人文知識」から「投資・経営」への資格変更が必要になります。この「投資・経営」への資格変更の重要な基準は「事業所の確保」と「二人以上の常勤職員」が従事して営まれる規模以上の事業であることです。
「事業所の確保」がされていることを立証するために、事務所として使用する旨が記載された賃貸借契約書が必要になることがあります。単に住居として契約しただけでは、会社の本店としての登記をすることができても、「事業所の確保」とまでは言えません。(入管法第7条第1項第2項の基準を定める省令から)
また、あなたの場合は新規事業なのでしっかりした事業計画書を作成し、「二人以上の常勤職員」を雇用していることを、雇用保険に加入していることにより立証しなければなりません。但し、この「二人以上の常勤職員」の雇用については、入国管理局のガイドライン(平成17年)によると、仮に「二人以上の常勤職員」を雇用していなくても、新規事業に対し、500万円以上の事業投資が行われるのであれば、新規事業として認めるように規制が緩和されました。
ただ、この事業投資というのは、単に会社の資本金が500万円以上あればよいという意味ではありません。また、現金で500万円以上用意しなければならないという意味でもありません。新規事業への投資として、500万円以上の資金が現金をはじめ助成金や銀行融資でもいいので、すでに投資されているか、若しくは、調達できる見込みであることを立証しなければならないのです。
最後に、外国人で日本で起業する上で注意すべき点を少し触れておきます。私の個人的な体験ですが、外国人で日本に10年住んで来た方や時には20年住んで来た方でも、意外と日本の社会制度や法令に疎(うと)いことに驚かされることがあります。逆に、私たちが外国に10年、20年住んでいても同じことが言えるような気がします。
そこで、日本で起業するなら、ぜひ日本の社会制度や法令やビジネスに詳しいベテランの日本人(定年退職者でもOK)を相談相手に持つことをお勧めします。いくらあなたが有能な方でも、このような相談相手がいないと、順調に成功したように見えたとき、ひょっとしたら大きな落とし穴が待ち受けているかもしれません。
もっと詳しく説明したいのですが、少ないスペースの中での回答なので、要点のみ記しました。
09年04月05日
短期滞在ビザから「日本人の配偶者等」の在留資格への変更はできますか?
問 私は中国の大学を卒業して、今年の4月から日本の大学の修士課程に在籍している留学生です。先月、いつも私のことを心配している両親を日本に招こう、と中国の日本総領事館に両親の短期滞在ビザの申請をしたのですが不許可でした。私にはなぜ不許可なのか分からず納得が行きません。こんなときは、どのようにしたらいいのでしょうか?
答 そうですね。実はあなたのような相談が意外と多いのです。例えば、中国の留学時代に世話になった同級生を日本に招待したけれどビザが下りなかった、という相談を受けたことがありました。日本総領事館は、不許可理由を開示していないので、あなたはなおさら納得が行かないのでしょうね。ただ、私もあなたのお問合せの内容だけでは不許可の理由は分かりません。そこで、今回はあくまでも申請の際注意して頂きたいことと、不許可の理由を推測してお答えすることにします。
まず、あなたの両親が査証申請書類を、日本総領事館の正式な認可を受けた申請代行機関に直接持参して提出したのか確かめてみてください。「直接提出したはずだ。」ではなく、「実際に申請人本人が持参したのかどうか。」です。
というのは、中国の申請代行機関の周辺には、査証ブローカーや翻訳ブローカーがたくさんいます。その中には、とても悪質なブローカーがいます。特に、申請人本人が持参しないで他人に提出を依頼した場合は、申請代行機関が受付けてくれないので、これらの悪質なブローカーの格好のターゲットになってしまうことがあります。
悪質なブローカーは書類を作成しないと手数料がもらえないし、翻訳ブローカーも翻訳しないと手数料がもらえません。
そこで、日本で作成された真正な書類が、このようなブローカーによって虚偽事実に改ざんされて、日本総領事館で不許可になるケースがあります。中には、申請代行機関の特定の個人(?)と通じているとしか思えないケースもあります。
ただ、中国の査証申請書類の作成代理人や作成代理機関の名誉のために断っておきますが、これらの人や機関の全てがこのようなことをしているとは思えません。
次に、提出した申請書類のことです。きちんと招へい理由を証明する書類になっていたでしょうか?特に、日本国内で準備する書類よりも中国国内で準備する書類に気をつけるべきです。旅券や戸口簿、親族関係の公証書等の住所等に齟齬(そご)はありませんでしたか?あなたはそれらを全部突き合わせてみましたか?
例えば、帰国予定日が旅券の有効期限内でしたか?あるいは、戸口簿の各欄は現状と一致していましたか?
また、身元保証人は適当な人でしたか?あなたは留学生で被扶養者なので身元保証人にはなれませんよ。身元保証人を同じ外国人の方に依頼した場合は、その外国人の在留期間が「1年」だったり、「日本人(永住者)の配偶者等」「定住者」の在留資格でも、その方が被扶養者だったりするとやはり身元保証人にはなれません。
さらに、気になることは、たぶん、あなたはまだ日本に入国してから1年未満なのではないでしょうか?もちろん、「招へい人は在留期間1年以上とする。」というような基準はありません。しかし、総領事館では招へい人が日本に入国してからの在留期間も考慮していると思われます。
ただ、あまり心配することはありません。一度ビザを拒否されても永久に拒否されるわけではありません。原則として、拒否後6ヶ月間は同じ目的でのビザの申請はできませんが、6ヶ月経ってから、もう一度申請してみればいかがでしょうか?
なお、日本の外務省で公表している査証(ビザ)の発給基準があるので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、確認の意味で記載しておきます。
1.申請人が有効な旅券(パスポート)を所持しており、本国への帰国または在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
2.申請に係る提出書類(査証申請書類)が適正なものであること。
3.申請人の本邦において行おうとする活動または申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)に定める在留資格及び在留期間に適合すること。
4.申請人が入管法第5条第1項各号(上陸拒否事由)のいずれにも該当しないこと。
答 そうですね。実はあなたのような相談が意外と多いのです。例えば、中国の留学時代に世話になった同級生を日本に招待したけれどビザが下りなかった、という相談を受けたことがありました。日本総領事館は、不許可理由を開示していないので、あなたはなおさら納得が行かないのでしょうね。ただ、私もあなたのお問合せの内容だけでは不許可の理由は分かりません。そこで、今回はあくまでも申請の際注意して頂きたいことと、不許可の理由を推測してお答えすることにします。
まず、あなたの両親が査証申請書類を、日本総領事館の正式な認可を受けた申請代行機関に直接持参して提出したのか確かめてみてください。「直接提出したはずだ。」ではなく、「実際に申請人本人が持参したのかどうか。」です。
というのは、中国の申請代行機関の周辺には、査証ブローカーや翻訳ブローカーがたくさんいます。その中には、とても悪質なブローカーがいます。特に、申請人本人が持参しないで他人に提出を依頼した場合は、申請代行機関が受付けてくれないので、これらの悪質なブローカーの格好のターゲットになってしまうことがあります。
悪質なブローカーは書類を作成しないと手数料がもらえないし、翻訳ブローカーも翻訳しないと手数料がもらえません。
そこで、日本で作成された真正な書類が、このようなブローカーによって虚偽事実に改ざんされて、日本総領事館で不許可になるケースがあります。中には、申請代行機関の特定の個人(?)と通じているとしか思えないケースもあります。
ただ、中国の査証申請書類の作成代理人や作成代理機関の名誉のために断っておきますが、これらの人や機関の全てがこのようなことをしているとは思えません。
次に、提出した申請書類のことです。きちんと招へい理由を証明する書類になっていたでしょうか?特に、日本国内で準備する書類よりも中国国内で準備する書類に気をつけるべきです。旅券や戸口簿、親族関係の公証書等の住所等に齟齬(そご)はありませんでしたか?あなたはそれらを全部突き合わせてみましたか?
例えば、帰国予定日が旅券の有効期限内でしたか?あるいは、戸口簿の各欄は現状と一致していましたか?
また、身元保証人は適当な人でしたか?あなたは留学生で被扶養者なので身元保証人にはなれませんよ。身元保証人を同じ外国人の方に依頼した場合は、その外国人の在留期間が「1年」だったり、「日本人(永住者)の配偶者等」「定住者」の在留資格でも、その方が被扶養者だったりするとやはり身元保証人にはなれません。
さらに、気になることは、たぶん、あなたはまだ日本に入国してから1年未満なのではないでしょうか?もちろん、「招へい人は在留期間1年以上とする。」というような基準はありません。しかし、総領事館では招へい人が日本に入国してからの在留期間も考慮していると思われます。
ただ、あまり心配することはありません。一度ビザを拒否されても永久に拒否されるわけではありません。原則として、拒否後6ヶ月間は同じ目的でのビザの申請はできませんが、6ヶ月経ってから、もう一度申請してみればいかがでしょうか?
なお、日本の外務省で公表している査証(ビザ)の発給基準があるので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、確認の意味で記載しておきます。
1.申請人が有効な旅券(パスポート)を所持しており、本国への帰国または在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
2.申請に係る提出書類(査証申請書類)が適正なものであること。
3.申請人の本邦において行おうとする活動または申請人の身分若しくは地位及び在留期間が、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)に定める在留資格及び在留期間に適合すること。
4.申請人が入管法第5条第1項各号(上陸拒否事由)のいずれにも該当しないこと。
09年02月10日
留学ビザから技術ビザへの変更
問 私は今年日本の大学の工学部を卒業して、日本の鋼線の部品メーカーに就職が決まっています。これから、「技術」の在留資格に変更しようと思うのですが、許可されるかどうか不安でたまりません。変更申請するとき、注意すべきことがあったら教えてください。
答 そうですね。確かに不安かもしれませんね。重要なことは、就職後、あなたの仕事はどのような仕事になるか、ということです。 技術の仕事になるのは当然としても、あなたが大学で学んだ技術や知識が生かされる仕事でなければなりません。
つまり、「技術」の在留資格に該当するかどうか、ということです。これは、実際にはあなたの大学の履修科目や就職先企業の事業内容、そして、就職後のあなたの職務内容等で審査されることになるでしょう。
もし、これらの書類で分かりにくければ、必ずしも必要書類ではないのですが、就職先の会社に「雇用理由書」を作成して頂いたらいかがでしょうか。ただ、注意すべきことは、よくあるのですが、その理由書に「技術者として養成して行きたい。」と書かれてしまうことです。
実際には、どこの会社でもそういう要素があるのは間違いないのですが、これだけでは「技術」の在留資格に該当しません。就職先の会社が、あなたが大学で学んだ、例えば、先端の技術や知識を必要としていたり、或いは、あなたが就職先に不足している技術を持っているものでなくてはならないのです。この点は「技術」の在留資格の該当性にとって、とても重要な要素なのです。
ちなみに、提出書類は「技術」の内容にもよるのですが、一般的には在留資格変更許可申請書の他に、就職先企業の案内書、登記事項証明書、直近の決算書、それから、あなたの履歴書、卒業見込証明書、履修内容が分かる書面(成績証明書)、就職先企業からの内定通知書等になります。
答 そうですね。確かに不安かもしれませんね。重要なことは、就職後、あなたの仕事はどのような仕事になるか、ということです。 技術の仕事になるのは当然としても、あなたが大学で学んだ技術や知識が生かされる仕事でなければなりません。
つまり、「技術」の在留資格に該当するかどうか、ということです。これは、実際にはあなたの大学の履修科目や就職先企業の事業内容、そして、就職後のあなたの職務内容等で審査されることになるでしょう。
もし、これらの書類で分かりにくければ、必ずしも必要書類ではないのですが、就職先の会社に「雇用理由書」を作成して頂いたらいかがでしょうか。ただ、注意すべきことは、よくあるのですが、その理由書に「技術者として養成して行きたい。」と書かれてしまうことです。
実際には、どこの会社でもそういう要素があるのは間違いないのですが、これだけでは「技術」の在留資格に該当しません。就職先の会社が、あなたが大学で学んだ、例えば、先端の技術や知識を必要としていたり、或いは、あなたが就職先に不足している技術を持っているものでなくてはならないのです。この点は「技術」の在留資格の該当性にとって、とても重要な要素なのです。
ちなみに、提出書類は「技術」の内容にもよるのですが、一般的には在留資格変更許可申請書の他に、就職先企業の案内書、登記事項証明書、直近の決算書、それから、あなたの履歴書、卒業見込証明書、履修内容が分かる書面(成績証明書)、就職先企業からの内定通知書等になります。
08年10月30日
離婚後の在留資格
問 私は日本人の夫と7年間結婚して来ましたが、夫が家にお金を入れてくれないので半年前に離婚しました。この3年間は、私もパートに出て働いてきました。今は、職場の同僚たちにも親切にしてもらっています。ただ、私の在留資格は「日本人の配偶者等」なので、来年はもう更新できません。今さら母国の私の生まれ育った田舎に帰っても、仕事もありませんし友だちもいません。私がこのまま日本で暮らし続ける方法はないでしょうか?なお、私たち夫婦には子供がいません。
答 それは困りましたね。外国人が日本人と離婚した場合は、本来は「日本人の配偶者等」には該当しないので出国しなければなりません。離婚後、次回の更新まで在留することは違法ではありませんが、出国準備期間ということになります。ただ、他の在留資格、例えば「国際業務・人文知識」とか「技術」とか「投資・経営」の資格に該当する場合は、それらの在留資格に変更することになります。
また、離婚後6ヶ月の再婚禁止期間(民法第733条第1項)を経て、まだ在留期間のある間に他の日本人と再婚した場合やすでに永住資格を取得している場合もあまり問題はありません。さらに、夫との間に未成年の実子がいて、外国人の親がその子の親権者となり、且つ実際に監護、養育してている場合は「定住者」への在留資格の変更が比較的容易と思われます。
あなたの場合のように離婚した日本人の夫との間に子がいない場合はとても難しい。しかし、結婚の期間(3年以上か?)、あなたの生活の基盤や経済的安定度等を審査して「法務大臣が特別の事情を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める者」として「定住者」の資格への変更を認めることもあります。この資格への変更は、いわゆる「就労資格」への変更よりも難しいと思われますが、あなたが「母国に帰っても生活の基盤がない」と言うのであれば「定住者」の資格への変更申請をしてみるしか方法がありません。
具体的な申請書類等については、離婚前の婚姻実態も審査されますので、専門家に依頼することをお奨めします。なお、このプログの無料メールでお問合せ頂いてもお答えします。
答 それは困りましたね。外国人が日本人と離婚した場合は、本来は「日本人の配偶者等」には該当しないので出国しなければなりません。離婚後、次回の更新まで在留することは違法ではありませんが、出国準備期間ということになります。ただ、他の在留資格、例えば「国際業務・人文知識」とか「技術」とか「投資・経営」の資格に該当する場合は、それらの在留資格に変更することになります。
また、離婚後6ヶ月の再婚禁止期間(民法第733条第1項)を経て、まだ在留期間のある間に他の日本人と再婚した場合やすでに永住資格を取得している場合もあまり問題はありません。さらに、夫との間に未成年の実子がいて、外国人の親がその子の親権者となり、且つ実際に監護、養育してている場合は「定住者」への在留資格の変更が比較的容易と思われます。
あなたの場合のように離婚した日本人の夫との間に子がいない場合はとても難しい。しかし、結婚の期間(3年以上か?)、あなたの生活の基盤や経済的安定度等を審査して「法務大臣が特別の事情を考慮して一定の在留期間を指定して居住を認める者」として「定住者」の資格への変更を認めることもあります。この資格への変更は、いわゆる「就労資格」への変更よりも難しいと思われますが、あなたが「母国に帰っても生活の基盤がない」と言うのであれば「定住者」の資格への変更申請をしてみるしか方法がありません。
具体的な申請書類等については、離婚前の婚姻実態も審査されますので、専門家に依頼することをお奨めします。なお、このプログの無料メールでお問合せ頂いてもお答えします。
08年10月28日
国際結婚を取り消すことができますか?
問 私は、国際結婚斡旋業者の紹介でフィリピン女性と国際結婚しました。彼女はまだ来日していないのですが、結婚後偶然彼女が来日するのは私との結婚のためではなく、来日して日本国内のパブで働くのが目的であることを知りました。そこで、彼女に離婚するよう連絡したのですが、彼女は全く応じてくれません。もちろん、私はすでに婚姻届を区役所に提出しているので、日本での婚姻は有効に成立しています。このままでは私は将来に渡って結婚できないことになってしまいます。どのようにしたらいいのか、アドバイスを頂けないでしょうか?
答 はい、大変お困りなのはよく分かります。あなたの場合は、取りあえず、あなたの住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻の「無効」か「取消」を請求するしかありません。なお、本来の裁判籍は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。しかし、今回の場合は、相手方が日本にいないので仕方ありません。ところで、「婚姻の無効」というのは「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」(民法第742条第1項第1号)に該当する場合です。「婚姻の取消」というのは、あなたが「詐欺または強迫によって婚姻をした者」(民法第747条第1項)に該当する場合です。また、「婚姻の取消」の請求は「当事者が詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3ヶ月を経過したときは取消権が消滅する」(同条第2項)ということになっています。
さて、あなたはどちらに該当するのでしょうか?もっとも、実際の請求はどちらかに決めなければならないわけではありません。「無効が認められなければ取消」を請求することができるし、「無効または取消」を請求することもできます。いずれにしろ、訴状や証拠方法、相手の居所が不明な場合は公示送達による可能性等もあるので、一度専門家か法令に詳しい方に相談した方がいいと思います。
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答 はい、大変お困りなのはよく分かります。あなたの場合は、取りあえず、あなたの住所地を管轄する家庭裁判所に婚姻の「無効」か「取消」を請求するしかありません。なお、本来の裁判籍は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。しかし、今回の場合は、相手方が日本にいないので仕方ありません。ところで、「婚姻の無効」というのは「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」(民法第742条第1項第1号)に該当する場合です。「婚姻の取消」というのは、あなたが「詐欺または強迫によって婚姻をした者」(民法第747条第1項)に該当する場合です。また、「婚姻の取消」の請求は「当事者が詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3ヶ月を経過したときは取消権が消滅する」(同条第2項)ということになっています。
さて、あなたはどちらに該当するのでしょうか?もっとも、実際の請求はどちらかに決めなければならないわけではありません。「無効が認められなければ取消」を請求することができるし、「無効または取消」を請求することもできます。いずれにしろ、訴状や証拠方法、相手の居所が不明な場合は公示送達による可能性等もあるので、一度専門家か法令に詳しい方に相談した方がいいと思います。