これまで２０年間、業務として遠方の会議・研修先に出向いても会場への直行直帰で、名所旧蹟を訪ねるゆとりがありませんでした。５９才になり、通常なら定年ですので人生のギアを切り替える時かなと考え、用向きの前後にちょこっと寄り道をすることと心に決めました。


（信濃中野の地で）

　木・金と信濃中野に出かけましたので、木曜日には「高梨館跡」、金曜日には「中野陣屋・県庁記念館」に立ち寄りました。


（高梨館跡）

　戦国時代、上杉謙信・武田信玄の川中島合戦の時代まで中野を治めていた高梨氏の館跡は、領主が上杉家に従い、越後・会津・米沢と移って行ったにもかかわらず、当地に残った家臣が領主の帰国を願い、その屋敷跡を守って来て、現在に至っており、明治維新の廃藩置県で高梨氏が当地に戻ってこられて、現在も居を構えておられるとの事、４００年という時間を超えたロマンが信濃中野にありました。


（中野陣屋・県庁記念館）

　中野は徳川幕府時代、周辺の天領５万石を治める陣屋があった所であります。また、明治維新では、いち早く朝廷側に恭順した尾張徳川氏の管理地となり、廃藩置県で中野県の県庁所在地になったとのことであります。その県庁も、年貢の減免・新規賦課の中止・特権商人の告発を求めた「世直し一揆」で消失し、善光寺がある長野村に移ってしまい、その代わりに製糸工場が誘致されましたが続きませんでした。売店には友人の藤岡牧夫の絵が販売されており、店員さんと彼の絵の話がありうれしい一時がありました。



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