2日、田畑茂徳氏のセミナーで納得した一つに「雇用と賃金」の国際化があります。冷戦体制はソ連崩壊で自由主義国家の勝利となりました。結果、企業取引における国境はなくなり、企業は貿易も生産拠点も自由に選択できることとなりました。利潤追求の第一、コストダウンは賃金の安い国で生産することが実現できる様になりました。


(賃金の水準とは)

 世界中の企業活動に国境がなくなり地球が一つのマーケットになり、諸外国の企業と競争をする日本企業は、日本国内のこれまでの賃金水準では競争力を失います。仮に高い賃金コストで国際競争力を失えば、企業業績は悪化、株価下落となり、ファンドの餌食となり、公開買付で、リストラ:企業の買収・合併、不採算部門の整理、人員削減などの実施につながります。そこでの賃金水準は世界中の賃金水準が目安となります。国境がなくなったグローバル化の姿であります。


(間接部門の生産性)

 日本の間接部門の生産性は低いといわれて久しい。10月31日日経に「最大1250人を早期退職 富士ゼロックス、非営業職で」との記事がありました。総務や経理、人事、研究などの非営業部門の社員2500人の半数を営業部門に配置転換、残りの半数は早期退職を募るとありました。営業力強化とコスト削減で収益力を高めるのが狙いとのことであります。富士ゼロックスは人材育成で有名な企業で、質の高い人材を誇っていましたが、国内事務機需要が伸び悩む結果のこの選択と考えると、すべての企業で間接部門の戦力化という課題を問われています。


(地方の中小企業でも)

 地方の中小零細企業のライバルは、近隣の同業者でもなく、大都市の大企業でもなく、世界中のグローバル企業であると理解しなければならない時代となっています。自社の競争力を高める方策として、業務のスピード・品質の向上等、さらなるコストダウンにチャレンジしなければなりません。そこではIT化は避けられません。パソコンが苦手は自分の職を守れないし、同僚の迷惑となります。リテラシー:自分の業務に関する知識・能力の習得は職場を守るために一所懸命にならなければなりません。



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