1年間の有期雇用契約で、毎年更新が行われ、それが5,6回だとする。



 その場合に、使用者が不景気で人員整理のため、今回の契約更新をしなかったとする。



 この場合、期間満了による雇止めなのか、それとも解雇なのかという問題である。



 純粋の雇止めであれば、解雇権濫用の法理の適用はない。解雇権濫用の法理とは、解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とするものである。



 判例は、何度も更新を重ねた結果、実質上期間の定めのない契約と異ならない状態になっているときには、解雇権濫用の法理の類推適用があるとしている。