派遣労働者解雇を経営分析ではどう見るのかを考えました。企業は営利企業でありますし、経営者は利益を計上し発展させることが使命であります。経営分析では資本利益率の維持させることが経営者に課せられた責務と理解します。


(資本利益率)

          利益       利益        売上
 資本利益率 ──── = ───── × ─────
          資本       売上        資本
  
                  売上利益率   資本利益率

 企業で資本利益率を維持させるためには、損益計算書上での方策はコストカット、貸借対照表上では、資産リストラによる資産の削減させる対策が必要になります。売上が減少すれば、コストカットと資産リストラを同時に着手しなければ大幅赤字となり、わずかな経営判断の遅れが米国GMでさえ命取りになっています。


(資産リストラ)

 例えば、トヨタはこれまで年間1000万台生産体制を組み、そのための工場等の生産設備投資を行っています。20−30%の販売不振では、先ず、在庫増加対策として大幅な生産調整で「車を作らない」ことに徹しなければなりません。次いで、新規設備投資の凍結・工場閉鎖・既存設備の廃棄を行う決断が必要になります。


(コストカット)

 赤字企業と黒字企業の差は固定費の管理次第と云われています。そこで経営者には、生産設備縮小で維持コストを下げ、操業度に応じて人件費の圧縮として非正規社員の解雇、交際費等(お歳暮・お中元・接待・タクシー代)削減などのコストカットが急務となります。


(経営の維持)

 コストは日々バルブの壊れた水道のように流れていきます。特に大工場となれば、毎日億という一万札の束が消えていきます。経営者は操業度の大幅な減少に倒産の恐怖を感じているはずであります。大不況下では景気の回復の見通しを誤ると、大企業だからこそ早期に倒産になる危険度が高いのであります。



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