3.営業課題の設定がおかしい
(1)顧客数の増大と固定客づくりは別問題だ
  顧客は放っておけば同業他社にとられます。また、顧客は放っておけば購買動向が変化し、周辺同業他社にとられます。このようなことから、顧客の囲い込みや固定化について営業戦略を策定して努力する企業はたくさんあります。
  一方において顧客は新規拡大しなければどんなに固定化策をとっても絶対数は減っていきます。更に顧客はマンネリ化した商品やサービスだけで繋ぎとめることもできません。従って、企業は新規顧客を開拓する基本的営業課題を念頭に置いてセールス活動をしなければなりません。これに伴い新規顧客を開拓する上で、新商品や新サービスの開発も同時に行わなければなりません。
  この点が儲からない会社において、勘違いをされる部分ではないでしょうか。

(2)社長業の半分はトップセールス 
  経営者にはやらなければならない、俗に言う「社長業」があります。たくさんある社長業の中で社長が目を離すと赤字転落する課題があります。その課題のひとつがトップセールスです。マグロが泳ぎ続けなければ死ぬのと同じように、企業経営も社長が経営をし続けなければ赤字転落することと同じです。通常、会社は一定規模になると、その営業活動は営業責任者やセールスマンに任せきりになる傾向があります。任せてもいいことは良いのですが、優良顧客新規開拓や新商品開発における情報収集などはトップセールスによってしか得られない成果があります。従って、会社の規模や現在の経営者の業務なども考慮すると、最低30〜70%くらいの範囲で毎月トップセールスを行える体制を作って実行しなければならないのではないでしょうか。

(3)中小企業は規模に見合った営業をしなければならない 
  中小企業は大企業や中堅企業と同じことをしても容易に勝てるものではありません。企業規模が小さければ小さいほどオンリーワンを持たなければなりません。  営業や商品に何の特徴もないままイタズラに熱意や意欲だけで売ろうとすれば利益を圧迫し空売りを続ける状態になりかねません。中小企業だからこそ、個別対応の小回りがききます。中小企業だからこそ、経営者自らが最高の営業マンとなって大企業の中堅社員に勝つことができます。そういう意味において、同業他社と競争しても勝てる部分とは何かを見つけることが大切です。中小企業にとってのライバルである、自社よりもやや大きいまたは小さい同業他社を狙い撃ちして、表現としては汚いですが、相手の弱みにつけこんで勝負する手法が現実的です。
  大企業に比べて中小企業は同業他社の調査研究をあまりしません。こういったところが、営業活動が同業他社との競争に勝ったときに契約がとれるという意味が明確に見えてこない本質的な理由なのかもしれません。


【参考資料及び参考図書】
5月14日開催プロネットビジネスカレッジ『経営維新塾1』 井上 昭二
「新 なぜ儲からないか?」 あさ出版 木子吉永著
「利益を3倍にするたった5つの手法」 ビジネス社 大久保恒夫著


文責:井上 昭二


にほんブログ村 士業ブログへ
↑↑ランキングに参加しています。クリックをお願いします。

Pronet Group HP
↑↑弊社ホームページもぜひご覧下さい。




なかのひと