8月6日、中央最低賃金審議会より「平成20年度地域別最低賃金額改定の目安について」の答申が厚生労働大臣に対して行われました。

 最低賃金制度は、最低賃金法に基づき国が賃金(時給)の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとしています。仮に最低賃金額より低い賃金を労使合意の上で定めても、それは法律により無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。
 最低賃金には2種類あり、産業に関わりなく地域内のすべての労働者に適用される都道府県別の「地域別最低賃金」と、例えば自動車小売業など特定の産業に働く労働者に適用される「産業別最低賃金」が設定されています。各地方最低賃金審議会の審議を経て、都道府県労働局長が決定又は改定することとなっています。

今回、公益委員見解として示された改定の目安は、改正最低賃金法の施行を受け、全国の都道府県をA、B、C、Dの4つのランクに分け、引き上げ額を次のとおりとしています。下線がついている12都道府県については、最低賃金額が生活保護を下回り、「逆転現象」がおきています。それを解消するための期間、原則として2年、これまでに例を見ないほどに大幅になる場合は3年程度(それでも著しい影響がある場合は5年程度)で、生活保護との乖離額を除して得た額とランク毎の引上げ額とを比較して大きい方の額としています。

●Aランク・・・15円
   千葉 東京 神奈川 愛知 大阪 

●Bランク・・・11円
   栃木 埼玉 富山 長野 静岡 三重 滋賀 京都 兵庫 広島

●Cランク・・・10円
  北海道 宮城 福島 茨城 群馬 新潟 石川 福井 山梨 岐阜 
  奈良 和歌山 岡山 山口 香川 福岡
           
●Dランク・・・7円
  青森 岩手 秋田 山形 鳥取 島根 徳島 愛媛 高知 佐賀 
  長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄           
         
現在の全国平均は時給687円ですが、今秋の引き上げで、企業は原油・原材料価格等の高騰がとまらない状況下で、さらに人件費増加の影響もうけることになります。
また、改正最低賃金法により、地域別最低賃金以上の賃金が支払われない場合の罰金額の上限が、2万円から50万円に引き上げられ、使用者に対する罰則も強化されています。

文責 ヒューマニー事業部


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