最近役員給与のことで「特殊支配同族会社」という単語を耳にしたことがあると思います。今回は最近創設された「役員給与の損金不算入」に関連する特殊支配同族会社についてご説明します。
 
特殊支配同族会社とは、

 同族会社の業務主催役員及び業務主催役員関連者がその同族会社の発行済み株式又は出資(その同族会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の90%以上を有する場合その他一定の場合におけるその同族会社(業務主催役員及び常務に従事する業務主催役員関連者の総数が常務に従事する役員の総数の半数を超えるものに限る。)をいう。

と、規定されています。

つまり、
 1.業務主催役員をグループ化します
 2.グループ内での株式数を計算します
 3.その合計額が下記の基準株式数の90%以上である
会社の発行株式数−自己株式数=基準となる株式数
 4.業務主催役員及び常務に従事する業務主催役員関連者を計算します
 5.常務に従事する役員を計算します
 6.上記4の合計額を上記5の合計額で除した率が50%を超える

上記の3及び6を満たしている企業は「特殊支配同族会社」と判定されます。


簡単な例で判定してみます。
 A.社長50株(基本的に社長が業務主催役員だと思われます)
 B.専務20株(社長の長男)
 C.常務10株(他人)
 D.取締役0株(他人)
 E.取締役10株(社長の次男)
 F.監査役10株(社長の奥様で非常勤)
  発行済株式数110株 自己株式10株

 この場合
  業務主催役員グループA+B+E+F=90株
  基準となる株式数110-10=100株
  80÷100=90%
  業務主催役員及び常務に従事する関連者数3人(奥様は非常勤)
  常務に従事する役員数5人(奥様は非常勤)
  3÷5=60%  となり、この会社は「特殊支配同族会社」と判定されます。
文責:北九州支店

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