母親の病気が重くなった2年半前から、毎朝般若心経と法華経の一部をあげています。今は、自分以外の大きな存在を感じる一時となっています。それ程、信心深くもない私に機会を与えてくれたのは、自分史・家系分析を行い始めたからでした。ここにその一文を紹介します。


(私の主人公探し)

 人はこの世の中に生まれて来たのは使命があるからです。この自らに与えられた使命をハッキリと認識した者はその一生を有意義に送ることができると言われています。それでは如何にしてその使命を認識すればよいのでしょうか。私はその一つの方法が家系調査・分析であると思います。深く先祖のことを知ろうと調査すればする程、祖先から託されたメッセージに気づくことができるようになります。祖先がとても身近になり、数百年からの時間の隔たりがなくなり、現在一緒に生活しているような気持ちになることができます。先祖がいつも側に居て私たちの行動を見守って下さるように思えますし、その託された使命も明確に感じられます。
 また、私どもの体内にエネルギーが次第に蓄積されていくのが感じられます。これらは祖先と一体化することによって祖先のエネルギーが私どもの中にリサイクルされたためであると思われます。このリサイクルされた生命エネルギーを基に、自分の日常生活を見直してみると幾つかの気付きがあり、物事への感受性が豊かになり、今まで見えなかった部分が時々見えるようになってきます。
 その結果、私たちは自分の家族そして職場の仲間との間では真心と真心との触れ合いができ、実り豊かな人生を歩むことに結びついて行くのであります。


(二つの歌を味わう)

 先祖を知ることは、自分と常に向かい合っている存在への気づきとなります。自分とは何者なのか、次の二つ歌の意味を求め続けています。


西田幾太郎「寸志日記」 

   我が心深き底あり 喜びも 愁いの波もとどかじと思う

俵万智「サラダ記念日」

   泣いている我に 驚く我もいて 恋は静かに終わろうとする




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