14日、社会保険労務士法制定40周年記念式典が長野市内ホテルで行われ、税理士会にお招きがありましたので参加しました。全国社会保険労務士会連合会会長から特別功労者・功労者として、長野県知事から感謝状が多くの会員に表彰受賞され、長年の業界発展にご尽力に労苦に感謝の気持ちがお伝されていました。


(40周年とは)

 記念講演は、明治大学平沼高経済学部教授による「社会保険労務士の将来像について」でありました。講演の切り出しは「40にして惑わず」と論語を引用して「社労士業の将来像を展望し果たして「四十にして惑わず」であるのか、それとも「四十にして大いに惑う」であるか。皆さんにお尋ねしたい」でありました。講演の内容は税理士にとっても示唆に富んだお話でありました。


(示唆された項目)

・これからの社労士業は厚生労働行政の外延に位置づけられるべきでない。
・短期思考にたつ成果主義人事(目標管理と年俸制)のもたらす労使関係の不安定性増大
・人材育成という長期視野をもつ能力主義管理による株主・経営者と労働との適正な利潤分配
・労働組合組織率の低下傾向により、集団的労使関係から裁判外個別労務紛争への変化
・情報化による価格破壊は、時代に相応しい士業への転換を求めている
・経営者に健全な経営を実現させる労務管理につき、経営理念に具現化させる専門能力を身に付ける
・社労士業務は細分化・専門化される。単純なペーパーワークにとどまらず、一つの専門領域を持つべき
・社労士は業務改善を通じて企業利益の増大を図る点で指導力を発揮すべき
・社労士は年金や保険のプロフェッショナルであり、労務管理のプロフェッショナルであるべき


(社労士を税理士と読み替える)

 社会保険労務士総合研究機構理事長である平沼教授の講義は、企業経営をサポートする立場を同じくする社労士を税理士と読み替えれば、まったく同じ課題を抱えております。税理士会も他士業の動向に注視し参考とさせて頂くことが大事であることを学びました。


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