医療機関の資金調達方法は、従来の金融機関から借入をするというだけでなく、診療報酬債権・不動産の流動化、SPC(特別目的会社)の活用など多様化しています。ここでは、診療報酬債権を利用した資金調達を紹介します。

(1)診療報酬債権の証券化
仕組みとしましては、?医療機関が診療報酬債権をSPCへ譲渡?SPCは投資家へ証券として売却?医療機関はSPCから債権買取代金を受け取る?SPCは支払基金から診療報酬を受け取る・・・簡単に言うと、「診療報酬債権を譲渡して現金化する」ということです。最大のメリットは、診療報酬の請求から入金までの2ヵ月を待たずに現金化できることにあります。診療報酬債権は基金からの支払いですので貸倒れのリスクが極めて低いことから金融機関だけでなくリース会社・保険会社等も注目されています。

(2)診療報酬債権を担保とする融資
金融機関が融資する引き換えに診療報酬債権を譲渡担保として預かるものです。この場合も(1)と同様に診療報酬は医療機関に直接支払われません。まず金融機関に支払われ、その後利息部分を差し引いた残額を金融機関が医療機関へ支払うことになります。

 上記の(1)(2)の一番の目的は、あくまでも債権回収期間短縮によるキュッシュフローの改善であると言え、一時的な資金調達方法にすぎず、多額の資金調達には向きません。また証券化を停止した場合、診療報酬債権の譲渡を停止した場合には、資金ショートを起こす恐れをありますので利用する際には十分な注意が必要になります。

文責:医業部


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