09年11月02日

■今月の噛む話

◆?龍角散の元社長・藤井康男さんは故人だが(08年7月没)、『経営の心得帖』(大和出版)という著書を書き残された。その本で、「毎日同じコースを通り、同じ時間に出社して、同じ机に座り、同じような仕事をやって一日を終えるような状態が続くと、どうしても考え方がパターン化する。
その上同業の人や、似たような年代の人とばかり付き合っていると、昔話でもなんでも違和感なく通じ合うし、毎度似たような話題になってしまう。ところがこういう習慣が、自分が時代感覚とズレていることに、さっぱり気付かないようにさせてしまう・・・」と。
 ところでモーパッサン(イギリスの作家、1850?1893)といえば、代表作『女の一生』で有名だが、『水の上』という本も書いている。そこに、彼はこう書いている。「毎日、毎週、毎月、毎季節、毎年、違ったところは少しもない。同じ時間に出勤し、同じ時間に昼めしを食べ、同じ時刻に退ける。それが20歳から60歳まで続くのだ。その間、特筆大書すべきことは、4つしかない・・・」
 自分では、創造人間と思っていても、じつはルーチン・ロボット化しているというのだ。
人は工夫次第でいくらでも変化を求めることができる。私は豊かな人脈を作ることをお奨めする。
 
◆違和感を超え、広げてこそ“本物の人脈” 
 どの病院でも例外なく男性患者の“院内引きこもり”が多いという。女性の入院患者の病室前を通ってみると、こちらは多くのベッド周りの仕切りカーテンを広げ、「退院したら遊びにおいでよ」などと、お互いが病室内をオープンな雰囲気で融和して、じつに明るいコミュニティーの場としているのだ。
 男性の病室はどうか。ほとんどの人がベッド周りのカーテンは閉じたまま。あのベッドの中で、男性たちは一体何をしているのだろうか。みんな決まったように文庫本を読んでいるという。新幹線でも、中高年の旅行グループが多いが決まって女性たちである。男性たちはほとんどいない。違和感のない仲間とだけ付き合う経験が続くと、違和感のある人との交流は、抵抗があるのだろうか。
それが、“院内引きこもり”になるのだろうか。
よく“人脈”と言われるが、仕事がらみの“社脈”を、自分の人脈と錯覚している人が多いような気がする。気をつけたいものだ。
09年11月02日 | Category: profile
Posted by: mao
◆同病相哀れみの人脈に懲り固まるな
 ずっと昔から、同病相哀れむ同士ほど、親しい間柄が多い。
「恥さらしを承知でいえば、売上ガタ減りで、参ってるんだ・・」と、A社長。
「うちも同じで、どこも似たようなもんだ。あんただけじゃないよ」とB社長。
こういう同病相哀れみの共感心理に、一時とはいえホッとする心理は、いくらホッとしても何の解決にもならず、傷のなめ合いに終わるだけ。
 こういう社長に多いのは、“異業界に親しい人がいない”。
 同業とは広い意味でライバルだ。その上、手持ち情報が同じだから、いくら親しく言葉を交わしても、意外性にハッとするような、広い情報や話題の交流は何もない。
 ところが、本業不振の危機脱出のため異業界に進出するとか、本業の弱点を補うために、本業とは異なる脇固め(多角化)をやるとかいう社長は、同業以外の異業界にも、たまには飲んでバカを言い合える知人を、数人は持つ必要がある。
 
◆柔らかな頭脳こそ“経営の知恵”
 異業界にも親しい知人がいるということは、互いが相手の情報死角を相補う関係となり、お互いが、相手の視野や情報世界を広げることになる。要するにお互いに物知りになるということ。
 人間は、“物知りの範囲でしか、経営の知恵は出ない”もの。異業界に親しい人を持つ人に知恵者が多いのは、こういう背景を持つものである。
 ある米穀問屋の社長は、タクシー会社も経営し、喫茶店も経営し、弁当ショップも経営している。喫茶店は女性客に好まれるように、インテリアにも配慮し、メニューには、人気のケーキを安くしたり、女性が好きな占い勉強会を毎月1回開催している。
 焼肉店も経営し、喫茶店利用の客が、この会社のお米店から米を買うようにもなる。
 一業種一業態にまっしぐら経営ではなく、複数業種の複数業態に危険を分散し、経営安定度を高めている。この社長の趣味はヨット。たまに語り合うと、話題は広く好奇心も強い。
 この柔らかい頭脳が、経営の“知恵の素”になっているようだ。
09年10月09日 | Category: profile
Posted by: mao
 人生も事業も生涯にわたって、何の波乱にも遭遇せず、平穏に過ごすことができる、ということは皆無に近いのではないか。
 ここに一人の倒産経営者、早川徳次(シャープの創始者)がいる。
 早川は、発明した“シャープペンシル”が、プレミアムがつくほどの大需要で、生産が追い着かなくなっていた。まさに昇運である。時は大正八年のこと。
 そこで、関東一円のシャープペンシル販売を一任していた日本文具製造東京支社から、工場建設資金として、2万円(帝国ホテル宿泊料7円の頃)を借り入れた。
 時代は大正。工場300坪、従業員200名を数えるまでに発展していた。しかし、不運の神が舞い降りたような大天災。九月一日の関東大震災に襲われたのである。今回のリーマンブラザーズ不況並みだ。
 そのときの様子を、ある経営史は、つぎのように紹介している。
 「彼はすべてを失った。妻も二人の子供の命も、そして事業も。さらに“シャープペンシル”の特許まで、借金の返済に譲渡しなければならなかった」
 このままじゃ貸した金は取れない、と思った日本文具製造は、「即刻返済を・・」と迫ってきた。
 結局早川は債務履行に代えて、ペンシル関連の特許四十八種と機械類の一切を譲渡しただけでは済まず、早川自身が技師長として日本文具製造の大阪本社で、六ヵ月間働く、という条件まで飲まされる羽目になったのである。簡単にいえば、「金がなければ体で返せ」ということだ。
 六ヵ月間の代償勤労は終わったが、もはやシャープペンシルは作れない。ある日のこと通りかかった大阪心斎橋の時計店が、二台の鉱石ラジオを輸入販売していた。
 「これだ!」と直感し、一台買い求め研究改良の上、大正十四年、ついにシャープの鉱石ラジオ受信機第一号が完成。
 やがて市場に出現した“シャープラジオ”は爆発的に売れ、今日のシャープの基礎固めの強い商材になったのである。しかしそのとき早川は、すでに「次は真空管ラジオの時代」を予見し、研究を進めていたのだった。
 我々も、事業に失敗はつきものと達観し、挫けず常に前を向いて歩きたいものである。
09年09月01日 | Category: profile
Posted by: mao
◆自己改革実践5訓

・考え方が変われば  態度が変わる
・態度が変われば   行動が変わる
・行動が変われば   習慣が変わる
・習慣がかわれば   運命が変わる
・運命が変われば   人生が変わる

 考え方が変わらない人は、態度さえ変わらない。だから、口では利口なことを、いくら語っても、態度が変わらないから何も変わらない。これは真実そのもの。
以下に、態度を変えてみる一例を紹介しよう。
 1、夕刻の風呂を、朝風呂に切り替えてみる。
 2、1ヵ月に一冊も本を読まないが、これからは月1冊の本を読むことにする。(1日3枚読むだけ)
 3、嫌いと思っていた人間に、自分のほうから声をかけてみる。
 4、もう何年も見なかった映画を、映画館に見にゆく。
 5、一度も行ったことのない観光地に、旅行してみる。
 6、自動車通勤を、隔月電車通勤に切り替えてみる。
 7、“主夫の日”を決めて、手料理を作り妻にサービスしてみる。
 8、食わず嫌いな料理を、思い切って食べてみる。
          ――――――――――――――――
 新しい発想や発見は、態度を変え行動を変えたときに、遭遇する。
 行ったこともない外国に行き、新しいビジネスを発見した人は多い。
 トヨタ式生産方式も最初は、アメリカのスーパーを見学し、“?客は欲しい時にやってきて、?欲しい物を?欲しいだけ買っていく”という現実を意識し、考えだしたもの。
 ?欲しい仕掛品を、?欲しい時に、?欲しい量だけ、後工程に送るという、ジャスト・イン・タイム方式はスーパー視察で発想したもの。
09年08月03日 | Category: profile
Posted by: mao
◆馴れない仕事をやると、疲れがひどい人
 「馴れない仕事をやると、とても疲れる」という人は意外に多い。Nさんという人が、嘆いていた。「馴れない仕事をしているから、疲れて疲れて…」
このNさんのように、「馴れない仕事は疲れる」という人は、たぶん“変化を好まない人”ではなかろうか。
 ということは、オフィスの机や椅子のレイアウトを変えられても、落ち着かないので疲れる。人事異動が行なわれ、メンバーの一部が入れ替わっても、新しい組織の空気に疲れる。
自宅でとっている新聞も、もう5年以上同じで、読み馴れた新聞を替える気はない。
 ある会社で、本社の係長から支店の課長に転勤になったKさんという人がいた。そのK課長が、「私は本社で長い間、社会保険を担当してきました。あの保険関係の仕事を、今後も続けたいのです。会社も私のように、仕事に馴れた者が担当したほうがいいと思います。
このKさんなどは、馴れない仕事は疲れるどころか、“馴れない仕事には手がつかない”というタイプだったみたいである。
 結論として、“馴れない仕事は疲れる”という人の多くは、“新しいことをやると疲れる”ということではないのか。そういう人に、創造力が働き、開かれた未来が訪れるのだろうか。果たして、そういうことでいいのだろうか。

◆新しい仕事だから、“幸せ”を感じる人
 先に紹介したNさんやKさんのように、馴れないことは疲れる、ということは、新しいことには興味や関心は向かない、ということではないか。言い方を変えれば、過去の価値観のみで現代を生きている、ということになりはしないか。
 以前、俳優の児玉清さんが語っていた。「ぼくの仕事というのは、過去に経験しない新しいことが多いでしょう。この、いつも新しい仕事がやれる幸せ、これがありがたいんです。ほんと幸せなんですよね!」
 「馴れない仕事をやると疲れる」ということを、よく感じる人の思考は、“退廃的な思考”と言える。
ある会社の50歳以上の採用面接で「自分はこんな仕事をしてきたので、似たような仕事を希望する」と、ほとんどの人が語ったそうである。「心機一転、青年の気概で何でもやります…」。こんな気概人間はゼロだった。
 何ができる、というのではなく、何をやるべきかを語る人が、めっきり少なくなったように思われる昨今です。
09年07月01日 | Category: profile
Posted by: mao
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