08年03月03日
■IT社会は、人間本来の思考力をどんどん奪う
◆自分脳で考えない、固形脳の会社人間が増殖している
15〜20年ほど前から、思考停止のような社員が出現してきたらしい。
「先月の総売上高は、前年同月に比べると上回りましたか?」
月が変わりはや数日、もうデータも揃っただろうと思い、ある営業部長に尋ねた。
「まだわかりません。コンピュータ(PC)の締めが終わってなくて・・」という返事。
自分の頭で考えるという思考努力をしないから、こんな単純なこともわからない。
“売上高の把握はPCがやるもの”という、異常なまでのPC依存。一刻も早く自力で売上高の数字や傾向をつかみ、次のステップへ・・という考え方がけし飛んでいる。
◆会社人間の脳が、どんどん壊れている
結果には必ず原因がある。いわゆる因果関係である。
そういえば、思考停止型の社員が増殖しはじめた時期は、企業の中にどんどんPCが導入され、経理社員が元帳記入から解放されはじめた時期と一致するように思う。
五体満足な人間には、考えも及ばないほど、盲人は聴力が発達し指先の感覚が鋭くなる。
ところがIT社会は、メール依存でマナーを無くし、さらに文章力も幼稚化し、PC依存で自脳思考力を喪失し、管理システムの中に収まり過ぎ、“PC型の金太郎アメ”が増えた。
盲人の例でわかるが、欠けた何かを補おうとするとき、人間は知恵を絞り、努力をする。
ところが、値段はバーコードが覚え、勘定計算はレジがしてくれる。釣り銭までレジが計算しチャランと出してくれる。各種チャート(書式)も、ソフトが提案してくれる。
何から何までITがやってくれるから、使わざるモノは退化するという“廃用性萎縮”が、どんどん会社人間の脳を襲い、思考力や配慮心まで奪い去っている。
お互い注意したい。
15〜20年ほど前から、思考停止のような社員が出現してきたらしい。
「先月の総売上高は、前年同月に比べると上回りましたか?」
月が変わりはや数日、もうデータも揃っただろうと思い、ある営業部長に尋ねた。
「まだわかりません。コンピュータ(PC)の締めが終わってなくて・・」という返事。
自分の頭で考えるという思考努力をしないから、こんな単純なこともわからない。
“売上高の把握はPCがやるもの”という、異常なまでのPC依存。一刻も早く自力で売上高の数字や傾向をつかみ、次のステップへ・・という考え方がけし飛んでいる。
◆会社人間の脳が、どんどん壊れている
結果には必ず原因がある。いわゆる因果関係である。
そういえば、思考停止型の社員が増殖しはじめた時期は、企業の中にどんどんPCが導入され、経理社員が元帳記入から解放されはじめた時期と一致するように思う。
五体満足な人間には、考えも及ばないほど、盲人は聴力が発達し指先の感覚が鋭くなる。
ところがIT社会は、メール依存でマナーを無くし、さらに文章力も幼稚化し、PC依存で自脳思考力を喪失し、管理システムの中に収まり過ぎ、“PC型の金太郎アメ”が増えた。
盲人の例でわかるが、欠けた何かを補おうとするとき、人間は知恵を絞り、努力をする。
ところが、値段はバーコードが覚え、勘定計算はレジがしてくれる。釣り銭までレジが計算しチャランと出してくれる。各種チャート(書式)も、ソフトが提案してくれる。
何から何までITがやってくれるから、使わざるモノは退化するという“廃用性萎縮”が、どんどん会社人間の脳を襲い、思考力や配慮心まで奪い去っている。
お互い注意したい。
08年02月01日
■異論なき組織に、未来はない
◆“後ろ風が吹かなくなると、異論なき会社は傾き始める
異論なき組織とは、つぎのような組織のことだ。
(1)経営トップの方針や政策に対して、「ハイ」と言う人間はいるが、「しかし・・」という異論や意見、あるいは提言をする者がいない組織。
(2)異論を唱える者がいると、トップから冷遇されるか、排斥される。
◆“異論”で強い会社になったホンダ
異論といえば、象徴的なエピソードに、社長時代の本田宗一郎さんと、技術陣のリーダーだった久米是志(ただし)さんの、壮絶といってもいい対立が思い起こされる。
本田さんは、ホンダのオートバイ一筋の枠を取り払い、いよいよ四輪車の開発に乗り出すとき、「空冷エンジンで、将来に残る物を作るんだ」という執念に燃えていた。
ところが技術陣を代表して、「空冷では、会社を潰す大失敗を招く」といって、徹底して反対したのが、いま紹介した久米さんであった。
ところがやがて、久米さんは本田技研の社長になった。
久米の会社を思う情熱と決意、反対した久米を認め受け入れた本田さんの度量。
リッカー(ミシン)という会社は、いまは存在しない。この会社が破綻したとき、ある経済誌は、「みんなで渡れば・・方式で、役員全員で会社を潰した」と揶揄したが、リッカーに久米のような人材は、いなかったということだ。
何もリッカーだけではない。リッカーのような塵材(人材にあらず)の患部(幹部にあらず)は、いろんな会社に見ることができる。また、そういう会社の場合例外なく、幹部とはイエスマンが当たり前、という意識の持ち主がトップだから、なんともナンセンスの一語に尽きる。
異論なき組織とは、つぎのような組織のことだ。
(1)経営トップの方針や政策に対して、「ハイ」と言う人間はいるが、「しかし・・」という異論や意見、あるいは提言をする者がいない組織。
(2)異論を唱える者がいると、トップから冷遇されるか、排斥される。
◆“異論”で強い会社になったホンダ
異論といえば、象徴的なエピソードに、社長時代の本田宗一郎さんと、技術陣のリーダーだった久米是志(ただし)さんの、壮絶といってもいい対立が思い起こされる。
本田さんは、ホンダのオートバイ一筋の枠を取り払い、いよいよ四輪車の開発に乗り出すとき、「空冷エンジンで、将来に残る物を作るんだ」という執念に燃えていた。
ところが技術陣を代表して、「空冷では、会社を潰す大失敗を招く」といって、徹底して反対したのが、いま紹介した久米さんであった。
ところがやがて、久米さんは本田技研の社長になった。
久米の会社を思う情熱と決意、反対した久米を認め受け入れた本田さんの度量。
リッカー(ミシン)という会社は、いまは存在しない。この会社が破綻したとき、ある経済誌は、「みんなで渡れば・・方式で、役員全員で会社を潰した」と揶揄したが、リッカーに久米のような人材は、いなかったということだ。
何もリッカーだけではない。リッカーのような塵材(人材にあらず)の患部(幹部にあらず)は、いろんな会社に見ることができる。また、そういう会社の場合例外なく、幹部とはイエスマンが当たり前、という意識の持ち主がトップだから、なんともナンセンスの一語に尽きる。
08年01月01日
■賢い経営者は、“機会損失”的な発想ができる
●“機会損失”で考える経営者は伸びる
発想がやや頑固なケーキ屋さんが、商売不振で仕方なく、Kさんの助言に従った。
「餡(あん)に、泡立てた卵白を練り込みなさい。それをカステラ生地で巻くんです。巻いたら表面にパン粉の細粉を振りかけ、バーナーで焼き上げます。こんがりと焼きます・・・」
仕上げてみたら、しつこい甘さを避ける客までが、「餡がとてもソフトで・・」といって、じつに評判がいい。口コミで次第に売上は、上昇ラインを描くようになり、1年もすると、対前年比で、“売上高は450万円も上乗せ”になるという結果が証明された。
そこでケーキ屋さんははじめて、人の話を聞くことの大切さを痛感した。
しかし残念ながら、このケーキ屋さん、まだまだ思いが浅い。
貴重な教訓として、今後の経営に前向きに生かす人なら、このように考える。
「Kさんは3年前から、同じことを言ってくれていた。もし3年前に実行しておけば、借金を作ることもなく、少なくとも3年前から、いまの売上高を確保できたはず。
そういう意味では、毎年450万円ほどは得られたはずの儲けを、3年前から損してきたのと同じではなかろうか・・」
この考えを、“機会損失(チャンスロス)”と呼ぶ。
しかし多くの場合は、「自分は、こうやって儲けてきた」と思う人が多く、「あの方法を取り入れていたら、毎年○百万円に近い損失を出さずに済んだかも・・」という、チャンスロス思考の人は少ないものである。
●“機会損失”は賢者の経営法則
“機会損失”(チャンスロス)の考え方は、謙虚さと反省心の乏しい人には、多くの場合望めない。
優れた経営者は人の知恵を生かし、次に優れた経営者は、自分だけの知恵で仕事をする。限界に早々と突き当たる経営者は、人の知恵を排し、自分の汗で作業をするものである。頭を使わず体力を使うような経営は、早々にダメになる。
ある会社では、役員でもある主要支店長のT氏が、しょっちゅう外出をする。外出そのものはいいが、連絡がとれない。
だから事務所では、これまたしょっちゅう、「支店長はあいにく留守でして・・」と困惑応対をくり返す始末。非常に次元の低い、機会損失を続けている。
この種の機会損失は、損失の原因が自分にあると気づかないから、非常にタチが悪い。
甘い2代目のぼんぼん社長が、先代社長(父親)が遺した遺産で、ホームセンターを開業した例もある。朝の開店前にセンターに行き、びっくりした。
出入口に近い、買い物に便利な駐車場7,8個所に、すでに駐車した車がいる。
調べると従業員のものだ。驚いて、「従業員は駐車場は、いちばん遠い端っこだ。ここはお客さま専用だ・・」と、叱るようにして指導したが、肝心の社長は、このことを知っても、従業員になにも言わない。
お客さまからは“購買チャンス”を奪い、結果としてセンターは、“機会損失”を招いているという自覚が、無いのである。
こんなセンターが、お客さまから支持されるはずはない。
07年12月03日
■“人材”の登用
いまを去る130年ほど前に人生を全うした、西郷隆盛が人をどう見ていたかを考えさせる資料がある。(「大西郷遺訓」林房雄著、新人物往来社)
「学芸・技能のみに秀でた小人は、使い道により役立つから用いるがいい。さりとてその小人を、組織や人を采配する長官の椅子に据え、重職を授ければ、必ず国家を覆すようなことをするから、決してそういう愚を犯してはならぬ」
現代に転じて訳するなら、「どんなに販売力のある営業マンでも、ただそれだけで、営業部長などに起用してはならない」ということである。
西郷の残した言葉を要約すれば、この言葉も有名である。
「功ある者には禄で報いよ。真に能ある者に、地位を与えよ」
ボーナスを多くして、一件落着すべき人間に、間違っても人を支配する権限を与えるな、という意味である。
ドラッカーは、『現代の経営』で、こうも述べている。「部下は、上司(経営幹部)の能力のなさには寛容でも、品性の欠落に対してまで、許すことはできない」(P・Fドラッカー、2005年没)
いくら防衛大臣が、「すみませんでした」をくり返しても、「原爆投下は、しょうがなかった」という品性のカケラもない発言は、許せないのが常識というものだ。
「女は子供を生む機会」にも、同様に品性のカケラもない。
領収書をコピーして、ダブル利用するに至っては、品性下劣に加え底知れぬ悪知恵さえある。
07年11月01日
■“カキ殻”と“長い経験”の関係〜「現代」という名のバスに乗り遅れるな
◆長い経験もヘタすると、カキ殻になる
役者の森繁久彌さんが、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み、自著に書いている。
「長い航海で、軍艦の底にへばりついたカキ殻やフジツボの殻を、ついたままにしておくと、水の抵抗で航行速度が落ちるという。だから、殻を叩き落してペンキを塗るという。
人間の経験も一緒だな。経験は貴重だが、環境の変化をよそ目に過去の経験を押し通そうとすると、変化した環境の抵抗に遭う。捨てるべき経験と、生かす経験がある・・」
ところでいま、「美肌一族」という化粧品がバカ売れという。一日で6万4千枚も売れたという報道もある。要するに顔面にシートマスクをかぶせ、しばらくじっとしているだけ。
しかし「美肌一族」は、共通ブランドだから、入浴剤をはじめ内容は色々ある。
ちなみにネット愛用族なら、「美肌一族」でご検索あれ。はじめて見た人なら、その包装デザインにびっくりする人が多いと思う。漫画ベルばらに出てきそうな、お姫様が主役なのだ。
その主役たちのセリフを集めて、いくつか紹介してみよう。
★「そんな肌で私に勝てるとでもお思い?」★「ご存知?女の幸せはお肌に表れますのよ」★「そろそろ私に近づける頃かしら?」★「要らぬものなど燃やしておしまい!」(入浴剤)
とにかく、過去の常識を完全に破壊した、「こんなデザインありかよ!」と言いたくなる。長い経験が邪魔した大手メーカーには、とても真似のできない商品企画だったようだ。
◆過去にこだわると、「現代」というバスにも乗り遅れる
では、“経験が前に出過ぎて、新しい環境に馴染めない人”とは、どんな人だろうか。
1,新聞が変わると読みにくいから、同じ新聞しか読まない人。
2,縄張り意識が強くて、他人が入ってくるのを嫌う人。
3,過去の成功経験が、何事も発想の基準になる人。
4,昔のことをよく覚えている割には、新しいことには関心が薄い。
5,新しいことを学ぶより、過去の経験を押し通そうとする。
6,人にモノを尋ねるのを嫌がる。
7,過去の習慣を切り替えようとはしない。
8,素直で意思が強いというより、頑固で意地が強い。
9,活字情報は読むのが面倒くさい。
10,話し手にはなるが、聞き手になるのはイヤ。
世の中は変革を続けている。過去にこだわる人は、現代というバスにも乗り遅れるだろう。
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役者の森繁久彌さんが、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読み、自著に書いている。
「長い航海で、軍艦の底にへばりついたカキ殻やフジツボの殻を、ついたままにしておくと、水の抵抗で航行速度が落ちるという。だから、殻を叩き落してペンキを塗るという。
人間の経験も一緒だな。経験は貴重だが、環境の変化をよそ目に過去の経験を押し通そうとすると、変化した環境の抵抗に遭う。捨てるべき経験と、生かす経験がある・・」
ところでいま、「美肌一族」という化粧品がバカ売れという。一日で6万4千枚も売れたという報道もある。要するに顔面にシートマスクをかぶせ、しばらくじっとしているだけ。
しかし「美肌一族」は、共通ブランドだから、入浴剤をはじめ内容は色々ある。
ちなみにネット愛用族なら、「美肌一族」でご検索あれ。はじめて見た人なら、その包装デザインにびっくりする人が多いと思う。漫画ベルばらに出てきそうな、お姫様が主役なのだ。
その主役たちのセリフを集めて、いくつか紹介してみよう。
★「そんな肌で私に勝てるとでもお思い?」★「ご存知?女の幸せはお肌に表れますのよ」★「そろそろ私に近づける頃かしら?」★「要らぬものなど燃やしておしまい!」(入浴剤)
とにかく、過去の常識を完全に破壊した、「こんなデザインありかよ!」と言いたくなる。長い経験が邪魔した大手メーカーには、とても真似のできない商品企画だったようだ。
◆過去にこだわると、「現代」というバスにも乗り遅れる
では、“経験が前に出過ぎて、新しい環境に馴染めない人”とは、どんな人だろうか。
1,新聞が変わると読みにくいから、同じ新聞しか読まない人。
2,縄張り意識が強くて、他人が入ってくるのを嫌う人。
3,過去の成功経験が、何事も発想の基準になる人。
4,昔のことをよく覚えている割には、新しいことには関心が薄い。
5,新しいことを学ぶより、過去の経験を押し通そうとする。
6,人にモノを尋ねるのを嫌がる。
7,過去の習慣を切り替えようとはしない。
8,素直で意思が強いというより、頑固で意地が強い。
9,活字情報は読むのが面倒くさい。
10,話し手にはなるが、聞き手になるのはイヤ。
世の中は変革を続けている。過去にこだわる人は、現代というバスにも乗り遅れるだろう。