08年02月01日
正社員7人、パート3人でも就業規則は必要?
就業規則の作成・届出義務のある使用者は、労基法上「常時10人以上の労働者を使用する使用者」とされています。
この場合の10人というのは、正社員が10人ということではありません。
その事業場として常時何人ぐらいの労働者を使用しているかということが、判断基準となります。
このように従業員の雇用形態は問題とされませんから、正社員7人、パート3人が通常働いているということであれば、就業規則の作成・届出義務があると考えられます。
この場合、正社員に適用される就業規則のみを作成すればいいのではありません。就業規則は、その事業場のすべての労働者を対象としたものでなければならず、パートやアルバイトに適用される就業規則がなければ、就業規則の作成義務を果たしたことにはならない。
この場合の10人というのは、正社員が10人ということではありません。
その事業場として常時何人ぐらいの労働者を使用しているかということが、判断基準となります。
このように従業員の雇用形態は問題とされませんから、正社員7人、パート3人が通常働いているということであれば、就業規則の作成・届出義務があると考えられます。
この場合、正社員に適用される就業規則のみを作成すればいいのではありません。就業規則は、その事業場のすべての労働者を対象としたものでなければならず、パートやアルバイトに適用される就業規則がなければ、就業規則の作成義務を果たしたことにはならない。
08年01月31日
解雇か雇止めか
1年間の有期雇用契約で、毎年更新が行われ、それが5,6回だとする。
その場合に、使用者が不景気で人員整理のため、今回の契約更新をしなかったとする。
この場合、期間満了による雇止めなのか、それとも解雇なのかという問題である。
純粋の雇止めであれば、解雇権濫用の法理の適用はない。解雇権濫用の法理とは、解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とするものである。
判例は、何度も更新を重ねた結果、実質上期間の定めのない契約と異ならない状態になっているときには、解雇権濫用の法理の類推適用があるとしている。
その場合に、使用者が不景気で人員整理のため、今回の契約更新をしなかったとする。
この場合、期間満了による雇止めなのか、それとも解雇なのかという問題である。
純粋の雇止めであれば、解雇権濫用の法理の適用はない。解雇権濫用の法理とは、解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とするものである。
判例は、何度も更新を重ねた結果、実質上期間の定めのない契約と異ならない状態になっているときには、解雇権濫用の法理の類推適用があるとしている。
08年01月15日
解雇における未利用年休の買い上げ義務
行政解釈によれば、年次有給休暇の権利は予告期間中に行使しなければ
消滅する、とされています。
これは、年休の権利は雇用関係の継続中に行使しなければ具体的な効果
を生じないことを意味しています。
したがって、即時解雇が有効になされて雇用関係が終了した後になって、
その権利が事実上行使できなかったことに対し、買い上げを要求したとして
も、雇用契約上の特別の合意がない限り、その要求に応じ義務はないこと
になります。
消滅する、とされています。
これは、年休の権利は雇用関係の継続中に行使しなければ具体的な効果
を生じないことを意味しています。
したがって、即時解雇が有効になされて雇用関係が終了した後になって、
その権利が事実上行使できなかったことに対し、買い上げを要求したとして
も、雇用契約上の特別の合意がない限り、その要求に応じ義務はないこと
になります。
08年01月11日
休職中に年休を利用できるか
久し振りに労働関係の記事です。
年次有給休暇は、そもそも就労義務のある日についてその就労を
免除するものであり、年休を利用できる日は労働契約上就労義務が
ある日でなければなりません。
一方、休職期間は、一般的に雇用契約上の身分は維持しながら、
就労義務が免除されている期間のことをいいます。
とすれば、就労義務が免除されている休職期間中に、さらに就労義
務の免除を求める年休の請求はできないことになります。
年次有給休暇は、そもそも就労義務のある日についてその就労を
免除するものであり、年休を利用できる日は労働契約上就労義務が
ある日でなければなりません。
一方、休職期間は、一般的に雇用契約上の身分は維持しながら、
就労義務が免除されている期間のことをいいます。
とすれば、就労義務が免除されている休職期間中に、さらに就労義
務の免除を求める年休の請求はできないことになります。
07年11月22日
治癒と復職の関係
治癒の概念はそれぞれの場面で異なる。
例えば、労災保険上は、「症状が安定し、疾病が固定した状態にあるものをいい、
治療の必要がなくなったもの」であるとされる。
私傷病により休職していた者が、復職をする場合、会社は主治医や指定医の診断
をもとに職場復帰が可能かどうか、すなわち治癒したかどうかを判断する。
ここにおける治癒は、「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したとき」と
解されている。この考え方によれば、従前の職務より軽度な職務は行えるが、従前の
職務を行うには困難である場合には、治癒したとはいえないことになる。したがって、
会社は復職を認めなくてもいいということになる。
これでは、労働者の雇用の維持が失われる。
ここにおいて、最高裁の画期的な判例が出ました(最判H10,4,9)(片山組事件)
「職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結し、現場監督業務に従事していた労
働者がバセドウ病に罹患し、現場監督業務に従事することは不可能であるが事務作業
は行える場合に、会社が自宅治療を命じ、その間の賃金等を支給しなかった事案」につ
いて、「労働者が職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結した場合において、現に
命ぜられた特定の業務についての労務提供が十全にできないとしても、能力、経験、地位、
企業規模、業種、労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして当該労働者が配置さ
れる現実的可能性があると認められる業務について労務の提供をすることができ、かつ
申し出ている場合には債務の本旨に従った履行の提供があると解すべきである。」
この判例は、治癒したかどうかの問題とせず、現実的配置可能性の業務の有無を問題と
していることに注意が必要です。
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例えば、労災保険上は、「症状が安定し、疾病が固定した状態にあるものをいい、
治療の必要がなくなったもの」であるとされる。
私傷病により休職していた者が、復職をする場合、会社は主治医や指定医の診断
をもとに職場復帰が可能かどうか、すなわち治癒したかどうかを判断する。
ここにおける治癒は、「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したとき」と
解されている。この考え方によれば、従前の職務より軽度な職務は行えるが、従前の
職務を行うには困難である場合には、治癒したとはいえないことになる。したがって、
会社は復職を認めなくてもいいということになる。
これでは、労働者の雇用の維持が失われる。
ここにおいて、最高裁の画期的な判例が出ました(最判H10,4,9)(片山組事件)
「職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結し、現場監督業務に従事していた労
働者がバセドウ病に罹患し、現場監督業務に従事することは不可能であるが事務作業
は行える場合に、会社が自宅治療を命じ、その間の賃金等を支給しなかった事案」につ
いて、「労働者が職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結した場合において、現に
命ぜられた特定の業務についての労務提供が十全にできないとしても、能力、経験、地位、
企業規模、業種、労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして当該労働者が配置さ
れる現実的可能性があると認められる業務について労務の提供をすることができ、かつ
申し出ている場合には債務の本旨に従った履行の提供があると解すべきである。」
この判例は、治癒したかどうかの問題とせず、現実的配置可能性の業務の有無を問題と
していることに注意が必要です。