07年07月23日
年休取得と不利益取扱
事案は、「タクシー会社Yは、自動車の実働率を上げるために乗務員の出勤率を高めることを目的として、昭和40年頃から、ほぼ交番表(月ごとの勤務予定表)どおりに出勤した者に対して、皆勤手当を支給する制度を採用してきた。昭和63年及び平成元年にYが労働組合との間で締結した労働協約では、交番表に定められた労働日数及び労働時間を勤務した乗務員に対し、昭和63年度は1ヶ月3100円、平成元年度は同4100円の皆勤手当を支給するが、「公私傷病休又は欠勤」が1日のときは昭和63年度は1ヶ月1550円、平成元年度は同2050円を右手当から控除し、2日以上のときは支給しないこととした。 Yの従業員であるXは、昭和63年5月から平成元年10月にかけて、5回にわたり年休を取得したところ、Yは年休の取得は右労働協約所定の公私傷病休または欠勤に該当するとして、それぞれにつき皆勤手当を控除した。なお、この皆勤手当の額のXの給与月額に対する割合は、最大で1,85%であった。 本件は、右皆勤手当の控除に対して、Xがその支払いを請求したもの」である。
これは、沼津交通事件であるが、最高裁(最判H5、6,25)は次のように判示した。
1 労基法134条の規定からすれば、使用者が、従業員の出勤率の低下を防止する等の観点から、年次有給休暇の取得を何らかの経済的不利益と結びつける措置を採ることは、その経営上の合理性を是認できる場合であっても、できるだけ避けるべきであることはいうまでもないが、右の規定は、それ自体としては、使用者の努力義務を定めたものであって、労働者の年次有給休暇の取得を理由とする不利益取扱いの私法上の効果を否定するまでの効力を有するものとは解されない。また、右のような措置は、年次有給休暇を保障した労基法39条の精神に沿わない面を有することは否定できないものではあるが、その効力については、その趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年次有給休暇の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して、年次有給休暇を取得する権利の行使を抑制し、ひいては同法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものでない限り、公序に反して無効となるとすることはできないと解するのが相当である。
2 本件事実関係のもとでは、Y会社は、タクシー業者の経営は運賃収入に依存しているため自動車を効率的に運行させる必要性が大きく、交番表が作成された後に乗務員が年次有給休暇を取得した場合には代替要員の手配が困難となり、自動車の実働率が低下するという事態が生ずることから、このような形で年次有給休暇を取得することを避ける配慮をした乗務員については皆勤手当を支給することとしたものと解されるのであって、右措置は、年次有給休暇の取得を一般的に抑制する趣旨に出たものではないと見るのが相当であり、また、乗務員が年次有給休暇を取得したことにより控除される皆勤手当の額が相対的に大きいものではないことなどからして、この措置が乗務員の年次有給休暇の取得を事実上抑止する力は大きなものではなかったというべきである。
本判決は、附則134条は単に訓示規定に過ぎず、不利益取扱の判断については、別途に公序違反の問題として考察すべきであるという見解です。
メールによるご相談は、m-sgo@gaia.eonet.ne.jpまでお気軽にどうぞ(無料)。
なお、当事務所は、年金記録問題無料相談所でもありますから、年金のテーマをご覧下さい。
これは、沼津交通事件であるが、最高裁(最判H5、6,25)は次のように判示した。
1 労基法134条の規定からすれば、使用者が、従業員の出勤率の低下を防止する等の観点から、年次有給休暇の取得を何らかの経済的不利益と結びつける措置を採ることは、その経営上の合理性を是認できる場合であっても、できるだけ避けるべきであることはいうまでもないが、右の規定は、それ自体としては、使用者の努力義務を定めたものであって、労働者の年次有給休暇の取得を理由とする不利益取扱いの私法上の効果を否定するまでの効力を有するものとは解されない。また、右のような措置は、年次有給休暇を保障した労基法39条の精神に沿わない面を有することは否定できないものではあるが、その効力については、その趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年次有給休暇の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して、年次有給休暇を取得する権利の行使を抑制し、ひいては同法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものでない限り、公序に反して無効となるとすることはできないと解するのが相当である。
2 本件事実関係のもとでは、Y会社は、タクシー業者の経営は運賃収入に依存しているため自動車を効率的に運行させる必要性が大きく、交番表が作成された後に乗務員が年次有給休暇を取得した場合には代替要員の手配が困難となり、自動車の実働率が低下するという事態が生ずることから、このような形で年次有給休暇を取得することを避ける配慮をした乗務員については皆勤手当を支給することとしたものと解されるのであって、右措置は、年次有給休暇の取得を一般的に抑制する趣旨に出たものではないと見るのが相当であり、また、乗務員が年次有給休暇を取得したことにより控除される皆勤手当の額が相対的に大きいものではないことなどからして、この措置が乗務員の年次有給休暇の取得を事実上抑止する力は大きなものではなかったというべきである。
本判決は、附則134条は単に訓示規定に過ぎず、不利益取扱の判断については、別途に公序違反の問題として考察すべきであるという見解です。
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07年07月20日
長期の時季指定に対する時季変更権の行使と使用者の裁量的判断
事案は、「Xは、Y会社(通信社)に勤務する記者であるが、昭和55年8月20日から9月20日まで休日等を含め約1ヶ月という長期かつ連続した期間につき、始期と終期を特定して年次有給休暇の時季指定をした。Xの上司である社会部長は、前半約2週間の休暇は認めるが、後半約2週間に属する勤務日については、事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権っを行使した。 Xはこれを無視し、原子力発電問題の取材等の目的で約1ヶ月間の欧州旅行に出発し、その間の勤務に就かなかった。Y会社は、時季変更権が行使された勤務日10日間について、業務命令に反して就業しなかったとの理由でXを譴責処分に処し、年末の賞与についてもこの欠勤を理由に約5万円を減じて支給した。 そこで、Xは、本件処分の無効確認と、賞与の一部不支給及び本件譴責処分がXに対する不法行為であるとして損害賠償の支払いを求めたもの」である。
これは、時事通信社事件であるが、最高裁(最判H4,6,23)は次のように判示した。
1 労働者が、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して長期かつ連続の時季指定をした場合には、時季変更権の行使において、「右休暇が事業運営にどのような支障をもたらすか、右休暇の時期、期間につきどの程度の修正、変更を行うかに関し、使用者にある程度の裁量的判断が認められる。」 右判断は、労働者の年次有給休暇の権利を保障している労働基準法39条の趣旨に沿う、合理的のものであることを要し、使用者が労働者に休暇を取得させるための状況に応じた配慮を欠くなど不合理なものであってはならない。
2 記者クラブに単独配置されている通信社の社会部記者が、使用者との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して休日等を含め約1ヶ月の長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をしたのに対し、使用者が右時季指定の後半部分について時季変更権を行使した場合において、当時社会部内において専門的知識を要する右記者の担当職務を支障なく代替し得る記者を長期に確保することが困難であり、また右単独配置は企業運営上のやむを得ない理由によるものであったなど判示の事情があるときは、右時季変更権の行使は適法である。
長期の時季指定に対する時季変更権の裁量的判断の合理性は、なお不明確なように思われます。
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1 労働者が、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して長期かつ連続の時季指定をした場合には、時季変更権の行使において、「右休暇が事業運営にどのような支障をもたらすか、右休暇の時期、期間につきどの程度の修正、変更を行うかに関し、使用者にある程度の裁量的判断が認められる。」 右判断は、労働者の年次有給休暇の権利を保障している労働基準法39条の趣旨に沿う、合理的のものであることを要し、使用者が労働者に休暇を取得させるための状況に応じた配慮を欠くなど不合理なものであってはならない。
2 記者クラブに単独配置されている通信社の社会部記者が、使用者との事前の調整を経ることなく、始期と終期を特定して休日等を含め約1ヶ月の長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をしたのに対し、使用者が右時季指定の後半部分について時季変更権を行使した場合において、当時社会部内において専門的知識を要する右記者の担当職務を支障なく代替し得る記者を長期に確保することが困難であり、また右単独配置は企業運営上のやむを得ない理由によるものであったなど判示の事情があるときは、右時季変更権の行使は適法である。
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07年07月17日
賃金差別と労働組合法27条2項の「継続する行為」
事案は、「X社は、昭和53年7月8日、A労働組合と同年度の賃金改定に関する協定書に調印した。その後Xは、既に終えていた査定に基づき、4月に遡って差額を支給した。このことにつきAは、Xの右査定による基本給及び役職手当の支給上、組合員12名と非組合員との間に格差があり、この格差は組合員であることを理由とするものであるとして、昭和54年7月17日青森地労委Yに救済を申し立てた。 次いで、昭和54年7月15日、昭和54年度の賃金改定についての協定書に調印がなされ、4月に遡及して差額が支給された。このことについてAは、基本給及び職責手当において、組合員と非組合員との間に差別があるとし、昭和55年7月22日、是正を求めてYに救済を申し立てた。 さらに、Aは、昭和55年度の賃金改定に関しても、昭和55年10月2日、Yに対して同様の救済申し立てをした。 これらの救済申立に対してYは、第一事件と第二事件ともに、Aの主張をほぼ認め、救済命令を発した。Xは右二つの命令に対し、本件各救済申立は申立期間経過後に行われたこと、ほかを主張し、救済命令は違法であるとして取消訴訟に及んだもの」である。
*不当労働行為の労働委員会への救済申立は、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年以内に行わなければならない(労組法27条2項)。
これは、紅屋商事事件であるが、最高裁(最判H3,6,4)は次のように判示した。
Xが毎年行っている昇給に関する考課査定は、その従業員の向後1年間における毎月の賃金額の基準となる評定値を定めるものであるところ、右のような考課査定において使用者が労働組合の組合員について組合員であることを理由として他の従業員より低く査定した場合、その賃金上の差別的取扱いの意図は、賃金の支払によって具体的に実現されるのであって、右査定とこれに基づく毎月の賃金の支払とは一体として一個の不当労働行為をなすものとみるべきである。そうすると、右査定に基づく賃金が支払われている限り不当労働行為は継続することになるから、右査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済の申立てが右査定に基づく賃金の最後の支払の時から1年以内にされたときは、右救済の申立は、労働組合法27条2項の定める期間内にされたものとして適法というべきである。
査定と賃金支払とを一体のものとしてとらえ、査定に基づく賃金の最後の支払の時が「継続する行為」の終期だとしている点に注意が必要です。
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*不当労働行為の労働委員会への救済申立は、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年以内に行わなければならない(労組法27条2項)。
これは、紅屋商事事件であるが、最高裁(最判H3,6,4)は次のように判示した。
Xが毎年行っている昇給に関する考課査定は、その従業員の向後1年間における毎月の賃金額の基準となる評定値を定めるものであるところ、右のような考課査定において使用者が労働組合の組合員について組合員であることを理由として他の従業員より低く査定した場合、その賃金上の差別的取扱いの意図は、賃金の支払によって具体的に実現されるのであって、右査定とこれに基づく毎月の賃金の支払とは一体として一個の不当労働行為をなすものとみるべきである。そうすると、右査定に基づく賃金が支払われている限り不当労働行為は継続することになるから、右査定に基づく賃金上の差別的取扱いの是正を求める救済の申立てが右査定に基づく賃金の最後の支払の時から1年以内にされたときは、右救済の申立は、労働組合法27条2項の定める期間内にされたものとして適法というべきである。
査定と賃金支払とを一体のものとしてとらえ、査定に基づく賃金の最後の支払の時が「継続する行為」の終期だとしている点に注意が必要です。
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07年07月14日
団体交渉拒否と確認の訴え
事案は、「X(旧国鉄)には、職員、家族などに対し無料で乗車することを認めるいわゆる鉄道乗車証制度が存在し、職員募集要領等においても職員の待遇としてそれを交付することが明示されていた。昭和57年7月の第二次臨時行政調査会の答申に基づいて、Xは右制度の見直しに入る動きをみせた。 これに対し、Y(国鉄労働組合)は乗車証制度の存続を求めて、昭和57年8月以来たびたびXに団体交渉を申し入れた。 しかし、Xは、乗車証問題は管理運営事項であり、公共企業体等労働関係法8条の団体交渉事項に該当しないことを理由に右申入れを拒否し、同年11月13日に右制度の改廃措置をとった。 そこでYは、乗車証制度は公労法8条の団体交渉事項に該当するとして、同事項についてXに団体交渉を行う義務があることの確認、および団交拒否の不法行為に基づく損害賠償を求めたもの」である。
これは、国鉄事件であるが、一審は、Yが右制度の改廃について団体交渉を求める法律上の地位にあることを確認したが、損害賠償についてはこれを棄却した。二審もこれを維持し、最高裁(最判H3,4,23)も次のように判示して、原審を是認した。
1 YからXに対し、本件各事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める本件訴えが、確認の利益を欠くものとはいえず、適法であるとした原審の判断は、正当として是認することができる。
2 本件各事項が公共企業体等労働関係法8条4号にいう「労働条件に関する事項」に該当し、団体交渉の対象となるべき事項であるとした原審の判断は、正当として是認することができる。
本判決は特に理由を示していないが、確認訴訟という形式で団体交渉の拒否に対する司法救済を、最高裁として初めて認めたものである。
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これは、国鉄事件であるが、一審は、Yが右制度の改廃について団体交渉を求める法律上の地位にあることを確認したが、損害賠償についてはこれを棄却した。二審もこれを維持し、最高裁(最判H3,4,23)も次のように判示して、原審を是認した。
1 YからXに対し、本件各事項につき団体交渉を求め得る地位にあることの確認を求める本件訴えが、確認の利益を欠くものとはいえず、適法であるとした原審の判断は、正当として是認することができる。
2 本件各事項が公共企業体等労働関係法8条4号にいう「労働条件に関する事項」に該当し、団体交渉の対象となるべき事項であるとした原審の判断は、正当として是認することができる。
本判決は特に理由を示していないが、確認訴訟という形式で団体交渉の拒否に対する司法救済を、最高裁として初めて認めたものである。
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07年07月13日
年休指定後のストライキ決定と年休の成否
事案は、「Xは、国鉄改革にともない旧国鉄が名称変更されたYに雇用される職員であるが、本件当時、国鉄津田沼電車区運転検修係の職務に従事し、動労千葉津田沼支部執行委員であった。同電車区には、Xの所属する検修部門のほか列車乗務員部門等があったが、年次休暇の請求に対する時季変更権の行使・不行使は、電車区長が決定していたものであり、労働基準法36条の適用に当たっては、同電車区は一つの事業場として扱われてきた。 動労千葉は、国鉄民営化阻止等を目標に掲げ、当初の予定を前日に繰り上げて昭和60年11月28日正午から翌日29日正午まで24時間にわたり、津田沼電車区等を拠点として、旅客列車乗務員を対象とする指名ストライキを実施し、これにより、多数の旅客列車等が運休、遅延するなどの影響が生じた。 Xは、同月21日津田沼電車区長に対し、同月28日の午後半日の年休を請求していたが、動労千葉が29日に予定していたストライキを繰り上げて同月28日正午からとしたことを知ると、当局にただして年休の請求が事実上承認されていることを確認しながら、右請求をそのまま維持した上、同月28日午後は勤務しなかった。その間、Xは、津田沼電車区内で、組合員集会に参加し、スト決起集会では、シュプレヒコールの指揮をし、また、当局側に対する抗議行動に参加するなどして、右争議行為に積極的役割を果たした。 Yは、当日のXの欠勤を年休として取扱わず、賃金カットを行ったのに対し、Xが提訴したもの」である。
これは、国鉄津田沼電車区事件であるが、最高裁(最判H3,11,19)は次のように判示した。
上告人(X)は、前記争議行為に参加しその所属する事業場である津田沼電車区の正常な業務の運営を阻害する目的をもって、たまたま先にした年次休暇の請求を当局側が事実上承認しているのを幸い、この請求を維持し、職場を離脱したものであって、右のような職場離脱は、労働基準法の適用される事業場において業務を運営するための正常な勤務体制が存在することを前提としてその枠内で休暇を認めるという年次有給休暇の趣旨に反するというべく、本来の年次休暇権の行使とはいえないから、上告人の請求にかかる時季指定日に年次休暇は成立しないというべきである。以上と同趣旨に出たものと認められる原審の判断は、正当として是認することができる。
本件は、組合指令による争議目的利用のための年休取得の事案ではないことに注意する必要があります。年休自由利用の原則の限界を判示したものである。
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これは、国鉄津田沼電車区事件であるが、最高裁(最判H3,11,19)は次のように判示した。
上告人(X)は、前記争議行為に参加しその所属する事業場である津田沼電車区の正常な業務の運営を阻害する目的をもって、たまたま先にした年次休暇の請求を当局側が事実上承認しているのを幸い、この請求を維持し、職場を離脱したものであって、右のような職場離脱は、労働基準法の適用される事業場において業務を運営するための正常な勤務体制が存在することを前提としてその枠内で休暇を認めるという年次有給休暇の趣旨に反するというべく、本来の年次休暇権の行使とはいえないから、上告人の請求にかかる時季指定日に年次休暇は成立しないというべきである。以上と同趣旨に出たものと認められる原審の判断は、正当として是認することができる。
本件は、組合指令による争議目的利用のための年休取得の事案ではないことに注意する必要があります。年休自由利用の原則の限界を判示したものである。
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