ねんきん特別便のアドバイザーとして社会保険事務所に通い始めてから、2ヶ月近くが経つ。



 その中で、考えさせられることが二つある。



 一つは、月4,5万円の年金額しか受給していない人の怒りである。若いとき、苦労しながら年金保険料を支払ってきたのに、それをしないで生活保護を受けている人たちの方が、どうして10万円前後支給されて、ノウノウと生活しているのかという疑問である。



 年金制度と生活保護制度とは制度趣旨が異なるとはいえ、働くことができなくなった年齢の人たちにとって、唯一の生活保障であることは疑いない。制度間の格差、不公平を是正しない限り、年金制度に対する不信感は払拭できないと思われる。



 二つ目は、同じく月数万円の年金額しか受給されていないのに、介護保険料や後期高齢者医療保険料の天引きの記載された通知書を見せられ、どのようにして生活して行ったらいいかと嘆きをぶつけられることである。



 現役世代でも、支払い能力があるのに国民健康保険料を滞納している人たちは大勢いる。彼らに対する徴収方法を確立しないで、確実に取れる者から取るという手法は、国の政策としては賛同を得られないであろう。