08年04月14日

十牛図

■「十牛図」

「十牛図」は、禅の悟りにいたる道筋を牛を「幸せ」に例えて、
それを追い求めるプロセスを10枚の絵で表したものです。

「悟り」を開くとは、現実の世界では「人生観」を得ることにつながると
思います。

禅は、本来、この世を強く生きるための知恵でもあります。

私は、禅の解釈にこだわらずに、現実のビジネスの世界に照らして
まず、十枚の絵をカンタンにご紹介したいと思います。

1.尋牛(じんぎゅう)位

  牛(幸せ)を捜そうと志す事であり、マンネリから脱出を決意する事
  であります。

  この決意(初発心)が重要なのです。

  ビジネス的には、長いマンネリに浸っていたが、
  「このままではイカン」
  と一念発起して、改善しようとすることに繋がります。


2.見跡(けんせき)位

  苦労してやっと牛(幸せ)の足跡を見つけるという絵です。

  ビジネス的には、マンネリを打開する方策を探すのですが、
  苦労を重ねて、その手掛りを見つけた状態です。


3.見牛(けんぎゅう)位

  足跡を追っていくと木の陰に牛の半身を見つけるという絵です。

  ビジネス的には、その脱マンネリの手掛りをたぐって行き、
  具体的な打開策が見えて来て、少し光明がさしてくるのです。

  しかし、まだ牛(幸せ)の半身なのです。


4.得牛(とくぎゅう)位

  静かに牛に近づき縄をかける絵です。

  ビジネス的には、その打開策を絞り込んだ状態なのですが、
  まだまだ自分のものにならないのです。


5.牧牛(ぼくぎゅう)位

  逃げようとして暴れていた牛がやっとの思いで慣れて牛を飼い育てることに
  成功する絵です。

  ビジネス的には、打開策を手に入れて、これから実践段階に入る段階です。

  しかし、現実には、いろんな障害が待っているのです。


6.騎牛帰家(きぎゅうきか)位

  荒れ狂った牛も今は全く手慣れ純和な牛となり、その牛の背に乗り家へ
  むかうことであり、悟りがようやく得られて世間に戻る姿をいう絵です。

  ビジネス的には、幾多の障害を解決して、ノウハウが蓄積されて、
  その打開策が自社のものになりつつある状態で、、
  期待感が高まって来た心境を指します。


7.忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)位

  騎牛帰牛で牛と自分が一体になってのですが、
  実は、牛(幸せ)は外のものではなく自分の内にあるものであるということを
  知った姿を表す絵。

  ビジネス的には、苦労を重ねてえた打開策がうまく展開し始めて、
  改善の効果が出て来て、ワクワクしている状態であり、
  一体感が高まっている状態。


8.人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)位

  すべてが忘れさられ、無に帰一すること。
  悟りを得た修行者も特別な存在ではなく本来の自然な姿に気づく。

  ビジネス的には、打開策が定着して順調に進展して、
  それまでは、とやかく注意する場面もあったが、皆が自分のものになり
  風土として定着した状態になる。


9.返本還源(へんぽんげんげん)

  原初の自然の美しさがあらわれてくること。
  悟りとはこのような自然の中にあることを表す。

  ビジネス的には、風土化してうまく展開しているので、
  最初に苦労した打開策を得ようとした努力が不必要になるのです。


10.入てん垂手(にってんすいしゅ) - まちへ...

  悟りを得た修行者(童子から布袋和尚の姿になっている)が街へ出て、
  別の童子と遊ぶ姿を描き、人を導くことを表す
  「てん」は汚染した俗界のこと。

  ビジネス的には、このうまく行った成功事例をオープンにして
  広めようとする事を指します。

参照:廓庵禅師 十牛図
http://www.sanbo-zen.org/cow.html

注:私は、禅の専門家ではありませんので「浅学」に過ぎません。
その為に、禅的には誤りかも知れないことをお断りしておきます。


■「十牛図」に学ぶ

私は、この十牛図に学ぶ点は多いと思います。

十牛図は、マクロに考えると
「カオス」(混沌)→「ノモス」(制度)→「コスモス」(秩序)
という状態の変遷を説いているように思います。

禅の世界では、個人が「悟り」を得ることを求めますが、
ビジネスでは、集団が「悟り」を得る必要があるので、困難度が違います。

私は、3月29日号で、「改善の4人衆」として
1)トンでもないことを言い出す人
2)そのトンでもないギャップを埋める方法をヒラメク人
3)そのヒラメキを徹底して実践し「術」化する人
4)その「術」を横展開する人
と4つの役割をご紹介しています。
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/080329.html

十牛図では、「カオス」に直面して「これではイカン!」と一念発起して
初発心(修行にはいる)する事が第一歩なのですが、
ビジネスでは、まず周囲から「トンでもない」と非難されるようなことを
言い出す事から始まるのです。

「十牛図」的に表現すれば、
「尋牛」→「見跡」→「見牛」
と進むのですが、
「改善の4人衆」では、役割分担していますので、
1)の「トンでもないこと言い出す人」は、「尋牛」に相当して、
2)の「ギャップを埋めるヒラメキの人」は、「見跡」(手掛り)から
「見牛」(半身)へと進む状況に相当する
と考えます。

さらに、3)「徹底して術化する人」は、
「得牛」→「牧牛」→「騎牛帰家」
の段階に相当すると思います。

そして、4)「横展開の人」は、
「忘牛存人」→「人牛倶忘」→「返本還源」→「入てん垂手」
に相当すると思います。

「餅は餅屋」とか「文殊の知恵」とか言いますが、
「役割分担」をしないと集団では実践が難しくなります。

ところが、状況の芳しくない会社では、「他人」を攻めるばかりで、
自分が動こうとしないのです。

モメゴトを孕んだ状態では、組織が活性化する訳がありません。

「〜〜しましょう」という運動で改善が進むのであれば結構なのですが、
多くの場合、「掛け声」は空しく響くだけであります。

やはり「術」に落とし込んで、具体的に示す必要があるのです。

「ノモス」は、人為的なものであり「制度」などを指すのですが、
私は、「術」という具体的なもので即実践できるようにする事が大切
と考えます。

ドンドン「術」で具体的に成果を出すことによって、
人が変わってくるのです。

「コスモス」(秩序)という状況は、
その「術」が当たり前になっている状況と言えます。

しかし、折角、「コスモス」という状態になっても周囲の環境が変化して
一挙に「カオス」に戻ってしまうのも事実です。

「気を緩める」ことを戒めねばなりません。

大企業では、R&Dを専門部隊が行いますので、定期的に新製品が出るなどで
陳腐化を防ぎますが、多くの中小中堅企業では、この辺が弱いのです。


■「楽笑」の場合

このメルマガで毎号「楽笑」さんの「訓」をご紹介していますが、
シンプルな言葉で「気づき」を喚起されています。

楽笑さんは「夢」「笑」「楽」の3文字をキーにして、
いろんな「訓」を「元気が出る本」に書いておられます。

★「元気が出る本」(楽笑著 1000円)は、丸十MBAさんのネット通販
http://maluju-mba.com/shop/31_70.html
で購入する事が出来ます。

禅では、「悟り」を開くのに「修業」が必要ですが、
楽笑さんは、
『一生懸命だと知恵が出る
  中途半端だとグチが出る
  いい加減だと言い訳が出る
    手ぬきなや〜:楽笑』
とシンプルに戒めておられます。

たしかに、「知恵」がドンドン湧いてくる会社は強くなりますね。

その反面、「グチ」や「言い訳」が蔓延するようでは、組織の規律が乱れて、
ついには「どうでもよい」という気持ちが湧くようになってしまいます。

管理者として、「グチ」や「言い訳」を見逃してはならないのです。

私は、そういう意味の「手ぬきなや〜」という言葉だと思っています。

「ノモス」(決りや制度)を折角、作り上げても、
社員の皆さんが実践せずに、「グチ」や「言い訳」に終始するようでは、
「ノモス」が崩れるだけです。

「鬼」のような管理者がいて、組織風土の乱れに注意する必要があるのです。

社員さんは、「甘い」も「辛い」もよく知っています。

「甘い」と見抜かれると収集がつかないのです。

私は、トヨタの鍔本先生から「管理者の3つの仕事」として
・目標指示
・部下育成
・問題解決
を教わっています。

この最初にある「目標指示」を出して、PDCAのサイクルを回すのが
管理者の基本なのですが、
「目標」を出したは良いが、「出し放し」に終わる
のでは、「部下育成」に繋がらないのです。

必ず、実践の状況をチェックする必要があるのです。

カンタンに「あれ、どうなっている? 次は、いつ?」で良いのですが、
こんな短い言葉すら投げかけられないのです。

「手ぬきなや〜」

ホントに、そんなカンタンな事が重要なのです。


■まとめ

・「カオス」(混沌)→「ノモス」(制度)→「コスモス」(秩序)

・『一生懸命だと知恵が出る 中途半端だとグチが出る 
   いい加減だと言い訳が出る 手ぬきなや〜:楽笑』

・「あれ、どうなっている? 次は、いつ?」



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08年04月14日 | Category: General
Posted by: nasablog
08年04月06日

変革の4月

私は、毎年4月になると
「変革の4月」
と言って行動を変えようとしています。

何もしないでいると「マンネリ」の中で退化が始まるのです。

そのように陥らないように「変革の4月」と心の中で叫んでいます。

皆さんは、この4月に「何」を変えようとしていますか?

服や靴などを新調するのも良いですね。

「春財布」と言って、財布をこの時期に新調するのも良いそうです。

さて、そういう「物」による気分転換も良いことですが、
実は、私は、サラリーマン時代から
「変革の4月」
という習慣をもっています。

入社2年目に、上司の十河専務(当時)から昭和49年3月のある日
「とっちゃん、もう先輩になるが、何か成長しているか?」
と聞かれたのです。

「ハッ!」としますよね。

グイっと心に突き刺さったのです。

私は、この十河さんの言葉から、
「伸びシロ」
って言葉を思い浮かべたのです。

一年たって、春になり定期昇給で給料をアップしてもらうのですが、
「そのアップ分に見合う『成長』が出来ているか?」
と疑問に思ったのです。

この『成長』が「伸びシロ」なのです。

毎年々々、定期昇給するので「伸びシロ」も毎年々々必要になるのです。

最初のうちは「経験」を積むことで「知恵」もついて来るのですが、
事務系の仕事は、カンタンに済ませば、覚えるのに3日も要らないのです。

「誰でも出来る」ようになっているのです。

これでは「マンネリ」で「伸びシロ」がゼロになり、
ついには、マイナス成長になりかねないのです。

そこで、私の出来る事として
「コンピュータ導入」
という事を心に誓ったのです。

当時のトヨタ自動車は大変なコンピュータ嫌いで
「販売店には、コンピュータ導入は不要」
という方針がありました。

自社だけではなく、天下のトヨタ自動車という高い壁が立ちはだかったのです。

この辺の事情は「すべてはクルマが売れるコンピュータで始まった」をご参照
して頂きたいと思います。
参照:http://www.web-ami.com/cl/002.html

■「壁」を突破する

職業人として35回も「変革の4月」を迎えています。

この間に、私にも色んなドラマがありました。

何度も、大きな「壁」が立ちはだかる時があったのでした。

特に、コンサルタントとして独立してからのドラマは
「波乱万丈」
という表現がピッタリです。

ホントに濃縮された13年間でした。

楽笑さんの「元気の出る本」の66頁に
『桃が割れて桃太郎が生まれるのではない 
 桃太郎が成長するから生まれるんや
 自分が成長しないとその壁は破れない
         ほんまでんな 楽笑』
とあります。

私も、「壁」を突破することで大きく成長させて頂きました

★「元気が出る本」(楽笑著 1000円)は、丸十MBAさんのネット通販
http://maluju-mba.com/shop/31_70.html
で購入する事が出来ます。

例えば、この1年間を振り返ると
1)「ネット販促」という事で自社の実験ができた
2)「改善」x「システム」で2社のお客様で喜んで頂いている
3)丸十服装の西川会長の夢であるNewビジネスモデル構築に貢献している
などが上げられます。

「伸びシロ」という面でも充実した「58才」だったと思っています。

私は、今年59才になりますし、会社も創業13年になるという事で
「伸びシロ」
という面では、普通ならば困難になってきます。

私は、お蔭様で社員にも恵まれましたし、お客様にも恵まれています。

今年の「変革の4月」では、
1)丸十MBAのNewビジネスモデル成功への全面的支援
2)京都のお客様の大阪進出の支援
3)大阪のお客様の新システム構築の支援
などでチャレンジします。

特に、1)では、「インキュベーション」という言葉がありますが、
新会社のビジネスモデルに若い有能な人を育成するという目的もあって、
私の経験を活かした手法を開発したいと思っています。

候補になる若い人が出てきていますので、「桃太郎」が生まれるのを
楽しみにしています。

■まとめ

・「伸びシロ」

・『桃が割れて桃太郎が生まれるのではない 
  桃太郎が成長するから生まれるんや
  自分が成長しないとその壁は破れない
          ほんまでんな 楽笑』

■当「AMIニュース」のバックログは、
http://www.web-ami.com/mailnews/main.html
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08年04月06日 | Category: General
Posted by: nasablog
08年04月02日

MBAニュース

まいどおおきに、丸十MBAの西川典男です。

ようやく、桜の花も見所になって来ました。

今日、4月1日は、「エイプリルフール」ですが、
この記事は真剣に書いていまっせ。

みなさん、当社のホームページが正式にオープンしました。
http://maluju-mba.com/

まず、オープン記念に「楽笑」さんの手書き額を期間限定で
「寄道 脇道 廻り道 ままにならない人の道 まけたらあかんで」
「ありがとう その一言が花になり」
「くる人 くる人 みんな福の神さん」
の3点で掲載しています。
http://maluju-mba.com/

楽笑さんの味わい深い自筆の額ですが、今日掲載の3点は、飲食業さんに
ピッタリの商売繁盛の額と言えます。

ある飲食店では、レジの後ろに「ありがとう その一言が花になり」を
掲げて、読まれたお客様から「いい言葉やね」と言われたそうです。

店員さんも「ありがとう」を励行されているそうです。


■元気が出る本コーナー

さて、今回は楽笑さんの元気が出る本「笑てなはれや〜」(定価1000円)の
24頁にある
「お迎え参歩に 見送り七歩 今日も感謝でえびす顔 
         笑う門には客がくる〜感謝の心を忘れなや〜」
をご紹介します。

私は、この訓が好きです。

楽笑さんは、商売繁盛のコツとして、お客様が見えたら3歩進んで迎える、
そして、お帰りになる時には、その倍の7歩進んでお見送りするのが大切と
おっしゃっています。

お客様が来ても会釈もしないで知らん顔している、そして、お帰りなる時、
さっさと後ろ向いてしまうという店員が多くなっています。

こんな状態では「えびす顔」になれる訳がありません。

まず、商売人としての基本である「お迎え」「お見送り」を「えびす顔」で
実行するように躾ける必要があると思います。

そうすると「笑う門には客がくる〜感謝の心を忘れなや〜」も
自然と理解できて、身につくようになるのです。

こんな「なにわ商人の知恵」がイッパイの本を通販で販売しています。
http://maluju-mba.com/shop/31_70.html

よろしくお願いします。
08年04月02日 | Category: General
Posted by: nasablog
08年03月31日

デジタルペン

■「デジタルペン」

今回は、IT技術の中から「デジタルペン」をご紹介します。

この話は、顧問先のキョーラクシステムクリエート?の金融ソリューション
部門が事業展開し始めたものです。

この事業部では、金融機関のソリューションを担当しているのですが、
渉外担当者向けのソリューションとして始まったものです。

最近の金融商品は「為替レート」や「相場」というものに連動するものが
多くなっていて、
お客様にサインを頂いても3時までに入力しないと条件が変わる
という具合なのだそうです。

その為に、渉外担当者は、早めに帰社する必要があったのです。

こんな問題を解決するのがBPRという手法なのですが、
モバイル環境でパソコンというのでは大掛かりな印象があり、
現地でお客様に署名して頂く
という重要な行為もあって「デジタルペン」が生まれたのです。

特殊印刷の用紙が必要なのですが、
ボールペン感覚で「デジタルペン」を使って記入するだけで、
そのイメージが連動した携帯電話を経由してサーバーに届いて、
イメージから文字解析してくれるのです。

この解析結果は、
現場の渉外担当者の携帯電話にも返送されますし、
事務所でデスクと呼ばれる方のパソコンにも同時に表示されるのです。

携帯電話の画面では、文字数の加減もあって難しい面もあると思いますが、
デスクのパソコンには、イメージと変換された文字が同時に表示されるので、
私のようなクセ字もイメージで見れるので、目で検査できるのです。

このダブル・チェックで安心して運用できるとの事です。

この場合、BPRポイントは、
1)デジタルペンと携帯電話を使うカンタンIT革新なので、
  渉外担当者の負担が少ない
2)その場で申込書を書くので、お客様に手渡せて「安心・安全」である
3)サーバーに即時伝送されて、イメージと解析結果をデスク担当が
  チェックできる
4)その結果、渉外担当者は、帰社して入力する必要がなくなる
5)当然、訪問件数が増える
という事であります。


■「デジタルペン」の応用

この「デジタルペン」の開発元は、
・公共機関の窓口で「申込書」や「申請書」のアプリケーション
・製品検査工程で「検査票」に書き込むアプリケーション
・配送関連で「納品書」アプリケーション
・屋外での「調査」アプリケーション
・手書き図面からCADへのアプリケーション
・研究者向けの「デジタルアイデアノート」というアプリケーション
・一般向けの「書メール」アプリケーション
などを取り上げています。

公共機関の場合、依頼人が申請書を書くと同時にイメージデータが送られて、
窓口担当者はパソコンに出る変換文字を確認して、依頼人の欲しい情報を
早期に把握して、事前処理が可能になるのです。

ここで、注目したいのは「配送関連」です。

昔から言われている「御用聞き営業」というスタイルの「革新」として
「デジタルペン」をお薦めしたいのです。

問屋業を革新するには、いろんな手法が用意されていますが、
現場展開という「ドロ臭い」世界がどうしても残ってしまうのです。

最近の問屋業さんを見ていると
10数年前は、30%くらいのお客様で80%の売上を作っていたのが、
最近では、10%程度のお客様で80%の売上を作っている
という現象があります。

「80:20の法則」は、統計学的に普遍化されたものですが、
問屋業は、ドンドン売上が下がり、コアとなるお客様に集中しているのです。

「ABCランク」で表現すると
SAと呼ばれる主要顧客に集中して、AやB・Cはドンドン遠のいている
という極端化現象なのです。


■「納入営業のカンタンIT革新」

このような状況を打開する「革新」として
「デジタルペン」
をお薦めするのです。

問屋さんの営業スタイルの一つは、
バン型のクルマに商品(消耗品)を満載して、お客様をドンドン訪問して、
消耗品の補充を行いながら「御用」を聞く
というスタイルだったのです。

このスタイルのポイントは、
1)消耗品が中心なので、お客様も気楽に応対できるロープレッシャー型
2)しかし、物を買うと心も緩んでしまいドンドン会話が進むのです
3)この「緩み」から事情を聞き出し、ニーズやウオンツを発掘する
4)それを専門の営業に連携して商談化する
という事なのです。

12月8日号で「パワフル化3段階」を書いていますが、
この営業スタイルは、その第1段階:「3つのスキル」
1)「リレーション構築スキル」
2)「ヒアリング・スキル」
3)「壁突破スキル」
のうち1)と2)を上手くクリアするものなのです。
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/071208.html

ところが、長引く不況で、このスタイルの営業マンがいなくなって来ている
のです。

この結果、第2段階:「5段階強化法」である
1)効率的に活動量を増やす
2)強化すべき顧客を明確にする
3)顧客ニーズを把握する
4)提案力を高める
5)課題解決力を高める
というシナリオが、最初の「1)効率的に活動量を増やす」でつまづいて
2)〜5)以前の問題になってしまっているのです。

ベーシックな活動量が減少するので、当然の如く、
ごく少数のSAランクのお客様に集中してしまうのです。

私は、このベーシックな活動を重視して、これを解決する事が真の革新に
なると考えます。

しかし、消耗品でお客様を次から次へと回る「ドロ臭い」営業なのです。

この「ドロ臭い」を「デジタルペン」と携帯電話を組み合わせて、
ちょっと「キラっ!」と「華」をつけたいのです。

BPRポイントを整理すると、
1)デジタルペンと携帯電話を使うので、誰でも対応が出来る
2)その場で納品書を書くので、お客様は「安心・安全」である
3)サーバーに即時伝送されて、イメージと解析結果をデスク担当が
  チェックできる
4)その結果、営業マンは、帰社して伝票処理する必要がなくなる
5)ドンドン訪問出来るので、訪問件数が増える
6)管理面でもデータ処理がリアルなので、バンにある消耗品在庫も
  適切に把握できる
7)納品書がリアル処理なので、受注・売上・請求処理をコンピュータに
  任せて自動化できる
などなのです。

そして、重要なことは、第3段階:「ビジネス・モデル」化
なのです。

カンタンに「ビジネス・モデル」と言いますが、
★「個人」の軸・・スキルアップ
★「組織」の軸・・連携力
★「情報」の軸・・支援力
という3次元的にとらえる事が重要であり、
★「ドロ臭い」をIT技術で「キラっ!」と「華」をもたせる事で
「誇り」という大きなエネルギーが復活させる事で
真の「ビジネス・モデル」となるのです。


■まとめ

・デジタルペンと携帯電話を使うカンタンIT革新

・「ドロ臭い」を「デジタルペン」と携帯電話を組み合わせて、
  ちょっと「キラっ!」と「華」をつける。

・現場では紙が残るので安心・安全




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08年03月31日 | Category: General
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08年03月29日

5力について

■「5力」について

今回は、情報活用法について、私が実施している方法をご紹介したいと
思います。

3月15日号で「ICT」について書きましたが、あるお客様から、
「Informaionは「情報」だが、情報だけでは「情」というものが伝わらない
ので、この「情」をCommunicationに込めるのですね」
というコメントを頂きました。
参照:http://www.web-ami.com/mailnews/080315.html

たしかに「情」なのですが、その「情」を伝えるというのは難しいですね。

心に響くメッセージ(情)という視点が重要ですね。

私は、「心に響く」という点では、トヨタの鍔本先生から
「情報」は「関心」というフィルターを通して頭に入り蓄積されるので、
「関心」というフィルターを磨く必要がある
と教えられました。

皆さんも色んな「情報源」を持っておられると思いますが、
私の「情報源」の一つは、毎日配達される「新聞」なのです。

どの新聞もいろんな記事を掲載しており、各自の関心に応じて記事を
ピックアップするのです。

新聞記事の多くは、テレビのニュースなどでも報じられるので、
私は、その残りの部分に興味をもっています。

毎日、点検しているのは、書籍のPR欄です。

最近では、「5力」という本が出版されてる事を知りました。

この本は、PRでも大筋が分かるようになっていますが、
さらに、インターネットで検索して見ますと結構、詳細に紹介されている
のです。

例えば、著者は、白潟敏朗氏でトーマツイノベーション株式会社の
代表取締役社長との事で、さらに、目次も公開されています。

インターネットでは、同書の目次が次のように公開されています。

第1力「聴く力」で「話し手の心を開く聴き方」ができる。
(聴くモードスイッチ/へそぎき/あいのソナタ(あいソナ)/忍法おうむ
返し)

第2力「考える力」で「ロジカル・シンキング」ができる
(なぜならばシート(なぜシー)/3つにまとめる訓練シート(みつまめ
くん)/メリデメ・シンキングシート(メデシー))(なぜならばシート
(なぜシー)

第3力「話す力」で「説得力のある話」ができる
(セリフ007/にこチラ/具数一(グースーヒー)/結論からいうと、
なぜならば)

第4力「書く力」で「伝わる文章」を書くことができる。「
(これかライティングシート/文書のGood Styleシート(グッシー)
/プリントからスタート(プリスタ)/もじ50/主をぬくな)

第5力「時間力」で「仕事をスムーズに進める」ことができる
(じかん上手/できる私は30から/マイアポもテチョ〜ル/毎日・ときどき
・多分)

と言う具合に魅力的な内容です。

すなわち、「聴く・考える・話す・書く・時間」の5要素を
ちょっと洒落たフレーズにしてコツを書いておられるようです。

新聞広告を参照しますと
★「へそぎき」は、「上手なあいづち」
★「セリフ007」は、「内容は7%」
★「にこチラ」は、「笑顔」
★「具数一」(グースーヒー)は、「具体的」「数字」「一言」
★「できる私は30から」は、「30分きざみ」
と何か怪しそうな言葉も具体的に理解できます。

例えば、「へそぎき」は、「へー、そんなや〜」と相手を受け入れる事を
書いているという風に自分で理解しています。

また、「みつまめくん」という手法は、
多くの方がスピーチなどで活用されていて、
私が最初に出会ったのはトヨタ自動車の担当員をされていた方(名前?)
でした。

具体的には、
1)10分スピーチの場合、3のテーマを「3段論法」で組立てる
2)スピーチの最初に3つのことを話しますと紹介する
3)そして、1つ目は・・と順に話して、
4)最後に、本日は、この3つをお話しましたとまとめる
というものでした。

この類のハウツウ本から「何か」一つ「身になるもの」が発見できれば、
書籍代(この場合、1,365円)は安いものと思っています。


■「一つを徹底する」

ハウツウ本には、「○○100の法則」と言う風なタイトルの物がありますが
実際には、100も同時に実践できる人はいないと思います。

上記の「5力」という本は、「特製シート8枚つき」とありますので、
その中で「一つ」自分が実践するシートがあれば御の字です。

何事も「出来る事一つを徹底する」(凡事徹底)が基本です。

ところが、誰しもそうはいかないのが人情なのです。

「あれこれ」と次から次へと新しい事が現れるのです。

私が船井総研で勉強した時の宮内先生は
「発散ばかりでなく収束させる事が大切だ」
と教えてくださったのを思い出します。

平成6年の話なのですがコンサルタント養成学校に通った時の話です。

大阪の同期生は30名ほどいました。

それぞれコンサルタントを志す方ですから、
いろんな経験や能力を持っておられるのです。

しかし、私を含めて、人間の特性として
「無いものねだり」で「願望」ばかりを追い求めるのです。

宮内先生は「心観学術体」という事で、何事も
「心」・・経営理念のような一点に煎じ詰めた凝縮されたもの
「観」・・その凝縮されたものをベースにした行動基準
「学」・・業種業態に応じた経営ノウハウ
「術」・・実際に実践できる技術・手法
「体」・・その技術・手法を実践できる能力・体力・気力・根気
の5つの要素が重要であると話されていました。

実際には「体」のところが「金」になるのです。

この「金」になる「体」や「術」が大切だと教えられたのです。

多くの経営者は
「神風が吹くのを期待する」
かのように即効果の成功事例に群がるのです。

成功事例を学ぶことは大変重要なのですが、
自社には、それなりの歴史があるので、「学」レベルでノウハウを仕入れても
自分たちの「経験」を活かせる「術」でないと現場(体)は身動きできない
のです。

小泉さんは「抵抗勢力」と言いましたが、
新しいことが現実とギャップが大きいと誰も動けなくなるのです。

よく「改善の4人衆」と言うのですが、
1)トンでもないことを言い出す人
2)そのトンでもないギャップを埋める方法をヒラメク人
3)そのヒラメキを徹底して実践し「術」化する人
4)その「術」を横展開する人
という4つの役割を果たすことが重要なのです。

だから、フランチャイズに加盟して「マニュアル」を購入しても、
「改善の4人衆」と「時間」が欠けると自分のものに出来ないのです。

「マニュアル」を買っても、出来ることから一つずつという
「凡事徹底」
の精神で進めるのです。

「マニュアル」が「神風」になると期待するのは「妄想」に過ぎないのです。

「出来ることからコツコツと」が大切です。


■「凡事徹底」

イエローハットの鍵山会長は
「10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史になる。 50年神のごとし」
とおっしゃっているそうです。

「凡事」とは、
A:当たり前のことを
B:バカにしないで
C:チャンとやる事
なのです。

よく「三日坊主」と言いますが、人は、なかなか継続できないのです。

「凡事」は、人によって違って来ます。

私にとって、このメールを書くことは「凡事」なのです。

私の「才能・経験・根性」の3拍子にピッタリなので「凡事」なのです。

いろんな方から「よく書けるね」と半分、あきれ顔で声をかけて頂きますが、
全く苦痛ではないのです。

私は、「凡事」には、そういう面があると思っています。

しかし、組織になると
例えば「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)という言葉があるように、
ベーシックな整理・整頓・清掃・清潔という作業を
「躾ける」というパワーが必要になるのです。

鍵山さんは「そうじの会」で有名でいらっしゃいますが、
「5S」のうち「清掃」「清潔」という2点が「凡事」となる事を
 10年偉大なり、
 20年畏るべし、
 30年歴史になる、
 50年神のごとし
とおっしゃっているのです。

「10年偉大なり」は、「凡事徹底」とは言っても崩れやすいと言う戒めでも
あると思います。

最近の若い人は「躾けられる」ことに慣れていないのです。

私は、「風土」で「躾ける」ことが重要と思っています。

新人として会社に入って来た時に、
「凡事徹底」が社内に行き亘っていて「社風」となっている
事が重要なのです。

「10年偉大なり」は、「風土」が完成していることを意味しているのです。

「凡事」=「ABC」

A:当たり前のことを
B:バカにしないで
C:チャンとやる

この徹底が重要なのです。



■まとめ

・「情報」は「関心」というフィルターを通して頭に入り蓄積される

・「何か」一つ「身になるもの」が発見

・「発散ばかりでなく収束させる事が大切」

・「凡事」=「ABC」


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08年03月29日 | Category: General
Posted by: nasablog
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