18年05月31日
●年次有給休暇について その1 (H30.6月号)
●年次有給休暇について その1 (H30.6月号)
皆様こんにちは、西村社会保険労務士事務所の坂口です。今回のメルマガは坂口が担当させていただきます。
さて労務相談も10年前と現在ではその内容が変わってきたことは以前お伝えさせて頂きましたが、相変わらず多いのが有給休暇に関してのご相談です。今回は2回に分けて年次有給休暇の付与要件、付与日数等につき、多いご質問、ご相談、対応例、今後の法改正等の動向をご紹介させて頂ければと思います。
○付与要件
1.6ヶ月継続勤務した労働者
→全労働日(注1)の8割以上出勤(注2)したこと
2.1年6ヶ月以上継続勤務した労働者
→6ヶ月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日の前日が属する期間において全労働日の8割以上出勤したこと(注3)
(注1)全労働日とは
労働契約上、労働義務の課せられている日をいい、具体的には就業規則等で労働日として定められた日のことで、一般的には6ヶ月(又は1年ごとに区分した期間)の総歴日数から所定の休日を除いた日がこれに該当します。
ただし次の各日については、全労働日に含まれません。
・所定休日に出勤した日
・使用者の責に帰すべき事由による休業日
・正当な争議行為により労務の提供が全くされなかった日
(注2)出勤したものとみなされる期間
次の期間は、付与要件とされる8割以上の出勤の算定においては出勤したものとして取扱われます。
・業身上負傷し、又は疾病にかかり療養の為に休業した期間
・育児介護休業法の規定による育児休業又は介護休業をした期間
・産前産後の女性が労基法第65条(産前産後休業)の規定によって休業した期間
・年次有給休暇を取得した日
◎最近は中小企業においても育児休業の取得者が増えてきており、その際出勤率の算定にあたって育児休業、産前産後休業中も出勤したものとして取扱われることに驚かれる経営者の方が多いです。
(注3)
付与日数を勤続年数ごとに表にしたものが以下になります。(通常の労働者)
6ヶ月 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年
(8割以上)|(8割未満) |(8割以上) |(8割以上) |(8割未満) |(8割以上) |
10日 0日 12日 14日 0日 18日
○付与日数について
1.通常の労働者の付与日数
勤続年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
日 数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
2.週所定労働時間が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数
所定労働日数 1年間の所定労働日数 勤 続 年 数
0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
○労働者の時季指定権
使用者は、労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えなければならない。
○使用者の時季変更権
請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合についてのみ
→他の時季に変更することができる。
つまりは使用者として労働者からの年次有給休暇ついての請求において行使できるのは、時季変更権しかなく、その時季変更権においても事業の正常な運営を妨げる場合についてのみ行使できるものであって、事業の規模、業種、業務の繁忙期、請求日数、請求の時期などを元にして総合的に判断する形になりますが、単純に忙しいからや、人員不足だからといった理由では時季変更権の行使は難しく、年次有給休暇を取得させる為の代替要員の確保を行ったか、その為の時間的余裕が会社側にあったかなどから総合的に判断されるものであり、また当然年次有給休暇の取得理由は使用者の干渉を許さないものであり、どのように利用するかは労働者の自由であり、利用目的によって拒否することや条件付きで認めることは認められません。
○年次有給休暇の賃金
有給休暇期間の賃金の支払い方としては次の3つの方法のいずれかで支払わなければなりません。
原則
就業規則その他これに準ずるものの定めによる場合
1.平均賃金
2.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
3.健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額(労使協定で定めた場合)
通常は2がほとんどではありますが、パートなどにおいて毎日の所定労働時間が異なるような場合は1の平均賃金を採用する旨規定し、運用する場合があります。
以下次号
(文責 社会保険労務士 坂口 将)
皆様こんにちは、西村社会保険労務士事務所の坂口です。今回のメルマガは坂口が担当させていただきます。
さて労務相談も10年前と現在ではその内容が変わってきたことは以前お伝えさせて頂きましたが、相変わらず多いのが有給休暇に関してのご相談です。今回は2回に分けて年次有給休暇の付与要件、付与日数等につき、多いご質問、ご相談、対応例、今後の法改正等の動向をご紹介させて頂ければと思います。
○付与要件
1.6ヶ月継続勤務した労働者
→全労働日(注1)の8割以上出勤(注2)したこと
2.1年6ヶ月以上継続勤務した労働者
→6ヶ月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日の前日が属する期間において全労働日の8割以上出勤したこと(注3)
(注1)全労働日とは
労働契約上、労働義務の課せられている日をいい、具体的には就業規則等で労働日として定められた日のことで、一般的には6ヶ月(又は1年ごとに区分した期間)の総歴日数から所定の休日を除いた日がこれに該当します。
ただし次の各日については、全労働日に含まれません。
・所定休日に出勤した日
・使用者の責に帰すべき事由による休業日
・正当な争議行為により労務の提供が全くされなかった日
(注2)出勤したものとみなされる期間
次の期間は、付与要件とされる8割以上の出勤の算定においては出勤したものとして取扱われます。
・業身上負傷し、又は疾病にかかり療養の為に休業した期間
・育児介護休業法の規定による育児休業又は介護休業をした期間
・産前産後の女性が労基法第65条(産前産後休業)の規定によって休業した期間
・年次有給休暇を取得した日
◎最近は中小企業においても育児休業の取得者が増えてきており、その際出勤率の算定にあたって育児休業、産前産後休業中も出勤したものとして取扱われることに驚かれる経営者の方が多いです。
(注3)
付与日数を勤続年数ごとに表にしたものが以下になります。(通常の労働者)
6ヶ月 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年
(8割以上)|(8割未満) |(8割以上) |(8割以上) |(8割未満) |(8割以上) |
10日 0日 12日 14日 0日 18日
○付与日数について
1.通常の労働者の付与日数
勤続年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
日 数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
2.週所定労働時間が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数
所定労働日数 1年間の所定労働日数 勤 続 年 数
0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
○労働者の時季指定権
使用者は、労働者が請求する時季に年次有給休暇を与えなければならない。
○使用者の時季変更権
請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合についてのみ
→他の時季に変更することができる。
つまりは使用者として労働者からの年次有給休暇ついての請求において行使できるのは、時季変更権しかなく、その時季変更権においても事業の正常な運営を妨げる場合についてのみ行使できるものであって、事業の規模、業種、業務の繁忙期、請求日数、請求の時期などを元にして総合的に判断する形になりますが、単純に忙しいからや、人員不足だからといった理由では時季変更権の行使は難しく、年次有給休暇を取得させる為の代替要員の確保を行ったか、その為の時間的余裕が会社側にあったかなどから総合的に判断されるものであり、また当然年次有給休暇の取得理由は使用者の干渉を許さないものであり、どのように利用するかは労働者の自由であり、利用目的によって拒否することや条件付きで認めることは認められません。
○年次有給休暇の賃金
有給休暇期間の賃金の支払い方としては次の3つの方法のいずれかで支払わなければなりません。
原則
就業規則その他これに準ずるものの定めによる場合
1.平均賃金
2.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
3.健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額(労使協定で定めた場合)
通常は2がほとんどではありますが、パートなどにおいて毎日の所定労働時間が異なるような場合は1の平均賃金を採用する旨規定し、運用する場合があります。
以下次号
(文責 社会保険労務士 坂口 将)
18年05月01日
グリコの“おまけ”で差を付けよう!!
~バブル期を超える求人難時代の到来!!~
●如何にして求人広告の応募効果をアップさせるかを考える その3 (2018.5月号)
グリコの“おまけ”で差を付けよう!!
このシリーズの3回目です。今回はグリコの“おまけ”を侮るべからす、として仮説を立てて見たいと思います。
皆様は、グリコの“おまけ”、ご存知ですよね。子どものころ、夢中になった人もあるのではないでしょうか?商品自体の内容はそんなに大したものでなくとも、“おまけ”があるとなんだか嬉しくてついつい買ってしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
これを求人広告で考えた場合、商品内容自体とは、給与や休日に当たり、給与が高く、休みが多いに越したことはありません。でも現実には、そう簡単には行かず、結局似たり寄ったりの給与や休日が並ぶのです。
そこでグリコの“おまけ”の登場です。
つまり、コアな商品(募集条件)で差が付けられなければ、“おまけ”で勝負してみるのです。少なくとも同じ内容の商品が並んでいるとき、皆さんなら“おまけ”付きの商品と付いてない商品のどちらを選ばれますか?
分かりやすくするために、単純な募集条件で比較します。その他の項目以外は、A社、B社共に全く同じです。
A社 B社
職種 製造工 職種 製造工
時間 8時から17時 時間 8時から17時
休日 日、祝、月2回 休日 日、祝、月2回
場所 大阪市平野駅から歩5分 場所 大阪市平野駅から歩5分
その他 貸付金制度(住宅、教育等)、教育メンター(専属指導係)制度
これは確率論です。おそらく、条件が同じなら求職者も、“おまけ”付きのB社をまず選ぶのではないでしょうか?
ここで“おまけ”とは、職種、給与、労働時間、休日休暇、立地以外の項目のことで、具体的には以下のようなものです。
◎お金、プレゼントに関すること◎
財形貯蓄制度 私的年金制度(確定給付年金、 個人確定拠出年金iDeCo) 自社積み立て制度 ストックオプション制度 従業員持株会
団体生命保険 個人表彰制度 貸付金制度(住宅、教育等) 誕生日祝い金 結婚記念祝 永年勤続祝 慶弔見舞金 入社準備金など
◎教育支援に関すること◎
外部研修(費用は会社負担) 資格取得援助金(補助金) 海外研修(留学)制度 自己啓発援助制度 社内自主勉強会(任意)
教育メンター(専属指導係)制度など
◎法定休暇以外のもの◎
有給休暇(入社時から10日付与日) 長期リフレッシュ休暇 バースデー休暇 学校行事休暇 会社創立記念日休日など
◎福利厚生的なもの◎
提携託児所の保育料40%割引 保育所完備(24時間体制) 借上社宅制度 社員食堂あり 食事補助 社員割引制度 労災上積み補償制度 制服貸与 服装自由(ジーパン・Tシャツ可) 現物支給多数あり(お酒、お米、お菓子) 商品券(割引券) 契約保養所あり
◎人事制度に関すること◎
正社員登用あり キャリアパスあり 転勤なし 5年未満無期転換OK 社内ベンチャー制度 マタニティタイム制度 独立支援制度
◎仕事以外の活動に関すること◎
社員旅行(家族同伴可) 海外旅行(昨年ハワイ) 各種レクリエーション(運動会、ソフトボール大会等) ボランティア週間
社内クラブ活動(フットサル部、野球部、ゴルフ同好会)
◎そのほか◎
記念日花束プレゼント キャンピングカー貸出制度 テニスコート有 法人契約スポーツ施設無料利用 リゾートクラブ法人会員
野球観戦・サッカー観戦 マイカー通勤可(駐車場あり) ガソリン代支給
これらを参考にして、ぴったり同じとはいかないまでも、ウチでもこんなこともやっている!というこのがあれば、どんどん出して戴きたいと思います。
これらは決して決定的な動機となるモノでないかもしれません。しかし同じような募集条件が並んだとき、おまけがある方が有利なはずですし、少なくともおまけが付いているから嫌だ、と考える求職者はいないでしょう。そうであれば、隠れている“おまけ”は全部出すべきです。
隠れている“おまけ”はありませんか?
小規模企業の賃金制度、管理職研修を得意としています。
文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com
●如何にして求人広告の応募効果をアップさせるかを考える その3 (2018.5月号)
グリコの“おまけ”で差を付けよう!!
このシリーズの3回目です。今回はグリコの“おまけ”を侮るべからす、として仮説を立てて見たいと思います。
皆様は、グリコの“おまけ”、ご存知ですよね。子どものころ、夢中になった人もあるのではないでしょうか?商品自体の内容はそんなに大したものでなくとも、“おまけ”があるとなんだか嬉しくてついつい買ってしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
これを求人広告で考えた場合、商品内容自体とは、給与や休日に当たり、給与が高く、休みが多いに越したことはありません。でも現実には、そう簡単には行かず、結局似たり寄ったりの給与や休日が並ぶのです。
そこでグリコの“おまけ”の登場です。
つまり、コアな商品(募集条件)で差が付けられなければ、“おまけ”で勝負してみるのです。少なくとも同じ内容の商品が並んでいるとき、皆さんなら“おまけ”付きの商品と付いてない商品のどちらを選ばれますか?
分かりやすくするために、単純な募集条件で比較します。その他の項目以外は、A社、B社共に全く同じです。
A社 B社
職種 製造工 職種 製造工
時間 8時から17時 時間 8時から17時
休日 日、祝、月2回 休日 日、祝、月2回
場所 大阪市平野駅から歩5分 場所 大阪市平野駅から歩5分
その他 貸付金制度(住宅、教育等)、教育メンター(専属指導係)制度
これは確率論です。おそらく、条件が同じなら求職者も、“おまけ”付きのB社をまず選ぶのではないでしょうか?
ここで“おまけ”とは、職種、給与、労働時間、休日休暇、立地以外の項目のことで、具体的には以下のようなものです。
◎お金、プレゼントに関すること◎
財形貯蓄制度 私的年金制度(確定給付年金、 個人確定拠出年金iDeCo) 自社積み立て制度 ストックオプション制度 従業員持株会
団体生命保険 個人表彰制度 貸付金制度(住宅、教育等) 誕生日祝い金 結婚記念祝 永年勤続祝 慶弔見舞金 入社準備金など
◎教育支援に関すること◎
外部研修(費用は会社負担) 資格取得援助金(補助金) 海外研修(留学)制度 自己啓発援助制度 社内自主勉強会(任意)
教育メンター(専属指導係)制度など
◎法定休暇以外のもの◎
有給休暇(入社時から10日付与日) 長期リフレッシュ休暇 バースデー休暇 学校行事休暇 会社創立記念日休日など
◎福利厚生的なもの◎
提携託児所の保育料40%割引 保育所完備(24時間体制) 借上社宅制度 社員食堂あり 食事補助 社員割引制度 労災上積み補償制度 制服貸与 服装自由(ジーパン・Tシャツ可) 現物支給多数あり(お酒、お米、お菓子) 商品券(割引券) 契約保養所あり
◎人事制度に関すること◎
正社員登用あり キャリアパスあり 転勤なし 5年未満無期転換OK 社内ベンチャー制度 マタニティタイム制度 独立支援制度
◎仕事以外の活動に関すること◎
社員旅行(家族同伴可) 海外旅行(昨年ハワイ) 各種レクリエーション(運動会、ソフトボール大会等) ボランティア週間
社内クラブ活動(フットサル部、野球部、ゴルフ同好会)
◎そのほか◎
記念日花束プレゼント キャンピングカー貸出制度 テニスコート有 法人契約スポーツ施設無料利用 リゾートクラブ法人会員
野球観戦・サッカー観戦 マイカー通勤可(駐車場あり) ガソリン代支給
これらを参考にして、ぴったり同じとはいかないまでも、ウチでもこんなこともやっている!というこのがあれば、どんどん出して戴きたいと思います。
これらは決して決定的な動機となるモノでないかもしれません。しかし同じような募集条件が並んだとき、おまけがある方が有利なはずですし、少なくともおまけが付いているから嫌だ、と考える求職者はいないでしょう。そうであれば、隠れている“おまけ”は全部出すべきです。
隠れている“おまけ”はありませんか?
小規模企業の賃金制度、管理職研修を得意としています。
文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com