~バブル以来、久々の求人難時代の到来か?~
●あらゆる求人媒体を検討する

求人情勢が久しぶりに逼迫してきました。24年度以来求人倍率は一環して右肩上がりで、大阪府でも有効求人倍率は昨年度より1倍を超え、本年3月現在のでは、1.11倍、新規求人倍率は1.85倍となっています。これは1社の募集に対して、1名の採用ができないことを表しています。大手のテェーン店でも人が集まらないために、店舗を大規模に閉鎖・休業せざるを得ない状況が報道されています。長い長い人余りの時代は終わりを告げようとしているようです。

多くの企業ではハローワークと民間求人広告及び人材派遣にて対応されておられると思いますが、今回は以外に知られていない、数多くの無料職業紹介(求人)媒体をご案内したいと思います。窓口や求人フォーマットはそれぞれ異なりますが、ハローワークに一般求人を出すイメージと大差は無く、無料ですので、ダメもとで利用しない手はありません。是非、検討されてはいかがでしょうか。


1.大阪人材銀行

40歳以上の管理職・技術職・専門職の経験者を募集する場合に利用できます。

  http://www1.osaka-jinzaiginkou.go.jp/jingintoha.html   ←詳細サイト
  大阪市中央区南本町1-8-14堺筋本町ビル6F 
  TEL 06-6271-4190 


※管理職とは、課長職以上での処遇
※技術職とは、建築土木設計・施工管理、機械・電機・電子に関する設計・開発、情報処理等
※専門職とは、高度な専門的知識・資格・経験保有者(例 国家資格者、デザイナー、通訳等)
※関西では、京都にもあります。





2.大阪府人材バンク

大阪府庁で勤続20年以上のキャリアのある、再就職希望職員を募集する場合に利用できます。

  http://www.pref.osaka.lg.jp/jinji/jinzaibank/   ←詳細サイト
  大阪府庁
  TEL06-6941-0351(総務部人事局人事課(内線2141)





3.自治体が設置する無料職業紹介所

下記の施設例では、大阪市内における求人情報、八尾市内の企業の人材確保の場合に利用できます。

  例 大阪市しごと情報ひろば
    http://www.shigoto-joho.jp/entrepreneur.html   ←詳細サイト
    平野区、西成区、此花区、東淀川区に窓口あり
    TEL06-6467-6067企業担当窓口(マザーズ内) 

  例 八尾市無料職業紹介所
    http://www.city.yao.osaka.jp/0000022699.html   ←詳細サイト
    八尾市清水町1-1-6 八尾商工会議所会館内
    TEL072-920-4088

※他の自治体でも同趣旨の機関を設置しているところがあります。





4.JICA(国際協力機構)

グローバル人材として、開発途上国で2年間の協力隊活動経験者を募集する場合に利用できます。
(青年海外協力隊帰国者のための再就職援助)

  http://www.jica.go.jp/volunteer/relevant/company/recruit/recruit_info.html   ←詳細サイト
  東京都新宿区市谷本村町10-5  JICA市ヶ谷ビル6F
  TEL03-3269-9050(青年海外協力隊事務局 参加促進・進路支援課)





5.自衛隊援護協会

退職、任期満了の自衛官を募集する場合に利用できます。
(退官、任期満了自衛官の再就職援助)

  http://www.engokyokai.jp/index.html   ←詳細サイト
  大阪府大阪市中央区天満橋京町2-13 ワキタ天満橋ビル5階
  TEL06-6946-7638

※任期完了自衛官は大部分が20歳代です。
※各種資格、免許を取得しています(例 ボイラー、フォークリフト、クレーン、危険物、玉掛、ガス溶接、電気工事、衛生管理者、情報処理等)。





6.大阪府福祉人材センター

福祉関係の職種希望者を募集する場合に利用できます。

  http://www.osakafusyakyo.or.jp/fcenter/index2.html   ←詳細サイト
  大阪市中央区中寺1-1-54 大阪社会福祉指導センター1F
  TEL06-6762-9020


※福祉関係の対象職種 例 介護職、介護支援専門員、保育士、看護職、管理・事務職等






7.ポリテクセンター関西

国(外郭団体)の職業訓練施設で訓練を受けた受講生を募集する場合に利用できます。


  http://www.shigoto-joho.jp/entrepreneur.html   ←詳細サイト
  大阪府摂津市三島1-2-1
  TEL06-6383-0064

※大阪府以外の関西地方(滋賀、京都、奈良、兵庫、和歌山)にも同様の施設があります。
※CAD、溶接、NC機械加工、システム開発など多様な訓練を受けています。





8.国際研修協力機構


外国人技能実習制度に関する案内を行っています。技能実習とは3年以内の期間、一定の監理団体から外国人労働者を現場で受け入れる制度で、
通常在留資格で認められない単純労働(工場内作業等)にも従事できます。

  http://www.jitco.or.jp/system/seido_enkakuhaikei.html   ←詳細サイト
  大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル19階  ここで関西2府4県を管轄
  TEL06-6344-9521

※但し、この機関は一般的制度の紹介にとどまり、監理団体の紹介は行っていません。





9.大阪市シルバー人材センター 
   http://www.osakasc.or.jp/   ←詳細サイト
   大阪市城東区関目3-1-14(本部事務局)
  TEL06-6931-0221

60歳以上の高年齢者を請負契約で受け入れる場合に利用できます。

※これは雇用関係ではなく、シルバー人材センターとの請負契約になり、費用(契約金)がかかります。
※請負契約であるため、受入れ企業に社会保険の加入義務や労働法の適用はありませせん。
※上記は大阪市本部であり、多くの自治体ごとに設置されています。





10.大阪外国人雇用サービスセンター
  http://osaka-foreigner.jsite.mhlw.go.jp/home/kigyou.html
  大阪市北区角田町8-47 阪急グランドビル16階
  TEL 06-7709-9465 

センターに登録されている外国人留学生や専門技術的仕事を希望する外国人休職者の情報が閲覧できます。

※募集自体はハローワークで行います。





またこれらのハローワーク以外の機関の利用に限らず、ハローワークの利用自体も以下のような工夫が考えられます。


A.求職者情報を検索する

ただ求人票を出して応募を待っているだけでなく、ハローワークに設置された求人者用(企業用)の検索パソコンを使い、どういった求職者が登録されているか(匿名で希望職種、給与、場所等が閲覧できる)を検索し、気になる求職者へ企業からアプローチすることができます。



B.「若者応援宣言」求人を出す

ちまたで若者を使い捨てにするブラック企業が社会問題化していますが、一定の条件を満たせば、国が優良企業として求人を後押ししてくれる制度です。一定の条件とは、若者の採用実績や定着状況等の情報開示・労働法違反がない・会社都合離職者を出してしないなど、7分野の条件をクリアする必要があります。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jakunen/wakamono/dl/wakamonoouen_2.pdf  ←詳細サイト



C.大阪新卒応援ハローワークを利用する

大学・高専・専修学校等の卒業者及び卒業後3年以内の者に限定して募集するハローワークです。

  http://osaka-young.jsite.mhlw.go.jp/home.html  ←詳細サイト
  大阪市北区角田町8-47阪急グランドビル18F
  TEL06-7709-9455  



D.大阪マザーズハローワークを利用する

仕事と子育ての両立に理解のある企業を後押ししてくれるハローワークです。

  http://osaka-mother.jsite.mhlw.go.jp/home.html   ←詳細サイト
  大阪市中央区難波2-2-3 御堂筋グランドビル4階
  TEL06-7653-1098


E.文字情報だけでなく、写真(画像)を掲出する

現在、ハローワークでは従来の文字情報だけの求人ではなく、画像情報も出すことが可能です。建物外観、作業風景、研修やリクレーションの様子など、視覚的にアピールできます。

小規模企業の賃金制度を得意としています。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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14年06月02日 | Category: General
Posted by: nishimura
●従業員を説得するのも経営者の仕事  どう言えば良いのか・・・・  (H26.5月号)


 私は企業顧問を請け負う社会保険労務士として、日々、経営者の方から労務管理上の様々なご相談を受けます。その中には、手続き論や法律論でスパッと割り切れるものではなく、なかなか正答というべき回答が導き出しにくいご相談が多いのも事実です。正しい回答ではなく、様々な考え方ができる中で、こういう選択肢があり得るというアドバイスなどがその典型的なものですが、そういったご相談の中で、よく経営者が期待されることに、「それをどのように従業員に言えばよいのか?」ということがあります。

これこそ、ベストの物言いなど無いのですが、今回は私がよく頂くご相談の中から、類型別にこのような説明をされてはどうですかと、ご提示している「言い方」をご紹介したいと思います。



1.能力不足で退職して欲しい社員がいる場合


「今までの勤務状況をみているとこのままウチの会社で続けるのは難しいんじゃないか。このままでは、○○さんを会社は評価できないし、これ以上重要なポジションで仕事を任せることもできないし、給料も上がらない。賞与査定も低くなる。恐らく同僚や後輩にも抜かれ、プライドを傷つけられることになるだろう。まだまだ今ならやり直しは効くと思う。残念ながらウチとは合わず、ウチの会社では浮かばれなかったが、きっと広い世の中、○○さんに合う環境で、○○さんのことをもっと評価してくれて、もっと輝いて自己実現できるところがあると思う。今のうちにきれいな形で分かれた方がお互いの為になるのではないか。じっくりよく考えてみてはどうか」




2.社員から不正な要求があった場合 


その1 

「私だって、法を全部守れるわけじゃない。例えば交通法規なんて守れないことがある。赤信号で渡ることもあるかもしれない。でも、横断歩道の向こう側に小さい子どもの手を引いたお母さんがちゃんと止まっていれば、ちょっと渡るのは躊躇する。翻ってみたとき、この問題(状況)を○○さんは子どもに説明できるのか?子供が「何してるの?」と聞いてきたら、どう答えるんだ。窮するようなら、やましいことだ。少なくとも子供にきちんと説明できないことはやめるべきではないか?」


その2

「私だって聖人君子でないから、偉そうなことは言えない。裁判官でも警察官でもない。法の番人でもないから、間違ったこともするかも知れない。でも、それは最終的に自分で責任を取れる範囲でのことだ。今、○○さんが言っているのは、あなた一人で責任を取れる話ではなく、何かあったときには他の人を巻き込むものだ。いわば、他人に泥棒をさせておいて、捕まるのは他人。果実を得るのは自分。というような虫のいい話だ。
自分で全ての責任が取れるならとやかく言わないが、自分が得するために他人を危険に巻き込むのは良識ある大人と態度としてどうなのか?」

 



3.病気で長期間休む社員が出る場合


「会社は休職制度を用意しているから、その間、身分保障はされるし、健康保険から所得保障となる傷病手当金も出るから、安心して療養に専念し、元気な姿で戻ってきて欲しい。でも、会社にも都合があるし、いつまでも待ち続けるというわけにも行かないのは分かってもらえると思う。同僚や顧客の事情もある。であるから、●ヶ月間で、復帰可能とういうことにならなければ、申し訳ないが、そのときは退職扱いになることも理解しておいて欲しい」



4.何となく合わない扱いにくい社員がいる場合


「○○さんは○○さんで信念を持ってその考え(やり方)をしているのはそれ自体は立派なことかもしれない。でも、会社には会社の考えは方がある。仮に会社の方針が間違っていて失敗しても、最終的に全責任を負うのは自分の方である。○○さんではない。私は、お客様に対して、取引業者に対して、そして他の社員とその家族に対しても、最終的に全責任を負う。極論すれば墓場まで会社を背負って行く。そういう意味では私は会社を選ぶことができない。逃げることも出来ない。
最後に責任を取るのは私なのだから、方針が合わなくとも、最終的には私の方針に従うべきではないのか。もしそれができないというなら、むしろ会社や経営者を選べるのは○○さんの方だ。この相反する状況を変えられるのは、会社を選べる○○さんの方だよ。私はずっとここにいるわけだから。どうしても従えないなら、○○さんの方から状況を変えるべきじゃないのか」



5.試用期間から本採用へ移行したくない場合


「そろそろ試用期間の3ヶ月が経過しようとしています。3ヶ月前にウチで本採用となるためには、これこれしかじか、を守って欲しい(やって欲しい)とお約束したはずですが、この間、果たしてどうだったでしょうか?
自分で振り返ってみてどうですか?・・・・・。」



6.有給休暇の請求を受けた場合

「勿論、社員の権利として有給休暇は認められるべきです。でも、小さな会社ですから、周りの仲間やお客様のことも考えて、誰かに負担をかけているとか、遣り残しているとか、そういったことが無い様に自信をもって言える状態で休んでくれたら嬉しい。できたら1週間くらい前には言ってくれると助かる。お互いに皆が気持ちよく有給を取り合えるように皆でやってゆきましょう」



5.給料と評価の関係で感覚の違いがある場合 



「確かに○○さんは、まじめにきちんと仕事をしている。それは認める。しかし、その部分はすでに基本給の中に入っている仕事だ。例えばきちんと期日に納品し、回収もしていると言ったね。それは今の給与の中に含まれているよ。そのために払っている。もし、今以上の評価を勝ち取るとするならば、それ以上のことをやってくれて、初めて評価の対象となるのではないか?」




6.管理者が管理職らしくない場合


「管理者に任命し、役職手当を支払う意味を考えたことがあるかね。はっきり言うと、これはあなたの生計費のために払っているのではないよ。管理者として、私に代わって特別な、或いは重要な責任や役割を担って欲しいからだよ。それは今回は山田君の教育指導だ。役職手当はそのオプション対価だ。既得権でも名誉職でもない。自分の普段の日常業務の上に、部下のため、皆のため、会社のためにやって欲しい事があるからだよ。その私の気持ちを汲んで欲しい。決して部長と呼ばれるだけの“名ばかり管理職”にならないようにして欲しい」




まだまだ、色んな局面で色んな言い方があるでしょう。これからも皆様と一緒に考えて行きましょう。


小規模企業の賃金制度を得意としています。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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14年05月01日 | Category: General
Posted by: nishimura
~隠れている就業規則は無効になります!~
●就業規則はきちんと周知しよう


皆様の会社では就業規則がおありでしょうか。労働基準法によると常時10人以上の労働者を使用する事業主は就業規則を作成し、労働基準監督署に届出る義務を課しています(労基法第89条)。そういうこともあって、形式的には作成しておられる会社もありますが、その存在を労働者が知らないということが意外に多いのです。その訳を推察すると、実態に合っていないので開示できないとか、権利行使を助長するのを嫌がるとか、周知する義務があるのを知らないとか、或いはそもそも開示意識が欠けているからだと思われます。

でも、きちんと就業規則を作りこんでおけば、いざという時にその威力を発揮してくれます。つまり労使トラブルが起こったときに、会社を助けてくれるのです。そのためには労働者に就業規則が周知されていないと全く意味を成しません。あってもなかったことになってしまうのです。


ところで、そもそも就業規則とは法的にどのような性格を付与されたものなのでしょうか?すこし難しいですが、最高裁判所は以下のように意味づけています。

「就業規則は当該事業所内での社会的規範たるにとどまらず、法的規範としての性質を認められるに至っているものと解すべきであるから、当該事業所の労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然に、その適用を受けるものというべきである。」(最大判 昭和43.12.25)


かなり古い判決ですが、この考え方は現在も維持されています。語弊を恐れずごく簡単に言うと、「就業規則はその会社の法律になる。法律だから、個々の従業員が同意や理解までは必要ない」と言えます。法律とはそういうもので、知らないから私は関係ないということは言えず、知らない者が悪い、と言えるくらいです。


就業規則に対するこういった考え方は長らく判例法理という一般には知られない世界で受け継がれてきたのですが、平成20年に施行された労働契約法にその考え方が条文として、盛り込まれました。

「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。(以下略)」(労働契約法第7条)


ここで大切なのは、就業規則に効力を持たせるファクターは、たった二つしかないということなのです。一つが「合理的な労働条件が定められていること」、もう一つが「労働者に周知させていたこと」なのです。ここで周知が出てきました。一般的に前者の「合理性」が否定されることはまずありません。問題は後者、つまり「周知」していたかどうか、なのです。


この「周知」とは、実質的周知で足りるとされています。労基法では第106条(施行規則52条の2)において、(1)常時各作業所の見やすい場所へ掲示または備え付ける、(2)労働者に書面を交付する、(3)磁気ディスク等に記録した内容を常時確認できる機器を設置する、という方法を例示していますが、しかしこれに囚われることなく、実際には「その事業場の労働者の大半がその就業規則の内容を知り、又は知ることができる状態に置かれていれば足り、当該労働者が実際に就業規則の内容を知ったかどうかは問わない」(東京地判 平成21.10.28)とされているのです。つまり「ウチの会社の就業規則はここに置いてありますので、自由に見て頂いて結構です」と、アナウンスするだけでも良いのです。


冒頭あたりで、「あっても、なかったことになる」と書きましたが、周知されていないがために、その存在を全否定されることがあります。裁判所は辛辣に言います。「確かに被告は就業規則案を作成し、これを労働組合に提示したことが認められる。しかし(中略)少なくとも原告らに対し、拘束力を有する就業規則が制定され、同規則が周知されていたとは認めがたい。(中略)被告による給与体系の見直し及び就業規則に関しては、少なくとも原告らとの間においては効力を有しているとは認められない」(大阪地判 平成24.2.10)。


このようなことなならないよう、せっかく作成した就業規則は、きちんと労働者に周知しましょう。そのための私が考えるポイントは以下の通りです。

1.作成又は変更すれば、簡単でもよいから説明会を開く
2.説明会が開催できない事情があれば、ミーティングや朝礼などの場で、就業規則の存在を伝える
3.常に見ようと思えば見ることの出来る方法で備え付ける(休憩室に吊っておくとか、タイムカードの横に立て掛けておくなど。間違っても一般の労働者が自由に出入りできない社長室に置いてあるとか、管理者の机の中に締まってあるというようなことがないように)
4.10人以上のであれば、労基署へ届出しておく(但し、労基署への届出行為自体は、効力発生要件ではない)
5.これらは、作業場単位で行う(会社単位ではない)
6.新規採用時には、雇用契約書に「この契約書に記載のない事項に関しては、就業規則による」などという文言を入れておき、「この規則というのはどこどこに置いてありますから、自由に見てください」と説明しておく


ただし、周知義務があるとはいえ、社内文書であることは確かですから、無断持ち出しやコピーを禁止することは構いません。
小規模企業の賃金制度を得意としています。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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14年04月02日 | Category: General
Posted by: nishimura
これからの高齢者雇用を考える
●定年再雇用者には、技能伝承をミッションとして与えよう  
(H26.3月号)


今後、確実に起こると予想される労務問題があります。いや、経営問題と言った方が良いかも知れません。それは団塊世代の大量退職による日本企業の技能断絶問題のことです。日経新聞2月21日付けの特集記事「建設 人手不足」にこんな一節があります。

『事態は切迫している。熟練工が集中する団塊の世代は65歳を超えて現場から去りつつある。若手への技能伝承を急がないと、中堅が退職する10年先に現場が持たなくなる(国土交通省)』

記事は建設業の人手不足の状況を一時的な外国人技能実習制度の拡充で凌ぐよりも、国内の若年労働者への技能伝承をどうするかという、より根本的な原因を問題提議するものですが、この認識は建設業に限らず、長く日本の基幹産業であった第二次産業全般に言えることではないかと思うのです。


昨年4月の高齢者安定法の改正もあり、定年退職者の再雇用が中小企業でも整備されました。現在進行中の公的年金の支給開始年齢の引き上げに対応して、すべての企業が65歳まで働ける環境整備を求められたのはご承知の通りです。そして多くの企業は60歳定年制をそのまま残しながらも、本人が希望すれば、有期契約にて65歳まで再雇用する制度を採用しています。
そういった影響も有ってか、日本は先進国の中でも飛びぬけて就業者全体に占める高齢者の割合が高く、65歳以上の方に限っても全体の1割を形成する集団になっているのです。

人口減と高齢就業者の増加は、約束された明らかな未来です。こういう明らかな未来に対処するには、今から対応を考えておくべきです。
むしろ高齢者の活用の如何が生き残りを左右する時代になるのかも知れません。


ただ、中小企業の実態は、法改正によって再雇用制度を整備しているわけでも、先を見据えて行っているわけでもなく、従来から必要に迫られてそのまま漫然と雇用しているという感じです。しかも定年前と仕事や役割は何ら変わらず同じことをしてもらっているという実態です。にもかかわらず、給料は4割程度減額されるのが一般的です。
つまり、そこにあるのは次世代を担う中核になるべき人材に対する技能の伝承者の姿ではなく、定年前の状況が延長されているだけで、自分の仕事を黙々とこなす姿です。そのベテランがいずれ引退すれば、そのノウハウはそこで終わってしまう危険をはらんだ姿です。これはまさしく、技能の断絶を暗示しています。



これからの高齢者雇用は、単に仕事に穴が開くとか、コストを安く抑えたいなどという問題として捉えるのではなく、今までとは次元の違う労務管理を考えねばなりません。
そこで具体的にご提案したいのが、多元型人事システムと技能伝承師弟関係制度の創設です。今回はそのうちの後者の技能伝承についてです。


技術や知識に長けた高齢者には、「自分の守備範囲の仕事を黙々とこなすこと」から、「自分の生きた証を会社に残すこと」を最大ミッションとして仕事をしてもらいましょう。「自分のコピーを作る」という感覚でもいいでしょう。間違っても教えるのが面倒くさい、自分でやった方が早い、自分の仕事がなくなるなどと思われないようにしましょう。所詮、墓場まで仕事を持って逝くことはできないのですから、自らが生きた証を財産として会社に残して行く喜びを感じてもらえるようにしましょう。

高齢者が自らの存在価値を再確認でき、会社から優秀な技能伝道者として再承認され、若い社員から師匠として尊敬され慕われる、そんな循環になるのが理想です。

そのことを仕組みで整備するのが技能伝承師弟関係制度です。是非今後、お勧めしたい人事制度です。

小規模企業の賃金制度を得意としています。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
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14年03月05日 | Category: General
Posted by: nishimura
~弱みにフォーカスするか、強みにフォーカスするか~
●相通じる、事業展開の考え方と人材開発の考え方    (H26.2月号)



強い組織をつくるための方法論として、「ギャップアプローチ」と「ポジティブアプローチ」というものがあります。この両アプローチは、事業展開をして行く場面でも使えますし、人材開発を行う場面でも使えるものです。

一般的には経営資源に恵まれない中小企業が取るべき道としては、後者のポジティブアプローチの方が、望ましいと考えられていますが、今回は人材開発とからめて、このことを解説したいと思います。


「ギャップアプローチ」とは、「あるべき姿」がまずありきという発想からスタートし、その「あるべき姿」というものは自分の外側に求めます。典型的には目標となる会社や人のことです。これに対して「ポジティブアプローチ」とは、「ありたい姿」を自分の内側から導き出すところからスタートするアプローチです。

分かりにくいと思いますので、これを図示すると以下の通りです。



■ギャップアプローチ                        ■ポジティブアプローチ

1.あるべき姿を自分の外側に見つける                1.ありたい姿は本来、自分の中にある
      ↓                                   ↓
2.あるべき姿と現状のギャップ(問題点)を特定する         2.自分の強み・可能性を見つけ出す
      ↓                                   ↓
3.そのギャップの原因を分析する                  3.強みを活かして、ありたい姿になるための方法を考える
      ↓                                   ↓
4.ギャップの原因が分かったらその解決方法を検討する        4.強みを活かした時の状況を皆で共有化する
      ↓                                   ↓
5.ギャップを埋めるための行動計画を立てる             5.強みを活かすための行動計画を立てる



簡単に言えば、「ギャップアプローチ」とは、まず自分の外側に目標としたい会社や人のことを思い浮かべ、それに比べて今の状態はギャップがあると認識します。そしてそのギャップを埋めるために色々努力して、その目標に近づこうということです。つまり自分の弱みにフォーカスして行こうというアプローチです。

これはこれで構わないのですが、通常は目標とした会社や人を超えることはなく、近づくだけで、自分の強みにはなりません。


一方の「ポジティブアプローチ」は、自分の内側に強みや可能性となるものはないかを探し出し、それをもっと活かすためにはどうしたらいいかを考え、更に伸ばして行こうとするものです。つまり自分の強みにフォーカスして行こうとするアプローチです。

これは対象となるライバルがいません。小さいながらもキラリと光る会社や人材を目指す場合に有効です。



この両アプローチの良否を決するのは意味がなく、それぞれ使い分けすればいいと思うのです、ややもすれば「ギャップアプローチ」に偏り、せっかくの強み、他にはない自分の特徴を伸ばせていない現状が相当あるのではないかと推測します。

会社も人材も、ポジティブに強みにもっとフォーカスして、どこにでもある存在ではなく、キラリと光る存在でありたいものです。

文責 特定社会保険労務士 西村 聡
もっと見る :http://www.nishimura-roumu.com

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14年01月31日 | Category: General
Posted by: nishimura
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あらゆる求人媒体を検討する(H26.6月号)●従業員を説得するのも経営者の仕事  どう言えば良いのか・・・・ 就業規則はきちんと周知しよう 定年再雇用者には、技能伝承をミッションとして与えよう  相通じる、事業展開の考え方と人材開発の考え方今年は社内報を有効に活用しよう「労使コミュニケーションの実態と意義」調査から見えるもの 社内規程は会社の法律 法律をきちんと執行して望ましい姿へ政策的に誘導しよう(H25.11月号) 将来の見える化をして有為の人材を引き留めよう 当たり前の労務管理を採用活動に活かそう
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