破産した秋田市の商品先物取引会社「ファーストオプション」の詐欺事件は、架空のもうけ話にだまされる高齢者が後を絶たない現状を浮き彫りにした。たとえ容疑者が逮捕されても財産が戻ってくるケースは少なく、被害者は泣くに泣けない思いだ。被害を防ごうと、秋田県議会では強引な訪問販売などを禁止する罰則付き条例の制定も検討されているが、実現性は不透明。「結局、自己防衛に任せるしかない」と関係者は声をそろえる。(秋田総局・東野滋、鈴木拓也)

<670人から78億円>
 5月29日、同社元社長の細川広明容疑者(49)ら元幹部4人が詐欺容疑で県警に逮捕された。高齢者宅を訪問し、「高配当で元金保証」をうたい文句に、約670人から約78億円をだまし取ったとされる。

 「うまいこと言って全財産を奪った。あの男は人間の皮をかぶった悪魔だ」。夫婦で約2300万円の被害に遭った秋田市の60代の無職女性は憤る。

 1996年9月のある日、一本の電話がかかってきた。説明されたのは「海外商品先物オプション取引」という耳慣れない言葉。話を聞くだけならと承諾すると、すぐに同社の営業担当の男が訪ねてきた。

 「いくら聞いても仕組みを理解できなかった」という女性。男は週に1度は姿を現し、「低金利の銀行や郵便局に預けるより得だ」「原油価格が上がっており、確実にもうかる」と繰り返した。

<断れなくなった>
 約1年後、女性は初めて100万円を出資した。母の日には大きな造花、誕生日には手袋をプレゼントしてくれた男にいつしか親しみを感じ、断れなくなっていた。「『契約が取れないと怒られる』と話す男に、同情してしまった」

 女性は、同社が償還金や配当の支払いを停止する直前の2006年1月まで出資を続け、全財産を失った。「絶対に大丈夫。信用してほしい」という男の言葉を信じた末の悲劇。細川容疑者に損害賠償を求めた集団訴訟で勝訴したが、支払いは期待できず、被害回復は困難だ。

 秋田県生活センターには07年、電話勧誘や訪問販売の被害相談が690件寄せられた。222件(32.1%)が高齢者からだった。佐藤貞悦所長は「高齢者も将来に対する不安があり、うまい話に飛びついてしまう。実際の被害はもっと多いはずだ」と説明する。

6月2日河北新報

//////////////////////////////////////////

ファーストオプションではありませんが、同様の海外先物取引問題は多数あります。

騙されたという一方、楽して儲けたいという消費者側にもある程度の責任があります。

周りの人が止めるのも聞かずに業者のことを信じて、結局何千万円も損をする。

弁護士も警察もほとんど力になってくれません。

ほとんど取り戻すことができないのですから。

それでも、私は別の先物取引業者に1000万円近い金額を取られた被害者(顧問先)の相談で、無事、取り戻しに成功しました。
※現実には分割払いなので、今は半額程度が回収された状況です。

基本的にこのような依頼は引き受けません。弁護士法にひっかかる可能性が高いので。
※実際はの窓口は弁護士に立ってもらいましたが、弁護士に引き受けてもらうために業者のことを調べて、回収の可能性が高いことを説得して引き受けてもらいました。

670人から78億円。

これが、このような詐欺で無くなるのではなく、良いことに使われたら・・・。