中小企業経営の先行き不安から、組織の内部体勢強化と営業構造の変革のために、関連企業との合併が積極的に検討される中小企業が増加しています。又、一方において企業内部に事業部が出来上がって一定の時期が経過すると、事業部の採算割れや組織の活力低下、並びに経営感覚のマンネリ化などを打開する為に会社分割や分社化を実施して、企業活力の向上策を図る中小企業も増えてきています。

 合併の場合には、人材や商品の効率的資源活用を図っていくメリットが多いのですが、異質の企業同士が合併することによって、組織内部の混乱が発生することも考えられます。

 合併以前には、合併契約に関する検討が主体的に行われるのですが、合併後の経営に関する協議は諸般の事情を鑑み、慎重になされることによって合併後の調整作業に時間を要するデメリットも予測する必要があります。

 分割や分社化については、事前の事業部制組織の時代の経営管理が改善されない限り、コストの増大と意思決定の複雑さが発生し、分社の経営者の能力等によっては、分社以前よりも業績が悪化する企業も少なくありません。また、もともと大きくも無い中小企業を分割しても社会的評価は低下することが多く、特に銀行信用は注意すべき問題でしょう。

 企業経営において組織が持つ重要な課題は、業績を向上させ、かつ安定的に企業運営を行う為に、必要に応じて最低限度の組織変革を図ることであります。組織改革は社員の動揺と混乱を招き、外部との接点を歪めかねません。合併も分割(分社化)も、経営者の個人的思惑だけで推進することだけは、慎重になるべきではないでしょうか?

 組織の最適人員、リーダーの成長度合い、市場対応力のレスポンス、組織のマンネリ度合い、事業承継、組織の若返り人事、企画開発機能の充実、経営資源の融合に伴う企業成長可能性の発見など、さまざまな要因を基に的確な判断を行い、企業再編後にそれ以前と比較して比べ物にならないような業績を達成できるように、冷静な分析検討を進めていきましょう。

 数多くのご相談を承る私たちも、このような指導スタンスを大切にしながら、ご相談企業の将来を考えて、最良の姿を模索していきたいと思っています。

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