11年12月13日
今年の改正は「環境」と『議論の先送り??』
平成24年度の税制改正大綱では、大きな改正は無く、消費税の増税や相続税・贈与税などの議論もすべて先送りとなっていて、期限切れを迎える特例の延長や環境関連に関する項目の追加などが主なものになっています。
○ ○ → 先送り
☆ ☆ → 減税
★ ★ → 増税 として掲載しておりますので、ご参考にしてご覧下さい。
1.法人税
(1)研究開発税制
試験研究費の増加額に係る税額控除、又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度の適用期限を2年間の☆期限延長☆
(2)環境関連投資促進税制・・・☆減税☆
環境関連投資促進税制について、対象資産のうち太陽光、風力発電など再生可能エネルギー電気の認定設備で、一定の規模以上のものを平成24年4月から平成25年3月末までの間に取得した場合には、取得価額まで特別償却ができます。
(3)中小企業税制
① 中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、その適用期限を2年間の☆期限延長☆
② 交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年間の☆期限延長☆するとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年間の☆期限延長☆
③ 中小企業者等の少額減価資産の取得価額の損金算入の適用期限を2年間の☆期限延長☆
④ 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置の適用期限を2年間の☆期限延長☆
⑤ 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度について、対象となる国庫補助金等の範囲に戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業(仮称)等に係るものを追加されます。・・・☆減税☆
2.所得税
(1)給与所得控除の見直し・・・★増税★
① 給与所得控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設けられました。
② 特定支出控除の見直し・・・☆減税☆
弁護士などの職業の特定支出の範囲が拡大されました。
(2)退職所得課税の見直し・・・★増税★
① 役員退職金についての課税方法の見直し
役員等としての勤続年数が5年以下の者が、役員退職金を受け取る場合の退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。
退職金の所得税額=(退職金―退職所得控除)×2分の1 ←この部分が無くなり50%アップ!
(3)住宅関連税制
① 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除の適用期限を2年間の☆期限延長☆
② 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年間の☆期限延長☆
③ 認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除について、税額控除額の上限額を50万円(現行:100万円)に引き下げた上、その適用期限を2年間の☆期限延長☆・☆増税☆
④ 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の特例について、譲渡資産の譲渡対価の要件を1.5億円(現行:2億円)に引き下げた上、その適用期限を2年間の☆期限延長☆(注)平成24年1月1日以後譲渡について適用です。 ・・・☆増税☆
3.その他消費課税など
(1)消費税 ・・・○先送り○
2010年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げが予定されており、議論継続中です。
(2)たばこ税・酒税・・・○先送り○
税率引き上げは平成25年度以降とし、引上げにあたっては、たばこの消費や税収や葉たばこ農家等に及ぼす影響を十分に見極めつつ判断されます。
(3)環境関連税制
①自動車重量税・・・☆減税☆
平成24年度において、車検証の交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準を満たしている自動車には、一部の自動車を除き、引き下げを行います。
②「エコカー減税」・・・★減税縮小★
燃費性能の基準を厳しく見なおした上で、平成27年4月まで3年延長されました。自動車税も「グリーン化特例」が平成26年3月末まで2年延長となります。
※エコカー補助金については平成23年内で適用する方向で議論が進んでいます。
(4)エネルギー課税・・・★増税★
CO2排出量に応じた税率を上乗せする「地球温暖化対策のための課税の特例」を設ける。この創設により現行の石油石炭税の税率を1.5倍引き上げる。
4.東日本大震災の復興支援税制
(1)所得税・・・★増税★
期間:2013年1月~2037年12月 (25年間)
内容:2.1%の定率増税
2.1%増税の意味は納税額が本来の負担額より2%増えるということです。5%負担している人が7.1%の負担になるというわけではありません。
たとえば、扶養が2人で、1年間の増税分をざっくり計算してみると、年収600万だと約21万の2.1%で、約4,500円アップ、年収1000万だと約66万の2.1%で約14,000円アップとなります。
(2)法人税・・・★増税★
期間:2012年4月~2015年3月(3年間)
内容:昨年決定された5%の減税は実行し、その後、税率を2.4%上乗せする。
(3)個人住民税・・・★増税★
期間:2014年6月~2024年5月(10年間)
内容:個人均等割を一律1,000円引き上げる。
5.資産課税関連
(1)平成23年度税制改正大綱に記載された下記内容は見送られました。
①相続税の基礎控除の引き下げ・・・○先送り○
②相続税率の引上げ・・・○先送り○
③相続精算課税制度の対象に孫を加える・・・○先送り○
(2)平成24年度税制改正大綱の内容
①相続税
山林にかかる相続税の納税猶予制度の設立・・・☆減税☆
(現在は農地の納税猶予制度があります)
②贈与税
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額の改定、
制度の2年間の☆期限延長☆
(現行の限度額は1,000万円、平成24年1月1日以後に贈与を受けたものから適用)
(イ) 省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合・・・☆減税☆
(a) 平成24年 1,500 万円
(b) 平成25年 1,200 万円
(c) 平成26年 1,000 万円
(ロ) 上記(イ)以外の住宅用家屋の場合・・・★従来よりも減税額が少なくなる★
(a) 平成24年 1,000 万円
(b) 平成25年 700 万円
(c) 平成26年 500 万円
③固定資産税
住宅用地の据置特例が廃止・・・★増税★
(地価の変動で税額が急に増えないよう税額計算の基礎額を80%に抑えていた特例)
④不動産取得税
下記の項目の3年間の☆期限延長☆
(イ)宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の1/2にする特例措置
(ロ)住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率を3%にする特例措置
⑤国外財産調書制度の創設・・・★平成25年の年末の保有財産から始まります!!★
その年の12月31日における国外財産が5,000万円を超える方は、翌年
3月15日までに国外財産調書を提出する義務が課されます。
なお、不提出や虚偽記載に対する罰則も設けられる予定ですので、忘れないように提出する必要があります。
6.来年度以降の注目すべき点
・平成25年で上場株式等の配当・譲渡の税額の減税が終了することから、課税方式の変更や損益通算範囲の拡大の検討を行う・・・減税?
・社会保険診療報酬の所得計算の見直し・・・増税
・中小企業者の法人税率の特例範囲の見直し・・・増税
・配偶者控除の見直し・・・増税
※上記内容は税制改正大綱に基づき記載しておりますが、改正案であるため内容は変わることがありますので、ご注意下さい。
出典
平成24年度 税制改正大綱 (平成23年12月10日)
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○ ○ → 先送り
☆ ☆ → 減税
★ ★ → 増税 として掲載しておりますので、ご参考にしてご覧下さい。
1.法人税
(1)研究開発税制
試験研究費の増加額に係る税額控除、又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度の適用期限を2年間の☆期限延長☆
(2)環境関連投資促進税制・・・☆減税☆
環境関連投資促進税制について、対象資産のうち太陽光、風力発電など再生可能エネルギー電気の認定設備で、一定の規模以上のものを平成24年4月から平成25年3月末までの間に取得した場合には、取得価額まで特別償却ができます。
(3)中小企業税制
① 中小企業投資促進税制について、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、その適用期限を2年間の☆期限延長☆
② 交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年間の☆期限延長☆するとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年間の☆期限延長☆
③ 中小企業者等の少額減価資産の取得価額の損金算入の適用期限を2年間の☆期限延長☆
④ 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置の適用期限を2年間の☆期限延長☆
⑤ 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入制度について、対象となる国庫補助金等の範囲に戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業(仮称)等に係るものを追加されます。・・・☆減税☆
2.所得税
(1)給与所得控除の見直し・・・★増税★
① 給与所得控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設けられました。
② 特定支出控除の見直し・・・☆減税☆
弁護士などの職業の特定支出の範囲が拡大されました。
(2)退職所得課税の見直し・・・★増税★
① 役員退職金についての課税方法の見直し
役員等としての勤続年数が5年以下の者が、役員退職金を受け取る場合の退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。
退職金の所得税額=(退職金―退職所得控除)×2分の1 ←この部分が無くなり50%アップ!
(3)住宅関連税制
① 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除の適用期限を2年間の☆期限延長☆
② 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年間の☆期限延長☆
③ 認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除について、税額控除額の上限額を50万円(現行:100万円)に引き下げた上、その適用期限を2年間の☆期限延長☆・☆増税☆
④ 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の特例について、譲渡資産の譲渡対価の要件を1.5億円(現行:2億円)に引き下げた上、その適用期限を2年間の☆期限延長☆(注)平成24年1月1日以後譲渡について適用です。 ・・・☆増税☆
3.その他消費課税など
(1)消費税 ・・・○先送り○
2010年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げが予定されており、議論継続中です。
(2)たばこ税・酒税・・・○先送り○
税率引き上げは平成25年度以降とし、引上げにあたっては、たばこの消費や税収や葉たばこ農家等に及ぼす影響を十分に見極めつつ判断されます。
(3)環境関連税制
①自動車重量税・・・☆減税☆
平成24年度において、車検証の交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準を満たしている自動車には、一部の自動車を除き、引き下げを行います。
②「エコカー減税」・・・★減税縮小★
燃費性能の基準を厳しく見なおした上で、平成27年4月まで3年延長されました。自動車税も「グリーン化特例」が平成26年3月末まで2年延長となります。
※エコカー補助金については平成23年内で適用する方向で議論が進んでいます。
(4)エネルギー課税・・・★増税★
CO2排出量に応じた税率を上乗せする「地球温暖化対策のための課税の特例」を設ける。この創設により現行の石油石炭税の税率を1.5倍引き上げる。
4.東日本大震災の復興支援税制
(1)所得税・・・★増税★
期間:2013年1月~2037年12月 (25年間)
内容:2.1%の定率増税
2.1%増税の意味は納税額が本来の負担額より2%増えるということです。5%負担している人が7.1%の負担になるというわけではありません。
たとえば、扶養が2人で、1年間の増税分をざっくり計算してみると、年収600万だと約21万の2.1%で、約4,500円アップ、年収1000万だと約66万の2.1%で約14,000円アップとなります。
(2)法人税・・・★増税★
期間:2012年4月~2015年3月(3年間)
内容:昨年決定された5%の減税は実行し、その後、税率を2.4%上乗せする。
(3)個人住民税・・・★増税★
期間:2014年6月~2024年5月(10年間)
内容:個人均等割を一律1,000円引き上げる。
5.資産課税関連
(1)平成23年度税制改正大綱に記載された下記内容は見送られました。
①相続税の基礎控除の引き下げ・・・○先送り○
②相続税率の引上げ・・・○先送り○
③相続精算課税制度の対象に孫を加える・・・○先送り○
(2)平成24年度税制改正大綱の内容
①相続税
山林にかかる相続税の納税猶予制度の設立・・・☆減税☆
(現在は農地の納税猶予制度があります)
②贈与税
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額の改定、
制度の2年間の☆期限延長☆
(現行の限度額は1,000万円、平成24年1月1日以後に贈与を受けたものから適用)
(イ) 省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合・・・☆減税☆
(a) 平成24年 1,500 万円
(b) 平成25年 1,200 万円
(c) 平成26年 1,000 万円
(ロ) 上記(イ)以外の住宅用家屋の場合・・・★従来よりも減税額が少なくなる★
(a) 平成24年 1,000 万円
(b) 平成25年 700 万円
(c) 平成26年 500 万円
③固定資産税
住宅用地の据置特例が廃止・・・★増税★
(地価の変動で税額が急に増えないよう税額計算の基礎額を80%に抑えていた特例)
④不動産取得税
下記の項目の3年間の☆期限延長☆
(イ)宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の1/2にする特例措置
(ロ)住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の標準税率を3%にする特例措置
⑤国外財産調書制度の創設・・・★平成25年の年末の保有財産から始まります!!★
その年の12月31日における国外財産が5,000万円を超える方は、翌年
3月15日までに国外財産調書を提出する義務が課されます。
なお、不提出や虚偽記載に対する罰則も設けられる予定ですので、忘れないように提出する必要があります。
6.来年度以降の注目すべき点
・平成25年で上場株式等の配当・譲渡の税額の減税が終了することから、課税方式の変更や損益通算範囲の拡大の検討を行う・・・減税?
・社会保険診療報酬の所得計算の見直し・・・増税
・中小企業者の法人税率の特例範囲の見直し・・・増税
・配偶者控除の見直し・・・増税
※上記内容は税制改正大綱に基づき記載しておりますが、改正案であるため内容は変わることがありますので、ご注意下さい。
出典
平成24年度 税制改正大綱 (平成23年12月10日)
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11年12月13日
知っていますか?東日本大震災の復興支援の為の「増税案」
最近、新聞・TV・インターネットなどで話題になっている増税案をまとめてみました。なお、調査期間はここ1週間(10月5日時点)です。情報の確度は最初のほうが高く、進むにつれ低くなります。採用された分だけまとめようと思いましたが、面白い考え方もありましたので、紹介もかねて掲載します。
①所得税の増税
期間:2013年1月~2022年12月 (10年間)
内容:4%の定率増税
(コメント)
4%増税の意味は納税額が本来の負担額より4%増えるということです。5%負担している人が9%の負担になるというわけではありません。たとえば、扶養がいない人で、1年間の増税分をざっくり計算してみると、
年収300万だと約7.7万の4%で、3千円アップ
年収400万だと約13万の4%で、5千円アップ
年収500万だと約21万の4%で、8千円アップ
年収1000万だと約115万の4%で、4.6万円アップとなります。
いまのところ源泉分離課税の話題は税調からはアナウンスが出ていませんが、同様に4%の増税をすると、現在の上場株式の配当に対する源泉税率10%(所得税7%、地方税3%)が10.28%(所得税7.28%、地方税3%)となり、同様に預金の利子に対する源泉税率20%(所得税15%、地方税5%)が20.6%(所得税15.6%、地方税5%)となります。
②法人税の増税
期間:2012年4月~2015年3月(3年間)
内容:法人税額に対して10%の定率増税
(コメント)
昨年決定された5%の減税は実行し、その後、減税の範囲内で税額を引き上げ、現行比でほぼプラスマイナス0となります。
③たばこ税の増税
期間(国税):2012年10月~2022年9月(10年間)
期間(地方税):2012.年10月~2017年9月(5年間)
内容:1本あたり2円(国税1円、地方税1円)
(コメント)
たばこ1箱あたりの値上げは増税分のみ値上げになるのではなく、販売減少分を補うため増税分以上に値上げされるのが慣例です。昨年10月に1本当たり3.5円上がったときは1箱約100円の値上げになりました。
④個人住民税の増税 その1
期間:2014年6月~2019年5月(5年間)
内容:個人均等割を一律500円引き上げる。
⑤個人住民税の増税 その2
期間:2013年6月~2017年5月(4年間)
内容:所得控除の見直しを実施
(所得控除の見直しの例)
・給与所得控除の上限設定(給与等の収入金額が1,500万円超の場合、給与所得控除の上限が245万円)
・23歳以上65歳未満についての成年扶養控除の廃止。
・退職所得に係る個人住民税(所得割)の額から税額の10%を控除する制度の廃止。
今回の増税案は、基本的に現役世代をターゲットにされています。また上記に記した期間は当初「最長10年」と言われていたのが、民主党の中で「10年を基本に」と言い換えられていますので、上記の期間より長くなることはあっても短くなることは無いと思われます。
また今回は消費税の増税は見送られる可能性が高いようですが、来年以降の増税に備えて温存している方向です。
あくまでも増税案の状態ですが、このうち大多数は採用されそれ以外は廃案になるでしょう。
文責:法人ソリューション部
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①所得税の増税
期間:2013年1月~2022年12月 (10年間)
内容:4%の定率増税
(コメント)
4%増税の意味は納税額が本来の負担額より4%増えるということです。5%負担している人が9%の負担になるというわけではありません。たとえば、扶養がいない人で、1年間の増税分をざっくり計算してみると、
年収300万だと約7.7万の4%で、3千円アップ
年収400万だと約13万の4%で、5千円アップ
年収500万だと約21万の4%で、8千円アップ
年収1000万だと約115万の4%で、4.6万円アップとなります。
いまのところ源泉分離課税の話題は税調からはアナウンスが出ていませんが、同様に4%の増税をすると、現在の上場株式の配当に対する源泉税率10%(所得税7%、地方税3%)が10.28%(所得税7.28%、地方税3%)となり、同様に預金の利子に対する源泉税率20%(所得税15%、地方税5%)が20.6%(所得税15.6%、地方税5%)となります。
②法人税の増税
期間:2012年4月~2015年3月(3年間)
内容:法人税額に対して10%の定率増税
(コメント)
昨年決定された5%の減税は実行し、その後、減税の範囲内で税額を引き上げ、現行比でほぼプラスマイナス0となります。
③たばこ税の増税
期間(国税):2012年10月~2022年9月(10年間)
期間(地方税):2012.年10月~2017年9月(5年間)
内容:1本あたり2円(国税1円、地方税1円)
(コメント)
たばこ1箱あたりの値上げは増税分のみ値上げになるのではなく、販売減少分を補うため増税分以上に値上げされるのが慣例です。昨年10月に1本当たり3.5円上がったときは1箱約100円の値上げになりました。
④個人住民税の増税 その1
期間:2014年6月~2019年5月(5年間)
内容:個人均等割を一律500円引き上げる。
⑤個人住民税の増税 その2
期間:2013年6月~2017年5月(4年間)
内容:所得控除の見直しを実施
(所得控除の見直しの例)
・給与所得控除の上限設定(給与等の収入金額が1,500万円超の場合、給与所得控除の上限が245万円)
・23歳以上65歳未満についての成年扶養控除の廃止。
・退職所得に係る個人住民税(所得割)の額から税額の10%を控除する制度の廃止。
今回の増税案は、基本的に現役世代をターゲットにされています。また上記に記した期間は当初「最長10年」と言われていたのが、民主党の中で「10年を基本に」と言い換えられていますので、上記の期間より長くなることはあっても短くなることは無いと思われます。
また今回は消費税の増税は見送られる可能性が高いようですが、来年以降の増税に備えて温存している方向です。
あくまでも増税案の状態ですが、このうち大多数は採用されそれ以外は廃案になるでしょう。
文責:法人ソリューション部
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11年12月12日
使用人賞与の損金算入時期について
冬季賞与の支給時期にですが、12月決算法人においては資金繰りの都合によっては、支給日が翌期の1月にずれ込んでしまう場合が想定されます。
このような場合、その賞与が損金に算入される事業年度は支給日の属する事業年度、12月決算法人でいえば翌期になってしまうのでしょうか?
答えは、一定の要件を満たせば賞与の支給を通知した日の属する事業年度の損金に算入されます。(法人税法施行令72の3)
つまり、12月決算法人の場合には一定の要件を満たして12月中に通知をすれば、その事業年度の損金に算入されます。
その一定の要件とは
1.その支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知していること
2.通知額を、その通知した全ての使用人に対し、その通知日の属する事業年度終了の日の翌日から1月以内に支払っていること
3.その通知日の属する事業年度において損金経理していること
ただし、税務調査が行われた場合には、当然これらの要件を満たしているか確認されますので、事実確認ができる書面を保存しておく事が重要です。
文責 北九州支店
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このような場合、その賞与が損金に算入される事業年度は支給日の属する事業年度、12月決算法人でいえば翌期になってしまうのでしょうか?
答えは、一定の要件を満たせば賞与の支給を通知した日の属する事業年度の損金に算入されます。(法人税法施行令72の3)
つまり、12月決算法人の場合には一定の要件を満たして12月中に通知をすれば、その事業年度の損金に算入されます。
その一定の要件とは
1.その支給額を各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知していること
2.通知額を、その通知した全ての使用人に対し、その通知日の属する事業年度終了の日の翌日から1月以内に支払っていること
3.その通知日の属する事業年度において損金経理していること
ただし、税務調査が行われた場合には、当然これらの要件を満たしているか確認されますので、事実確認ができる書面を保存しておく事が重要です。
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11年12月06日
復興増税法が成立
11月30日に東日本大震災の復興財源を賄うための復興増税法が成立しました。
1 所得税は2013年(平成25年)から所得税額の2.1%が25年間にわたり増税。
2 法人税は2012年(平成24年)4月から法人税率をいったん5%を下げて、3年に限って2.4%引き上げる、つまりは減税。
3 個人住民税の均等割りを2014年(平成26年)6月から年間1,000円を10年間に渡って増税。
ということは、個人の所得は中長期にわたり増税、法人税は減税ということになります。
法人税だけずるいのではないか?と思われるかもしれません。5%の法人税関係の実効税率を下げるというのは平成22年の12月の税制改正大綱で当初より発表されていた内容でした。ですから、東日本大震災が起きなければ成立していた可能性が高い内容でした。しかしながら、状況が変わった今、個人事業主の方は不満を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
注目すべきは、所得税は所得税額の2.1%を増額するという点です。数年前まで定率減税というのがありましたが、その増税パターンとして、申告書の1枚目の左上らへんにその計算欄ができるのではないかと考えております。
昨年までは同じお給料をもらっていた方でも、家族構成が異なれば、扶養控除の影響でかなり税額が違っていたはずです。それが今年からは子供手当ての受給に伴い扶養控除の対象枠が狭まったため、税額の差異の幅は狭まったはずです。しかし、税額の2.1%の増税とすれば再び両者の差が広がることになります。(テレビ番組で元国会議員の女性大学教授の方が吠えるかもしれません・・・。)
個人事業より法人化する方が、さらに増えるのではないかと考えております。所得税の増税期間は25年。私もこれから先、働いている間中はずっと増税期間ということになります。今年のボーナスの遣い道の1位が『貯蓄』だったという某銀行のアンケート結果もあるようです。復興することが目的であるはずなのに、日本経済の景気を悪くなるのでは?当初は4%を10年間という報道でしたが、25年も将来に負担を残して先送りすることに意味があるのか、そんなことを感じてしまった12月のはじめでした。
文責 資産税部
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1 所得税は2013年(平成25年)から所得税額の2.1%が25年間にわたり増税。
2 法人税は2012年(平成24年)4月から法人税率をいったん5%を下げて、3年に限って2.4%引き上げる、つまりは減税。
3 個人住民税の均等割りを2014年(平成26年)6月から年間1,000円を10年間に渡って増税。
ということは、個人の所得は中長期にわたり増税、法人税は減税ということになります。
法人税だけずるいのではないか?と思われるかもしれません。5%の法人税関係の実効税率を下げるというのは平成22年の12月の税制改正大綱で当初より発表されていた内容でした。ですから、東日本大震災が起きなければ成立していた可能性が高い内容でした。しかしながら、状況が変わった今、個人事業主の方は不満を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
注目すべきは、所得税は所得税額の2.1%を増額するという点です。数年前まで定率減税というのがありましたが、その増税パターンとして、申告書の1枚目の左上らへんにその計算欄ができるのではないかと考えております。
昨年までは同じお給料をもらっていた方でも、家族構成が異なれば、扶養控除の影響でかなり税額が違っていたはずです。それが今年からは子供手当ての受給に伴い扶養控除の対象枠が狭まったため、税額の差異の幅は狭まったはずです。しかし、税額の2.1%の増税とすれば再び両者の差が広がることになります。(テレビ番組で元国会議員の女性大学教授の方が吠えるかもしれません・・・。)
個人事業より法人化する方が、さらに増えるのではないかと考えております。所得税の増税期間は25年。私もこれから先、働いている間中はずっと増税期間ということになります。今年のボーナスの遣い道の1位が『貯蓄』だったという某銀行のアンケート結果もあるようです。復興することが目的であるはずなのに、日本経済の景気を悪くなるのでは?当初は4%を10年間という報道でしたが、25年も将来に負担を残して先送りすることに意味があるのか、そんなことを感じてしまった12月のはじめでした。
文責 資産税部
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11年12月02日
デリバティブ取引
これだけドル安が続きますと、デリバティブの損失を蒙っている方がたくさんいらっしゃると思います。
少し旧聞に属する話ですが、デリバティブにかかる銀行との紛争の解決方法の類型を簡単にまとめましたので、ご参考まで。
【解決方法の類型、パターン】
1)銀行と相互の和解
会社と銀行で個別に話し合います。
2)ADR(「裁判外の調停」のことです)
①全銀協(全国銀行協会相談室・あっせん委員会事務局)
銀行の団体なので、デリバティブには詳しいものの、結論が銀行寄りになる可能性があります。東京で原則1回のみの斡旋です。
②FINMAC(証券・金融あっせん相談センター)
証券会社の会員組織。そのため、まずは、銀行の話なのに、なぜFINMACに来たの?と言われる可能性があります。
ただし、地方にも出向くし、3回程度は斡旋の機会があります(つまり、銀行に対して、詳細な説明が無かった等の反論の機会があります)。
3)裁判
当然、お金、労力が掛かります。
論点は(上記の1,2でも同様ですが)
①勧誘が不適当だったのではないか
例:輸入が無い又は少ない会社に導入した)
②説明不足だったのではないか
例:株や為替取引の経験のない会社に導入した)
③商品の設計に問題があったのではないか
例:むやみにオプションがついていて商品の理解ができない)
④導入するよう圧力をかけたのではないか
例:同時期に融資の話があった)
です。
【決着】
通常のケースは、「お互い負担し合う」ということで決着します。(当然その負担割合は、上記の導入の経緯等により異なります)
【最終的な決済方法】
例えば、2億円の含み損があって、銀行1億円、会社1億円の負担になると、その場で、「会社から1億円の精算金を支払って」全てが終了です。
(会社から見ると、今後例えば3年間で2億円の負担=支払が必要なところ、1億円の支払で済んだということになります)
なお、税務的には、今期は、①戻入益2億円(評価損2億円を前期に計上しているため)、
②精算金の支払=特別損失1億円となり、その結果、今期には1億円の益が出ますのでその対策も必要です。
(なお、支払う1億円を、その銀行から借りたりするケースすらあるようです)
本件は、一般的に判りやすいように書きましたので厳密性に欠ける部分があるかと思います。
弊社では、私が元銀行員であった等の事情によりデリバティブの紛争の仲介は致しませんが、仲介の専門会社の紹介をすることは可能です。お困りの方、ご興味のある方は、弊社(代表電話092-474-7797)事業承継部 望月教生までご連絡ください。
(なお、デリバティブ取引の概要等につきましては、本ブログの2008年4月7日「デリバティブ取引についてvol.1」、2008年4月10日「デリバティブ取引についてvol.2」をご覧ください。)
文責:事業承継部
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少し旧聞に属する話ですが、デリバティブにかかる銀行との紛争の解決方法の類型を簡単にまとめましたので、ご参考まで。
【解決方法の類型、パターン】
1)銀行と相互の和解
会社と銀行で個別に話し合います。
2)ADR(「裁判外の調停」のことです)
①全銀協(全国銀行協会相談室・あっせん委員会事務局)
銀行の団体なので、デリバティブには詳しいものの、結論が銀行寄りになる可能性があります。東京で原則1回のみの斡旋です。
②FINMAC(証券・金融あっせん相談センター)
証券会社の会員組織。そのため、まずは、銀行の話なのに、なぜFINMACに来たの?と言われる可能性があります。
ただし、地方にも出向くし、3回程度は斡旋の機会があります(つまり、銀行に対して、詳細な説明が無かった等の反論の機会があります)。
3)裁判
当然、お金、労力が掛かります。
論点は(上記の1,2でも同様ですが)
①勧誘が不適当だったのではないか
例:輸入が無い又は少ない会社に導入した)
②説明不足だったのではないか
例:株や為替取引の経験のない会社に導入した)
③商品の設計に問題があったのではないか
例:むやみにオプションがついていて商品の理解ができない)
④導入するよう圧力をかけたのではないか
例:同時期に融資の話があった)
です。
【決着】
通常のケースは、「お互い負担し合う」ということで決着します。(当然その負担割合は、上記の導入の経緯等により異なります)
【最終的な決済方法】
例えば、2億円の含み損があって、銀行1億円、会社1億円の負担になると、その場で、「会社から1億円の精算金を支払って」全てが終了です。
(会社から見ると、今後例えば3年間で2億円の負担=支払が必要なところ、1億円の支払で済んだということになります)
なお、税務的には、今期は、①戻入益2億円(評価損2億円を前期に計上しているため)、
②精算金の支払=特別損失1億円となり、その結果、今期には1億円の益が出ますのでその対策も必要です。
(なお、支払う1億円を、その銀行から借りたりするケースすらあるようです)
本件は、一般的に判りやすいように書きましたので厳密性に欠ける部分があるかと思います。
弊社では、私が元銀行員であった等の事情によりデリバティブの紛争の仲介は致しませんが、仲介の専門会社の紹介をすることは可能です。お困りの方、ご興味のある方は、弊社(代表電話092-474-7797)事業承継部 望月教生までご連絡ください。
(なお、デリバティブ取引の概要等につきましては、本ブログの2008年4月7日「デリバティブ取引についてvol.1」、2008年4月10日「デリバティブ取引についてvol.2」をご覧ください。)
文責:事業承継部
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