企業におけるメンタルヘルス対策の重要性を最近よく耳にするようになりました。また、政府労災の加入だけでは不安を感じたり、お付き合いのある損害保険代理店などから提案を受け、上乗せの労災保険に加入されている皆様がほとんどだと思います。

では、労災認定された①「うつ病等による過労自殺」や、②「心筋梗塞・脳梗塞などによる過労死」や、③天災(地震等)による死亡・怪我は上乗せ労災の支払対象となるのでしょうか?損害保険契約時に行われた説明はいざ知らず、実際にこのような事故があったら、真っ先に代理店の担当者に確認しませんか?

残念ながら答えは、①、②は対象外、③は特約を付けなければ支払対象外となります。①、②は、頻繁にニュースや新聞で取り上げられており、③に至っては昨年の東日本大震災の記憶が生々しく蘇ります。これほど身近で同じ労働災害にもかかわらず、上乗せの労災保険では支払対象とならないなんて、意外だとは思いませんか?

統計によると、不幸にも自殺した労働者数は年間約1万人を超える勢いです。また、精神疾患で医療機関を受診している患者数は国民の45人に1人の割合に上り、精神疾患に伴う労災の申請件数は、年間1,200件にも及ぶそうです。当然、精神疾患の疾病費用は、年間3兆9,000億円を超えるほど高騰しています。こうした精神疾患の社会的コストの増大に対して、国が抑制に向けて本格的に動き出しました。例えば、2020年迄の目標として、「事業規模に関係なく、全ての企業がメンタルヘルス対策を実施する」ことなどが、その一例です。昨年12月、うつ病などの精神障害の(労災)認定基準が分かりやすく改正され、平成20年には「使用者は、労働者の生命や身体などの安全が確
保されるように配慮するものとする」といった、「安全配慮義務」が明文化されました。

では、企業(経営者)にとって一番怖いものはなんでしょうか?勿論、業務災害の発生自体が、既に恐ろしいことは言うまでもありませんが、「労働者保護意識の拡大」と「労働者意識の変化(権利意識の高揚)」によって、正当な損害賠償額を求めて、民事訴訟になる事案が増大しているという事実です。

ところが、訴訟になる前にできるだけ早期に会社の誠意として準備(上乗せ保険で)していたはずの「一時金」が支払われないなんて・・・示談のテーブルにも着けない、悪夢を見るようです。

さて、傷害保険の死亡保険金額を設定する際、何を基準になさっていますか?そうです、死亡保険金は、「示談」するための原資なのです。慰謝料基準と同等額に設定するのが好ましいのですが、いくら必要かご存知ですか?

文責:株式会社 プロネットインシュア
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