08年02月21日
税理士の将来像 -税理士の将来像とは-
(1)関与先と共に悩み考える税理士
(2)誠実、謙虚さを忘れず、職業倫理観及び順法精神の意志の強い税理士
(3)一人(税理士兼事業主)でやることの限界を痛感し、得意分野を複数持っている税理士
(4)組織の総合力のなかで活躍する他の税理士にない強い分野を持つ税理士
・相続や事業承継に強い税理士
・コンピュータにも強い税理士
・合法的節税に強い税理士
・М&Aや企業再編税制に強い税理士
・企業内部の会計や組織の改革に強い税理士
・病院、МS法人公益法人等の特殊税務に強い税理士
(5)税務調査や税務訴訟に特別強い税理士
最近の調査傾向として、調査官が調査と、その報告を 統括官にし、最終判断を税務署内部の審議官が下すという仕組みになっている。法律と交渉、通達解釈、判例交渉、最終交渉など、税法関連法だけでなく、憲法や民法判断、企業実態判断、経営者の納税意識など幅広い深い知恵の習得と実践を積み交渉力・説得力を磨き続けられる税理士
(6)業績向上指導に強みを持つ税理士
・財務、資金繰り対策に強い税理士及び銀行交渉能力の強い税理士
・経営分析や経営計画策定及び指導或いは将来の顧客の業界予測などに基づく、先見性と提案指導力のある税理士
・企業を本当に儲けさせる税理士(最も歓迎される税理士)
・(節税等は専門で安心を与えられる税理士「究極は企業を儲けさせられればその人が先生である」)
・自分で他の分野の基礎の基礎をマスターし、士業のネットワークを持っている税理士(一人ではすべてはできないと諦めて)
・本当に真の法律家であると同時に人心に厚い税理士
(7)企業の本当に役立つ(お客の要求を満たせる)税理士
・企業の難問や課題解決指導ができる税理士
・企業にいろいろ提案できて指導できる税理士
・企業の経営者や後継者等育成に影響を与えられる税理士
・企業の発展に重大な影響を与えられる税理士
・自分の志及び世の中の要求する税理士像を強くイメージしてその目標に邁進する。顧客の需要にこたえられる税理士
・会計人の職業倫理観を磨いた税理士(ポジティブな税理士)
・新しいものに企業とともに挑戦する税理士(環境適用型税理士)
結論としては、21世紀において、わが税理士界は、ワン・ストップ・ソリューションは避けて通れず、税理士が独立して専門職サービスを提供するには、高度の倫理基準をもつ税務の専門職として確固たる地位が必要であり、税理士倫理規則等の職業倫理の確立を急ぐ必要がある。まさに、税理士や税理士会が税務の専門職市場の中で専門職の分立ルールを主張し、他の専門職と共生し、高水準の税理士サービス・スタンダードを確立できるかどうかにかかっている。公認会計士や弁護士の大幅増員が現実のものとなりつつある。こうした中、税理士界が、簡易監査、法廷陳述権いや訴訟代理権だと、徒に職業拡大に奔走するのではなく、むしろ高いスタンダードを定め、税務の専門職として特化する道を優先すべきではなかろうか。
弁護士や公認会計士が量産されれば、逆に一流を目指す税理士にとってワン・ストップ・ソリューションのコンセプトで現在の政府が進めようとしている総合法律経済事務所構想には多少違うが、税理士事務所が中心となり、多専門職共同事務所を開設し、運営し彼らを使って大きく羽ばたけるチャンスがやってきています。弁護士、公認会計士を雇える時代が到来しようとしているのではないだろうか。税理士法人も現在の合名会社から株式会社へ移行し、新時代の要請と優秀な税理士の登用、そして企業として運営できる組織体へと変化が期待できそうである。公認会計士、監査法人はすでにその道を経験している。
将来の税理士像及び生き残れる税理士は、税理士や課税庁が主役ではなく、確実に納税者・企業が主役となる形での税理士像、つまり、広く「国民・納税者に開かれた税理士像」が求められるであろうと確信する。
今日、好むと好まざるとに関わらず、あらゆる分野において市場原理の徹底が求められてきています。スーパーマーケットや量産店で、消費者として市場競争の恩恵に浴する一方で、税理士サービスに対し政府規制を求める或いは規制緩和を求める自己矛盾との葛藤、戦いの時代のようにも見えます。また、税理士制度が公認会計士制度に吸収された場合でも、税理士としての専門職は世の中から益々要請され、需要は増大するものと予想する。
このような、時代普遍の要請に応え得る税理士こそ将来、未来の税理士像ではないだろうか。これに備え、一人ひとりの税理士が、現状に甘んじず、日々謙虚に研鑽を積むことこそが、社会貢献の第一歩ではないだろうか。世の中はこのような税理士を望んでいると思っているのは私だけだろうか。・・・
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(2)誠実、謙虚さを忘れず、職業倫理観及び順法精神の意志の強い税理士
(3)一人(税理士兼事業主)でやることの限界を痛感し、得意分野を複数持っている税理士
(4)組織の総合力のなかで活躍する他の税理士にない強い分野を持つ税理士
・相続や事業承継に強い税理士
・コンピュータにも強い税理士
・合法的節税に強い税理士
・М&Aや企業再編税制に強い税理士
・企業内部の会計や組織の改革に強い税理士
・病院、МS法人公益法人等の特殊税務に強い税理士
(5)税務調査や税務訴訟に特別強い税理士
最近の調査傾向として、調査官が調査と、その報告を 統括官にし、最終判断を税務署内部の審議官が下すという仕組みになっている。法律と交渉、通達解釈、判例交渉、最終交渉など、税法関連法だけでなく、憲法や民法判断、企業実態判断、経営者の納税意識など幅広い深い知恵の習得と実践を積み交渉力・説得力を磨き続けられる税理士
(6)業績向上指導に強みを持つ税理士
・財務、資金繰り対策に強い税理士及び銀行交渉能力の強い税理士
・経営分析や経営計画策定及び指導或いは将来の顧客の業界予測などに基づく、先見性と提案指導力のある税理士
・企業を本当に儲けさせる税理士(最も歓迎される税理士)
・(節税等は専門で安心を与えられる税理士「究極は企業を儲けさせられればその人が先生である」)
・自分で他の分野の基礎の基礎をマスターし、士業のネットワークを持っている税理士(一人ではすべてはできないと諦めて)
・本当に真の法律家であると同時に人心に厚い税理士
(7)企業の本当に役立つ(お客の要求を満たせる)税理士
・企業の難問や課題解決指導ができる税理士
・企業にいろいろ提案できて指導できる税理士
・企業の経営者や後継者等育成に影響を与えられる税理士
・企業の発展に重大な影響を与えられる税理士
・自分の志及び世の中の要求する税理士像を強くイメージしてその目標に邁進する。顧客の需要にこたえられる税理士
・会計人の職業倫理観を磨いた税理士(ポジティブな税理士)
・新しいものに企業とともに挑戦する税理士(環境適用型税理士)
結論としては、21世紀において、わが税理士界は、ワン・ストップ・ソリューションは避けて通れず、税理士が独立して専門職サービスを提供するには、高度の倫理基準をもつ税務の専門職として確固たる地位が必要であり、税理士倫理規則等の職業倫理の確立を急ぐ必要がある。まさに、税理士や税理士会が税務の専門職市場の中で専門職の分立ルールを主張し、他の専門職と共生し、高水準の税理士サービス・スタンダードを確立できるかどうかにかかっている。公認会計士や弁護士の大幅増員が現実のものとなりつつある。こうした中、税理士界が、簡易監査、法廷陳述権いや訴訟代理権だと、徒に職業拡大に奔走するのではなく、むしろ高いスタンダードを定め、税務の専門職として特化する道を優先すべきではなかろうか。
弁護士や公認会計士が量産されれば、逆に一流を目指す税理士にとってワン・ストップ・ソリューションのコンセプトで現在の政府が進めようとしている総合法律経済事務所構想には多少違うが、税理士事務所が中心となり、多専門職共同事務所を開設し、運営し彼らを使って大きく羽ばたけるチャンスがやってきています。弁護士、公認会計士を雇える時代が到来しようとしているのではないだろうか。税理士法人も現在の合名会社から株式会社へ移行し、新時代の要請と優秀な税理士の登用、そして企業として運営できる組織体へと変化が期待できそうである。公認会計士、監査法人はすでにその道を経験している。
将来の税理士像及び生き残れる税理士は、税理士や課税庁が主役ではなく、確実に納税者・企業が主役となる形での税理士像、つまり、広く「国民・納税者に開かれた税理士像」が求められるであろうと確信する。
今日、好むと好まざるとに関わらず、あらゆる分野において市場原理の徹底が求められてきています。スーパーマーケットや量産店で、消費者として市場競争の恩恵に浴する一方で、税理士サービスに対し政府規制を求める或いは規制緩和を求める自己矛盾との葛藤、戦いの時代のようにも見えます。また、税理士制度が公認会計士制度に吸収された場合でも、税理士としての専門職は世の中から益々要請され、需要は増大するものと予想する。
このような、時代普遍の要請に応え得る税理士こそ将来、未来の税理士像ではないだろうか。これに備え、一人ひとりの税理士が、現状に甘んじず、日々謙虚に研鑽を積むことこそが、社会貢献の第一歩ではないだろうか。世の中はこのような税理士を望んでいると思っているのは私だけだろうか。・・・
文責:企業部
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08年02月18日
税理士の将来像 -各士業改正の動向における今後の方向性-
1弁護士法改正の動向
弁護士法改正については、上記第3章のとおりであり、現在は進捗していないが、今後この構想がもっと進むかどうかわからない状況である。
2公認会計士法改正の動向
税理士とは一番関係が深く、業際が未だに不明確であり、今後は公認会計士法、税理士法の両方が改正している状況である。その事象としては、税理士会が公認会計士協会に建議書として、提出している事項がある。
ところで、改正公認会計士法については、以下のとおりである。
(1)平成18年4月1日施行改正公認会計士法
主な内容
A.監査人の独立性強化への対応
1)大会社等への監査証明業務と非監査業務の同時提供の禁止
公認会計士(監査法人含む。以下同じ)が、大会社等から内閣政令で定める非監査証明業務により継続的報酬を受けている場合には、当該大会社に対して監査証明業務を行うことを禁止する。
2)公認会計士の同一の大会社等に対する継続的監査の制限(いわゆるローテーション)
ア)公認会計士が、七会計期間以内の政令で定める期間継続して同一の大会社等に対して監査関連業務を行った場合には、政令で定める会計期間、当該大会社等に対して監査関連業務を行うことを禁止することとする。
イ)公認会計士は、大会社等に対する監査証明業務を行うときは、他の公認会計士等と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用しなければならないこととする。
3)公認会計士の就職制限
が導入された。また、非監査会社との経済的又は身分的独立性の関係に関する規制の見直しも行われ、非監査会社等の株式保有又は出資の全面禁止などの措置が講じられた。
B.公認会計士・監査審議会によるモニタリング
これまで協会が自主規制として行ってきた品質管理レビューの実効性を高めるため、「公認会計士・監査審議会」が協会の品質レビューをモニタリングしていくという制度が新設導入された。
公認会計士・監査審査会がモニタリングした結果、公益又は投資家保護のため必要かつ適当であると認められるときは監査事務所への立入検査が実施され、適正な運営を確保する必要があると認められる場合には、事務・業務の改善の指示が出されることになる。
C.指定社員制度の導入
1)監査法人は、特定の証明について、業務を担当する社員を指定することができる。
2)指定された証明(以下「指定証明」という。)については、指定を受けた社員(以下「指定社員」という)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負うとともに、監査法人を代表することとする。
3)指定証明に関し非監査会社等に対して負担することとなった監査法人の債務をその監査法人の財産をもって完済することができないときは、指定社員のみが無限連帯責任を負うこととする。
D.特定の事項についての業務の制限
監査法人の関与社員が関与した会社等の役員等に就任した場合には、当該監査法人はその翌会計期間まで当該会社に対して監査業務を行ってはならないこととする。
(2)公認会計士法再改正の動向と税理士の将来像への影響
上記(1)?1)の大会社等への監査業務と非監査業務の同時提供の禁止について、JSOX法 が公認会計士法の再改正に影響し、従来監査法人が担当されていた税務やコンサルティング業務は税理士が担うことになった(※1) 。
このことは、今後において公認会計士と税理士の会計や税務についての役割分担が明確になり、税理士の活躍できる分野が、中小企業の会計・税務・コンサルティング業務等の従来業務に加え、大企業等の税務業務等に広がったことを意味し、研鑽する分野が増えると共に税理士が大会社の税務顧問として活躍できることとなり、税理士像が一変するであろう。
※1:仁木安一編「TKC9?416 平成19年9月号」TKC p17。
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弁護士法改正については、上記第3章のとおりであり、現在は進捗していないが、今後この構想がもっと進むかどうかわからない状況である。
2公認会計士法改正の動向
税理士とは一番関係が深く、業際が未だに不明確であり、今後は公認会計士法、税理士法の両方が改正している状況である。その事象としては、税理士会が公認会計士協会に建議書として、提出している事項がある。
ところで、改正公認会計士法については、以下のとおりである。
(1)平成18年4月1日施行改正公認会計士法
主な内容
A.監査人の独立性強化への対応
1)大会社等への監査証明業務と非監査業務の同時提供の禁止
公認会計士(監査法人含む。以下同じ)が、大会社等から内閣政令で定める非監査証明業務により継続的報酬を受けている場合には、当該大会社に対して監査証明業務を行うことを禁止する。
2)公認会計士の同一の大会社等に対する継続的監査の制限(いわゆるローテーション)
ア)公認会計士が、七会計期間以内の政令で定める期間継続して同一の大会社等に対して監査関連業務を行った場合には、政令で定める会計期間、当該大会社等に対して監査関連業務を行うことを禁止することとする。
イ)公認会計士は、大会社等に対する監査証明業務を行うときは、他の公認会計士等と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用しなければならないこととする。
3)公認会計士の就職制限
が導入された。また、非監査会社との経済的又は身分的独立性の関係に関する規制の見直しも行われ、非監査会社等の株式保有又は出資の全面禁止などの措置が講じられた。
B.公認会計士・監査審議会によるモニタリング
これまで協会が自主規制として行ってきた品質管理レビューの実効性を高めるため、「公認会計士・監査審議会」が協会の品質レビューをモニタリングしていくという制度が新設導入された。
公認会計士・監査審査会がモニタリングした結果、公益又は投資家保護のため必要かつ適当であると認められるときは監査事務所への立入検査が実施され、適正な運営を確保する必要があると認められる場合には、事務・業務の改善の指示が出されることになる。
C.指定社員制度の導入
1)監査法人は、特定の証明について、業務を担当する社員を指定することができる。
2)指定された証明(以下「指定証明」という。)については、指定を受けた社員(以下「指定社員」という)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負うとともに、監査法人を代表することとする。
3)指定証明に関し非監査会社等に対して負担することとなった監査法人の債務をその監査法人の財産をもって完済することができないときは、指定社員のみが無限連帯責任を負うこととする。
D.特定の事項についての業務の制限
監査法人の関与社員が関与した会社等の役員等に就任した場合には、当該監査法人はその翌会計期間まで当該会社に対して監査業務を行ってはならないこととする。
(2)公認会計士法再改正の動向と税理士の将来像への影響
上記(1)?1)の大会社等への監査業務と非監査業務の同時提供の禁止について、JSOX法 が公認会計士法の再改正に影響し、従来監査法人が担当されていた税務やコンサルティング業務は税理士が担うことになった(※1) 。
このことは、今後において公認会計士と税理士の会計や税務についての役割分担が明確になり、税理士の活躍できる分野が、中小企業の会計・税務・コンサルティング業務等の従来業務に加え、大企業等の税務業務等に広がったことを意味し、研鑽する分野が増えると共に税理士が大会社の税務顧問として活躍できることとなり、税理士像が一変するであろう。
※1:仁木安一編「TKC9?416 平成19年9月号」TKC p17。
文責:企業部
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08年02月14日
税理士の将来像 -日本政府の総合法律経済事務所構想と税理士像-
わが国では、規制緩和の一環として、かねてから弁護士、公認会計士、税理士、弁理士など多様な専門職が収支を共にし、共同でサービスを提供し、事務所経営に当たることになる。いわば、専門職(自由職業)サービスの総合病院といったところであろう。これをワン・ストップ・プロサービスのコンセプトの元で考えられる仕組みです。これを国が推し進めているが、現在は、この構想が中断している。理由は、カネボウやライブドア事件が発生し、諸外国でもエンロン事件発生後に公認会計士の業界にも異変が起こり、日本の公認会計士のあり方が優先事項となり、公認会計士法が改正されたが、再度改正が持ち上がっている。
弁護士のあり方
ポイント1 政府の司法制度改革において、「弁護士のあり方」の中において、第3の弁護士と隣接法律専門職種等との関係・・・。
ポイント2 その例として、平成13年税理士法改正における税理士が租税に関する訴訟において補佐人として弁護士とともに出頭し陳述することができる制度の創設。
ポイント3 士業の中の地位の序列がはっきりしたこと。
結論としては、端的にいれば、各士業の中で一番中心的士業は、弁護士であり、規制緩和それを推進しているかのような各士業の法律改正を推し進めている。
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弁護士のあり方
ポイント1 政府の司法制度改革において、「弁護士のあり方」の中において、第3の弁護士と隣接法律専門職種等との関係・・・。
ポイント2 その例として、平成13年税理士法改正における税理士が租税に関する訴訟において補佐人として弁護士とともに出頭し陳述することができる制度の創設。
ポイント3 士業の中の地位の序列がはっきりしたこと。
結論としては、端的にいれば、各士業の中で一番中心的士業は、弁護士であり、規制緩和それを推進しているかのような各士業の法律改正を推し進めている。
文責:企業部
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08年02月07日
税理士の将来像 -税理士事務所の経営の現状と税理士の位置づけ-
1.税理士事務所の現状
(1)経営組織形態類型
税理士事務所を分析すると以下の類型が存在する。
A.総合事務所型(大学病院をイメージ)
・一般税務会計中心の指導
・税目ごとの専門家の指導及び古典的税務指導
・税以外の総合コンサルティング(人事コンサルティング、業績向上コンサルティング、管理会計的経営計画策定コンサルティングなど)
・節税指導及び特殊税務指導
・企業再編提案型コンサルティング
・大企業及びその子会社の税務会計指導(改正公認会計士法関連)
及び前掲の現在の税理士事務所の仕事
B.専門特化型(小児科、脳外科、心理カウンセラー、長期滞在型病院などをイメージ)
・合併等企業再編チームなど特殊分野関与先
・病院中心関与先
・一般法人関与先中心
・経理代行(派遣型)中心
・人事コンサルティング中心
・特殊な業界関与先中心
C.従来型(経理代行型中心「古典的」)(小さい個人内科医院をイメージ)
・一般企業中心
・開業税理士1人と内勤事務員で対応する。
・対応できる税務会計分野が限定される。
(2)電子申告及びコンピュータ会計普及
A.自主申告納税制度と電子申告やインターネット会計等の現状
1)自主申告納税の法人税(法人の決算申告)、所得税(確定申告)の現状
・自主的に法人自体が決算書・内訳書・申告書その他税務署に提出する書類を完成させ、税理士がチェックのみをしている先の推定比率2%から5%
・税理士を介さず自主的に決算申告書を作成及び提出していると推定比率1%
・インターネット会計の普及率10%程度
・自計化(関与先にパソコン会計があり自前で会計データを入力し、試算表等を出力している)先比率90%
・経理代行先比率10%程度(税理士事務所や行政書士事務所や記帳代行会社へ委託している先)
2)インターネット会計の普及の現状
・普及率10%程度
・関与先の会計パソコンを税理士事務所側からすべて観れる、修正できたりできて、訪問せずに会計等指導できる。
・会計事務所の社員等が在宅勤務可能(フレックスタイム制等の雇用形態の変化)
3)電子申告の現状
・現在の普及率は法人では5%、個人10%
・現在の法人の電子申告の現況としては、関与先社長が会計事務所へこられて、会計事務所で作成した決算書申告書等に電子サインをして、税務署へ伝送し、申告終了としている。
この形態のデメリットは、個人の確定申告については、事業主が税理士事務所に来て、電子署名をしなければならない。また、電子申告できるものとして、所得税申告書や法人税申告書、決算書、内訳書などで、地方税申告書は一部の地方のみであるので出来ないものが混在する。メリットは、紙で提出しなくてよいということである。
B.電子申告普及と税理士の関与形態の変化
1)電子申告の普及が進むと、自主申告納税制度が原則であるため、税理士の関与先への影響力が低下する。
2)税理士の関与形態と顧問報酬の変化が予想される。
・関与先企業のコンピュータ会計・電子申告対応型
・事務所のコンピュータ会計・電子申告対応型
・経理代行で会計事務所コンピュータ会計・電子申告対応型
・インターネット会計・電子申告対応型
・それらの混合型
3)直接訪問が少なくなり、直接コミュニケーションが不足し、トラブル等が多発しそうであろう。
4)税理士の差別化が進む。
5)税理士不要論の機運が強まるであろう。
2.税理士事務所における税理士の位置づけ
(1)開業税理士は、税理士事務所を設置して、納税者との委嘱契約に基づいて業務を行うこととされており、この事務所は開業税理士1人につき1事務所に限られている。社員税理士及び補助税理士は事務所を設けてはならない。
(2)経営者としての開業税理士や社員税理士(税理士法人の社員)は、企業経営者と同様である立場と得意分野を持つ税理士としての両方の活躍が出来る。
(3)開業税理士の勤務税理士としての補助税理士は、得意分野をもつ専門家税理士として活躍できる。
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(1)経営組織形態類型
税理士事務所を分析すると以下の類型が存在する。
A.総合事務所型(大学病院をイメージ)
・一般税務会計中心の指導
・税目ごとの専門家の指導及び古典的税務指導
・税以外の総合コンサルティング(人事コンサルティング、業績向上コンサルティング、管理会計的経営計画策定コンサルティングなど)
・節税指導及び特殊税務指導
・企業再編提案型コンサルティング
・大企業及びその子会社の税務会計指導(改正公認会計士法関連)
及び前掲の現在の税理士事務所の仕事
B.専門特化型(小児科、脳外科、心理カウンセラー、長期滞在型病院などをイメージ)
・合併等企業再編チームなど特殊分野関与先
・病院中心関与先
・一般法人関与先中心
・経理代行(派遣型)中心
・人事コンサルティング中心
・特殊な業界関与先中心
C.従来型(経理代行型中心「古典的」)(小さい個人内科医院をイメージ)
・一般企業中心
・開業税理士1人と内勤事務員で対応する。
・対応できる税務会計分野が限定される。
(2)電子申告及びコンピュータ会計普及
A.自主申告納税制度と電子申告やインターネット会計等の現状
1)自主申告納税の法人税(法人の決算申告)、所得税(確定申告)の現状
・自主的に法人自体が決算書・内訳書・申告書その他税務署に提出する書類を完成させ、税理士がチェックのみをしている先の推定比率2%から5%
・税理士を介さず自主的に決算申告書を作成及び提出していると推定比率1%
・インターネット会計の普及率10%程度
・自計化(関与先にパソコン会計があり自前で会計データを入力し、試算表等を出力している)先比率90%
・経理代行先比率10%程度(税理士事務所や行政書士事務所や記帳代行会社へ委託している先)
2)インターネット会計の普及の現状
・普及率10%程度
・関与先の会計パソコンを税理士事務所側からすべて観れる、修正できたりできて、訪問せずに会計等指導できる。
・会計事務所の社員等が在宅勤務可能(フレックスタイム制等の雇用形態の変化)
3)電子申告の現状
・現在の普及率は法人では5%、個人10%
・現在の法人の電子申告の現況としては、関与先社長が会計事務所へこられて、会計事務所で作成した決算書申告書等に電子サインをして、税務署へ伝送し、申告終了としている。
この形態のデメリットは、個人の確定申告については、事業主が税理士事務所に来て、電子署名をしなければならない。また、電子申告できるものとして、所得税申告書や法人税申告書、決算書、内訳書などで、地方税申告書は一部の地方のみであるので出来ないものが混在する。メリットは、紙で提出しなくてよいということである。
B.電子申告普及と税理士の関与形態の変化
1)電子申告の普及が進むと、自主申告納税制度が原則であるため、税理士の関与先への影響力が低下する。
2)税理士の関与形態と顧問報酬の変化が予想される。
・関与先企業のコンピュータ会計・電子申告対応型
・事務所のコンピュータ会計・電子申告対応型
・経理代行で会計事務所コンピュータ会計・電子申告対応型
・インターネット会計・電子申告対応型
・それらの混合型
3)直接訪問が少なくなり、直接コミュニケーションが不足し、トラブル等が多発しそうであろう。
4)税理士の差別化が進む。
5)税理士不要論の機運が強まるであろう。
2.税理士事務所における税理士の位置づけ
(1)開業税理士は、税理士事務所を設置して、納税者との委嘱契約に基づいて業務を行うこととされており、この事務所は開業税理士1人につき1事務所に限られている。社員税理士及び補助税理士は事務所を設けてはならない。
(2)経営者としての開業税理士や社員税理士(税理士法人の社員)は、企業経営者と同様である立場と得意分野を持つ税理士としての両方の活躍が出来る。
(3)開業税理士の勤務税理士としての補助税理士は、得意分野をもつ専門家税理士として活躍できる。
文責:企業部
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08年02月04日
税理士の将来像 -税理士制度の方向性と税理士像2-
2.税理士制度の重要事項
(1)税理士の将来像に影響する条文について
税理士法抜粋
(税理士の使命)
第1条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
(建議権)
第49条の11 税理士会は、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。
第49条の15 ・・・第49条の11の規定は、日本税理士会連合会について準用する。
第1条については、日本政府から認められた独占業務であり、法律で税理士の地位が守られている、とともに、49条については、税理士会を通じて、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、財務省(国税庁)に建議し、又は諮問に答申できるとしている。これは、税理士制度については、建議できるが、国会で改定、存続、廃止ができるということでもある。
3.税理士の理想像と税理士事業
税理士は、税理士法に限定列挙された業務を行っていれば、日本政府の税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、業務遂行すれば理想論としては、税理士としての使命は少なかれ全うされるが、サービス業としての事業としては甚だ疑問がある。それは、報酬は顧客からしかもたらされないからである。また、税理士の独占業務が縮小されたり、廃止された場合、又は自主申告納税方式のとおり顧客が自分で処理できる時代が到来すれば、税理士の入り込む余地はきわめて狭い分野となり、専門家としては成り立つが、事業としては存続が危ぶまれるであろう。そうした場合に、税理士の使命という理想と税理士事業としての現実がずれていくのではないだろうか。税理士像としては、顧客の信頼にこたえて行ける専門家であり、事業家でなければならないであろう。また、税理士の独占業務が限定されたり、狭められたとしても活躍できる税理士に自ら研鑽を積むことこそ本来の税理士の姿ではないだろうか。なお、他の士業との業際については、弁護士法改正、公認会計士法改正、司法書士法改正、社会保険労務士改正等により、垣根が重なってきている。事実、社会保険労務士業界とは、会同士で協定を結んでいるほどである。特に注目すべきは、平成19年3月14日に公認会計士法改正案閣議決定され、公認会計士と税理士の独占業務にメスを入れています(SOX法の影響)。
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(1)税理士の将来像に影響する条文について
税理士法抜粋
(税理士の使命)
第1条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
(建議権)
第49条の11 税理士会は、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、権限のある官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。
第49条の15 ・・・第49条の11の規定は、日本税理士会連合会について準用する。
第1条については、日本政府から認められた独占業務であり、法律で税理士の地位が守られている、とともに、49条については、税理士会を通じて、税務行政その他租税又は税理士に関する制度について、財務省(国税庁)に建議し、又は諮問に答申できるとしている。これは、税理士制度については、建議できるが、国会で改定、存続、廃止ができるということでもある。
3.税理士の理想像と税理士事業
税理士は、税理士法に限定列挙された業務を行っていれば、日本政府の税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、業務遂行すれば理想論としては、税理士としての使命は少なかれ全うされるが、サービス業としての事業としては甚だ疑問がある。それは、報酬は顧客からしかもたらされないからである。また、税理士の独占業務が縮小されたり、廃止された場合、又は自主申告納税方式のとおり顧客が自分で処理できる時代が到来すれば、税理士の入り込む余地はきわめて狭い分野となり、専門家としては成り立つが、事業としては存続が危ぶまれるであろう。そうした場合に、税理士の使命という理想と税理士事業としての現実がずれていくのではないだろうか。税理士像としては、顧客の信頼にこたえて行ける専門家であり、事業家でなければならないであろう。また、税理士の独占業務が限定されたり、狭められたとしても活躍できる税理士に自ら研鑽を積むことこそ本来の税理士の姿ではないだろうか。なお、他の士業との業際については、弁護士法改正、公認会計士法改正、司法書士法改正、社会保険労務士改正等により、垣根が重なってきている。事実、社会保険労務士業界とは、会同士で協定を結んでいるほどである。特に注目すべきは、平成19年3月14日に公認会計士法改正案閣議決定され、公認会計士と税理士の独占業務にメスを入れています(SOX法の影響)。
文責:企業部
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