ここ数年、消費者金融業界は激震に見舞われている。

指定情報機関が設立され今後、新規貸付が制限されることもそうだが、「過払い金訴訟」が全国で相次いでいるからである。
今や青息吐息の状態で、大手であっても油断ならない状況である。

その一方、消費者ローンの利用者にも障害が予想される。
前にも触れたが、本年度6月に指定情報機関が設立される見通しだ。
指定情報機関制度への対応として、消費者金融系の情報機関「全情連加盟情報センター」が4月より?テラネットへ事業承継される。
消費者ローンの利用者約2000万人の内、約半数が総量規制に引っかかるといわれており、貸しはがしに合う恐れがある。


06年1月、消費者金融「過払い金訴訟」、グレーゾーン金利を巡る最高裁判判決で、それまで消費者金融に認められていたグレーゾーン金利(出資法の上限金利29.2%)を認めず、利息制限法(金利15%〜20%)にするという判決となった。
これにより、全国で利息制限法を上回り支払いしていた超過分の返還を求める「過払い金返還訴訟」が急増した。
その年の12月には国会で上限金利を利息制限法に一本化する改正貸金業法が成立された。

これまで貸金業者が返還した過払い金返還額は、実に約1兆5千億円に上がるという。
10年とされてきた時効も、今年1月の最高裁判決では時効を認めないとの判決も出ており
今後は過去に遡って請求が行われるだろう。まさに泥沼化した状況といえる。

長年、消費者金融を利用してきた人などは、返還額が数百万になる人も珍しくない。

巷には、手間もそれほどかからず、報酬額もいい、過払い返還の客を見つけようと弁護士、司法書士の広告が溢れている。
かつていたるところで見かけた消費者金融の広告に代わり、今や弁護士、司法書士の広告が増えている。
取立てが批判されてきた消費者金融が、今や厳しく取り立てられている。
なんとも皮肉な話である。


●過払い金返還は、金融会社が潰れたら当然請求出来ない。
返還を考えている方は、対象となる金融会社が営業しているうちに請求しないと手遅れとなる。
※今年2月には事業者向け金融大手SFCGが経営圧迫で破綻など、倒産が相次いでいる。

●返還交渉には弁護士、司法書士に依頼となるが、
通常返還額の20%前後を報酬として支払う。
良心的な弁護士は10%というところもある。
※中には首を傾げたくなる位、法外な料金を請求されたり、過払い金を搾取されたケースもある。ネット上に無償で出回っている計算ソフトで簡単に返還額は出るので、あらかじめ計算してから相談した方が良いだろう。

●現在も、過払い金の対象となる金融会社に支払い中の人は、出来れば全て支払いを終えて請求したほうがいい。
最高裁で判決も出ているのに、おかしな話なのだが、今も支払い中の人が、過払い金の返還を求めると、例えば全情連の場合、信用情報に「契約見直し」と載り、5年間消えない。
支払いが終えている分については載らない。
※全情連はあくまで参考情報で事故情報ではないとのことだが・・・  
金融会社にもよるだろうが、今後新たにどこかで借入申込となった際、マイナスであってもプラスになる情報ではないであろう。
過払い金請求に対して、金融会社サイドのせめてもの抵抗、対抗策?といえる。


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