09年10月05日

年金制度の見直し

民主党は「日本で初めての民主主義」と語った。
これは正しい。従前の日本社会はアジア的な「お上主義」である。それを覆したのだから、その通りである。
「お上主義」は国民にとって、楽である。お仕着せをただ着ればよい。それに抵抗したのかどうか。お仕着せの服が悪かっただけなのかどうか。

民主党は、国民に選ばれたことによって、自らの主張を実行しようとしている。「政治主導」が「理念主導」であれば、イデオロギーの実行と似た状態になる。その一抹の不安と鳩山氏が相場70万の物件を10万の賃料が普通だとする経済感覚とで、その「政治主導」への期待が恐怖へと変わる可能性を孕んでいる。
おそらく、今日本の国民が作り出している「民主主義」は、民主党の想像しているものとは違う。日本人が期待する民主主義は、強いて言えば、政府を代理人としない(信頼を付託しない)ものである。したがって、「マニフェスト」で書いてある通りの実行は大切である一方、国民から全権を与えられたわけではないというギャップがある。民主党が自分の考えで動いてもらったら困るというものである。占領され、しかしある程度自由に行動できてきた国の国民における「民主主義」は他に類を見ないものである。したがって、それだけ現実感覚がキーになるということである。


厚労相 週内に年金解決チーム 「舛添ブレーン」起用も年金記録改ざん「厚労幹部も責任」 指摘の文書非公表
≪委員会は、厚生年金保険法がすべての法人を適用対象としたことに着目。保険料を滞納する零細企業に対して、差し押さえなど強制的に徴収すれば倒産という事態を招く可能性もあり、改ざんした現場の職員が「保険料滞納の解消と、事業所側の倒産回避との板挟みにあった」ことを背景として明記した。
 そのうえで、「制度見直しも視野に入れた根本的検討が必要」「歴代の幹部に、当時の努力不足に対する釈明や現時点での見解の提出を求め、公表すべきだ」などとし、現行制度を放置してきた厚労省・社保庁幹部の不作為責任を指摘している。≫

法人化する手続きにおいて、社会保険手続きを必修とすればよいというのが一つ。現在、社会保険問題を経営の第二もしくは第一課題としている会社が多い。法律に明記している限りは、法律論として、国は未適事業所の存在や未適希望者を認めてはならないわけである。現状は法の信憑性を疑わせるに十分な状態で、教育上すこぶる悪い。自公は形式重視であったが、民主は実態解決の重視をお願いしたい。
09年10月05日 | Category: General
Posted by: roumushi
「さらに、現在では会社は従業員にケイタイを持たせて活動させておりますので、当然時間管理できるわけです。したがって、この場合もみなし労働時間は適用しないことになります。」

以前上記のように書きましたが、ケイタイにしろメールにしろ、肝心なのは指示しているかどうかということになります。労働時間の管理のチェックとしては、1週、1カ月、3ヵ月などの単位の間に頻繁に業務の指示があるか、それが日常化しているかどうかといったものです。ややラフな扱いになりがちなので、注意が必要です。解釈自体がそもそもラフですが、法的な常識で扱われるものと信じてください。

09年09月30日 | Category: General
Posted by: roumushi
09年09月19日

政治主導の影響

長妻厚労相 年金記録問題で新たな調査指示
≪「解明済み」とされてきた死亡者の年金記録を調べ、遺族に受給権がないかどうか調べる。≫

国民年金の場合は保険料納付要件、厚生年金の場合は被保険者中なら保険料納付要件が遺族年金受給権発生の第一観点であるが、これはモレていない人のものでも越えられない観点である。しかも、国民年金の遺族範囲は狭く、「遺族に受給権がないかどうか」の結果はそれほど思わしくはないかと考える。
これを期に、「遺族給付」はこれでよいのかどうかなども視野に入ってくるのだろうか。近年の傾向は、遺族年金制度の比重を少なくしていくものである。(女性の経済的自立度に合わせて)


≪国が保障する最低限度の生活とは何か≫

「無年金者」問題において、300月基準が再検討されてはいる。特別便等の関連で、記録は見つかったものの、それで年金が支給されるようになった人はほとんどいない。もともと保険料を納めてこなかったという人が多いが、あと数ヵ月足りないという人もいる。国民年金の任意加入は70歳までということであるから、300月基準もさることながら、任意加入可能年齢を伸ばせばと思うのである。
また、今回の全国民的なアプローチで、初めて任意加入制度を知ったという方も少なくない。60歳の資格喪失時にそのことを説明(力説)してくれておれば、というクレームは実に多い。

実際には、日本中踊りまくっていたバブル期をはさんでいるので、そんなシオらしい方ではなかったと考えるが、今は今である。保障さるべき方である。

最低保障年金という案があるが、私はそれと生活保護とを解消させたらどうかと思う。生活保護の年金化である。最低保障されているし、また所得によるカットも合理的にされる。

ところで、民主党が選挙に圧勝したときに、記者の質問に対して岡田氏が三権分立の否定を明確にしたことが爽やかであった。「三権分立」というと、誰もが観念的にそうでなければならないと教科書で覚えるものだが、日本は議院内閣制であるから行政は政治に属すると述べたのである。勉強しても役に立たなかった自公政権時代であったが、民主政権では国民は勉強しなければならないようだ。
09年09月19日 | Category: General
Posted by: roumushi
改革に先立ち11年度までは年金記録問題の解決へ向けた対応を優先。新制度への移行は14年度以降となる。改革案の柱は消費税を財源とする月7万円の「最低保障年金」創設で、法案提出までに消費税率引き上げの論議が起こることは必至だ。
 一方、自民、公明の与党は無年金、低年金対策に着目。受給資格を得られる最低加入期間を現行の「25年」から「10年」に短縮する関連法案を10年の通常国会に提出し、成立を期すことを共通公約に盛り込んだ。

 民主党は現行制度を抜本的に改め、職業に関係なくすべての人が同じ制度に加入する「一元化」を目指す。収入の15%の保険料を納付し、将来はそれに見合った額を受給する「所得比例年金」に「最低保障年金」を組み合わせる構想だ。≫


年金相談のなかでは、受給資格を満たしているかどうかというものが比較的多い。

あと数ヵ月あれば、という人もいるし、もうどうにもならない方もいる。
バブルの頃は年金分程度は1日で稼いでいたから、払う気はいっさい無かったが、倒産を経験した上にこの不況なので、頼みは年金しかない‥‥こういう方も少なくない。生活保護受給者(額)は右肩上がりで、冷静に考えれば、やはり否応なしに保険料を取った方が国としては得策である。もちろん、無年金者は「取るときだけ取って」という決まり文句を吐かざるを得ないのだが。

知識(関心)不足はもはや取り返すことができない。義務教育、社会人教育、会社教育すべてにわたり、怠ってきた。もともとは金物供出の流れでの戦費調達(奉公)であるがために、その中身については知る必要もなかった。それが戦後も生き延びたために、辻褄を合わせたり、また好景気などを背景に、「社会保障」性の認識が薄れた。中流大衆社会に入り、国自身の国家像への気力が薄れた。
配給制経済(キーパーソン)をベースにしてきたところ、色々と支障がでてきている。「国のことは国民に聞け」という未踏の社会がついそこにある。不穏な空気が濃くなりつつある今日、政党間で勝ち抜くだけの方針止まりではいけないが、有事のときに政治ほど力のなかったものもない。これもまた未踏なのである。
09年08月29日 | Category: General
Posted by: roumushi
「アビバが退職強要」元社員主張…入社後3か月

《新入社員は今年4月に配属され、試用期間が切れる6月末、「会社の経営状況が思わしくない」などの理由で、一両日中にも退職するか、契約社員になるかを迫られた。7月15日までに8人が退職したり、解雇されたりし、退職金は支給されていないという。》

《元社員の愛知県内の男性(23)は「内定を取り消すと会社名が公表されるため、いったん採用した後、退職を迫ったとしか思えない」と話している。
 アビバの岡村智洋・事業基盤部部長は、8人が退職したことを認めたうえで、「研修を強化した結果で、退職を強要したつもりはない。受け止め方によってはそう感じた人もいたかもしれない」と説明している。》

「試用期間が切れる6月末」とあるが、試用期間がどうであるかはまず関係なく、きっかけになったにすぎない。
3ヵ月経過時点で、「一両日中にも退職するか、契約社員になるかを迫られた」というやり方は非常事態のもので、まともな経営状態で行われることではない。
「内定を取り消すと会社名が公表されるため、いったん採用した後、退職を迫ったとしか思えない」との話はそれなりに説得力がある。
「研修を強化した結果で、退職を強要したつもりはない。受け止め方によってはそう感じた人もいたかもしれない」との説明は、研修内容が触れられていないため、不明。

内定取消を避け、入社後3ヵ月経過したときの研修がクリアできなければ正規社員にはなれない、そのような要求があるように受け止められる。
このようなケースでは、採用時に(労働契約として)どのような合意ができていたかを調査する。トラブっているわけであるから、契約事項になかったことを会社が行使したとしか思えない。特に、学習塾経営一般においては、突然預かり金を受取ったまま廃業するなどで社会的な信用を失いつつある事業という危機感がある。だからこうせざるをえなかったということもあるのかも知れないが、約束事を簡単に一方的に変更するという印象を強めただけで、得策ではない。
会社はだんだんと人の扱い方において、感じが悪くなってきた。しかも企業間取引においても、感じが悪くなったという印象を強めつつある。
09年08月13日 | Category: General
Posted by: roumushi
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