08年05月26日
あっしには関わりのねえことでござんす から
政治・経済・国際・法などでは届かない領域というものがある。とりあえずその領域を「文学」と呼んでおく。
文学作品は、近代以降急速に政治・経済・国際・法などをモチーフそしてテーマとして採り込んで拡大化したが、本来の領域での活動を放置していたことで、現在急速にしぼんでいる。
博物館主幹、痴漢で逮捕=女性訴え、客しばらく無反応−神奈川
名刺で名乗り合うということで、そこに日本社会ができる。単純である。かつては「おひかえなすって」とか色々と口上を述べていたらしい。虚偽の名刺でも可能だが、それは日本社会の成立ちである信頼根幹を崩す行為なので、相当恐ろしい社会的報復に遇うと考えてよい。だから、できそうでいながらほとんどの日本人はやらない。
問題は、名乗り合わない状態の「赤の他人」と関わるかどうかということになる。つまり、そこは「日本社会」ではなく、信頼関係のない天然のヒト社会である。そこは「自分力」で動いていくしかないところで、リスクの高いところである。
また重要な観点だが、現代の多くの会社内において「自分力」が強く要求されている。既にそこは、電車内と同じ空間である。「日本株式会社」の時代には、派閥などによる人事操作が横行していたが、そうしたかたちでとにかく自己の所属と信頼の置き所を安堵していたのである。それは今すっかり嫌われてしまい、喪失したが、その反面、所領安堵のない不安な状態が続いている。言うまでもなく、これが今日のメンタルヘルスの原因である。
文学作品は、近代以降急速に政治・経済・国際・法などをモチーフそしてテーマとして採り込んで拡大化したが、本来の領域での活動を放置していたことで、現在急速にしぼんでいる。
博物館主幹、痴漢で逮捕=女性訴え、客しばらく無反応−神奈川
名刺で名乗り合うということで、そこに日本社会ができる。単純である。かつては「おひかえなすって」とか色々と口上を述べていたらしい。虚偽の名刺でも可能だが、それは日本社会の成立ちである信頼根幹を崩す行為なので、相当恐ろしい社会的報復に遇うと考えてよい。だから、できそうでいながらほとんどの日本人はやらない。
問題は、名乗り合わない状態の「赤の他人」と関わるかどうかということになる。つまり、そこは「日本社会」ではなく、信頼関係のない天然のヒト社会である。そこは「自分力」で動いていくしかないところで、リスクの高いところである。
また重要な観点だが、現代の多くの会社内において「自分力」が強く要求されている。既にそこは、電車内と同じ空間である。「日本株式会社」の時代には、派閥などによる人事操作が横行していたが、そうしたかたちでとにかく自己の所属と信頼の置き所を安堵していたのである。それは今すっかり嫌われてしまい、喪失したが、その反面、所領安堵のない不安な状態が続いている。言うまでもなく、これが今日のメンタルヘルスの原因である。
08年05月24日
後期医療制度廃止案 で
先程気付いたことだが、なぜかヤフーポータルサイトで朝日新聞の記事がない。どこかにあるかとは思うが。その朝日では、他紙とは違った角度で、後期医療制度を扱っている。
《後期高齢者医療制度は高齢者らの反発を受けて見直しを迫られ、野党は23日に廃止法案を国会に提出した。》
《法案は、来年3月で制度を廃止し、元の老人保健制度に戻す内容。保険料の年金天引きや被扶養者の新規保険料負担は「遅くとも今年10月には廃止する」とした。制度廃止に伴う費用は数千億円と試算し、特別会計の積立金などを充てる。 》
素人ながら元に戻しても意味がないと経験則が働く。元のものが上手くいかなかったから新たな制度を実施したはずなのである。しかも、法改正にかかった莫大な費用がムダになり、さらに数千億円追加しなければならないというものであるので、まだ「ニホンは金持ち」感覚であるのかと疑いもする。現実感のない、統計データを主として判断していると国会は独り相撲の場所となる。
ただ、まちがいを糾さないことが本当のまちがいだということもあるし、今の日本政治は何があっても不思議ではない。
なお、私の知るところでは、低所得者に対する費用徴収は社会保障とはいえない。年金から天引きといった徴収方法は、それはそれでよいのである。
≪ただ、後期高齢者医療制度の見直し論議は、小泉政権から続く社会保障費の抑制路線自体に影響を与えそうだ。 ≫
この抑制路線もいかにも現場から遠い者の判断からきている。現在の国会・国会議員・法律の要素には、やはり「空回り」「浮き」が大きくウェイトを占める。これはどうにもならないのか。学説では、国会議員もまたその「世間」(自分が所属するものに忠実であれとする社会)に棲息する普通の日本人であり、法概念的な国民の意見代表になりえず、世間的な振る舞いから免れない。その通り。国会議員社会もまた、明瞭ではないが、内部的な人事の評価が働いているのである。
新高齢者医療で公費負担減 厚労省試算 民主徹底追及へ
≪また、民主党は新制度の導入を決めた06年の国会審議で、旧制度について「(健康保険組合など)保険者の我慢も限界」「高齢者への拠出金が3割、4割いってしまう不満を払拭(ふっしょく)できていない」と批判。00年には鳩山由紀夫代表(当時)が「高齢者を対象とする新しい医療保険制度を創設する」と発言している。審議では、こうした過去の発言を与党に突かれる可能性もある。≫
戦争中には「鬼畜米英」と言っていた者が戦後直ぐにケロリとして「民主主義」ということはありふれたこととして聞いている。戦後も戦中のようなことを言う方がおかしいわけで、ただそういった者は「時代に合わせた」だけの話である。インテリになるとそう簡単ではないが。したがって、多くの普通の人は、あまりその内容の本質についてはこだわっていないものと考えてよい。
ただし、政策立案に携わる職業なのであるから、やはりインテリ同様本質にこだわる必要があるというものである。
《後期高齢者医療制度は高齢者らの反発を受けて見直しを迫られ、野党は23日に廃止法案を国会に提出した。》
《法案は、来年3月で制度を廃止し、元の老人保健制度に戻す内容。保険料の年金天引きや被扶養者の新規保険料負担は「遅くとも今年10月には廃止する」とした。制度廃止に伴う費用は数千億円と試算し、特別会計の積立金などを充てる。 》
素人ながら元に戻しても意味がないと経験則が働く。元のものが上手くいかなかったから新たな制度を実施したはずなのである。しかも、法改正にかかった莫大な費用がムダになり、さらに数千億円追加しなければならないというものであるので、まだ「ニホンは金持ち」感覚であるのかと疑いもする。現実感のない、統計データを主として判断していると国会は独り相撲の場所となる。
ただ、まちがいを糾さないことが本当のまちがいだということもあるし、今の日本政治は何があっても不思議ではない。
なお、私の知るところでは、低所得者に対する費用徴収は社会保障とはいえない。年金から天引きといった徴収方法は、それはそれでよいのである。
≪ただ、後期高齢者医療制度の見直し論議は、小泉政権から続く社会保障費の抑制路線自体に影響を与えそうだ。 ≫
この抑制路線もいかにも現場から遠い者の判断からきている。現在の国会・国会議員・法律の要素には、やはり「空回り」「浮き」が大きくウェイトを占める。これはどうにもならないのか。学説では、国会議員もまたその「世間」(自分が所属するものに忠実であれとする社会)に棲息する普通の日本人であり、法概念的な国民の意見代表になりえず、世間的な振る舞いから免れない。その通り。国会議員社会もまた、明瞭ではないが、内部的な人事の評価が働いているのである。
新高齢者医療で公費負担減 厚労省試算 民主徹底追及へ
≪また、民主党は新制度の導入を決めた06年の国会審議で、旧制度について「(健康保険組合など)保険者の我慢も限界」「高齢者への拠出金が3割、4割いってしまう不満を払拭(ふっしょく)できていない」と批判。00年には鳩山由紀夫代表(当時)が「高齢者を対象とする新しい医療保険制度を創設する」と発言している。審議では、こうした過去の発言を与党に突かれる可能性もある。≫
戦争中には「鬼畜米英」と言っていた者が戦後直ぐにケロリとして「民主主義」ということはありふれたこととして聞いている。戦後も戦中のようなことを言う方がおかしいわけで、ただそういった者は「時代に合わせた」だけの話である。インテリになるとそう簡単ではないが。したがって、多くの普通の人は、あまりその内容の本質についてはこだわっていないものと考えてよい。
ただし、政策立案に携わる職業なのであるから、やはりインテリ同様本質にこだわる必要があるというものである。
08年05月16日
地盤の緩い社会保障論
社会保障論などという学問は図書館でもほとんど探せないぐらいのマイナー分野である。あったとしても、統計データなどを詰め込んで、無味乾燥な内容のものというイメージがある。そもそも、肝心要の人文社会分野の学問は閑古鳥が鳴いている。
したがって、戦争末期と同じく、日本の社会保障は少しギャンブルに近い状態である。特攻命令を出したが、反対意見が多く、しばらく様子をみて修正するといった具合に。シュミレーションがあまりされていないことは誰にでもわかる。戦争遂行体制批判の過程で、シュミレーションできる国民体制を作らなければならなかったのだが、戦後は「戦争反対」の方に一直線で走ってしまった。ところが実際は、戦争反対ではなく、多くの国民は「なるがまま風の国民管理のひどさ」に反対していたのである。目的と方法とがまったくマッチしていないところは、スローガンやプロパガンダなどの指向性に頼りすぎていることが原因である。閑話休題。
<後期高齢者医療制度>与党内で見直し案百出 調整厳しく
※「年金からの保険料天引き制度は改めないといけない」
・天引きでなければ保険料徴収は難しい。国民年金参照。
※「このままでは次期衆院選を戦えない。最終的に制度を廃止すべきだ」
・議員の社会的評価がまた落ちる。やはり他人事かと。
※「老人に肩身の狭い思いをさせる『姥(うば)捨て山』だ」
・老人保健制度からそもそも独立していると考えるべきである。医療保険制度も一元化するのかどうか。
したがって、戦争末期と同じく、日本の社会保障は少しギャンブルに近い状態である。特攻命令を出したが、反対意見が多く、しばらく様子をみて修正するといった具合に。シュミレーションがあまりされていないことは誰にでもわかる。戦争遂行体制批判の過程で、シュミレーションできる国民体制を作らなければならなかったのだが、戦後は「戦争反対」の方に一直線で走ってしまった。ところが実際は、戦争反対ではなく、多くの国民は「なるがまま風の国民管理のひどさ」に反対していたのである。目的と方法とがまったくマッチしていないところは、スローガンやプロパガンダなどの指向性に頼りすぎていることが原因である。閑話休題。
<後期高齢者医療制度>与党内で見直し案百出 調整厳しく
※「年金からの保険料天引き制度は改めないといけない」
・天引きでなければ保険料徴収は難しい。国民年金参照。
※「このままでは次期衆院選を戦えない。最終的に制度を廃止すべきだ」
・議員の社会的評価がまた落ちる。やはり他人事かと。
※「老人に肩身の狭い思いをさせる『姥(うば)捨て山』だ」
・老人保健制度からそもそも独立していると考えるべきである。医療保険制度も一元化するのかどうか。
08年05月14日
年金論議 で
保険料か税か…年金制度改革めぐる論議本格化 政界再編にらんだ思惑も
まず厳密にいうと、現行制度は保険料と税(国庫負担)とが原資であり、考え方としては社会保険方式というものである。
「ねんきん特別便」などのスッタモンダを経てようやく国民の国家に対する意識が高まったものだが、それを沈静させようという思惑があるのかどうかはわからないが、税方式にという意見がやや上向きにあるようだ。
財政状態が引き金だが、「国民意識」が大きく異なってくることがオマケとして附随する。年金記録問題以前と以後とで理解されると思うが、税方式となるとまた「以前」に後退することになる。これはどうかなと考える。
特に、「未納が解消」できるなんて真面目に主張している方がおられるが、この考え方はおかしい。保険料を払わなくてもよいとなると万々歳には違いないが、あまりにも下心をくすぐりすぎている。現在、免除制度も拡充されており、それをしないのは相当「国民意識」が低いためなのであり、それをそのままにしておこうという思惑がみえてならない。そういう国民がゴロゴロ近辺をうろついているのが現在の日本社会である。それをそのまま追認しようというのである。
税方式か社会保険方式かという議論は、今ひとつ根本的な問題ではなさそうな気がする。まだまだ社会保障に対する意識が足りないため、年金論議をするのには熟していないか。戦争とか革命とか外部的な契機がない時期に、統計(社会科学)による結論は社会に出すと当てが外れ、残るは地道に集めてきた情報が頼りである。ところが、これは政財界や労使団体を説得しうるだけのものとはみなされない。別の角度から検討すると、現代日本社会の決め事方式は「調整型」から脱皮できるのかという問題である。そもそも「調整型」であるから、責任体制が明確にはならない。「皆の創意」が根拠となってしまう。税方式はそれで突っ張っていくわけで、「日本式」にかなうとはいえる。ただ、昭和の戦争遂行体制でさんざん苦労したはずではないかと危惧する次第である。
まず厳密にいうと、現行制度は保険料と税(国庫負担)とが原資であり、考え方としては社会保険方式というものである。
「ねんきん特別便」などのスッタモンダを経てようやく国民の国家に対する意識が高まったものだが、それを沈静させようという思惑があるのかどうかはわからないが、税方式にという意見がやや上向きにあるようだ。
財政状態が引き金だが、「国民意識」が大きく異なってくることがオマケとして附随する。年金記録問題以前と以後とで理解されると思うが、税方式となるとまた「以前」に後退することになる。これはどうかなと考える。
特に、「未納が解消」できるなんて真面目に主張している方がおられるが、この考え方はおかしい。保険料を払わなくてもよいとなると万々歳には違いないが、あまりにも下心をくすぐりすぎている。現在、免除制度も拡充されており、それをしないのは相当「国民意識」が低いためなのであり、それをそのままにしておこうという思惑がみえてならない。そういう国民がゴロゴロ近辺をうろついているのが現在の日本社会である。それをそのまま追認しようというのである。
税方式か社会保険方式かという議論は、今ひとつ根本的な問題ではなさそうな気がする。まだまだ社会保障に対する意識が足りないため、年金論議をするのには熟していないか。戦争とか革命とか外部的な契機がない時期に、統計(社会科学)による結論は社会に出すと当てが外れ、残るは地道に集めてきた情報が頼りである。ところが、これは政財界や労使団体を説得しうるだけのものとはみなされない。別の角度から検討すると、現代日本社会の決め事方式は「調整型」から脱皮できるのかという問題である。そもそも「調整型」であるから、責任体制が明確にはならない。「皆の創意」が根拠となってしまう。税方式はそれで突っ張っていくわけで、「日本式」にかなうとはいえる。ただ、昭和の戦争遂行体制でさんざん苦労したはずではないかと危惧する次第である。
08年05月12日
年金政策 で
1、2008/05/05-15:14 年金記録、過半数が未確認=「自分は大丈夫」−50歳以上アンケート・民間調査 50歳以上で自分の年金記録を確認した人は半数以下−。
≪民間の調査会社が行ったアンケートで、こんな結果が出た。確認しない理由は「自分は大丈夫と思う」が最も多く全体の3割に上ったが、「方法が分からない」「あきらめている」という人もいた。
調査によると、全国の50歳以上の男女3721人のうち、社会保険庁に年金記録を確認したのは1764人(47%)にとどまった。 ≫
年金記録については、就職時の意識のなかではかなりウェイトの低い事項であるため(つまり、社会保険がなくとも給料が肝心ということ)、このような結果が出る。
このことが人によっては、嬉しい誤算ということも多い。おそらく「浮いた記録」の一因となっていると思われるが、会社が本人から年金手帳等の提示を求めず、新規取得として新たな厚生年金番号が振られる処理をしていることがかつては多かったように思われる。そのため、「ねんきん特別便」が来たということで社会保険事務所で調べたら、会社が適用させていることをまったく知らなかったという記録が出てくるのである。
厚生年金は戦時財政のために発足したというのが定番である。当時は貯蓄奨励、戦時債券、金属類供出とありとあらゆることをやっていたわけであるから、年金だけ取り出して現在とやかくいうことはできまい。問題は、現行年金制度は立派な社会保険なのであるが、まだ国家国民ともに、頭の切り替えがすっきりとはできていないということなのである。
2、2008/05/02-16:40 パート年金の加入条件緩和=「骨太」に明記へ−首相方針
≪福田康夫首相は2日、パート労働者の厚生年金への加入条件を緩和する方針を固めた。増え続ける非正規社員の雇用環境を改善し、正社員との待遇格差を縮小する必要があると判断した。首相は6月策定予定の「骨太の方針」で条件緩和を打ち出した上で、厚生労働省に具体案の検討を指示する考えだ。
パート労働者が現在、厚生年金に加入するには「週労働時間がおおむね30時間以上」が条件。このため、ほとんどが厚生年金より支給内容が劣る国民年金に加入しているのが実態だ。 ≫
しばらく水面下にあったテーマだが、再度適用拡大に乗り出した模様。ただし、今の所、時事通信社がチラリと書いているだけの様子。民主党に火を点けられて、積極的に政府が動き出したが、また前回と同じ反対意見を聞くことになるだろう。戦前は財界(資本家)であったが、現在のこの問題では業界団体になる。労使の各団体にも必要である。問題は、「その他の国民」である。関連団体等に根回しができても、その他の国民はカヤの外である。単に、その他の国民は結果を享受するだけなら今までと変わりはない。現行選挙がそもそも組織票で成立しているというならば、その他の国民はやはり参加していないという危うさがある。実際個々の国民の意見を反映するのは困難である(日本人の気質がそもそも予測しがたい)のだが、その克服として戦中では超国家機関(研究中−)が作られたような気がしている。
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≪民間の調査会社が行ったアンケートで、こんな結果が出た。確認しない理由は「自分は大丈夫と思う」が最も多く全体の3割に上ったが、「方法が分からない」「あきらめている」という人もいた。
調査によると、全国の50歳以上の男女3721人のうち、社会保険庁に年金記録を確認したのは1764人(47%)にとどまった。 ≫
年金記録については、就職時の意識のなかではかなりウェイトの低い事項であるため(つまり、社会保険がなくとも給料が肝心ということ)、このような結果が出る。
このことが人によっては、嬉しい誤算ということも多い。おそらく「浮いた記録」の一因となっていると思われるが、会社が本人から年金手帳等の提示を求めず、新規取得として新たな厚生年金番号が振られる処理をしていることがかつては多かったように思われる。そのため、「ねんきん特別便」が来たということで社会保険事務所で調べたら、会社が適用させていることをまったく知らなかったという記録が出てくるのである。
厚生年金は戦時財政のために発足したというのが定番である。当時は貯蓄奨励、戦時債券、金属類供出とありとあらゆることをやっていたわけであるから、年金だけ取り出して現在とやかくいうことはできまい。問題は、現行年金制度は立派な社会保険なのであるが、まだ国家国民ともに、頭の切り替えがすっきりとはできていないということなのである。
2、2008/05/02-16:40 パート年金の加入条件緩和=「骨太」に明記へ−首相方針
≪福田康夫首相は2日、パート労働者の厚生年金への加入条件を緩和する方針を固めた。増え続ける非正規社員の雇用環境を改善し、正社員との待遇格差を縮小する必要があると判断した。首相は6月策定予定の「骨太の方針」で条件緩和を打ち出した上で、厚生労働省に具体案の検討を指示する考えだ。
パート労働者が現在、厚生年金に加入するには「週労働時間がおおむね30時間以上」が条件。このため、ほとんどが厚生年金より支給内容が劣る国民年金に加入しているのが実態だ。 ≫
しばらく水面下にあったテーマだが、再度適用拡大に乗り出した模様。ただし、今の所、時事通信社がチラリと書いているだけの様子。民主党に火を点けられて、積極的に政府が動き出したが、また前回と同じ反対意見を聞くことになるだろう。戦前は財界(資本家)であったが、現在のこの問題では業界団体になる。労使の各団体にも必要である。問題は、「その他の国民」である。関連団体等に根回しができても、その他の国民はカヤの外である。単に、その他の国民は結果を享受するだけなら今までと変わりはない。現行選挙がそもそも組織票で成立しているというならば、その他の国民はやはり参加していないという危うさがある。実際個々の国民の意見を反映するのは困難である(日本人の気質がそもそも予測しがたい)のだが、その克服として戦中では超国家機関(研究中−)が作られたような気がしている。