<会社員逮捕>退職した会社に嫌がらせメール3万通 静岡

「偽計業務妨害」とは、あまり聞きなれぬ罪である。「意力業務妨害」の方が馴染んでいる。

ウィキペディアによると
≪233条(前段・信用毀損罪、後段・偽計業務妨害罪)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
234条(威力業務妨害罪)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。≫とある。
≪虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害すること(偽計業務妨害罪)。または威力を用いて人の業務を妨害すること(威力業務妨害罪)である。前者は間接的、無形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰し、後者は直接的、有形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰すると観念的には区別できるが、実際の境界線は不鮮明である。≫とも書かれている。
本来のメールの趣旨と異なり、嫌がらせとして大量に送りつけたことから「偽計」による業務妨害という判断。また、メール受信側に重心を置いた解釈であれば、直接的な迷惑行為であり、そうなれば「威力」による業務妨害となろう。罰は同じ。

偽ファクス:「市長病死」と 懲戒処分受けた元瀬戸内市職員、容疑で再逮捕 /岡山

≪家電専門店のウェブサイトで立岡市長名でDVDレコーダーを注文し、瀬戸内市役所に配達させたとして今年1月に偽計業務妨害容疑で逮捕された。≫

「女性職員の乗用車に火をつけようとした放火未遂容疑などで逮捕、同12月に懲戒免職処分になった。同署は処分に対する嫌がらせと見て調べている。」とあるが、大変な逆恨みであるようだ。組織から放り出せば足りるわけではなく、やはりオーソドックスに、原因の追求と解消をすべきだったという事例である。

先例の場合は、≪「会社を辞めさせられ恨んでいた」と供述しているという。≫ことであるが、やはり下手な辞めさせ方をすると労使ともども堕ちていくことになる。
08年02月12日 | Category: General
Posted by: roumushi
中国製ギョーザ:天洋食品、労働争議で不評 工場周辺緊張

≪工場周辺に住む関係者からは、同社の利益偏重を指摘する声が相次いだ。昨年12月末に工場を解雇されたという女性(45)は「男女を問わず40歳以上の人は全員解雇された。従業員の中には『農民工に保険はかけられない』と幹部から言われ口げんかになった人もいる」と話した。

 昨夏から工場を出産休暇中の20歳代の女性は「農民工に月1000元(約1万5000円)程度の薄給で長時間労働を課す一方、幹部たちには多額のボーナスが年末に支払われていると聞いており、工場に戻るつもりはない」と憤った。≫

これは中国製冷凍ギョーザに毒物が混入していた事件についての関連記事である。天洋食品から輸入していた業者は多数にあがる。各社ならびに販売業者は中国からの輸入商品の販売見合わせなどで対応している。ただし、日本は輸入依存度が高いため、鎖国的な対応は絶対にできない環境にある。
また、戦前の「内地・外地」に似た国際環境ともいえる。天洋食品に日本の現代経営観がどれだけ入っているかは不明だが、「男女を問わず40歳以上の人は全員解雇」「農民工に保険はかけられない」などは、経営者が内地では難しいため外地でやるというかたちに酷似する。尤も、現実は「内地」でも日常化しつつあるので、戦前的な経営が、現実から「敗戦」の印が薄まったために回復し、より現実化したものであると考えられる。アメリカで取り上げる「テロ」という言葉も日本ではあまり響いてこなかったが、ここにきて様子が変わってきた。

中国製ギョーザ:パッケージに穴…兵庫の中毒


日本では「二割司法」と呼ばれて久しく、裁判利用件数が少ない。弁護士の増員が見直されたのも賢明であろう。本当は、判事と検事と地方弁護士の増員が必要と思うが、現行の環境では都市部弁護士しか増えない。それは本題ではなく、このような司法がうまく機能しない社会が「恐い」ということである。尤も、司法が機能するとしても、法治国家としての限界もあるが。そこまで達観しているか全く信用していないか‥。

「外国人雇用」も輸入同様増えている。日本人と異なり、阿吽の呼吸は無理。使用者は物事を説明して同意を得なければならない。就業規則、雇用契約、労働条件など説明していかなくてはならない。欧米に倣う必要はない、その程度は日本の裁判でも当たり前なのである。
しかし、欧米のように多国籍的な様式は早く採り入れる必要がある。東京ではもともと地方人が集まるために多国籍化の地盤があるが、大阪では抵抗が強いのだろう。それが経済の差となっている。という指摘を最近聞く。
08年02月01日 | Category: General
Posted by: roumushi
08年01月23日

ねんきん特別便

ねんきん特別便について、再配送と窓口対応の仕方が見直された。

まず、「なりすまし」。やっと思い出して統合手続きに行ったら、その記録は他人の記録へ統合済みとなっていた、という危険から、ハードルを高く設置していたものだが、そのために予想を大きく下回る統合件数で対応の見直しというもの。

従前から「記録探し」は行なわれていて、社会保険労務士のやりがいある仕事のひとつであったが、もはや国をあげての大問題となった。
もともと年金手帳の記録簿をつけていればよいが、今ほど国民は年金に関心がなかった。厚生年金にしても就職手続きのひとつという認識であったわけである。その国民が二年前に、長妻議員によって「社会化」したものである。なお、国民の「社会化」は、企業環境が大きく変わったために相乗効果的に生じた。つまり、少し前までの国民は「会社化」することはあっても「社会化」することはなかった。
労働トラブルをみると、最近では国の制度を積極的に解決手段として普通に考えられるようになってきた。少し前の社内解決(我慢、痛み分け、懐柔等)は効果は弱まる一方。理由は同様で、あとは経営の「社会化」が課題である。

さて、三月までに発送された年金特別便の方は、(この浮いた記録はあなたのものではないか)という感触のある方なので、同封の記録照会票にできるだけ思い出されることをお書きください。ただ平成九年の基礎年金番号通知書のように、考えればものすごく重要な通知なのだがそういう認識が不足していることも大いに考えられ、そのときは直接社会保険事務所に行って探す(普通のやりかた)といい。
また、前に述べたが、統合されると年金が減る方も少ないと思われるがいるということを念の為申し添えておく。これから先の流れとしては、国民に対して年金の期間と標準報酬について随時お知らせするものとなるのではないかと思われる。直接国民に対して消費する国家予算は跳ね上がるが、年金(社会保障)不信は政権が成立たなくなっていることから、少し以前と違う日本の姿に変わる。
08年01月23日 | Category: General
Posted by: roumushi
08年01月16日

解雇に関する相談

「解雇したいがどうか」という相談はよくある。専門の者に相談するのであるから、法的にどうかという意味である。

経緯を聞くと、確かに問題のある従業員の内容が多い。しかし、裁判をするとたいてい会社が負ける。その吟味については色々分析があろうかと思うが、「日本の裁判所は解雇の判断をしない傾向が強い」とするだけでは労務管理の足しにはならない。今「労務管理」という言葉を出したが、課題はこの労務管理だと考える。

まず軽く法律をみてみよう。新労働契約法では、(第16条)≪解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。≫とある。これは労働基準法18条の2から移管されてきた規定である。条文は短いが、これには過去数十年かけて積み重ねられてできた判例をバックボーンとしているため、この条文だけで実務は無理である。
なお、判例と異なり、法律規定であるので公定力が働くことに留意。また努力義務とされている規定にせよ、行政機関と異なり司法機関の判断上においてはそれほど薄まるとも思えない。


さて、結論をいうと、客観的に、合理的な理由が備わり、社会通念上相当とする解雇とはどういうものかというと、「労務管理」ができている解雇かそうでない解雇かということになる。
したがって、「解雇したいがどうか」の相談において必ず確かめるべきことは、諸種の問題についてそれぞれどのような対処(処分)がされてきたかどうかという点である。それらが合理的な性質のあるものであれば解雇に至るも不自然ではない。しかし、そうでないのであれば解雇は時期尚早だということである。鍵は「労務管理」にある。

すぐさま「解雇」と連想するのは、懲戒処分(いうまでもなく労務管理の一つ)に慣れていないからである。それは戦中以降の日本の組織体制の名残りであり、そしてまだそれは強い影響を残しているとはいえ、懲戒処分を含め労務管理の再建築をしなければ労使いずれにおいても不満の火種は燻っているのである。会社は必ずといってよいほど負け、従業員間では不公平感が蔓延する。そして嫌がらせ行為が社内中にはびこると、もはや社長も会社をコントロールできなくなり、使用者責任をとらされるはめになる。いいことはない。
08年01月16日 | Category: General
Posted by: roumushi
厚生年金 記録訂正で減額も 特例対象者 納付実績下がり

記録が見つかったと喜んでばかりいられない。
≪厚生年金の受給額は、加入期間の長さと、過去に納めた保険料の平均額に応じて決まる。漏れていた年金記録が見つかった場合、加入期間は延びる。ただし、納付額が低かった期間の記録などが足されると、受給額の計算基準となる平均標準報酬月額は下がる。≫

よくあるのが障害年金と遺族年金。
また気をつけなければならないのは、加給年金。これは期間の記録についてである。61年に新年金となった際、多くの経過措置がとられ、当時女性はずっと働くとは考えられていなかった若しくはパートとして厚生年金には非適用のかたちで働くと考えられていて、そのフォローとして家族手当と言われる加給年金そして振替加算の仕組みがとられた。したがって、配偶者(ほぼ女性)が240月以上の老齢厚生年金を受けられるときは配偶者手当(加給年金のこと)がつかなくなる。所得の底上げを図る社会保障の意義から当然の措置といえるが、「申請主義」ゆえに、その配偶者(ほぼ女性)の記録が見つかって統合すれば240月以上になる場合は「申請しない」ことでよかったわけである。

≪この件について、各地の社会保険事務所の対応が統一されていないのも問題になりそうだ。年金減額を説明された女性は「額が減ると聞いて、『それなら訂正しないで』と言ったら、『記録漏れが分かった以上、元に戻すことはできない』と言われた」と話す。一方、社会保険庁は「本人の了解や納得が得られなければ、無理に記録訂正はできない」として、記録をそのままにすることを否定していない。≫

ここでは社会保険庁は「申請主義」の方針である。社会保険事務所のものは社会保障論的立場をとっている。これについては、政府が統一的見解を明らかにすべきであろう。「損得論」を生じさせない(生じても主張を無効にする)社会保障論か「損得論」の余地を残す「申請主義」かを。
社会保険事務所は得になる人も損になる人も直接相対するため、「損得論」を排除する傾向をもつのも当然な話。また「申請主義」にも重要な理由がある。というのは、一人一年金制により、年金の選択申請を受給権者が行なう必要があるからである。したがって、記録に関しては保険者、年金の選択については受給権者が決定するという方針でもよいわけである。
政府が無理ならば、長妻議員にこの件についてもお願いするほかあるまい。
08年01月12日 | Category: General
Posted by: roumushi
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