今、養育費の取り決めをしている離婚世帯は3割弱に過ぎません。さらに、実際に支払われているのは2割に満たない世帯です。子どもたちの健全な育成を考えていくうえで、養育費の取り決めや支払いについては早急に考えていく必要がある課題ではないかと思います。 

 それだけに、相談体制の確立も急がなくてはならないようです。また今、DV、モラルハラスメントといった夫婦間のいじめの構造が激増しています。養育費の取り決めをする以前の問題として、相手の暴力に怯える配偶者にとって離婚に向けての話し合いを行うこと自体が困難な事例も多いようです。

 いろいろなケースの相談者に対し、どういったスタンスで相談を受けるのが良いかという問題が出てきます。法律相談のみでは対応が難しく、かといって心情的な部分だけでも解決の方向性が決めにくいようです。まず、敷居が低く、将来何か困った時にもフォローしてくれる相談場所が必要ではないかと思います。また、子どもの視点に立った、公平な判断がしやすい相談体制も望まれるようです。

 厚生労働省は今、「養育費相談支援センター」の計画をすすめているようです。私たちも、何度か厚生労働省に問い合わせをしてみました。決して行政を批判する立場ではありませんが、残念ながらその対応は満足のいくものではありませんでした。また、決定事項にしても説明された内容とはずいぶん違った方向性であることを感じました。年金問題など、行政の対応への不満が指摘されています。そういった状況の中、新しい行政の計画には社会の関心が集まっていることを是非認識いただきたいと思っています。

 子どもたちが、安全でいきいきとした生活を送ることが社会の責務ではないかと思います。そして、そのことが良い社会の証ではないかと思います。今後も、養育費の相談に草の根から取り組んでいきたいと思っています。
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