みなさんは「ハインリッヒの法則」(別名ヒヤリハットの法則)ってご存知ですか。

簡単にまとめてご紹介すると・・・・

「重大事故1件は突如として起こるのではなく、

重大事故の前に軽妙な事故が29件、発生している。

そして軽妙な事故29件が発生する前には、

本人しかわからないヒヤリとしたことが300件発生している」


という理論です。



ゴキブリを1匹見つけたら30匹、って言うのと似ていますね(笑)

航空機や医療の分野など、災害が重大事故につながる現場で、

昔から安全確保を理論的に進めるために活用されている考え方です。



数年前に起こったJR福知山線の脱線事故を思い出してください。

あの事故の前に、オーバーランが30件報告されています!(なんと統計的にぴったり!)



ですが、この理論の本質的な意味は、この統計的な数字にあるのではありません。

1件の重大事故、29件の軽妙な事故、300件のヒヤリハット、

見た目は各々個別の異なる現象に見えます。しかし・・・・・

「これらの原因は別物ではなく共通の原因から発生している」

と言われています。実はこの点が大変重要なポイント。



重大な事故が発生して初めて問題(原因)の存在に気付くのではなく、

日常のヒヤリハットを発見することで問題(真の原因)を探ること、

このことが問題発生を未然に防止する上で大変重要だということです。



この意味で、普段からやっているチェックや点検を考えてみましょう。

身の回りを点検して「問題なし、OK」で本当に大丈夫だと言えるのでしょうか?

マンネリ化した視点で、大きな問題の発生を見逃していないでしょうか。

点検が本当に機能しているか、今一度見直してみましょう。



それと、ヒヤリハットを活用した未然防止というのは安全管理の分野だけではなく、

我々の日常の問題発見のために有効なやり方なんです。

次回は、どのような問題発見や考察にヒヤリハットが活用できるのかを考えましょう。


クリエイトバリュー