07年08月12日
北京のサービス業 3
北京のサービス業 3
こんにちは。
RINです。
今日もあなたとここで出逢えたご縁に感謝です。
/////
登場人物
・ある男
・年下の彼の友人S
・洗車サービス事業を始めたというSの友人H
・Hの洗車サービス要員たち
騒ぎが一段落してホテルのHの部屋の中
事務所兼自室であるHの部屋は3階にある
窓からの眺めはなかなかのものである
思い思いに各自陣取る洗車サービスの要員たち
陣取るというよりどうも所在なさげだ
センサー式自動ドア玄関の入り方出方の臨時講習の後
彼は前もって準備しておいた日本製の缶ビールを
自社の臨時社員である彼らに一人ひとり手渡した
この日のために
日本から2ダース分送らせておいたとっておきだ
この日本製の缶ビール
顔見知りの公安幹部さんはこれがとってもお気に入りだ
なんでも特権階級ステータスを心地よく刺激するらしい
一般の中国人の口にはまず入らない代物だ
普段の労をねぎらう言葉も忘れない
セリフは前もって暗記していた
なかなか俺もやるじゃないか
なんて一人心の中でほくそ笑んでいた
ホテルマンに念押ししてリクエストしておいたので
チンチンに冷えている
奮発した料理はルームサービスであらかじめ用意してあり
エクストラベッドよろしく運び込んだ事務用机の上に
こちらは堂々とした風情で鎮座ましましている
起立した全員への謝辞の後
おもむろに自分の缶ビールのプルトップを開ける
リーダー格の男に(乾杯)の音頭をとらせる
「カンパーイ」
ここは事前に打ち合わせしてある
・・・
・・
・
「ン!?」
「あれ!」
・・・
・・
・
当然
自分の頭の中では
「プチ」「プチッ」とプルトップを開ける音が続けて飛び込み
「カンパーイ」の唱和
ひとしきりの喉越しとしばしの間の後
拍手!!!
それがない。
カンパーイはあったのだが
誰も缶ビールのプルトップを開けていない
どうしてだ
酒は飲まないのか
いやいやそんなことはない
彼らの宿舎ではほぼ毎晩酒盛りと聞いている
自分も何度か訪れたときに
それを見てもいる
缶ビールを飲まずに眺めているものがいる
蓋のところを医者の打診法よろしく
コツコツと叩いている者もいる
じっと見つめたままの者がいる
分かった!
Hはまた瞬間に理解してしまった
ついさっきの自動ドアの悪夢と同じように
プルトップの開け方!が、
わからないのだ!
瓶ビールしか知らないのだ
彼らにとっては
生まれて初めての
「缶ビール体験」
なのだ。
今度は
この日2回目の臨時の講習
表題
缶ビールの正しい飲み方(副題:プルトップの開け方)
開催を覚悟した。
/////////
ではでは。 (!・・)
こんにちは。
RINです。
今日もあなたとここで出逢えたご縁に感謝です。
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登場人物
・ある男
・年下の彼の友人S
・洗車サービス事業を始めたというSの友人H
・Hの洗車サービス要員たち
騒ぎが一段落してホテルのHの部屋の中
事務所兼自室であるHの部屋は3階にある
窓からの眺めはなかなかのものである
思い思いに各自陣取る洗車サービスの要員たち
陣取るというよりどうも所在なさげだ
センサー式自動ドア玄関の入り方出方の臨時講習の後
彼は前もって準備しておいた日本製の缶ビールを
自社の臨時社員である彼らに一人ひとり手渡した
この日のために
日本から2ダース分送らせておいたとっておきだ
この日本製の缶ビール
顔見知りの公安幹部さんはこれがとってもお気に入りだ
なんでも特権階級ステータスを心地よく刺激するらしい
一般の中国人の口にはまず入らない代物だ
普段の労をねぎらう言葉も忘れない
セリフは前もって暗記していた
なかなか俺もやるじゃないか
なんて一人心の中でほくそ笑んでいた
ホテルマンに念押ししてリクエストしておいたので
チンチンに冷えている
奮発した料理はルームサービスであらかじめ用意してあり
エクストラベッドよろしく運び込んだ事務用机の上に
こちらは堂々とした風情で鎮座ましましている
起立した全員への謝辞の後
おもむろに自分の缶ビールのプルトップを開ける
リーダー格の男に(乾杯)の音頭をとらせる
「カンパーイ」
ここは事前に打ち合わせしてある
・・・
・・
・
「ン!?」
「あれ!」
・・・
・・
・
当然
自分の頭の中では
「プチ」「プチッ」とプルトップを開ける音が続けて飛び込み
「カンパーイ」の唱和
ひとしきりの喉越しとしばしの間の後
拍手!!!
それがない。
カンパーイはあったのだが
誰も缶ビールのプルトップを開けていない
どうしてだ
酒は飲まないのか
いやいやそんなことはない
彼らの宿舎ではほぼ毎晩酒盛りと聞いている
自分も何度か訪れたときに
それを見てもいる
缶ビールを飲まずに眺めているものがいる
蓋のところを医者の打診法よろしく
コツコツと叩いている者もいる
じっと見つめたままの者がいる
分かった!
Hはまた瞬間に理解してしまった
ついさっきの自動ドアの悪夢と同じように
プルトップの開け方!が、
わからないのだ!
瓶ビールしか知らないのだ
彼らにとっては
生まれて初めての
「缶ビール体験」
なのだ。
今度は
この日2回目の臨時の講習
表題
缶ビールの正しい飲み方(副題:プルトップの開け方)
開催を覚悟した。
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ではでは。 (!・・)