前回のログで、ヒヤリハットは日常の問題発見のために役に立つと書きました。

今日はこの問題発見のことについて解説してみたいと思います。


最初に、ヒヤリハットが発生する直接の原因ですが、

殆どは偶発的な人間の誤り(自分では気が付かないもの)によるものです。

この「自分では気が付かない」というところがポイントです。

自分の行動の習慣や、自分のモノの考え方・プロセスに「クセ」があって、

その「クセ」がヒヤリハットの引き金になっていると考えられます。


では純粋に個人の問題なのかというと決してそうではありません。

ここから先が重要な問題です。

個人の行動や考え方に大きな影響を与えるものは何でしょうか?

それは個人が属する職場や集団の行動規範や意思決定のプロセスです。

組織の日常的な仕事の進めかた、

物事の判断の仕方などの職場環境
です。

個人の好き嫌いや性格もあるでしょうが、

組織の「クセ」がより大きな影響を与えているのではないでしょうか。


だからヒヤリハットが生じる根本の原因は「職場環境のクセ」なんです。

仕事の価値観、人間の評価、ものごとの決めかた、コミュニケーションなど、

職場にあるさまざまなクセが個人に影響し、結果としてヒヤリハットになる。

このように考えるとヒヤリハットを放置することは職場のクセを放置すること。

大きなクセが重なると大きなトラブルが発生する要因が重なりますね。

こうして大きな事件が発生することになります。

一昔前のJR福知山線の脱線事故。

最近では○○フーズの汚染米流通。○○食品のメラミン入り食材の流通。


いずれも重要な事柄を軽視する組織のクセが大元となって発生した事件だと言えます。

だからヒヤリハットを通じて職場のクセ=問題を事前に発見できるならば、

大きなトラブルに発展する前に、早期に問題を発見し手を打つことができます。


統計的な管理ではなくこのような問題発見の手法として役に立ちます。

次回はヒヤリハットを活用した問題発見そのものに目を向けてみます。

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