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07年05月29日

人間工学

人間工学が戦後に紹介され現在では様々な分野で人間工学に基づいて
製品が作り出されています。ソファなどの輸入品を居間に置いて寛いで
いたかと思えばいつのまにかソファを背もたれにして床に直接座って
テレビを見ていたなどと言う笑い話が有るくらいです。
この場合などは座面と床面との高さが日本人の体格と合わないため腿の
後ろ側を圧迫して楽するつもりが返って疲れてしまったと言えます。
その人間工学から求められたキッチンの流し台の高さは今では殆どが
80〜85cmになり1cm刻みで高さを調節できる製品まであり、
体格によっては90センチにする事も有ります。
この高さを割り出すにために筋肉の活動度やエネルギーの代謝率や
酸素消費量などを測って一番少ない値から決められているのです。
決められる以前の流し台で炊事をされた方は判ると思いますが、現在の
高さでの作業は随分と楽になったのではないでしょうか、腰に負担が
掛からなくなったと思います。本来あるべき姿である使う人が基本に
なって物を作るという考えが浸透して来た事だと思います。
07年05月29日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月26日

監理報告書

私の事務所では工事が終わって、建物が引き渡された後に、設計の初め
からの書類や、確認申請書類を含む役所関係書類や監理報告書を含み
進捗状況報告書、工事関係書類などをまとめて電子データ化して建築主が
いつでも見る事ができるようにCDを作成してお渡ししているのですが、
事務所からの書類関係は最初から電子データになっているのが多いので
それ程でもないのですが現場から上がってくる書類はペーパーデータなの
でこれを電子データに変えるのに結構時間が掛かってしまいます。
ともかくCDが出来上がって一段落そしてこの後はこのCDを建築主に
渡して無事一区切りで,後は定期点検へと移ってゆきます。

07年05月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月23日

床刺し

床刺し
床の間に対して垂直に棹縁天井の棹縁の向きになっている事を床刺しと
言います。これが結構嫌われているんですね。理由を伺っても明確に
教えていただける事は稀です。下手な聞き方をすると「そんな事も
知らないの?」なんて言われちゃったりしてね(笑)
よく言われる理由は家相でそうなっている。もう一つは床の間を家の主
に置き換えて刺される事を想像させる。と言う事です。
しかし、家相で言えば床刺しが凶相だと断言してはいないようなので
理由が曖昧に成っているし、もう一つの理由も何かこじつけのようにも
思えるし。そこで、どの家も床刺しに成っていないのかと言えば、
重要文化財の慈光院の高林庵なんかは床刺しでわざと床刺しにしてる例
です。この建物は石州流の片桐石州の作ですが床刺しは石州が好んで
採用したと言われていますので、誰かに、「此処の床の間は床刺しだね」
と言われたら、「僕は石州が好きでね、彼と同じようにしたのさ」と
言ってみるのも悪くないのではないですか。


07年05月23日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月22日

雨樋

家を作ると言う事は自然から身を守る事が基本の目的です。
雨に濡れないで過ごせる事は大事な事です。雨を防いでくれるのは屋根
ですが降った雨を効率よく地面に返す方法として雨樋が有ります。
しかし、建物より高い落葉樹などがあるところなどでは、樋に葉が詰り
樋の役目をしなくなる事がありますが、それでも樋を付けている家を
見る事があります。その結果屋根から樋に水が行かないで樋を通過して
直接地面に雨が落ちる事になります。ある住宅メーカーの樋は樋の上側
を網で囲った例が有りますが網が屋根先より高いため結局網のところに
葉が溜まって用をしなくなったのを見た事が有りました。
必ず樋を付けなければいけないと考えるのでは無く。樋を付けない事も
選択肢の一つと言えるでしょう。

07年05月22日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月21日

防犯と避難

街を歩いている時に、おや?と思って撮った写真です。
写真を見ると気づくと思いますがバルコニーが通りに面しているため
人の侵入を避けるためフェンスを設けています。そのフェンスの上に
鉄条網が巻き付けられています。より防犯性が向上していますね。
防犯性が高まると同時に避難性は悪くなります。もし自分の部屋から
火が出たときは逃げられなくなるでしょう。防犯と避難は表裏一体の
物です。防犯は日常であり避難は非常時であるのでこのような形が
取られたのでしょう。建築基準法に照らすとこれは法律違反だと
言われるでしょう、それではどうすればいいの?と言う声が当然出ます
解決策はなかなか難しいです。日々色々と考えています。

07年05月21日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月18日

引き違い戸の常識

「右手前」
これが引き違い戸の配列の作法です。戸に向かって右側の戸が手前側に
来ます。
ですから開ける時は右から左に移動させて開けます。和室の作法ならば
開ける前に一旦正座してから開けるのですが、家でこのような形を見る
事はまず無いですね。

最近の住宅は和室が無い家も有りますが。洋室でも引違い戸を使う事が
有りますが右手前だけは変わりません。
引き違い戸は引き戸と合わさり扉よりも空間に自由度が増しますので
好まれています。

07年05月18日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月17日

雨戸の音

最近の住宅に雨戸をつける事が少なくなってきているように感じます。
雨戸を付けない建物の方が外観がスマートに見えて好まれて段々と主流
になって来ている感じがします
それでも雨戸を付けて下さいと要望が出た時によく説明しておかないと
いけないことが有ります。

そこで市販されている雨戸付のサッシを選択するときに雨戸収納部分に
鏡板が無くてレールだけになっている物を選ぶと普段雨戸を閉めてない
状態のときに風などが吹くと雨戸が風に当たってガタガタと音をたてて
うるさい事が成るのです。
現在はシャッター雨戸という物も有りますがシャッター雨戸も音に注意
が必要です。
07年05月17日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
少し前にエレベーターの事故が報道されていましたが、エレベーターの
事故は人事でも有りません。
この頃は家のバリアフリー化を図るため上下階移動の手段としてホーム
エレベーターを設置する事があります。
ホームホームエレベーターの場合メンテナンス料を節約するためにメン
テナンス契約を結ばない例が有ります。

今報道されているような時には皆さん注意しますが、暫くすると忘れて
しまうようで、同じ事になってしまうのです。
自分の命に関わる事でもあるので、安全には充分配慮した方が良いと思
います。
07年05月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月11日

浴室の窓ガラス

浴室の窓のガラスは外が見えない型ガラスで良いですか?
「そんな事聞くの?型ガラスに決まってるでしょ。」と言われるかも
知れませんが、聞かないととんでもない事になる事も有ります。
私が設計した住宅で透明ガラスを採用された例が結構有ります。
そうですね一割ぐらいの件数で、有ったでしょうかそれも奥様の希望
です。その場合外部から見えにくくする工夫はします。完全に見えな
いと言う事にはなりませんが殆ど見えないようにする事はできます。
当然そのような提案はさせて頂きますが透明ガラスにして外の景色を
楽しみたいと思う方もいらっしゃるのでガラスの種類の確認をすると
言う訳です。

07年05月11日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
最近はバリアフリーにして下さいと言う事が当たり前のように要望が多
くなりました。ただしこの要望で気を付けなければならないのはバリア
フリーの程度をはっきりさせて置かなければならない事です。
何処のバリアを無くすのか決めておかないと後で問題が起こります。
今の世の中はバリアだらけです、家の中をバリアフリーにしても外に
出るとバリアがあって家とのギャップに遭遇することになるのです。
加齢を重ねてくると運動能力は落ちてきて、足を上げて歩いている
つもりでも実際は障害物(バリア)を避ける程足は上がっていなかった
ために事故になると言うことです。そこで、わざと家の中に注意しな
ければいけない高さを設けて普段からバリアを意識するようにして外に
出たときに役に立つと言う事でわざとバリアフリーにしない方もいます
一番事故が多いのはほんのちょっとした高さの2cm〜3cmで、古い
建物で良く見掛ける、廊下から畳の部屋に入る時に有る敷居の高さが丁
度その高さになります。バリアに対して十分に話し合って決めることが
必要となります。
07年05月10日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月08日

競争入札

現在のニュースでは談合事件が取り沙汰されていて大変です。下の写真
は私の事務所が設計した建物で競争入札をする時の入札前の風景ですが
私の所では談合は起こりません。理由はどの業者が参加するか公表しな
いので談合のしようがないからです。そして入札する時に初めて業者が
一同に会し、その場で開票して1番低額を提示した業者が落札します。
もし予定金額よりも高かった場合は落札業者が設計変更した図面で再度
見積って貰いますが交渉が不調だった場合は2番目に低い金額を提示し
た業者と交渉します。この時は予定金額よりも低かったので1番低い金
額を提示した業者が契約しました。しかし我々民間が競争入札を採用す
る事は結構大変で参加していただく業者を探すのも一苦労です。

07年05月08日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月07日

E-ディフェンス

実際の建物に前後・左右・上下の振動を与えて揺れや損傷、崩壊の過程
を見るための施設を持っている独立行政法人 防災科学技術研究所 
兵庫耐震工学研究センターと言う所が有ります。そこで住宅の振動実験
が行われたレポートをKEN-Platzが4回に渡って掲載していましたので、
ご紹介します。
この結果から見えてくる物は皆さんの命を守る事が出来る内容を含んで
いますので、一度ご覧になる事をお勧めいたします。


独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター

加震実験映像はここで見れます


KEN-Platz の記事
【耐震】命を守る第一歩は「1階で寝ないこと」――実大実験からわかった4つの教訓(1)

【耐震】劣化を防げばモルタル壁は地震に耐える――実大実験からわかった4つの教訓(2)

【耐震】耐震診断の「評点」を過信するな――実大実験からわかった4つの教訓(3)

【耐震】改修の効果は比較実験でも明らかに――実大実験からわかった4つの教訓(4)



07年05月07日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月04日

アプローチ

道路から玄関までの間のアプローチを考える時、「ああ我が家に帰って
きたなぁ」とほっと一息付けるような、安らぎを感ずることが出来る
アプローチにしたいと常日頃考えています。
最近では敷地制限が厳しくなる傾向に有りますが、そのような場合で
も植栽との関係が大事で建築は単独で有るよりも、植栽との相関が良い
住宅が出来るのではないかと思います。


07年05月04日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月03日

デッドかライブ

デッドとライブ
音楽鑑賞を趣味にされている方はこの事を大変気にします。
デッドとは残響が少ない音でライブとは残響がある音の事を言います。
難しいのは残響をどのように決めるかです。音の専門家に参加して
貰えば良いのですが、やはりそこまではお金を掛けないとなれば、
ご自分で決めて頂かないといけません。それでも音に神経を尖らせて
内装材を決めて頂くので良いのですが、特に音などを気にする事無く
決めた場合ですが。最近は内装材に木質系を好まれる人が多くなって
来ましたので一言ご注意を。
床も壁も天井も木材を使った場合結構音が響きます。最近の住宅設計
では気密性能も高くしますので、以前の建物よりも響きます。
ヒソヒソ話なんかできませんよ(笑)、まぁこれは大げさですけれども
「1階で話している声が2階でよく聞こえる」なんて事は良く聞きます。

07年05月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月02日

トイレの位置

皆さんがトイレの位置を注意するのは大体家相に拠るものが多いですが
気を付けなければならないのは家相ばかりでは有りません。
玄関に近くに有るのを嫌う人、浴室の近くに無ければダメな人
ダイニングから見えるのを嫌う人など様々です。設計する側が固定観念
で位置を決める事を避けないと後で厄介な事になります。
設計をする上で色々な事を決めていく行為には、そうなった意味が有り
ただ漠然と部屋の位置関係などを決めている訳ではないのですが、その
位置などを理解してもらう努力が必要です。
ある時、設計前の打ち合わせも一通り終わりプランの作成と成ったのです
が、要望を整理するとトイレの位置がダイニングに隣接しドアを開けると
トイレの中が丸見えの状態になるので、その話を致しましたが、
全然気にならないとの事でそのように進めました。気になることが人
夫々であると言う事です。ですからある人には大丈夫でも他の人には
大問題になることも良くある事です。

07年05月02日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年05月01日

屋根裏断熱

小屋裏の断熱の方法で良く有るのは2階の部屋の天井面を断熱する事が
有りますが、その方法ですと小屋裏の空間の温度が夏ですと60℃以上
に上がってしまう事が有ります。そこで屋根面を断熱する方法を採用し
ています。この方法ですと小屋裏空間の温度の上昇が大幅に抑える事が
できるので天井の形の自由度が増すので一石二鳥です。この方法を採用
する時に注意しなくてはいけない事は屋根面の換気です。換気をしない
と色々な問題が起きるので慎重に設計を行います。


07年05月01日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei