Archives

You are currently viewing archive for September 2007
07年09月28日

関東猫間障子

以前の記事の「猫間障子と雪見障子」の中に関西猫間と関東猫間が有る
と書きましたが、先日、江戸東京たてもの園の小出邸に関東猫間障子が
有りました。関東猫間は障子を左右に引き分けて障子の中央が開く形の
物です。現在の猫間障子の殆どは上にすり上げる方法なので。この方式
の障子を見る事はあまり無いのではないでしょうか?





07年09月28日 | Category: General
Posted by: shimasekkei
07年09月27日

保水力

地球温暖化の影響で夏は水不足や豪雨冬は暖冬と言われていて、雪が少
ないという現象が起きています。
雪が少ないと山に水の保水が無くて川の水も少なくなります、そうする
と夏の水不足になり、川の水が海に流れ込むのが少ないので魚の成育に
も影響する事になると言う訳です。

そしてこの温暖化の原因の1つに揚げられているのが材木の伐採が有り
ます。山に木が無くなり、二酸化炭素を消費する光合成が行われる量が
少なくなる事です。
山の木が無くなれば地面が現れ水分が蒸発して土が乾き、余計に保水力
が無くなり水を含まない山は崩れて行くと言う連鎖が起こって来るのは
予想できる事です。

我々が住む場所についても同様の事が言われていて。都市等下水道が整
備された所にに家を建てる場合、家の周りをコンクリート等の浸透性の
無い物で土を覆ってしまうと、降った雨が地中に廻らずに下水に流れて
行きます。そして土は水を含まない土となってしまうのです。土に含ま
れるべき水までも下水道に流れるために、一時に雨が多く降ると下水道
の許容量を超えるために道路に水が溢れ家にまで浸水する騒ぎになる事
はよく報道されています。それを少しでも改善する方法として、外構工
事やカーポートなどコンクリートなどを使おうとしている場所に浸透性
の有る材料を提案するのですがあまり採用されません。地球温暖化の防
止が身近な事からできる事を社会的にもっと認識が変わらないと無理な
ようです。
07年09月27日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月26日

石灯籠

石灯篭は元々仏寺の献灯用の物であったのが、後に神社にも用いられる
ようになり。仏寺、神社いずれも仏殿、社殿の正面に一基建てるのが
古式であり、室町末期以後に二対にする事が行われ始め、石灯籠は庭と
は関係が無かったのが、桃山時代に千利休が日本庭園の中に茶庭(露地)
を発生させてこの中に灯篭を置き、夜の茶会の露地の照明に用いたと
作庭家の中根金作が述べています。

千利休が庭に用いてから茶人が夫々の好みに応じて色々な灯篭が表われ
てきたと言うのが石灯籠の歴史の様です。
現在の都会での住宅は敷地にゆとりが無いために日本庭園を作庭する事
は少なくなり、石灯籠の種類を知る機会も無くなりましたが、日本の庭
の基本アイテムである事には変わり有りません







07年09月26日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月25日

簡単な省エネ法

地球の温暖化が言われ今年のように冬が暖かく竜巻などの被害が出たり
するとその温暖化の影響を身近に感ずる人も多いのではないでしょうか
温暖化の防止対策として二酸化炭素(CO2)の排出量の削減が言われ
ています。住宅建築でも外断熱、高気密住宅、パッシブソーラーや
バウビオロギーなど色々な省エネの方法が行われています。

国からはエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)が昭和54
年に制定され徐々に改定されいて、法律に基づいた判断基準が示された
上で国土交通省から設計と施工の指針が出されてる状況です。新築住宅
や家をリフォームする時などはその方針に添った物にすれば良いですが
現状の住宅は何ら変わりが無いので長期間における削減計画となります

そこで、簡単に出来る省エネの方法を1つ提案します。部屋の温度を保
つ為に冬は暖房を夏は冷房を使うのが一般的です。では部屋の温度はど
のようにして変化するのでしょうか?建物が外部との温度差によって変
化します。

断熱をするのは有効な手段ですがリフォーム代金が高額になるので他の
方法として窓の上に庇を付ける事は有効な方法です。家がある場所に
よって太陽の位置が違いますので庇の出の長さは一様では有りませんが
庇を付けると夏の光を遮り冬の光を入れる事に役立ちます。

そんな簡単な事でも役に立つ事が有りますので夫々に工夫をする事で省
エネになると言う提案です。
07年09月25日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月24日

検査済証

建物の工事が完了すると、確認申請を提出した所(役所に出せば役所
民間検査機関に出せばその会社です)で完了検査を受ける事になります。
そして、検査をしましたと言う証明に検査済証が交付されます。しかし
この検査済証を貰わない話を結構聞きます。貰わない理由として、完了
検査を受けた時に是正支指示が出たけれど直したくないので放って置い
たとか、小屋裏収納の天井を高くしたので完了検査を受けられない等で
す。その事自体立派な法令違反ですが皆さん罪の意識が無いようです。
自分の家なんだから好きにして何が悪いとも言われる。と言うです。
昔、大手ゼネコンの監督の家の建替えをお手伝いする事になった時の事
自分で設計して構造計算も自分で行った建物でガレージ部分を鉄筋コン
クリートで作ってあったのですが、その建物は完了検査を受けずに住み
始めてしまったのです。そして今回の計画ですがガレージはまだ使える
からガレージを生かした家にしたいと計画が進み、いよいよ確認申請と
なったのですが、検査済証が無いためにガレージ部分の撤去を求められ
た事が有りました。いくら自分で作った物だから安全であると主張して
も聞き入れて貰えません。泣く泣く壊して新たに作る事になったのです。
検査済証さえ交付されていればこの様な事は無かったのですが、後の祭
りとなってしまいました。但し検査済証さえ受理できればいいや。など
と邪心を起して交付後に改造する事は止めた方が良いですよ。建築基準
法は安全を守るためにも有るのですから、それを犯すのは自分の安全を
放棄する事にもなるのですから。(^_^)
07年09月24日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月23日

N値

設計相談をしている時の事、地盤の話で、「ハウスメーカーに依頼して
地盤調査をした説明を受けて、N値(エヌチ)が5有りますので地盤は
5トン有ります。と聞いたので地盤は大丈夫です。」と答えられた事が
有りました。随分と乱暴な説明をするメーカーですね。とお話したので
すが。そもそも地耐力(地盤が5トン)とN値とは同じでは無い事の説
明が出来ていません。そして現在では単位が国際標準になったために
トン表示にする時は気を付けないといけないのです。まずはN値ですが
世界標準の試験方法の標準貫入試験という方法で、「ロッド(棒)」と
「おもり」と「ノッキングヘッド(おもりで叩かれる円筒状の物)」と
「スプリットサンプラー(土を採取する部分が有る先が尖った円筒状の
長い物)」の基本構成で、スプリットサンプラーが30cm入って行くのに
おもりを何回落下させたかをNで表してそれをその土のN値としている
のです。ですから土の種類によってN値の評価が変わってきます。とい
う事ですから単純にN値で地耐力を考えると大変な事になりますしN値
と地耐力は同数では有りません。住宅などの建物に採用している地盤調
査の方法はこのN値を算出する為のもっと簡単な方法のスウェーデン式
サウンディング調査で行っているのが殆どですから注意が必要です。
必ず専門家に試験結果のデータを見てもらう事をお勧めします。


07年09月23日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
家の中でもパブリック(公的)とプライベート(私的)な場所があると
思っている人はいますか?多くの人たちと話をして来た経験から感ずる
事はこの認識が殆ど無いと言えます。

この考えは欧米の人たちとは違い日本独特の考えと言えるかも知れませ
ん。自分の家にそんな区別がある訳が無い。家族間で隠し事など有って
はいけないなどの声が聞こえて来ます。
と、以前ですとこの様な事を言っていたのですが最近の社会情勢を反映
した社会学者の論評などですと家の中での個室化が進んでいて私的空間
が拡大している事で家族間の結び付きが希薄になっているという事です。

家族間の関係が希薄になった上に、夫々の家が近隣社会との関係も希薄
になっているとすれば。家と言う無機的な箱が並んで街を形成しつつあ
る事になります。
その様な現実を突き付けられて、設計している人間としてどのような回
答が出せるのか考える日々が続きます。
07年09月16日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月15日

琉球畳

部屋に畳を敷く事で打ち合わせをしている時に、琉球畳をお願いします
と言われる事が結構多くあります。

いきなり畳表の材料の事を言われるので戸惑ってしまいますが、よく話
を聞いてみると、縁なしの畳の事を指している様です。色々な雑誌など
を見て縁なしの畳を琉球畳と表示している事が多いようで、この様な事
から本来の意味から段々と違った物に変わって行くのではないかと心配
させられます。

そこで、琉球畳ですが、本来は琉球藺草(リュウキュウイグサ)を2つ
に裂いた畳表を使った畳を言います。

この畳は藺が強いので畳縁を使わないので、縁なし畳の事を琉球畳と言
われるようになったようです。しかしこの畳表の琉球藺草の産地は沖縄
地方ではなくて九州、四国、静岡などで生産されているのが現状です。
現在では藺草は中国からも輸入されていますからどれが本当の琉球畳を
指すのか普段接していない我々では目利きは難しいのが現状です。

当然のように国内産は中国産より値段が高いし、工業製品の均一さに慣
れた感覚からすると見栄えも悪いです。そのような事も有りますので実
際の畳を見て貰ってから材料の決定をお願いしています。

こんな事を書いていますが、その内、畳表を返して使うなんて事を知る
人が殆どいなくなって仕舞うのではないかと、ふと思ってしまいました。
07年09月15日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月13日

対応の違い

昔、確認申請の建築面積の算出について役所と議論になった事が有った
のを思い出しました。
設計をする時はミリ単位で設計します。そうすると面積を計算すると
1/1000メートルまで計算されますが申請書類の記載は小数点
第3位を切り捨てて計算したのですがこれがダメだと言うのです。

第3位を切り上げて計算しなさいとの指導が出ました。その根拠は何で
すかと尋ねたら、内部規定です、との答えでしたのでこちらも簡単には
納得できません。そこで何故小数点以下第3位を切り捨てるかと言うと、
建築基準法関係に規定が無い為に不動産登記法施工令の第8条を準用し
ている事を主張しましたが明確な規定が無い為に処分権限者に従わなけ
ればなりません。

今、小さな政府とか地方に権限を委譲して独自性を持たせるなどと言わ
れていますが、変な独自性にならない事を願うばかりです。
07年09月13日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月12日

ロフトの安全性

住宅の不動産案内などでよく見かける文字にロフト付きという物が有り
ます。このロフトですが法律で認められているのは収納などに使う事を
目的とした物に限られています。

ですから天井高も1400?以下と言う制限が有ります。
(成人が真っ直ぐに立っていられない高さ。)しかし一般的には此処を
普通の部屋として利用できるような考えが有るように思われます。
耐震偽装事件を通して建物の安全性に付いて広く社会に知れ渡っている
現在でも、この小屋裏(ロフト)が有る事により強度の検討する事に付
いて認識されているとは言えないのではないでしょうか?

そこに住む人が空間の有効利用だけの考えでいると、自分の命を自分が
軽んじる結果となるので良く考えて利用する事が大事であると思います。

07年09月12日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月11日

屋内配管

建築費全体を考える時、建築本体、空調設備、給排水外部接続、照明器
具、外構工事その他諸々の費用が掛かります。頭の中では判っているよ
うでもいざ計算をすると結構建築本体以外の金額が掛かるのが判ります
その時に予算から外される事が多いのが空調工事ですが、実際には付け
るのですが家電量販店などで買い求めて予算を圧縮する積もりになった
りします。しかしその場合外壁に穴を開けてそこに管を通して室外機と
接続する方法を取り、外壁にその管が露出するためそれをカバーしてい
るのを見かける事が有りますがあまり格好が良いとは言えません。
やはり、空調計画をちゃんとして屋内に配管をしたほうが良いと考えて
お話しますが、予算が有っての事なので全体のバランスを取りながら丁
寧に話を進めて行くと理解していただく事が多いです。予算の事は設計
する人と良く話を進める事が肝心です。


07年09月11日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月10日

金物工法

木造軸組工法と言っても最近は様々な工法が出てきています。画像もそ
の1つの金物を使う工法です。以前紹介したホールダウン金物と言う物
が有りましたが、ホールダウン金物は従来の軸組工法を補強して耐力を
増す考え方ですが、画像の金物は柱を基礎に緊結する方法として考え出
された物で基礎に直接金物をボルトで止めて柱に溝が付けてあり、その
金物を挟むようにして地震などの揺れが起きた時に抜けない為に金属ピ
ンを打ち込んで止めるようにしてある物です。このような止め方も様々
な物が有ります。


07年09月10日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月09日

旧前川國男邸

東京小金井公園内の江戸東京たてもの園にある旧前川國男邸です。前川
國男さんは有名な建築家で国立国会図書館新館や新宿にある紀伊国屋ビ
ルなどを手掛けられ、先日このブログの「山梨県立美術館」でも紹介し
た建築家です。そしてこの建物は彼の自邸で1942年(昭和17年)に建て
られた物ですが、建築のエッセンスが豊富に含まれている建物ですので
住宅を建てようと考えている方にとって参考になると思いますよ。



07年09月09日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月07日

水琴窟

水琴窟は簡単に説明すると庭に甕を逆さまにして土の中に埋めて水が落
ちる音を楽しむ装置です。実際には色々なノウハウが有って言うほど簡
単ではないのですが、水琴窟が奏でる音はなんともいい音です。最近で
はその音を楽しもうと自分の庭に作る方も増えているようです。そんな
水琴窟を楽しんで貰おうと画像を撮りましたので紹介いたします。





音付きの画像が欲しい方はメールを頂ければお送り
しますよ。

mail mshima@shima-sekkei.com
07年09月07日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
数年前から「サスティナビリティ」と言う事が盛んに言われています。
地球の限りある資源を効率よく循環させて持続可能な社会にして行く。
このような考えの元に建築に於いても色々な事が考えられています。
元々日本の建築は木と土と紙から造られていたのでサスティナビリティ
の先端を行っていたと思うのですが、西洋文明が入って来てから、物を
使い捨てにして循環を途絶えさせてしまったのが現在の状態です。今更
昔に戻ろうなどと時代錯誤の事は言いませんが、我々が遠い昔から長年
培ってきた事は体のどこかに残っていると思うので、その感覚を生かす
事が出来ればサスティナブルな建築が出来るのではないかと思っていま
す。
07年09月03日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei
07年09月01日

防災の日

今日は「防災の日」で地震などの災害を想定した非難訓練が全国各地で
行われています。そして地震に対する供えは各個人が行って置く事は言
うまでも無い事ですが、家に対しての耐震性能の把握はまだまだなよう
です。
そこで、皆さんが住んでいる役所に耐震診断を行っているか?耐震補強
の補助金などの助成制度等があるのかを問い合わせをする事をお勧め致
します。私の事務所がある世田谷区では耐震診断は区が無料で行ってい
ます。そして耐震補強が必要と判断された場合には耐震補強工事金の助
成制度があります。他の自治体でもこのような制度を持っている所も有
りますのでお勧めするわけです。

もしそのような耐震診断を行う制度が無い場合でも自己診断が出来る物
がインターネットで配布されていますのでこれを利用すればご自分で診
断できますので一度診断して、安心して生活できるようにしたら如何で
しょう。

財団法人 日本建築防災協会 「誰でもできるわが家の耐震診断」
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/file/wagayare.pdf
07年09月01日 | Category: 設計
Posted by: shimasekkei